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                    カシミアのセーター


 03/07/17

 
 
 忙しい旅程の中でも、やっぱりはずせないのが「お買い物」。
 
 「ま、いいか。」というわけにはいかない義理のお土産には、結構時間をとられるも のの手許には残らないし、土地の名物や旅の記念品は、時とともに、捨てられないけど少々置き場所に困るものに変わってしまうことがありますね。

 自分用のお土産は、何年経っても愛着が薄れず、目にする度にそれと出会った町や店のこと思い出せるようなものなのが一番! そして、その出合いが、新たなおつき合いのきっかけになったりすると、観光で通り過ぎただけの町が、特別な場所になります。
 観る、だけでなく、ちょっと係わりを持ちたくなるような、そんなお土産を紹介したくなりました。

  このページはいわば、わたしの自己満足の「お買い物リスト」のようなものですが、旅行の予定がある方は、覚えておいて損はないものだと思いますし、メールオーダーが可能なものも少なくありません。

 ただ、ごく最近に訪れた店でも、連絡先が今後も変わらないという保証はなく、常に正しい情報を更新していける自信がないので、細かな住所や電話番号の明記は避けました。興味をお持ちになった方はJUNまでメールで問い合わせて下さい。
 現在、メ−ルオ−ダ−等でおつき合いしている店に関しては、正確な連絡先と、必要ならば注文方法を、旅先で訪れた限りの店は、その時の情報をお知らせできると思います。

                        
               

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バランタイン【BALLANTYNE】のカシミアセーター(ロンドン)

 イギリスと言えば、毛織り物....ということで、イングランドのロンドンでもメイド・イン・スコットランドのカシミア製品はポピュラーです。
  初めてのロンドンでは、自分達はもちろん、お互いの両親や義妹のお土産にもカシミアのセーターを買って帰りました。スコッチハウスのもので、クリスマス明けのロンドンはセールシーズンに突入していて(ロンドン価格から)3割ほど安くなっていたと記憶しています。ただ、義妹とわたしのもの以外は無地でしたから、本当に安かったという実感は...無いとは言えないけど、という程度でした。メイド・イン・チャイナはいうまでもなく、日本製のものでも無地のカシミアセーターは随分安価なものが、日本国内で買える時代になってましたしね。
 でも、模様編みのものは相変わらず高くて...スコッチハウスのアーガイル模様は、わたしのセーターの中で“高級品”として君臨したのでした。


 バランタインのカシミアのインターシャのセーターを手にいれたのは、その後間もなくのことで、おりしもブーム再来の個人輸入がきっかけです。バランタインと自社ブランドを扱うBERKのカタログの中で気に入ったものがバランタインだったのですが、バラの花柄のセーターはスコッチハウスのアーガイルよりも高かったです。それでも、お得な買い物をしたことに確信が欲しかったわたしは、それまで寄り付かなかったデパートのバランタイン売り場で日本価格のチェックを試みて、目を疑いました。花柄でも10万、20万は当たり前の世界だったんですね...。
 幸せなことに、店頭にあったどの花柄よりも自分のバラのセーター(左イメージ)が好きだと思えたわたしは、自己満足に浸りながらも、バランタインは日本では買えないと思ったのでした。
 ですから、再びロンドンを訪れた時、 わたしはバーリントンアーケードにあるBERKで“いいもの”が見つかると期待していました。ところが、モノはあってもお値段が期待はずれ、と言うか、予想ほどには安くありませんでした。(バラ柄のセーターを買ってからは)円が弱くなる一方で、1ポンドあたり40円近くもの差が生じていたので、ロンドン価格が同じでも相当に高い買い物になるのに...カシミアのインターシャはセールの対象からはずされてたんですね。当時のレートで、花柄は6、7万円で(なんとか)ありましたけど動物柄は10万円を越えていたと思います。
 同じグレードの柄物を日本で買おうとしたら、2倍、3倍の金額を払うことになるのでしょうけど、最初から日本価格は対象外です。もちろん、本場だから安いといっても、セーターに10万円を払う気にはなれません。ですから、何も買わずにBERKを出た時、わたしは、2年前の円高の時にもう1枚買っておかなかったことを悔やんだものでした。

 ところが、求めていたものは、思いがけないところにありました。


 “お土産”探索のつもりで入店した伊勢丹ロンドン店で、なんとバランタインのインターシャがてんこ盛り! バランタインの品数を誇ると個人輸入マニュアル誌で紹介されていたBAERよりも柄はいっぱいあって、しかも30パーセントオフのセールアイテムだったのです。各色揃った無地のセーターやカーディガンは、元の価格が安い上に値引き率も高く、かなり求め易い値段になっていましたが、わたしの興味は動物柄でした。
 花柄と違って、通販用のカタログでは表情が掴みにくくて...花柄よりもかなり高いと言う理由もあってオーダーに踏み切れなかったものです。悩むうちに円が弱くなって縁も薄れていた動物柄は、猫、子猫、犬、子犬、ジャガーかヒョウ、あるいはチーターの猫科のモチーフが多種ありました。

 特に気に入ったのは、子猫のモチーフでした。
 細いカシミア糸で、細かく丁寧に編み込まれた子猫はどれも愛らしくて、チョコンとした尻尾にさえ、表情があるような気がしました。
 こんなのが欲しかったと思うわたしに、伊勢丹の日本人スタッフは、電卓片手にセーターのお買得度を力説。
 定価そのものが日本とは“比べ物にならないくらい”安いうえに、3割り引きというチャンス! さらにVATも値引きされて...これ以上のお値打ち品があろうかと言わんばかりです。スタッフの言うことは正論で、その話の根拠に嘘が無い事は理解できました。BERKに立ち寄って来た直後でしたしね。

 それでも(一応)わたしは躊躇したのです。モノはタフタのドレスではなくセーターなのですから....。例えどれほどお値打ち品であっても、わたしにとってのセーターの適正価格からははみでています。
 こういう場合には、販売スタッフの他にもうひと声(?)誰かか、何かに背中を押してもらう必要があるんですね。散財の責任から逃れたい心理だと思います。でも...異国ロンドンの伊勢丹で...わたしの側にいたのは、店のスタッフと主人。その主人はというと、躊躇する程度の執着なら、敢えては勧めないというスタンスだったので、自己決断を迫られたわたしは“やめた”のです。

 バランタインとしては安いけど、セーターとしては高すぎると、やめた理由を主人に説明しながら、自分でも納得したつもりでした。
 けれども、その晩ホテルで、わたしは(夢で)子猫に追いかけられたのです。
 
自覚していた以上に執着が合ったということでしょうか.....トラやライオンならともかく、子猫から逃げなくたってとは思いますけどね。
 とにかく..帰国してからでは子猫がトラに化けても(セータを)買いには戻れないンだからと、呆れ顔の主人に(ようやく)背中を押してもらえたたわたしは、スッキリ気分で子猫の“物色”へ。

 そこで前日以上の時間をかけて選んだのが、イメージのセーターです。(よりによって、子猫の数が一番多いものにひかれちゃいました。)
 背中は無地なので、後ろ姿はバラ柄と印象が変わりません。黒ではないベースの選択も考えましたが、黒の背景が子猫が一番可愛く見えるという主人の意見に、わたしも同感でした。

 翌年、子犬のモチーフもいいかも(夢は見ていません。)と思い立ったわたしは、冬のセールの時期を狙って伊勢丹ロンドンに問い合わせを試みましたが、伊勢丹ロンドン店はクローズしてしまっていました。

 たくさんあったバランタインのセーターは、在庫処分品だったのでしょうか?
 貴重な観光時間を少々無駄に使いましたけど、“超お買得品”との縁をつなぎ止めてくれた夢の子猫達には感謝、ですね。

                                            03/07/17
 


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