画面のレイアウトが乱れる方へ

 

 ローマ、フィレンツェ、ヴェニスを12日間の急ぎ足で見て参りました。
観光名所やお勧めスポットなどは、美しい写真と共に多くのガイドブックで詳しい紹介を見ることができますから、ココで観光ガイド的な旅行記を展開することには、あまり意味を見出せません。
 たとえば、コロッセオの迫力を説明して、それを見たわたしの感想を伝えることよりも、駅前で剣士の衣装を付けたおじさんと一緒に写真を撮ってから、請求された金額が果たして妥当なものだったのかどうか、いつまでも悩んだというようなエピソードを中心に進めていくつもりです。         
                           01/01/16  




   

復習と反省

 およそ2年にわたって展開したイタリア旅行のエピソードも、ようやく最後のページにこぎ着けました。

 喉元過ぎて...熱さも忘れそうなほどの時間が経ってしまいましたけど、忘れることなく次回に活かしたいポイントをいくつか書き留めておきます。

服装のこと
 旅先のホテルにとって、わたしたちはいはば“一見さん”ですから、到着して、ドアマンにタクシーのドアを開けてもらった時に
第1印象が決まります。長時間のフライトを考ええば、できるだけラクな服装が理想ですけど.....夜もかなり遅くなってからの到着です。カジュアル・スマートで決めたいところですが、長旅ということで、とりあえずスマート脱落....。

 ラフにだけはならないようにと心掛けて、その為に機内での着替えを持参して荷物を増やしているわけですが、空調の効いた機内は、相当薄着でも大丈夫なことがわかりました。今回、わたしが持参したのはジャージー素材の半袖のワンピース(夏物)でしたけど、おおむね快適に過ごせました。ただ、主人の方はポロシャツにスウェットパンツでしたから、これがかさばりました。ポロシャツの代わりにTシャツ、パンツも薄手のものでいい気がします。
 もしもの寒さに備えた、カーディガンの持ち歩きは不要でした。

 最高気温がマイナスという時期の出発でしたから、道中での寒さ対策に気を使ったものの、自宅前からタクシーでしたし、空港内は暑すぎるほどで、コートはその時から邪魔者でした。飛行機が遅れて、成田到着が夜になったので、ホテルからの送迎バスを待つ間だけ、温かいコートを重宝しましたけど、予定通りの行程ならば、千歳空港からミラノ到着まで(主人は)コートを着なかったかもしれません。暑がりなんです。
  ただ、コート無しでは憂いがありますから....要は、コートの下はもう少し軽くすべきなのでしょうね。

 出発時の服装は、外気温よりも暖房が効いた室内を想定して、コートを脱いだら早春の装いでいいのかもしれません。

荷物のこと
 たとえ一時期でも、自分の手を放れて人任せになるトランクに、何を詰めるかということをあらためて考えさせられました。

  到着した空港で、受け取るべきトランクが出てこなかったり壊れていたりのトラブルに遭遇した時の対処法は、旅行本などにも説明はされていますが、対処はできても不便さや困惑が解消されるわけではありませんものね。万が一の手違いに備えて、わたしたちは1日分の着替えは機内持ち込みに持つの中に入れておくのが常ですが、これは海外旅行の往路での話。
 帰路は根拠のない安心感から、備えも適当になります。VAt返金の手続きの為には預けることができないものが手荷物として増えるので、スペースもなくなりますしね。そのまま自宅に向かう場合には、わたしはメイク用品も持ち歩かないこともありました。よそ行きの顔はよその国をおいとまするまで....というわけで。
 ただ、今回は後泊の予定がありましたから、最低限の備えはかろうじて手荷物の中にという状況でした。メイク用品は持ってはいましたけど、それはトランクにスペースがなかったからというわけで、積極的に手荷物にしたわけではありませんでした。
 ところが、手違いではないのでしょうと言いたくなるようなトランクの大量積み残しの“犠牲者”になってみると、下着よりも化粧品よりも御近所へのお土産優先して持ち歩くべきだったと感じました。帰国便の関空到着予定は午前中です。ホテルの横の高島屋で購入できるものを手荷物にする意味は、あるとすれば無駄遣いが避けられたことくらいですよね。それも大事なポイントですけが、もしもトランクが、もっと深刻な万が一、つまり紛失や破損、破壊の被害にあったらと考えると(その場合、義理土産どころではなくなりそうですけど)帰路、携行する荷物の優先順位は決まってきます。VAT返金の手続きが必要な高価な土産物の次に来るのは、旅先で購入したものかもしれません。その大半は、日本から持参したものよりも優先すべきかなあと感じます。
 特に気に入って買ったものなら、キーホルダーひとつでも、貴重な出会いと思い出の象徴ですしね。

 とはいえ、外せないのが一番スペースを取りそうな、機内でリラックスウェア......。ヴァージンのアッパークラスでは配られたものですけど、その時でもわたしは持参したものに着替えていました。直接身につけるものへのこだわりは、チョコレートやキーホルダーには優るのも、やむなしでしょうか。

申告(VAT返金と課税)のこと
 所定の手続きをしておけば、帰国してから1ヶ月か2ヶ月.....忘れた頃にVATは指定のカード会社に返金されるはずですが、今回はVAT返金の不確実性に泣きました。ドタバタとしたマルペンサでの手続きに不備があったかもと考えた時期もありましたけど、ちゃんと返金があった店もありましたから、手続き上の問題ではなさそうですね。比較的高額の返金が期待できたところばかり3ケ所程が“音沙汰なし”で、メゲました。
 メゲたままで終わってしまったのは、証明印をもらった用紙は店に送ってしまっていて、手許にはいっさいの記録がなかったからでした。返金を受ける為にはレシートも提出してしまいますから、手許に残るのはクレジットカードの控えだけなんですね。読みにくいイタリア語の店名と合計金額だけのペラッとした控えでは、どれが何だか分からない...状態なんです。見当は付くけれど、交渉するにはデータ不足でした。

 実は、ロンドンやパリでも返金の手続きはしてきたのですが、その時は複写式の用紙の内、一番上のもの以外に2〜3枚が手渡されていました。1枚目は送り返すものですが、手許にも控えが残っていたんです。どこの店から幾らがどのカードに返金になるかということが明記された控えがありましたから、帰国後のチェックも容易でした。
 ところが、イタリアではこの控えにあたるものがいっさいありませんでした。 それぞれの店からの返金予定額くらいは手帳にでも書き留めておくべきでした。わずかの手間を惜しむものではありませんね。
 
 今後は、購入日と購入店、買ったものやその値段と一緒、VAT返金予定額を記入できるような、買い物記録表のようなものを作成して持参しようかなとも考えています。いづれ、税関申告書も作成しなくてはなりませんから、ひと目でわかる買い物記録表は、役に立ちそうな気がします。

 でも、正しい手続きを経ていても、なぜか...VATが戻ってこないこともある...。(今回が初めてです。)今にして思えば、ヴェニスで現金での前倒し返金を受けておいて良かった気がします。手数料が無駄だからという理由で、カードへの返金がいいと思って来ましたけど、確実なのはなんといってもニコニコ現金払いですね。



お土産のこと
 毎度のことながら、帰国してしまってから、もう少し、あるいはあれも買ってくれば良かったと、しばらくは未練をひきずっていました。
 旅の先では財布の口は空いたまま....とはいえ、日常を完全に切り離すことはできないんですね。時々は主婦の本能が頭をもたげるのか、意識して空いた財布の口を閉めることがあります。で、その結果、買ってこなかったモノを想って、今回もまた、ため息をつきました。逃した魚は大きく、後悔は先にたたずの状態です。

 ブランドものの、高価なバッグの話ではありません。
 わたしは基本的にはブランド嗜好は無いつもりですし、多少の誘惑物に対しても、それが自分の日常環境の中でバランスよくおさまると思えなければ、強い欲求には繋がらないので、例えば本気でエルメスのバッグを欲しいと感じたことはないんですね。でも、洒落たスティショナリーやきれいなリネン類は欲しいんです。通りすがりに目に止まった、ショーウィンドウに飾られた革の小物は、欲しい.....。
  帰国後の日常に旅先でのエッセンスを加味して、その日常を少しばかりグレードアップしてくれそうな、いわゆる“日用品”に、わたしは弱いんですね。
 ところが、この種のものはだいたいにおいて、日本では補充がききません。
 フィレンツェの紙製品は使えばなくなるし、ヴェニスのレースは(やはり)汚れていくし....愛用し過ぎて色艶ももご渡な(ローマで見つけた)財布は、わたしたちよりも先に寿命がつきそうです。美しい刺繍に見とれて買ったティッシュボックスカバーは、わずかに1枚。
  いづれも“そのカテゴリー”においては贅沢な仕様で、安いものではありません。予備買いを躊躇した結果、“とっておきのひとつ”になってしまって、大事にしまっている日用品が今回もあります。
 日用品、まとめ買いの思いきりのよさが、今後の課題です。

                                        
02/12/25 

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