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ローマ、フィレンツェ、ヴェニスを12日間の急ぎ足で見て参りました。
観光名所やお勧めスポットなどは、美しい写真と共に多くのガイドブックで詳しい紹介を見ることができますから、ココで観光ガイド的な旅行記を展開することには、あまり意味を見出せません。
 たとえば、コロッセオの迫力を説明して、それを見たわたしの感想を伝えることよりも、駅前で剣士の衣装を付けたおじさんと一緒に写真を撮ってから、請求された金額が果たして妥当なものだったのかどうか、いつまでも悩んだというようなエピソードを中心に進めていくつもりです。         
                           01/01/16
  

   

ローマの1日目
 
 
1日目、とはいっても、フィミチーノ空港に到着したのが夜9時を回ってからの事です。
 ホテルの部屋で、トランクの中味を引っぱり出しながら、わたしたちは、厳密にはローマでの2日目を迎えていることになるのですが...。
 ヨーロッパは水事情が良くない上に、古い建物は音が響く場合が多いので、遅い時間のお風呂は避けましょう、と何かに書いてあったな〜と思いながら、わたしたちはシャワーを使い、またバスタブにお湯を張って、持参した入浴剤を入れて温まりました。大理石ではないものの、バスルームにも改修の跡は見られて、高い位置にヘッドが固定されたシャワーとは別に、側面にはヘッドを持って使えるシャワーが取り付けられていました。 このシャワーヘッドも、手にはズシリと重さを感じさせる、クラッシックなタイプで、バランスへのこだわりなのか、単に改修された時代のものなのか、悩まされます。
 寝る前に、温かなものをということで、マリアージュのティーバッグで紅茶を入れました。
 沸かしたお湯をあけると、湯沸かしポットの内側一面に石灰が付着しているという、「硬い水」との根比べです。「まだ、でない...。」「まだ、味が薄い。」「色は付いてるみたいだけどね〜。」と言ってる間に折り畳み式の紙コップの方がへたばって、折り目から水漏れが発生しました。長い事待って、素早く飲む紅茶...。非日常の始まりです。

ローマの2日目

 少し、遅く目覚めた朝...。日本人がひとりもいないレストランでの朝食を済ませて、ホテルの外に出た時には
10時をはるかに過ぎていました。ローマに10日ぐらい滞在できるなら、このくらいゆっくりとしたペースでの観光が理想的ですね。でも、わたしたちの時間はあと3日。しかも、最終日は31日で、おまけに日曜日なので、あまり当てにはできません。翌、30日はバチカン美術館の見学に時間を取られますから、この日の内にできるだけの市内観光と、(困った事に)買い物も済ませなくてはならないのです。

 日本人の強い味方のJCBオフィスで、バチカン見学のツアーを申し込んだところ、パスタのおまけが付いて来ました。早々と主人のリュックは膨らんだものの、ホテルに置きに帰る時間はありません。スタートから、出遅れてますからね。パスタふた袋を背負っての市内見学です。

最初に目指したのは、定番のスペイン広場です。
途中でピッコーネの店を確認しました。ここは、、わたしが「買う」つもりでチェックを入れていたブティックです。お昼休みまで、30分ほどありましたが、荷物を増やすのがいやなので、帰りに寄ろうということに...。
 
 「ロ−マの休日」でヘップバーンがジェラ−ド片手に
跳ねるように下りて来たスペイン階段は、まっすぐに下りることがかなわないような人だかりでした。しかも、結構な段数があるんです。(左のイメ−ジで、曲線の手すりが途切れて見えるところから、さらに上に階段は続いてるんです。)この後も毎日、幾たびか下りては上った階段の前の広場には、ガイドブックの注意事項そのままに「ナカタ、 ナカタ」と言いながら紐を持ってウロウロしているおにいさん達がいました。後ろからいきなり手首に紐を結び付けられて、無理矢理に買わされたという体験談も読みましたが、冬はコートなどがじゃまになって手首に狙いをつけるのも難しいのでしょうね。ひたすら、笑顔の「ナカタ」でした。 もちろん、こちらにも予備知識はありますからね。「ナカタ」と言われて「なあに?」応じたりはしません。でも、写真は撮りたい。立ち止まって、デジカメを構えると、おにいさんが近付いてくる気配を感じました。 ......目で見なくても、分かるものなんですね。どうも、こちらも 全身警戒心の固まりになっていたようです。

クリスマスは終わってしまったものの、キリストの誕生を模した人形(確か、特別の呼び方があったようですね。)や、通りの飾り付けはそのままです。ココにかぎらず、この時期はヨーロッパの通りは綺麗ですね。電信柱もないですし...。ブランドショップが並ぶところでも、隣より、目立たなくては方式の広告はありません。
 わたしたちは、ポポロ広場までの散策の途中でボリサリーノで主人と義父の帽子を購入。再びスペイン広場に戻って、自分たちにと、お土産用に手袋をいくつか買いました。日本でもすっかりお馴染みになった店で、スタッフも片言で日本語を話します。もしかしたら、本当はかなり達者に話せるのかもしれない。1度限りの旅行者を相手にした土産物店と言う感じが強く、可もなく不可もなしの店ですが、(義理の)お土産に悩む日本人には、便利な店かもしれませんね。

 この店の近くにあるカフェで、主人はエスプレッソをオーダー。旅行中にカプチーノではなくエスプレッソを飲んだのは、この時限りです。お昼もとうに過ぎていたので、ピッツァもいただきました。窓からスペイン広場を眺めながら、ちょっと雲行きが怪しくなったかなと思う間もなく、無情の雨!。
 朝、チェックしてきたピッコーネのお昼休みが終わるのが3時30分です。 わたしたちは、時間を調整して店を出ました。 ....が、3時30分どころか、35分になっても、40分になっても、店が開く気配はありません。ドアに表示されているオ−プン時間に見落としでもあるのではと不安が過りますが、とりたてて、金曜の午後は休み、という事も書かれていません。日本でなら、オープンの5分前にはスタッフは位置についての体制を整えているところでしょうけど、店内に人の気配もありません。噂に寄れば、お昼には家に帰って、家族と一緒に食事をするという人が多いというお国ですからね。格子状のシャッターにへばりつくようにして、わたしが店内の商品を物色しているところへ、戻ってきたスタッフにとっては15分や20分の遅れは日常的なものなのでしょう。
 雨の中で待っていた、わたしたちと目が合った時の、彼女の最初の言葉は「ハーイ!」でした。
ようやく入店できたピッコーネで購入したのは、コットンのTシャツにウールニットのシャツ、ネクタイと、主人が言うところの「かわいい、ネマキ」! わたしはサマードレスだと信じているんですけどね。事実、スタッフにもドレスで通じました。ただ、裏地なしのコットンボイルは、上から下まで透けるので、しっかりガードして外に着て行くより、そのまま気楽なホームウェアになりそうですが....。

 この日の夕食はルームサービスで、と思っていましたから、わたしたちは、早めにお風呂を使い、リラックスしてメニューを広げました。
 イタリア語のメニューには英語も併記されていましたが....困った事に読めません。サラダやスープ、あるいは
料理の内容は理解できるのですが、料理そのものの名前が....ですね。ロ−マ字読みしても電話の向こうの相手にスムーズに通じるとは思えませんし、カタカナ撥音でいいといわれるイタリア語のメニューにも、手持ちのガイドブックに紹介されているような「代表的なイタリア料理」が見当たりませんでした。悩んだ末に結局わたしが、(メインは)メニューを無視して食べたいもの(ガイドブックに載っているもの)を伝えて交渉することに....。こういう状況では、主人はわたしの度胸に賭けたがるのです。
結果、わたしたちがありつく事ができたメインが右のイメージです。なぜか、ミラノの代表的な料理....。ウィンナーシュニッテルの元になったといわれるミラノ風仔牛のカツレツです。
 常識的なボリュームで、最後までおいしくいただきました。
 仔牛特有の白い肉です。(ウィーンで初めて食べた時は、この色に驚いて、一瞬騙されているのかもと、疑ったものでしたけどね。)
 ただ、忘れられないのが、わたしがデザ−ト代わりに頼んだフレッシュフルーツ!
 銀の高盆に盛られてきたものは、2種類のリンゴが4つ、ブドウひと房、オレンジ3つ 大きな洋梨ふたつにバナナが2本でした。もちろん、ナイフとファ−ク付き!
  「フレッシュフルーツひとつ。」と言って、イタリア人は誤解することなく、まるごとフルーツのてんこ盛りをイメージするのでしょうか? やはり、量は油断がならないのでした。
                                          01/02/22
 
                                                 

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