画面のレイアウトが乱れる方へ

チョレート王国ベルギーのブリュッセルとチョコレートへのこだわりを見せるパリで、幾つかのショップを巡って来ました。
 ショーウィンドウの見事なディスプレイとともに、個性豊かなチョコレートたちを御覧ください。旅行の予定がないから関係ないわと思ってはいけませんよ。御紹介するショップ(メーカー)の大半は、今や日本に上陸済みなのです。日本にいて、食べ比べも可能な時代なのですね。
 もちろん、予定のある方はお出かけ前の参考に、あるいはお出かけする誰かにリクエストするお土産チョコの参考としてもお役立てください。
 なお、1部を除いて、チョコレートはこちらの好みで詰め合わせてもらったものです。
                         03/01/23


LEONIDAS (レオニダス)ブリュッセル

 ブリュッセルに滞在中に複数回利用したのが、レオニダスでした。
 
 最初の出会いは、実は日帰りで行ったアントワープ市内でのことで、ノートルダム教会に向かう途中に通りに面して並べられているチョコレートに目を止めたのが切っ掛けです。
  店の間口は狭く、ブリュッセル市内で見ていたチョコレートショップのように、華やかなディスプレイはありません。人目を引くディスプレイがあるべきスペースにも隙間な並べられていたチョコレートは、型抜きタイプの丈夫そう(持ち運びしやすそう)なもので、店構えや商品の外観から、わたしは最初、“地元で息づく小さな店”を見つけた気がしたのでした。有名、無名は別として、その場所でしか出会えない、雰囲気のある店には、ブランドショップよりも誘惑されやすいわたしは、ベルギー到着2日目にして、(後日に予定していた)チョコレート購入に踏み切ってしまいました。
 天気は傘が必要なほどの雨で、観光前ということで持ち物を増やしたくなかったにもかかわらず、ここで買わなくちゃと思い込んでしまったのは、そこがアントワープだったからかもしれません。数時間後、ブリュッセルに戻る列車に乗れば、もう接点を持つ可能性も期待できない街です。「どうしよう..」と熟慮している余裕(時間にも気持ちにも)はなかったんですね。
 1泊でもするという状況だったら、 当然先に観光を済ませているわけですが.....そうしていたら、わたしは、外気とガラス1枚隔てた通りに面して、チョコレートが置かれているという“こだわりのなさ”故に熱が冷めていたかもしれません。
 でも、その時は、遠慮なくチョコレートの種類をチェックできたからこそ足が止まった訳ですから、縁があったのでしょうね。

 一番興味をひかれたのは、右のイメージ、マロンの型抜きのホワイトチョコレートでした。ロンドン、ローマ、そして日本でも(たまたま)この形のチョコレートは自分の好みにピッタリとはまっているので、条件反射のごとく、欲求が反応してしましました。判読しにくい手書きのラベルには“マロン・ホワイト”か“ホワイト・マロン”という意味の単語が書かれていました。どちらにして栗に関係はあるらしい...。
 お値段はというと、これが驚いたことに500グラム6.25ユーロなのでした。
 思ったよりも高かったというこにならない為に、わたしたちは1ユーロをちょっと高めに130円で換算していましたけど、500グラムが800円強ということになります。あまりに安すぎると警戒心が働くもので、6の横に1が隠れていないかと目を凝らしたものでした。輸入チョコレートと言えば、ひと粒200円、300円は当たり前という環境に慣らされてしまっている身としては、1か2が隠れていても、驚くことはありませんね。

  間口のわりには奥行きがあるものの、やはり店内は広くはありませんでした。
 迎えてくれたスタッフとわたしたちを仕切るショーケースには、外から見たのとはまた違う形のチョコレートが並べられていました。ただ、ショーケースは...L字を左回りに90度回転した形をイメージしていただくとわかりやすいかと思うのですが、通りに面したガラスの壁にピタッリとくっついている短い部分(外から見えた部分)が、(店の中のショーケースの外にいる)わたしたちからは。直接見えないんですね。指で差し示して選ぶということができない....。しかも、リストはないというのです。
 それで、自分たちの好みをおおまかに伝えて、500グラム用の箱にどれを詰めるか、選ぶのはスタッフに任せました。
 好きなフレーバーはコーヒー、紅茶、ミルク、バニラ、フルーツなどで、ビターチョコにプラリネフィリング、ナッツやキャラメルなどのハードフィリングは好きじゃないというわたしのリクエストに応じてできあがったのが、上のイメージです。上の1段を取って撮影しました。箱の中は3段重ねで、いちばん下もおおむねまん中と同じ形の物で埋まっていました。並んでいる種類が多かったわりには、箱の中には同じものが4つ入っていたりするところを見ると、こちらのリクエストに合うものは“少数派”だったようですね。
 ただ、スタッフは自分の前のケースからばかり選ぶので通りから見たチョコレートが全く箱に収まる様子がないのが気になりました。
 それで、最初に目をつけたマロン型の白いチョコレートだけは、最後の空きスペースに詰めてもらったのですが....。わたしが好みのラインナップにホワイトチョコレートを入れていなかったのが、問題だったようです。
 わたしは、フレーバーをフィリングの風味というつもりで伝えたものの、スタッフはクーベルチュールチョコレート(コーティングチョコレート)とフィリング(中味)を分けて捉えたようです。つまり、わたしのリクエストは、コーヒーや紅茶、バニラやフルーツ風味のフリングをミルクチョコレートでコーティングしたものとして、理解されたのでしょうね。正しく、文章で伝えていれば起こらなかった失敗です。もっとも、スタッフもわたしもやむなく“英語”を話しているという状況でしたから、下手に文章会話を試みていたら、かえってややこしいことになっていたかもしれませんが....。

 チョコレートはひと粒をそのままよりも、割ったものの方が特色が掴みやすいと思います。

 型で抜かれた回りのチョコレートは、ケーキナイフにも負けないハードな仕上がりで、切り口が乱れました。
 底(工程をイメージすると蓋になるのかもしれませんが)の部分は一際厚みがあって、板チョコさながらの食感でした。フィリングとのバランスを思うと、少々チョコレートが勝ち過ぎるかなあという感じです。
 高級チョコというよりは、ボリュームが嬉しいカジュアルな普及品という印象を受けました。幾分は、価格に印象が左右されたかもしれません。
 500グラムは、まぎれもなく6.25ユーロでした。厚みのあるチョコレートのせいで、ひと粒の重みがあるのでしょうね。500グラム当たりの数としては少なめの34粒でした。

 この店がレオニダスだとわかったのは、ホテルに戻って、しげしげと箱を見て...後のことで、聞き覚えのある店名として認識したのは、その時です。銀座に出店したという噂を思い出しました。

 ただ、店に対する情報は少なく、我が家が持参したガイド本にも“路上販売を貫抜くことで発展した...”(個人旅行)という非常に簡単な説明はあるものの、ショップリストには紹介されていませんでした。ブリュッセル市内のどこに店があるのかも、その日は分からずじまいで、わたしはアントワープでの偶然の出会いを喜んだものでしたが、
翌30日からは、グラン・プラス近くや地下鉄の改札口横、あるいは駅の構内など、あちらこちらでレオニダスに出会うことになりました。(週末下ろされていたシャッターの奥はレオニダスだったという...)なんといっても価格は格安ですし、人が集まる場所に大きく扉を開けてあるので、ブリュッセル市内の店はどこも賑わっていました。
 お土産に使えそうということで、わたしたちもホテルへの帰り道に2度立ち寄りました。でも、雨のアントワープで利用した店のように、パーソナルセレクトができそうな雰囲気はなくて、ブリュッセルで追加したのはお任せパックばかりです。
 出会った瞬間のときめきが.....短時間の内に平常心泊数に間で落ち着いてしまったというのが正直なところですが、日本国内5つの店鋪は、本国とはうって変わって大層な設えのようです。チョコレートは直輸入ということですが、3倍以上の価格の差が悲しいですね。
 
http://www.leonidas.jp(レオニダス日本版HP 2005年3月18日最確認済み)

           
                                         03/03/12 

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