2002年12月27日から10日間、シーズンデコレーションも華やかなブリュッセルとパリで、非日常の時間を過ごして来ました。

　準備万端、憂いなしのはずが、多すぎた備えが憂いを呼び込むという大反省のおまけ付きの旅になりました。
　感動が大前提の毎日では、反省も刺激的というわけで、困惑、驚き、思案や悩みにポイントを置いたエピソードを御覧ください。旅の予定がある方にも、ない方にも、等しく楽しんでいただけるように、“観たことよりも体験したこと”を優先してピックアップすることを心掛けました。

　なお、内容的に「イタリア3都市エピソード」と重複する部分（特に“準備編”）はここでは省略しています。
　　　　　　　　　　　　　03/01/17　
　　　　　※ イメージは、ブリュッセルから送り返さざるおえなかった多すぎた備え、憂いの原因。

　 帰国の日（その2）17時だと言うのに、電光掲示板には13時台フライト案内が....。

　やむ気配のない雪がもたらす悪路の影響でスピードダウン...故に渋滞を予想して，大幅な余裕を持って行動したにもかかわらず、空港までの所要時間はおおねねガイド本のアドヴァイス通りでした。

　わたしたちの予想が取り越し苦労だったわけではなく、渋滞を右へ左へくぐり抜け、雪やみぞれの轍ができ始めた悪路を、ピュンピュン飛ばすタクシーに乗り合わせたことが予想外だったんですね。多少のスリルはあったものの，無事に空港まで運んでくれたタクシーを見送った時は、まだ16時半過ぎ...。出発まで4時間以上を空港で過ごすことになります。もったいないと言えば，もったいない話ですが、でも、あのままもう少しホテルでお茶を楽しんでいたら...とんでもないことになっていたのが、後で分かりました。懸念した通り、間もなく市内と空港を結ぶ高速道路は閉鎖されたとか。
　危ない、危ない。

　それにしても、困るのはなんといっても30キロを超える（超えてました。）ふたつのトランクです。
　ピュンピュンタクシーの運転手さんが、タクシー降り場から数メートル先にあるカートを持って来て、トランクも乗せて帰ってくれたので、運ぶのに問題はありませんけど、場所を取るんですね．買い物するにも、お茶を飲むにも、不自由だから、早く預けられればいいけどね、などど話ながら、わたしたちはターミナル2、Fホールの出発ロビーに向かいました。
　さすがに搭乗手続きができるとは期待していませんでしたが、まずは現地偵察しなくては...。下調べができるなんて、早すぎた到着の数少ないメリットというものです。時間だけでなく、状況を知ることで気持ちにも余裕を持って、それから、できるだけ有益で快適な４時間（実質４時間が、まるまるフリーではありませんが）の過ごし方を見当するつもりでした。
　ところが、出発ロビーからはいや〜な雰囲気が漂ってきたのです。人が多すぎ....しかも動きが見られない....。電光掲示板には数時間前のフライト情報がフリーズ状態で並んでいます。天気がこれ以上悪くならないうちにと、わたしたちが動き出した時には、既に空港自体が空港は閉鎖されてたのですね。

　冬の千歳空港でも（そういえば、金沢でも足止めされたことが....）幾度かは経験済みの事態ですが、まさか海外旅行で遭遇するなんて...代替え交通手段があるわけでもなし、延泊を選択できるほどの自由人でもなし、待つしかないわけですが、わたしたちよりも遥かに前から待っているのであろう人の群れを目の当たりにすると、自分たちの番ははたしてくるのかしら...？との不安に襲われます。飛行機はキャンセルもあれば遅延もありますから、一概に（フライトの）早い時間の順番とはいえませんけど、どちらにしても4時間先のフライト情報などどこにもありゃしません。
　おそらくは一時中止中の搭乗手続き待ちなのでしょうね、JALのカウンター前一帯は長蛇の列で、カウンターに近づく術もなし。最もカウンター内は無人で、海外では頼もしいはずのJALスタッフの姿は（この時点では）ありませんでしたけどね。
　こういう時、同じ飛行機を利用する仲間と出会えれば、多少は落ち着くのですけど、なにぶん到着が早すぎたわたしたちの仲間は見あたらず、どの群れにも寄り添えない心もとなさを感じました。それでも、何か様子がわかるかも...ということで、荷物番は主人に任せてわたしはホール内を行ったり来たり....。
　ロワシーが通行止めなったとか、成田便は使用予定の機材が到着してないのでキャンセルになりそうだとか、数カ所で噂話に参加して、日本への無事な帰国を目指す人達と励まし合いました。
　 そうこうしてるうちに目に着いたのが、エールフランスのスタッフでした。出発予定の便がないのか、カウンター前に搭乗客の姿はなく、スタッフは空き状態だったんですね。
　わたしたちが利用するのはJAL便ですけど、 これはコードシェア便。チケットはエールフランスで購入していることを思いついて、そのスタッフに自分たちが待機すべき場所を尋ねました。彼はわたしが提示したチケットを見て、搭乗手続きカウンター番号を調べてくれました。JALの※番カウンターだと....（やっぱりね）。でも、JALカウンターはその前の便の手続きを待つ人で近寄れないのよ、と言うと、大丈夫！　ビジネスクラス専用だからすいてるよとのアドヴァイスがありました。心強い情報でした。

　で、その※番カウンター、行ってみるとお客もいないけどスタッフもいない....表示もでてません。稼働していないんです。たまたまJALのスタッフが通りかかったので、確認すべく呼び止めました。ところが第一声は「あ，わたしはちょっとわかりませんので...。」なんですね。（まだ何も聞いてないじゃない。）せっかくつかまえた日本人スタッフなのでこっちも簡単にはひきさがれません。相手の手にチケットを押し付けて「こちらで待ってればいいんでしょうか？」と尋ねました。
　すると彼女「お客様！　これ、9時出発ですよ！」と驚きのリアクションなんです。「搭乗手続きは、1時間半前からですよ！」と...。
　なんか...感じわるいわね〜。
　搭乗手続き開始時間はともかく、出発時刻は知ってます！　余裕を持って動いたら（空港に）早く付いてしまって、仲間も見当たらない環境で，けなげに、待機すべき正しい場所を確認してるんじゃないですか！　
　結局，彼女から得られたアドヴァイスは時間になれば表示がでる、ということだけでした。本当にわからなかったのでしょうね。感じの悪いスタッフとの出会いはなかったことにして...親切なエールフランスのおじさんがくれた情報を頼りに、わたしたちはJALの※番カウンターのすぐそばで待機しました。30分ほど経った頃、添乗員に案内された団体客が、※番カウンターの横のカウンター前に列を作り始めました。
　
　エコノミーとビジネス、共に並んで 表示がでたのは、それからほどなくでした。

　搭乗手続き開始は、19時30分すぎ....。自分たちの番は、午前中から待っている（他の便利用予定の）人達よりも早くやって来ました。

　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　04/10/22　

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