画面のレイアウトが乱れる方へ


 
                               

 2009年の夏の終わり頃、我家では久々に海外旅行の計画が持ち上がりました。

 日程は10年3月下旬から10日前後、主人が休みを取るという前提の計画です。
 年末からのをアテにして、年明けには飛行機の座席を確保、ホテル選びを始めてきたこれまでとは違って、今回は思い立ってから出発までの準備時間が、我家にとっては不十分。しかも休暇も計画段階では年末年始程の確実性が無いということで、個人旅行ではなくお手軽なパックツアーの利用で手を打つことになりました。
 ならば、個人では足を伸ばしにくい場所もこのさいだから...ということで、
 エディンバラと湖水地方、ノイシュバンシュタイン城をハイライトにしたドイツ周遊などにもゆれうごかされながら、およそ1ヶ月後に、モン・サン・ミッシェルとルーアンの大聖堂、そして、ルーブルでもオルセーでもなくパリではオランジュリー美術館を訪ねるコースに絞ってパンフレットを比較検討の末、『パリとフランスの世界遺産を訪ねる8日間』を選択しました。
 
 主人にとっては初の周遊型海外パックツアーです。
 義妹とのドイツ、母達とのニュージーランドに続く3度目となるわたしとしても、得意なスタイルではありませんが、限られた日数内で行動範囲を拡げようと思えばバスで移動する周遊型ツアーの利点は侮れません。
 それなりの覚悟をもって、5日連続の宿替えと団体行動に挑戦することになりました。とはいえ、ストレス(自分たちのペースで動けないことに対して)を抱えての帰国は残念なので、自衛策として帰国日を延長、パリで3日間のフリースティを添えての9泊11日間の旅となりました。

                                    10/03/26 

 



 今回参加したジANAハローツアーについての感想のなかから、特に帰国後の意見・感想受付(おかえりダイヤル)担当者に話をした項目を紹介しています。良い、悪い等の段階評価が主のアンケートでは、伝えにくかった具体例です。ツアーの内容自体の評価とは分けてご覧ください。
 
  
                       

現地ガイドのアドヴァイスによる、フランス流トイレの利用術
 
 団体行動、それも長時間のバス移動を伴う団体行動の場合に、気になる問題の一つにトイレ休憩のタイミングがあるかと思います。
 気になるままにしておくのはストレスともとというわけで、成田空港で添乗員に対面した時に、わたしはパリ到着後のバス移動中(予定ではおよそ212キロ、2時間45分)のトイレ休憩の有無を確認しました。もちろん“ある”という話にくわえ、ツアー中はだいたい2時間をメドにトイレ休憩を取る予定とのことでした。
 この段階で、“ない”とか4時間毎をメドに...と聞かされてもどうしようもないんですが、こちらも安心材料として聞いたまでのことでして、回答内容も予定通り....本気で心配していたわけではありません。
 ちょっと脱線しますが、だいたい2時間というのは、割とよくあるくぎりのようで、これまで参加した周遊型ツアー(2回だけですが)も、現地で参加したオプショナルツアー(日本人対象)も、やはり、ほぼ2時間毎に休憩が組み込まれていたと記憶しています。何かのデータからはじき出された根拠のある単位なのか、自然と慣例化した“常識の範囲”のかはわかりませんが、例えば舞台などでも2時間を越える演目になるとちゃんと休憩がもうけられていますよね。トイレを利用する頻度には個人差はあるものの、大半の人が無理なく団体行動が出来る単位として、2時間は割とポピュラーな単位のように思えます。
 
 
 ドゴール空港に到着後、ツアー参加者8組、18名は、待機していたバスに向う前にトイレを済ませて集合するようにとの案内を受けました。たいていは到着前に機内で済ませてからさほど時間はたっていませんから、特に“必要がある”ゲストは殆どいなかったののではないかと思いますが、ま、こういう場合は全員がトイレにむかいますね。行きたい時に行くのではなく、行ける時に行っておけば、そこから約2時間、行きたいのを我慢するというリスクも避けやすいというものです。
 空港から当日の宿泊地ブロアへ.....約212キロ、予定では2時間45分の行程でしたが、パリ市内の大渋滞に巻き込まれて1時間程は余分にかかったでしょうか。現地で合流したガイドからは、この日のホテル情報、翌日の行程や観光ポイントなどの案内とともに、午後はロワール地方のレストランで昼食後、バスで約4時間15分の移動。モンサンミッシェルへ向う途中でトイレ休憩を目的に、ドライブインに立ち寄るという予定も、改めて聞かされました。2時間30分前後で休憩...それもだいたい2時間の内としましょうか。
 ところが、実際にはその2時間30分が3時間30分...あるいはもっと間があく状況がおこりえたのです。

 というのも、翌日の昼食前、ガイドからの、フランスのレストランではトイレの個室が少ないという話が始まりでした。3つもあるのは珍しい方、ツアーで利用する店の大半はひとつ、あるいはふたつしかないと....。TDRのレストランじゃあるまいし、普通の店でふたつあれば、普通ではありませんか...と、それは驚く情報ではありません。問題は、そのひとつ、あるいはふたつしかないトイレの前で、並ばないようにというアドヴァイスなのでした。
 そもそもは、ガイドの友人、知人は、滅多にトイレに行かないそうで、ガイドの印象では5時間くらいはへっちゃらなのじゃないかと...
昔は一緒に行動している時に、自分は随分我慢を強いられたとか。そのうちに発見したことには、友人達も全くトイレに行かないのではなく、いつのまに...?というタイミングでトイレを済ませていたのだというのですね。食事時なら前菜を食べ終えて、メインの料理が出てくるまでの間、デザートを待つ間などを利用してスマートに用を足していたのだと....。それをスマートといわれても....感心しにくいのが本音でしたが、フランスでは食事の途中でトイレにたつのは行儀の悪いことで無いのだといわれれば、へえ...とうなずくしかありませんね。
 でも、フランス人に倣って、皆さんもスマートに....と、こちらに振られる話となれば、なるほど...ではおさまりません。
 
 ガイドのアドヴァイスは、理解できる話ではありました。
 食事が終わって、ごちそうさまでした、さあ、出発しましょうという段になって、みんなしてトイレに寄り道、ひとつつ、ふたつの個室の前に列をなすというのは.....見ていて感じのいいものではないですし、出発も遅れます。団体客が一斉に同じことを目的に動けば、需要が供給を上回るわけで、好ましい状況ではないですよね。供給量がわかっているのだから、そして、それは変えようが無いのだから、需要を調整するのが礼儀というもの。入店から食事が終わるまでの間に交替でトイレを済ませておくようにという話です。

 「だいたい判りますよね。」とガイドは言いました。
 「この店は個室が3個..ということは、前菜の後で3人が席をはずしたらトイレは満室ということですから、じゃ、自分はメインの後にというようにうまく調整して...トイレの前で並んだりしないように、くれぐれも....。」と。 
 判りますけど、でもね、ガイドと添乗員をのぞいて、女性は9人(男性も、9人)次の料理が運ばれてくるまでの間だけでは、分散できないではありませんか。3人ずつなら3回、前菜のあと、メインのあと、分散するには前菜の前やデザートの後にも間をつくらなくては......(2人ずつなら4〜5回の間が必要だし、個室ひとつなら、どうがんばっても間が足りない。)第一、店内にいるゲストはわたしたちのグループだけじゃないんだし、いえ、それよりなにより、このアドヴァイスを聞かされたのは、ツアーが始まって、初めて全員が揃っての食事をする直前だったのです。。
 10人づつが向かい合う長いテーブルで、お互い、わかっているのはたまたま同じツアーに申仕込んだということだけの見知らぬ同士、お愛想程度の言葉はかわしつつも、小声での話し相手はそれぞれのパートナーという空気感で「次、誰かトイレいきます?」「わたし、デザートの前でいいかな?」と調整し合えるような関係ではありませんでした。
 ただ、控えめに視線をめぐらせつつ、内心で『あ、先を越された』『うわ!誰もいかないじゃん。ど〜すんのよ』などと、様子見態勢で、自分が立つタイミングを計るしかありません。最もわたしの場合、そしてこの後の昼食時に席が近くなっって、トイレのストレスについて同意見だった数人のゲストの場合も、先を越されて困る話ではなく、後に“枠”が空いてているかどうかが重要問題でした。
 なぜなら、お昼とはいえ、食事の時間は1時間はゆうに越えるわけです。食べて、飲んで、利尿作用もあるといわれるコーヒーも飲んで.......本当なら出発直前、バスに乗る前にトイレに行っておきたいのが心情。 それが許されないならせめて、出来るだけ後半に回りたいわけで、正直なところ食事の前半は、他力本願のひとり根比べ状態でして、3日目、4日目と回を重ねると、同席したゲスト間で、このトイレに関わるストレスがおおっぴらに話題に上るようになりました。

 「 並ぶなっていわれてもね〜。」
 「トイレのことばっかりに神経使使って...いい加減イヤになるわよね」
 「 バスを下りてる時くらい、自分のペースで行かせてほいいわ。」 
 「5時間平気なフランス人とくらべられても、こっちは日本人の観光客だっての。トイレが近いのは仕方ないじゃない。」
 「団体客なんだから。普通、出発前にトイレにいくでしょ。行っとかないと不安になるの。」

 ガイドは、絶対の禁止事項としてではなく、心得程度のアドヴァイスのつもりだったかもしれませんが、毎回店(に到着して)バスを下りる際に「並ばないように。」と釘をさされれば、さすがに、不快感もあらわになるというもので....「(アンケートに)かいてやる!」
といきまきながら、わたしたちは『フランス流』と格闘を続けました。。
 
 帰国後、他のゲストがアンケートに書いたのかどうかはわかりませんが、“その他お気づきのこと ”の欄では不十分で、わたしは帰国後の意見、感想窓口にダイヤルして、食事が終わるまでに分散してトイレを済ませるようにというなら、食後(出発後)最初のトイレ休憩がだいたい2時間という行程を見直すべきだと述べました。。
 例えば昼食後にかぎり、トイレ休憩は1時間後に....となれば、後半にこだわる必要もないわけで、前菜の後と言わず、入店直後の“枠”にだって、抵抗無く行きますとも....と、実際にはより若いゲストが何となく前半を担当してくれたので、3時間を大きく越える程の“トイレに行けない状態”は経験せずにすんだわたしは思ったのでした。
 

                                                10/07/22 


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4つ星ホテルに傘をさして、手荷物持参で徒歩でチェックイン...は普通?

 ツアーの行程中で、利用のホテルが分かれる日が2回ありました。
 1回目がモン・サン・ミッシェル観光前夜、客室内からモン・サン・ミッシェル全景を観賞できるというのがウリのルレ・サンミッシェル利用組は、基本利用のホテル組と、チェックイン後から翌朝のお迎えまで別行動でした。
 
 そして2回目が、ツアー終盤の2連泊となるパリでの宿泊です。
 ビジネスクラス参加組とホテルグレードアップ組は、オペラ座近くのインターコンチネンタル・パリ・ル・グラン、ツアー基本利用のメリディアン・モンパルナスとは少々離れています。ホテルに到着後は翌々日の出発まで自由行動、延泊の我家はツアーから離脱となるわけですが、出来るだけ早めに放たれたいとの本音を持つ我家としては、たとえば、メリディアン経由ル・グランとかになるなら、そこまで待たずに、オランジュリー美術館あたりで離脱するのも有りかなと考え、出発前に、5日目の具体的な行動計画を尋ねました。すると、オランジュリー美術館見学は午前中で、その後に昼食、免税店に立ち寄った後に“二手に分かれて”ホテルへ...ということで、せっかくのお昼ご飯をパスして離脱するほどでは無いことが判りました。二手に分かれる時点で、ル・グランホテルのチェックインサポートには現地ハローツアーのスタッフが合流するという話も、この時に聞きました。

 とろこがです。さすがにその辺りの段取りはきちんとしてるんですね...と余計だった懸念を棚に揚げて迎えた5日目のバスの中、添乗員から当日の段取りを聞かされたわたしたちは耳を疑いました。
 二手に分かれたあと、ル・グラン組は現地スタッフと一緒に歩いてホテルに向うというのです。あ、その前に免税店前に迎えにきたバスの中から手荷物を取って...という説明がつきました。手荷物というのは、バスのお腹に搬入されていたトランク以外ももの...機内持ち込み可能サイズのバックや、観光中に購入した土産物、雨具、おやつや飲み物等、バスの座席に持ち込んでいたものです。
 免税店(三越です。)とルグランは近いので(歩いて行っていただきます)...ということでした。

 確かに、三越の正面とル・グランの正面ではない出入り口のある1面(ル・グランの正面は別の通りに面してます。)は、広い通りを挟んで斜めに向かい合う位置にありましたから、徒歩圏内にはちがいありません。でも、バスがあるのに、その車中から回収した手荷物を携えて歩いてホテルに向うことには、わたしたちはものすごい抵抗感を抱きました。
 そもそもチェックインは二手に分かれて行われると聞いた時に、主人は人数の少ないル・グラン組には別に車が準備されるんだろうくらいに考えたそうで....わたしはといえば、そこまで期待しなかったものの、ホテルエントランスでバスから下ろされて、そこで支店のスタッフに迎えられるという感じの『到着の図』を描いていました。はなから意識していたというわけではなく、別途手配の車に乗り換えるんじゃないならどんな段取りだと思っていたかと問われたら......引き出してこられる想像図にすぎませんが、ただ手荷物つきで歩いてホテルに...というのは考えられない到着シーンだったのです。

 ル・グランは大型ホテルですし、団体客の利用も多い....けど、4つ星のグレードを誇るホテルです。
 常連客、贔屓筋によって育まれてきたグレードにふさわしい立ち振る舞いが免除される(かもしれない)観光客だとしても、ホテルの格には敬意を持って、場違いなことで目立たないよう心がけるのが礼儀だとわたしは思っています。旅行会社の制服姿のスタッフに引率され、ぞろぞろと歩いて、ドアマンが待機するエントランスに向うなんて.....みっともないではありませんか! 
(バスで乗り付けるのがふさわしいというのではありません。団体で徒歩はバスよりももっとふさわしくないという話です。)

 それがハローツアーの標準的段取りだとしたら、今後はハローツアーを選びたくない理由の一つになるとも考え、帰宅後に、おかえりダイヤルのスタッフに正直な感想を伝えました。年配と思われる男性スタッフは「まさかそのクラスのホテルに歩いてチェックインということは...。」と驚いたようでしたが、わたしの価値観に合わせてみせただけなのか、本気で驚いたのかはわかりません。利用ホテルが分かれる場合は(本来は)かくかくしかじか...と具体的な手順の紹介はなかったので、特に決まりはなく、添乗員の判断任せのような印象も持ちました。
 
 今回の場合、若い添乗員が、一方通行の道路をバスで回り込むよりも歩いた方が早いという効率を優先した結果とも考えられますが、だとしたら、添乗員の資質、価値感に問題があるのでは...?と感じます。
 でも、ル・グラン組のチェックイン手続をサポートするために現れた現地スタッフも、歩いてというのはちょっと...と意見しなかった様子ですし、案外数万円のグレードアップ料金を払って、歩かされているゲストが多いかもしれませんね。

 わたしたちの場合、今回に限って幸いなことに...そろそろホテルに向う時間となった頃、本格的に降り出していた雨が、一層強い降りになってきた為、さすがに、添乗員と現地スタッフとの間で段取りの変更が話し合われたのでした。聞こえたところでは、当初は、建物を回り込むよりも距離が近い道路の向いにあるル・グランの裏エントランスから入ることも検討されてましたが、現地スタッフは(わたしたちに)ホテルの正面を見せることにこだわっていました。(こちらとしては、正面を遠慮すべき行いをするゲストむけに、裏玄関が,免税店よりに解放されている気がしたくらいです。)結果的に、雨が強いので...との理由で、わたしたちは、ル・グランのエントランスまでバスで運ばれたのでした。
 基本ホテル、メリディアン利用のゲストにとっては、ル・グランに寄り道分、ロスタイムは10分程だったでしょうか。
 ともかくも、せめてバスが使えてよかった...というよりも、その10分余りの為にみっともない行動を強いられるところだったのかと思うと、むしろ腹が立ちました。


                                         11/04/15 


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ドレスコードなし....でも、常識は....?

 かつて2度、わたしが参加した周遊型パッケージツアーでは、どちらも男性は上着を、女性はワンピース、スーツを持参するようにとの注意書きがありました。
 その日の観光スケジュールを消化したのち、夕食までに一定の休憩時間が設けられていたので、身繕いしなおして食事をするのが常でしたけど、1日か2日は、添乗員から「本日の夕食は、きちんとおしゃれをして(ドレスアップして)ください。」と、指示される日がありました。義妹と参加したドイツ旅行時は、わたしも義妹も20代の小娘でしたが、わたしたちは化粧をし直して髪を整えなおし、服はもちろん、靴もバッグも取り替え、アクセサリーも付け替えるなどして、それなりにがんばった記憶があります。
 初めての周遊型ツアーだったドイツ旅行の添乗員は、一見さんの観光客(自分たち)は中味(人間性や教養)を知ってもらう時間はないので、見た目で判断されるのがあたりまえという、非常に分かり易いアドバイスをくれた人で、そ〜だよね〜と素直に感じ入ったものでした。(中味がそなわってなくても正しく装えば、ひとときごまかしがきくのが観光客のメリットですと言いかえる事も出来そうですね。)

 ところが、今回のハローツアーでは、シャトーホテル内での夕食もあるのに、準備するべき服装に関しては一切触れられていませんでした。
 昔と違って、ヨーロッパに行くのにジャッケットやハイヒールを持参するのは、わざわざ書くまでもない常識になったんだろうというのが主人の分析でしたが、常識にも幅はあるでしょうに...個人任せでいいのでしょうか。
 ともかくも、一応尋ねておこうとお出かけダイヤルに問い合わせたところ、ツアー中に利用するレストランにつては服装に気を使うようなところは無いという返事でした。わたしは、スタッフがコースを間違えたのかもと思い、シャトーホテル内のレストランも、昼間と同じ服装でかまわないということですか?と具体的に確認しましたが、やはり、ツアーはツアーでまとまる(現地の他のゲストと離れる)ので、大丈夫だと....。主人の『常織』分析は大きくはずれていたということです。だからといって、じゃ、夕食用の服は要らないねとは、思えないわけです。わたしがスッキリ納得していない感じが伝わったのでしょうか、お出かけダイヤルのスタッフの説明は、ジャケットを持って行ければ持って行った方が良いけれど(ツアー中は)着用を強要されるようなことは無いので、気を使わなくてもいいというニュアンスに変わりました。
 持って行った方が良いものなら、出来るだけお持ちくださいとアドバイスするべきじゃないのかなとの疑問が残りましたっけ。

 ツアーの他のゲストが、ドレスコードについてハローツアーに確認したのかどうかは知りません。
 が、くだんのシャトーホテルでは、ちょっと面白い現象が起こりました。客室のキーを渡されてから夕食の集合までは時間の余裕もなくバタバタしましたが、この時、上着を来て出てきたのは、主人を含めておじさん世代だけでした。4組の新婚さん達は、一人だけが観光時からデニムのジャケットをはおっていましたが、全員が着替える事無く、昼間と同じ格好で、夕食のテーブルに...。
 個人客なら、すぐに自分の服装が場違いだと感じる場面なのに、団体の中では気にせずにいられる様子は、おじさん世代には常識の外の話で、残念でした。
 ハローツアーは、上着、ワンピース等を持参するよう促すべきだったと、わたしは思います。

                                                12/02/16 


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自己紹介の機会を作るのは、個人情報保護法に抵触する?

 今回のツアーでは、参加者がお互いに自己紹介をする時間(機会)は設けられませんでした。

 成田空港の集合場所は、個々に添乗員との顔つなぎがあっただけで、その後は搭乗手続も個人行動でしたから、現地に到着して添乗員を目印に集まった時が初集合だったわけですが、そこで、全員を前にしての添乗員からの挨拶はありませんでした。挨拶は成田で終わってるといえば終わってるんですが、参加者同士は全くの初対面です。異国の地で、飛行機を降りたところで何となく留まってるからあそこの人も同じツアーかな?隣のカップルもそうかな...?という具合の様子見で、互いに黙して語らず...目も合わせずの状態で同じバスに乗り込みました。
 始まりはこんなものかもしれませんね。翌朝の朝食も自由行動でしたが、ツアーで利用するのテーブルは決められていましたから,相席になれば、一言、二言(パンはおいしいですね...等)昼食時には、朝よりももう少し、かわす言葉が多くなりました。それでも※※さん、と呼びかける名前を知らない者同士、目が合った時が言葉のかけ時という状況では、会話と言う程の会話は成り立たず『日本人ツアー客』のテーブルは、いたって静かでした。まあ...まだ、皆が慣れてないし...と言えるのはだいたいこのあたりまで...。
 以前にわたしが参加したふたつの周遊型ツアーでは、二日目(くらい)の夕食時 に添乗員の音頭で、参加者全員が順番に自己紹介をしたものでした。結果、名前を呼び合って親しみを増した相手もいれば、余り話す事も無く、名前を覚えきらずに終わった相手もいましたが、それでも、自己紹介をきっかけにお互いに知り合いになった事実ができあがりましたから、雰囲気はそれ以前と随分変わった記憶があります。母達の付き添いで参加したニュージーランド観光では、ツアー終了時に、住所や電話番号の記載された名簿もくばられ(ツアー中に自由意志で記入を求められ、全員が抵抗無く記入してました。)帰国後に写真を送ったり送られたりと、しばらくは交流もあった様子です。 帰国後までのおつきあいに繋がるような情報は、昨今はさすがに歓迎されないだろうとは思いますが、一定期間行動をともにする相手が名無しの間までは不自由ではありませんか。早い段階で当然あると思っていた(自己紹介の)機会が設けられないので、わたしは、添乗員が段取りを忘れているのではないかと心配したくらいですが、主人は、個人情報に神経質な時代だから,ハローツアーとして(自己紹介等は)やりたくないんだろうと、物わかりの良い分析をしてました。

 実際に、帰国後にこの件についてといあわせたところ、やはり個人情報保護法をかんがみて、ハローツアーでは参加者間の自己紹介等は行わない方針だとの説明がありました。う〜ん、名前を知り合う事が個人情報保護法に抵触するのでしょうか?
 あの〜、すみません、ちょっと,で呼び止め合う関係で1週間...。正直、いい感じではなかったです。
 「あの方が、みえないけど...。ほら、ショートヘアの...」
 「え? トランクが壊れていた方?」
 「空港ではぐれた方じゃない?」
 「あ、その方達なら、さっき添乗員さんと話てたから、別行動されてるんじゃないですか。」
 「あら、じゃ(いらっしゃらなくて)いいのかしら?」
 ...てなもんです。“わたしたちちょっと別行動するので、また、あとで”と声をかける程の関係ができあがらないので、参加者の行動は添乗員のみが把握していると....。かく言うわたしたちも、ル・グランにチェックイン後は、自由行動を経てそのままツアーから離脱する事が分かっていたものの、ホテル前で一時停車したバスからバタバタの降りててそのまま....まともにサヨナラを言うタイミングもえられませんでした。帰りの集合時間になって、一組(か、他にもいたかもしれませんが)いないけど...、あ、あの方たちは帰国日延長プランだったみたいよと、と言われているクチですね。
 
 以前ツアーに参加してから随分間がひらいてますから、“名無し集団”が昨今の常識なのかハローツアーの特性なのかはわかりませんが、わたしたちには、参加者間の不自然な距離感が個人情報云々の大きな弊害に思えてなりませんでした。

                                                12/03/03 


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添乗員の役割は、ツアーゲストへの気遣いだけでいいのか?

 ハローツアーのパンフレットには『現地情報に精通した経験豊かな添乗員が同行する』と記載があります。
 これは、他社でもかならずといっていいほど言及しているセールスポイントのひとつで、我家でも添乗員はツアー選択に影響はしていません。ツアー添乗※回以上のベテランというように具体的な表示があるならともかく、初対面の添乗員の経験値をこちらが云々する基準もないわけで、ハローツアの添乗員が特に期待できる理由もありませんしね。
 
 ただ、わたしたちに同行してくれた添乗員は、比較的若い女性で、ベテランではなかったと考えます。

 実際にパリ到着後からベルサイユまでは現地ガイドがツアーを仕切っていたので、添乗員から指示やアドバイスが発せられることは殆どありませんでした。車外での移動時は、ガイドが先頭を、ゲストをはさんで添乗員が後方を歩くのが常でした。2名サポートのでは一般的な体制ですよね。ところが、それでもわたしたちのグループは、しばしば縦長になりました。
 車外は移動中イヤホンガイドを使っていたので、ガイドにピタッと付いている必要が無い事に加え、後方の添乗員は、ゲストの記念撮影の“お手伝い”はしても、ゲストを急かす事をしなかったからです。海外では目的の場所に向う道すがらも見所に感じる場所は少なくありません。記念の写真を1枚という誘惑にもかられます。そこで立ち止まってグループに遅れを取れば、追いつくべく急ぎ足になるものですが、なまじ添乗員が側にいるので、先頭からの距離にゲストは鈍感になりがちたっだようです。しかも添乗員はお客様第一を看板に掲げているごとく気遣いの人で「お写真、並んでおとりしましょうか。」「お写真、おとりしますよ。」と....。
 団体行動では私は先頭に付くタイプですから、さあ見学というところで(入り口や対象物の前で)後続隊の合流を待つことになりましたが、わずかな時間ながらくりかえされると、添乗員の愛想の良さと言いましょうか、旺盛なサービス精神にイラっとする時もありました。

 それは先頭を行くガイドも、時には...だったようです。
 例えば。モンサンミッシェル見学では、修道院の入り口まで坂道と長い階段を上ります。

 9時の開門にさきだって、大勢の観光客が上から下へと階段を埋めて行く中で、わたしたちのガイドは門の真ん前に立ち、イヤホンからは、止まらずに他のゲストを追い越して前にくるようにとの指示が聞こえました。門が開けられ、ほぼ一番後だったガイドを追いかけてわたしたち(数名)も団体専用口に...。そこでガイドが「え?どうしてこれだけ?他の方達は?」と驚くわけです。ま後ろではないにしてもそれなりに固まって付いてきているだろうと信じきっていたんでしょうね。前に出るようにとの指示は聞こえているんですから。それで、一般客がどんどん入って行くのを見ながら、ガイドはいうわけです。「やだ。ど〜してこんなにはなれちゃったのかしら? お写真とってたのかしら?」
 年寄り組が付いてきているのに、若者世代が遅れを取る理由が他に思い浮かばなかったということでしょうか...。ただ、参道から続く観光客で階段が埋まるほどの混雑でしたから、ちょっと景色に気を取られて立ち止まるだけでも、立ち止まらなくても歩みが遅くなれば何十人にも追い越されて容易く離れちゃう状況でした。ひたすらにガイドに付いて行ったつもりのわたしたちも、結局はガイドから10段前後(階段です)下方で動けなくなったわけで、先詰まり状態で追い越そうにも追い越す余地がないんですね。いったんはなれちゃったら、その間を縮めるのは至難と言ってもいい状態だったのです。
 後続組を待つ間、わたしたちは、ガイドから、団体だから優遇されることや、便宜を測ってもらえるを活かすためには、団体で(ひとかたまりになって)行動するのが絶対条件だという意見を聞かされました。その場にいる者としては、もちろん分かってますとばかりにうなづいていれば済む話で、この場合、絶対条件に関しての添乗員の認識の甘さが問題だったと考えます。“お写真”を撮っていたのかどうかはともかく、何かと注意が散漫になりがちなゲストを先頭のガイドと離れすぎないように誘導するのが添乗員の役割だったはずなんですね。集合時間は厳守すること、店に入る時、出る時は必ずあいさつをすること、数ユーロの買い物に100ユーロ札を使わないこと(おつりはあなたの為だけに用意してるわけじゃないとのこと)など、注意事項や旅の心得など、わたしが過去に参加したパックツアーでは添乗員から説明を受けた事柄についても、今回はガイド任せでしたから、添乗員が管理責任者でなくお世話係に徹してるのも役割分担だったとの見方も可能ですが、それも、でも,ヴェルサイユでガイドが離脱するまでの話。ガイド不在のその後は、添乗員の添乗員としての資質に疑問を感じる場面が増えました。
 シャンティー城が視界に入ってきたところで「今晩お泊まりのホテルが見えてきました。」と始まった時には、添乗員はこのコースは初めてだったんだなと思い、古城ホテルについての資料をただ読み上げる(夕食直前に到着して朝食後すぐに出発するのに、“レンタサイクルでのシャンティー中心部までのサイクリングのお勧め”がむなしかった)様子にしらけたのも振り返ってみれば軽傷でして....。

 古城ホテルで迎えた朝、朝食に下りて行くと、レストラン内の大きな丸テーブルに先客が6名、空席が五つ....残り2組4名なのに、わたしたちが着席したあとの空席は3つというわけで、数が合わない。なぜかといえば他に4つ用意された2名用のテーブルの一つを添乗員が使っていたからで、最後の一組の席は丸テーブルに一カ所と、二人用テーブルに一カ所(添乗員の向かい)になってしまう状況でした。添乗員によると、ペアでセッティングするように頼んでも人数は合ってるとの一点張りで...ということでしたが、そりゃそうです。ゲスト18名、添乗員1名,19名の席のセッティングをしようとすれば、丸テーブルに奇数席を作るのがあたりまえといえばあたりまえで、添乗員が丸テーブルについていれば何の問題も無かった話なのです。レストランスタッフにしてみれば、人数分の席を用意しているのに、余分に二人用の席を要求されル理由は無いというところでしょうね。で、この後、食事を終えた添乗員が何をしたかというと、丸テーブルに用意されていたナプキンとカトラリーを自分が使ったテーブルに移そうとしたんですね。。言ってもラチがあかないから,自ら動いたと言うわけですが、もちろん即座スタッフから止められました。
 ツアー客が離れて座らなくても良いようにとの気遣いは、この場合評価できません。そもそもは一人なのに二人用の席を利用したのが思慮にかける行動なのですから...それをカバーすべく勝手なテーブルセッティングを試みるなど、みっともないの一言ではありませんか。ツアーの中では添乗員はゲストの世話をする立場にあるかもしれませんが、対外的には代表者であり責任者です。その土地の慣習や価値感に不慣れなゲストの不適切な言動を未然に防いで、部外者とも良い関係を保つことも添乗員の重要な仕事だと、私は思っています。ツアーグループ単位としてのレベル(質や品性)は添乗員次第とも言える団体行動中に、添乗員自身が眉を潜められる存在になったのは残念でした。
 具体例をもう一つ。パリでの昼食時、添乗員はやはり一人でテーブルについて、何やら書き物(おそらく、あとで配布された旅日記)をしていましたが、わざわざ一人用に盛りつけられて,次々に運ばれてくる料理に見向きもせずひたすら“仕事中”という態度も、非礼に感じました。広くはないテーブルが手つかずの料理で一杯になっているのは、目にして気分のいいものではありません。食べる気がない、あるいは余裕が無いなら提供を断ればいいものを、代金を払ってるから....と許される態度ではない気がします。店側にすれば間違いなく不愉快な客....ひいては、わたしたちは感じの悪い日本人団体客に振り分けられたことでしょうね。

 愛想はよく、労力惜しまずに面倒見の良さを発揮してくれてはいた添乗員でしたが、ツアー客の世話係どまりで、対外的には配慮にかけて無頓着だったといわざるをえません。しっかりしたガイドの合流が前提の、抜擢だったのでしょうか....。ガイドが保険だったのかもしれませんね。(最後まで保険をかけて欲しかった。)

                                                 12/04/06 


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