画面のレイアウトが乱れる方へ

 2002年12月27日から10日間、シーズンデコレーションも華やかなブリュッセルとパリで、非日常の時間を過ごして来ました。

 準備万端、憂いなしのはずが、多すぎた備えが憂いを呼び込むという大反省のおまけ付きの旅になりました。
 感動が大前提の毎日では、反省も刺激的というわけで、困惑、驚き、思案や悩みにポイントを置いたエピソードを御覧ください。旅の予定がある方にも、ない方にも、等しく楽しんでいただけるように、“観たことよりも体験したこと”を優先してピックアップすることを心掛けました。

 なお、内容的に「イタリア3都市エピソード」と重複する部分(特に“準備編”)はここでは省略しています。            
               03/01/17 
     ※ イメージは、ブリュッセルから送り返さざるおえなかった多すぎた備え、憂いの原因。

気分はゆったり、でも荷物の発送にかかった費用はホテル代金2日分!

 2002年12月31日、翌日はパリへ移動というブリュッセルでの最終日に、わたしたちは二つの問題を抱えていました。
 ひとつ目はトランク(及び機内持ち込み用バッグ)からはみだした荷物...。列車の利用を控えていたので、ブリュッセルでは荷物を増やさないつもりだったのに、各店鋪で500グラムづつ購入したチョコレートも積もれば結構な量になって、ベルギーレースのリネンもスシリと重い固まりになってしまいました。
 しかも極めつけが、お両親や親戚へのお土産に選んだデルヴォーのグッズでして....スカーフやベルト、キーホルダーなどのトランクの角にちょんと押し込める優れもの軽くて場所をとらない素敵な小物が予定外の大物に化けてしまったのでした。
 左のイメージが予備に買っていたキーホルダーですが、御覧のようにコットンの巾着袋に入れられて、箱に納められてしまいました。箱はキーホルダーだけなら5〜6個は入ろうかという大きさです。4つ折りのスカーフは、キーホルダーの箱が4つが収まる大きさの箱に、薄紙に包まれて入れられました。箱の中味の大半は空気.....なんですが、予定していなかったパッケージとはいえ、箱があるのとないのではあった方がステキ、という事実を目の当たりにして、わたしたちには箱を処分する根性がありませんでした。
 スカーフの箱にキーホルダーの箱を入れて、スカーフはとりあえずひとつの箱にまとめて...とそれなりに運ぶ“空気”を少なくする工夫はしましたけど、それでもデルヴォーの箱はわたしのトランクの4分の1以上のスペースを侵食する結果となりました。ベルギーで増えたお土産のかわりにはじきだされたのが、ページのトップのイメージ....つまりは多すぎた備え、クリーニング上がりの下着やレストラン利用の際の服と靴など、パリでの3泊中には余分になるものでした。(クリーニングができないことも想定して持ってきた荷物です。)
  この量になると、もう選択肢はひとつ、送り返すしかないように思えました。幸い、ホテルのビジネスセンターで“荷物の発送”サービスも行われていましたから、わたしたちは袋4つに分散した荷物をビジネスセンターに持ち込みました。発送の決断をした30日に、どうせならついで...と買い込んだピエール・マルコリーニのチョコレートもそのまま預けました。
 手続きは宛先とホテルの部屋番号を書いて、発送物の“価値”を申告するだけの簡単なもの。代金は部屋付けで請求されるということでした。ビジネスセンターを利用するゲストは“必要経費”には頓着しないものなんでしょうか...?
  代金はともかく、宛先を書いた紙が、手近にあったメモ用紙のようなものだったことには不安を感じました。複写式の送り状にキチンと記入して、控えをもらえるものと考えていたので「控えは後でファクスしておきます。」と言われると「預かり証のようなものはないんですか?」と聞きたくなりました。聞きませんでしたけど....ビジネスセンターを利用するゲストはスタッフを信頼して“万が一”の事は考えないものなんでしょうか...?

それでも、とにかく、背に腹はかえられないのが我が家の事情。いとも簡単に余剰荷物から解放されたわたしたちは、市内散策に出ました。
 既に訪れたところへ再び足を運んで、新たな発見を楽しむというおまけのような市内散策でしたけど、初日に入館し損ねたチョコレート博物館をじっくり見ることができました。
 左は館内で実演中だったチョコレート製造の工程の1シーンです。写真をとってもいいかと尋ねると(実演中のスタッフが)ガラス越しだと反射するのでと、横に入っての撮影を勧めてくれたうえ、カメラに向けて(実演の)手を止めてくれました。
 型に均等に流し込まれたクーベルチュールチョコは右下のようなチョコの器なるわけですね。ガナッシュやプラリネ、クリームなどの中味を詰めて底になる型でふさげば、ひと粒チョコのでき上がりというわけで、型を使ったこの製法がベルギーでは一般的なようですね。(ガレピエール・マルコリーニは一般路線からはずれたフランス風というところでしょうか。)

 型そのものはポピュラーなデザインがあるようで、ロンドンやローマでも同じ形のチョコレートがあったのもうなずけます。
 ちなみに、実演の見学中にいただいた右のチョコはふつうの板チョコの味でした。

 この後、わたしたちは型抜きチョコが並ぶヴィタメールに立ち寄ってから、初日には閉館時間に追われてゆっくり観賞できなかった王立美術館に向かいました。市内中心部での移動は徒歩とトラム(左下)でしたが、歩いてみると街中の信号機の少なさに感心(?)させられます。最初の内はたまたま(自分たちが)そういう場所に遭遇したのかとも思いましたけど、行動範囲を広げても信号機がある方がマレなんですね。

 欧米では信号よりも自己判断を優先して、車が途切れたら歩行者信号が赤でも横断する人達を見かけるのは珍しくありませんけど、車が“途切れた”と感じる程度がちがうのでしょうか、わたしなどは(旅先でも)安全確認している間に、信号が青に変わるという具合ですから、ブリュッセルのように、それなりに交通量のある場所で信号機に助けてもらえないと、いつまでたっても渡れないという事態におちいってもおかしくありません。
 でも、これは(意識していなかった最初の頃を)振り返ってみても90パーセント以上の確率で、と言えると思うのですが、渡ろうとして道路の淵にたつと、車が止まってくれるんですね。例えば、道路寄りを走っていて止まってくれた車の横を、中央寄り車線を走っていた車が追いこして行くということもなく、ごく自然に、何台もの車が一斉に止まってくれるわけです。運良く親切なドライバーさんだったというより、お国柄と考えるべきでしょうね。主人は“渡ろうとしている人がいたら車は必ず止まりなさい。(ものすごく具体的!)”と法律で決められているんじゃないかと推測してますが、どうなんでしょう?
 規定があったとしたら見事な遵守率です。ブリュッセルの常識を身につけた人が日本で歩いたら、危ないんじゃないと感じるくらいです。(歩行者信号が青に変わってさえ、勢いで通過しちゃう車があるもんね...。)

 王立美術館では、1ユーロ以下のコインをかき集めて入場券を購入しました。

 実はこの小銭が“問題その2”だったんです。20ユーロセント5枚で1ユーロとはいえ、それをチップに使えるかというと...使いずらいんですね。
 店での買い物はカードを使うし、 チップで使う1ユーロ、2ユーロは常に不足状態で、チップを確保する為にカードを使うまでもない小額の買い物につい紙幣を使ってしまう....。小銭入れの中にたまっていくのは、20、10、5、2、1ユーロセント。使わなくちゃと思っている間に最終日...というわけで、美術館で使用を決行!(2ユーロセントと1ユーロセントは、パリの空港の免税店でも「お返しします。」言われた。返してもらってもど〜しようもないんだけど...。)
 王立美術館のチケット売り場は、館内の大きな一室があてがわれていて、発券カウンターのある正面を除く室内の壁に添って椅子が置かれています。わたしたちはカウンターから近い椅子に腰掛けて、掌に入場券分のコインを集めました。
カウンター内のスタッフの“覚悟を決めたかのような苦笑い”を視野の端に感じながらもがんばりました。「おう、やっぱり来たか...」というリアクションで迎えられましたけど.......笑顔とともに告げられた「Have a nice day」と「Happy new year」がうれしかったです。

 でも、2002年の締めくくりは、やっぱり(?)トラブル。
 ホテルに戻ると、発送を依頼した荷物の控えが届いていなかったのです。(部屋にファクスがありました。)やれやれと、ビジネスセンターにこちらから足運ぶと、なんとドアにはCLOSEの札が...。鍵もかかってました。すぐにフロントスタッフに、控えを預かっていないかと尋ねたところ、控えはないかわりに請求があがっていました。
 12月31日、ビジネスセンター利用代金、419.10ユーロ! びっくりしました。(朝食つきプランのルームチャージが218.00ユーロでしたからね。)
 送り状の控えは自宅のファクスに送信してもらうよう伝言を頼んで、帰宅したら、今度は間違いなく送信されていまいた。。(数日後に)無事に到着した厳重梱包の荷物は、持ち込んだ時ままの4つの袋がクッション材に埋もれているという様で、思いも寄らない大きさになってました。
 ビジネスセンターを利用するゲストは、 箱詰めはお客さま自身で...という発送サービスがあったら....2分の1くらいの大きさにまとめたのに...と嘆いたりはしないものなんでしょうか....。

                                         03/10/30 

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