ホテルの感想 コンラッド・ブリュッセル【CONRAD
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客室(EXGECTIVE
ROOM)の正規料金560ユーロの超高級ホテルとはいうものの、お得な宿泊プランが用意されている大型チェーンホテルです。
我が家は朝食込み、218ユーロのプランを利用しましたが、比較的割り引き率の高いホテルのようで、出発まで1ヶ月を切った頃でも200ユーロ台での予約が可能でした。この事実は、早めの予約故にとてもお得な宿泊プランが見つかったと思っていたわたしたちには少なからずショックで.....560ユーロではなく200ユーロ台が標準のホテルをイメージしておかなくては、現地でもっとショックを受けるかもしれないというアドバイスのように思えました。
全面回収工事中という情報こそありませんでしたけど、 過去、ディスカウント率の高いホテルでは、工事、してましたものね。
でも、幸いにも今回は足場の影もなく、どこからも騒音は聞こえてはきませんでした。振り返って思い起こしても、結果、プランのお値打ち度はかなり高かったと感じます。
建物は、ヨーロッピアンテイストをうまく取り入れているので、一瞬クラッシックホテルのような印象を受けますが、古いものではありません。エントランス横と中庭回りはショップスペースでしたが、キッチンやバスルームの(非常に近代的な)ショールームまであるのには驚きました。
客室は、スウィート以外はデラックスとエグゼクティブの2パターンのみということでしたが、エグゼクティブルームのプランで予約したわたしたちが5日間滞在した部屋は角部屋で、客室のレイアウト図面(非常口の案内を目的にドアにはられていますよね。)を見る限りは、広めの1室でした。スウィートとしても利用できる客室を仕切っていたようで、隣室へ通じるとおぼしき室内のドアがロックされていました。この、隣室の音(特にテレビ)が聞こえやすいのが、この種の部屋の難点というところでしょうか。
下のイメージ、テーブルの右奥に見える白いものが隣と仕切られたドアです。 テーブル回りで話をする時はつい、小声になってしまいました。
ただ、御覧のように、広さも備品も十分で、非常に快適だったと言えます。イメージ中のトランクの大きさから、室内のスペースを推し量ってくださいね。
クラッシックな雰囲気はあるけれど、古くはない部屋で、雰囲気は楽しみたいけど不自由なのはイヤというわたしたちにとっては、最適なホテルだったように思えます。
デスクの向こうにはファックス、ミニバーにはコーヒーメーカーも用意されていました。紅茶のティーバックと一緒にカートリッジタイプのコーヒー豆とミルクや砂糖も揃えられていて、滞在3日目に、わたしたちは、コーヒーはどうやら無料らしいと気が付きました。
ホテルの案内、ルームサービスのメニューは数カ国語で対応していて、ありがたいことにちゃんと日本語もありました。
もっとも、ルームサービスのメニューは惜しいところで、役には立ちませんでした。というのも、メニューの日本語版のみに番号がふられているので、オーダーも番号でできるのかと期待したのですけど、電話の向こうのルームサービスのスタッフの手許に日本語メニューがないのです。番号を言っても通じません〜。結局英語表記と照らし合わせて注文することになりましたけど....他国語のメニューにも同じ番号をふっていれば、1番と6番と20番と...というだけで済むのにね。せっかくの心配りですけどあと一歩足りませんでしたというところですね。
この、あと一歩の不完全さは、ホテルの他のサービスでも感じるところがありました。
例えば“TURN DOWN”と呼ばれる夜のルームメイドですが....。
2日目は19時前にブザーが鳴ったので出てみると、若いスタッフが水を2本とスリッパをひとつ、スーっと差し出すので、受け取ったところ、彼女はそのままおやすみなさいの挨拶をして行ってしまいました。水は前日にナイトテーブルに用意されていたのと同じもの(右イメージ)で、スリッパは二人いるのになぜかひとつだけでした。それでも、毎日補充されるらしいことを知って、わたしたちは喜びましたけど、この日はこれでおしまいでした。最初、“配付”担当のスタッフの後から、“TURN
DOWN”のスタッフくるのかと思って、ルームサービスのオーダーも先延ばしにして待っていたのですけどね...。根負けして、自分達でベッドカバーをはずしました。
日中、ベッドは左のように整えられていて、クッションも並べられています。
“TURN DOWN”では、クッションとカバーが取り払われて、(その時間までに使っていたら)タオルが交換され、ゴミも回収されるわけですけど、朝が早い日本人観光客としては、スタッフを待つよりもくつろぎたいというのも本音で、3日目の夜は、わたしたちは20時30分頃にドアに“Don't
Disturb”の札をかけてしまいました。その時間までやってこなかった水とスリッパの補充もあきらめました。21時40分過ぎにドアの下から差し込まれているカードに気が付いたのですが、それには札がかかっていたので“TURN
DOWN”ができないことと、サービスを希望する場合は22時までに連絡をということが書かれていました。
ベッドカバーは既に取り外しているし、タオル交換の必要も感じないし....でも水だけは要求すべきか...と思案している間にタイムリミット、でした。
4日目の夜になって、ようやく初日と同じ部屋に整えられましたが、その時も水はベッドサイドに2本、スリッパはやっぱりひとつだけで、二つのベッドの間に敷かれた薄いマットの片方だけに新しい袋入りスリッパが置かれていました。2日目のスタッフがスリッパをひとつだけ差し出したのは....数を間違えたわけではなかったようです。
最後の夜は、カバーやクッションはクローゼットではなく部屋の隅に積み上げられて...ベッド横のマットはカットされました。(まあ、これは靴を脱いだ足をおろすスペースでしょうから、スリッパ履きの人間には不要と言えば不要なのですけどね。)この日のスタッフはドアにかかっていた朝食のルームサービスカードをそれぞれの枕の上に置いて“作業終了”でした。
鼻歌まじりで働く陽気さは共通してましたけど、作業内容にはオリジナリティーがあって、おもしろいと言えば面白かったです。でも、かなりアバウトですね。
人が違えば、結果も違うということは、ヨーロッパでは“良くあること”と言ってもいいと思いますが、それにしても水とスリッパだけを差し出して、室内に入ることをしなかった2日目のスタッフは...いけませんね〜。言葉の通じない相手が出て来たので、自主的に作業を省いたというとろこでしょうか?
コンセルジュ、ドアマンも、適度にアバウトで.....(わたしたちが理解するところの)持ち場を離れていることも多かったです。
コンセルジュの出勤は10時からということでしたし(28日は、遅刻して、10時になってもいなかった...。)ドアマンもエントランスの外でよりも中で見かけることの方が多かったです。必要があれば出てくるという感じで、到着、出発時以外は、エントランスを通る度にスタッフと視線(か、言葉)をかわすということはありませんでした。
ルームキーもカード式のものが2枚渡されたので、滞在中は自分達で携帯していました。
外出中のキーの管理はコンセルジュへという、ヨーロッパの伝統は取り入れられなかったようです。
ホテルの顔とも言えるコンセルジュとドアマンですが....ここのスタッフのある種の緊張感のなさが、ホテルの空気にもなっていて、5つ星の最高級ホテルとして紹介されているわりには、ほどよくカジュアルでした。
もっとも、この傾向は、わたしたちにとってはマイナスポイントにはなりませんでした。
日々、門番にドアを開けさせるような生活をしているわけではありませんから、 「お帰りなさいませ。」と迎えられなくたって、不自由さも不快感も感じないのですね。自由に出入りできる気楽さは、自分達が日常で馴染んでいることで、その意味では、このホテルは、日常に近い気分で滞在ができました。
必要なものがあらかじめちゃんと揃えられていて、あまり他人(スタッフ)の手を煩わせなくても、快適に過ごせることに加えて、ヨーロッパの雰囲気も楽しめるという...非日常への憧れと敷居の高さの間で悩む観光客にとっては、(不完全なサービスも含めて)バランスの取れたホテルだと思います。
ゆったりとしたレイアウトのバスルームは、バスタブとシャワーブース、トイレが別になっていて、シャワーブースのノズルは固定式でしたが、バスタブには引っ張ればのびる稼動式のシャワー設備がありました。ドライヤーは壁に取り付けられたタイプで、音のわりには風力が弱かったのが、残念でした。
ホテルからのプレゼントは右のイメージのゴディバのチョコレート。
カードが添えられて、サイドテーブルに置かれていました。ただ、今思い返すと、チェックインした初日は、このプレゼントとは別にゴティバの四角くて薄いチョコが4枚(ビターとミルクが2枚づつ)あったのです。おやすみチョコだと理解したのですけど、2日目以降、四角いチョコは1度も登場しませんでした。チョコは5日間分、前渡ししてるからということでしょうか? 初日のスタッフがこのことに気が付かずに、おやすみチョコも置いていったのかもしれません。2日目以降のスタッフが全員置き忘れたと考えるよりは、初日の4枚が手違いだったと考える方が自然ですね。
滞在中、わたしたちにとってはチョコよりも水の方がありがたかったので、おやすみチョコが初日だけあったことなどすっかり忘れていて、チョコの代わりに水を配るコンラッドのサービスを評価したものでしたが.....チョコと水の両方を配るのが標準なのかもしれませんね。
左のイメージは、エントランスから数段の階段上がったロビーフロアで、ツリーの向こうがレセプションです。レセプションの左部分がコンセルジュデスクですけど、スペースだけを見ても、コンセルジュの重要性はここでは“そこそこ”なのかもしれません。
コンセルジュデスクの左に見えるドアの向こうはビジネスセンターへの階段があって、上りきった中2階部分にセンターがありました。荷物の発送、翻訳、通訳、書類作成などの、秘書業務を代行してくれるところです。
翻訳業者を紹介して下さいという類いの依頼をコンセルジュにする必要がないということですね。ルームキーのカード化といい、本来はコンセルジュが担うサービスが、合理化されているのが、ホテルの格という観点からは気になりますが....充実した設備はサービスの不完全さを補うということを実感させられたホテルでした。
もっとも、コレを実感できるのは庶民の証。
特定のクラスの人たちは、ゲストにドアを開けさせるなんて...とドアマンの怠慢に憤るのかもしれません。
03/01/22
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