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 2013年、11月初旬、秋の気配が深まったパリ観光に出かけました。

 前回のロンドン観光と同じ理由で、関空発、エミレーツを利用しての6泊9日。2度目のエミレーツは、学習の結果、ドバイでの乗り換えや長時間フライトへの不安も無く、他社との比較も無く即決。チケットは、公式HPでの価格をチェックしながら、数ヶ月前に購入しました。


 ホテルに関しても、前回、ロンドンの旅に学びました。

 規模はほどほど、ただし、ホテル自体のランクよりは客室のスペース(快適さ)にはこだわり、価格との折り合いがつくところで、ドーブッソンを選択しました。オペラ地区以外でホテルを検討したことは初めてで、でしたが、不慣れな地区でのデメリットは,許容範囲に収まり、今後の選択肢を増やしてきた気がします。

 旅の目的は、改装が終わったオルセーと、記憶が薄れかけたルーブル再訪問、ショートトリップは、フォンテヌブロー宮殿とバルビゾンのコースを、出発前に申し込みました。
 街中では焼き栗り売りの姿を見かける季節、ポピュラーなショコラティエではマロングラッセがそろい踏みするには少し早い時期、マリアージュフレールキャッスルトンのオータムナルがスタッフのお勧めアイテム....未体験のパリの秋色を楽しんできました。

                                   13/12/04 

  
 更新日  23/09/17    

ホテルの感想 ドーブッソン HOTEL D'AUBUSSON

 限りある予算の配分を、ホテル全体のランクより実際に利用する客室のグレードに重きを置いてみようという試みが『大正解』だったロンドンの経験を活かして、パリのホテルは4つ星、3つ星をターゲットに検索をはじめました。

 初利用のホテルがハズレだった場合に備えてはずせないのがやっぱりブリストル、後半、い〜え、せめて最後の一泊をブリストルにしておけば「おわりよければ...」のいい旅が保障される安心感も、今回は捨てました。ブリストル6泊は、予算はもちろん、精神的にもキツい...。日常とのレベル格差が大きくて、2泊3泊なら刺激的で感動的な非日常体験ですが、その非日常にストレスを抱え込まずに6連泊する自信はありません。
 と言うことで、余り規模の大きくない4星クラスで30uくらいの広さ....となると、デプレックス、ジュニア・スイート....例えばル・グランのデラックスルーム(オペラビュー)の方がお安かったりすると、前回参加したツアーで利用することになったル・グラン(客室は2〜3ランクアップ)は思っていたほど悪くはありませんでし、ル・グランで手を打ってもいいかもと思うことも何度か...大型ホテルの気楽さにロケーションの良さも捨て難い要因でしたが、ただ、やっぱり(と言っていいのか)評価はひくいんですね。某トリップアドバイザー1800余のホテルの中で260位前後...最も我家がこれまでに利用したホテルはブリストリ以外はどこもそんなもので、これをして候補から外す絶対的な理由にはなりませんが、せっかく新規開拓しようというのですから、一応50位くらいにランクインしていてミシュランガイドにも載っているのが理想じゃありませんか。

 ホテル選びをしている当時、結構長いこと1位の座にあったのは、ホテル・ファヴァールでした。
 ホテルの規模、ロケーションも、スイートの広さ約35uというのも我家の条件にぴったりだったものの、ホテルの方式HPや、画像を見ても食指が動かず...と言うよりも好みとは少々違っていたので、選択肢から外し、ロケーションをオペラ地区に限定せず候補を拡げた結果、選んだのがドーブッソンでした。サンジェルマン・デ・プレ界隈にあって、概ね30位〜40位間を上下していたホテルです。プチホテルといっていい規模で、夕食営業のレストランが無いことが、最大にして唯一の問題点ではありました。宿泊ホテルのレストランで夕食をとるのは1回くらいなので、無いならないで....いえ、夕食営業の店が無いと言うことは夕食時のルームサービスも無いということ...だとすれば、やはり不便かもと思うわけです。...わけですが、この規模のホテルでは客室数にもかぎりがあるので、ジュニア・スイート6連泊となると、まだ先の話しだし、焦って申し込まなくても大丈夫と構えてはいられないんですよね。多少サービス価格になっているかわりに、キャンセル不可だったり、予約時に全室料前払いだったりするホテルもある中で、ドーブッソンは早めに予約するリスクはありませんでした。支払いは現地、チェックアウト時、キャンセルも前日までならペナルティーはありませんでした。それで、気持ちの3割くらいは、とりあえず....一つは確保しておかなくちゃと言うことで、予約に踏み切りました。
 ドーブッソンに関して、口コミには悪い評価ももちろん数件はありましたが、予約時点では最も新しい悪評が2011年のものでしたし、内容も我家の価値感では許容範囲でしたし。公式HPのオンライン予約で約35uのジュニア・スイート予約。ただし、ベッドはキングサイズ1台と言う説明が表示されたので、可能ならシングルベッドを2台のリクエストを添えました。
 その後、時折は他のホテルもチェックはしましたが、ドーブッソンから乗り換えるほどの“物件”は見つからず、我家は初めて夕食営業のレストランのないホテルに6連泊の挑戦に踏み切ることとなりました。

 ホテルは中庭のある5階建てで、わたしたちの部屋のある5階はコンパクトなエレベーターホールの左右に3〜4室のジュニア・スイートがある作りで、正面玄関のある棟とは別棟だった気がします。二辺の窓からもホテルの前の通りは見えませんでした。フロントデスクは入って左手、右手にバー、その奥にラウンジ、バーとラウンジの間を左に折れると朝食レストラン(レストラン手前にエレベーター)というレイアウトで、不評の理由(夜間の騒音)に上げられていたジャズナイトが開催されるバーから我家の客室は離れていたようで、音の害を被ることはありませんでした。
 (右下イメージ 向って手前がラウンジ、一段低くなった奥がバー、エントランスとフロントデスクはバーの右手。ラウンジの境目を右におれると客室に向うエレベーターと、その先にレストラン)

 チェックイン時に、キャンペーン中のサービスということで、ワインの試飲会やらセーヌ川クルーズのチケット引き換えクーポンやらがセットになった封書がわたされました。試飲会の参加は無理、クルーズチケットは購入済み...ただ、お茶(ティータイム)の無料サービスもあったので、こちらは利用すべくチェックアウト前日の15時に予約を入れました。場所は、バーかラウンジか、客室内のどこか好きなところでと言うので、わたしたちはラウンジを選択しました。
 ホテル内のWIFIはフリーでパスワードも不要。インターネットもパズドラもストレスなし。最近は本当に便利になりましたね。

 わたしたちの客室は入って左手にバスルーム、2枚目のドアに仕切られてベッドルームがある作りでした。
 ベッドは、一見キングサイズ1台のように見えますが、シングル二つがくっつけられていました。チェスターフィールド同様に、ヘッドボードのラインよりもマッドが少しだけ飛び出ている状態で、その分2台のマットの間に隙間があり、そこにそれぞれのコンフォーターが挟み込まれていました。察するに,こちらのリクエストに応じてマットを入れ替えたのではなくピタッとくっつけておかれたマットのうえの寝具を二人用から一人用二組に取り替えられたようでした。ツーベッドのリクエストは、マットの振動や寝具の隙間などのストレスを回避するためなので、ベッドカバーが1枚ものでも何の問題もありませんでした。

 脚つきクローゼットの内部はハンガーラックと棚とにわかれていて、セーフティーボックスは棚に据え置かれていました。奥行きもあり、持ち込んだ我家の荷物はほぼ収納可能でしたが、引き出しがあれば言うことなし!だったでしょうか。
 室内の引き出しはライティングデスクと、サイドテーブルに付随の小さい(または浅い)ものだけだったので、小物はおさまりましたけど、クローゼットの棚は、1週間分の着替えを中心に、日ごとに乱雑になっていきましたっけ。室内に充分なスペースがあるので、ローチェストを一つ!と要望したいところでした。使わすに終わりましたが、アイロンとアイロン台、ホテルロゴマークつきの傘も常備されていました。自分の(折り畳み)傘よりしっかりしてるし、自分の傘を濡らさなくていいし...で、ありがたかってホテルの傘を持ち歩いた時代もありましたが、不要に目立つ行為は避けるべしと気づいてみれば、本当に、街中でホテルの傘をさしている人は、殆どみかけないんですよね。常備品の傘はどのくらいの率で使われているのか、気になるところです。

 傘と違って、毎日ありがたく使ったのが室内に準備されていたカフェメーカー。(上イメージ 右 ドアの横)
 我家愛用のネスプレッソとは違うメーカーでしたけど、カカプセルのバリエーションが多く、トワイニングのアールグレイまでありました。
 エスプレッソのカプセルとミルクのカプセルを組み合わせてカプチーノができたり、ホットチョコレートらしきカプセルもありました。ただ、アールグレイを飲んだからと言って、アールグレイが補充されない....。カプセル自体はいくつも残っているんですが...カプチーノでも飲もうかと思っても、ミルクカプセルが不足してエスプレッソしかできないという.....。2日目の午後にカプセルのリクエストをしたところ、すぐに持ってきてくれましたが、ドアを開けたらスタッフが両手でカプセルを持って立っていて、そのままテーブルのうえにゴロゴロゴロと...両手一杯の中味はといえば、これだけあってもカプチーノは2回分か....という、かなり自由な組み合わせでした。二人いるのに、アールグレイが3個とかね。この辺りのアバウトさと言うのか、おおらかさは、ホテルからのプレゼント(多分。未記載のサービス。)にも共通していて、毎日、観光から戻るとテーブルのうえに置かれているアイテムが異なりました。
 最初(二日目)はフルーツの盛り合わせ、次がフルーツの盛り合わせとエルメスのフレグランス、翌日は水が一本、次はまたもやエルメスのフレグランス、翌日は水というぐあいで、バランスはよろしくなかったです。フルーツの盛り合わせが続いた時には、毎日届けられるのかと期待しかかったところに、水一本だと...ありがたいはずの水が.....。
 実はチェックイン当日の夜にもワインかなにかを持ってこられたのでした。
 何かと言うのは、受け取ることができない(スタッフを室内に通すことができない状態。荷物は散らかり、主人はバスルーム、わたしは風呂上がり)状態で、ドア越しに断ったから...。と、いうのも、唯一困ったことに、客室のドアにはドアスコープなし、ドアチェーンなしで、訪問者を確認出来なかったのです。鏡が多く紹介出来るイメージはありません。ノックの度、軽いストレスを感じました。99%は間違いなくスタッフなんでしょうけど、1度は「どなた?」と尋ねると間違えたとかでいなくなった訪問者もあって、ドアは開けにくかったです。で、夜のターンダウンサービスは全日断りました。もしかしたら、水やお休みチョコがね...いただけたのかもしれませんけど、ターンダウンの内容は判らずに終わりました。
 

 ドアの一件を除けば、客室は充分なスペースがあり、お風呂はジェットバス仕様(鏡が多く、紹介出来るイメージはありません。バスタブの仕切りにバスカーテンは無し、タオルヒータは無し)で、アメニティーはエルメス、インターネットの環境は整い、空調も良好、お湯の勢いにも不足はなしということで、6連泊の満足度は高かったです。
 その高い満足度をより高みに押し上げたのが、朝食のおいしさだったでしょうか。
 ビュッフェとはいえ、この規模のホテルですから決してアイテムは(例えば、ル・グラン・インターナショナルのようには)多くはありません。 ハム、チーズ、スモークサーモン、ヨーグルト、フルーツ、6種の温かい料理は日によってマッシュルームのソテーがホテトのソテーにかわるくらいで、ほぼ連日同じ物がならんでいましたけど、飽きることはなかったですね。
 常時提供されていた玉子料理はスクランブルエッグ。別に、ボイルドエッグメーカーが用意されていて、好みの固さのゆで卵をその場で作ることができました。リクエストすれば目玉焼きも作ってもらえるのは,欧州のホテルではおなじみの光景といいましょうか。フルーツタルト、キッシュ、どれもおいしかったですし、それれよりなにより、パンと正真正銘のフレッシュジュースが絶品でした。
 パンはとくに、上イメージ右から2枚目のプチバケット。初日には、あらかた食べ終えた頃合いに出てきた焼きたてパンで、満腹の悪条件下で尚、もう一本!の誘惑にかられる程でした。

 翌日はバケット焼き上がり(?)の頃を推して行くと、バケットは既にあったけれどクロワッサンはなくなってましたっけ。フルーツタルトは、4日目以降、なぜかブリオッシュに変わりましたが、ニューアイテムもバケットの前には魅力半減で、素通りしてしまいましたが、おそらくそれはそれでおいしかったに違いないと思わせられる内容でした。

 ティータイムサービスのお茶は、マリアージュ・フレールのコットンボール(ティーバッグ)が使われていました。

 お茶のお伴は、2段の小さいトレイにマカロンカヌレ、やフィナンシェの焼き菓子がついたセットで、無料サービスの予想を上回る内容でした。
(左イメージは、お茶がでてくるまでの待ち時間に撮影したテーブルのうえ)
 
 定宿に...という表現を使える程の機会を期待できませんけど、また利用したいホテルの一つだった気がします。

                          14/01/07 


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