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 アルファリゾートトマム情報を主なカテゴリーの一つとして解説した当サイトにおつきあいくださっている方が、初めて利用する前に知っておいた方がいいルスツリゾートのマイナスポイントについてのお話です。
 
 ネットや情報誌など、事前情報の収集に不自由な時代ではありませんが、情報の有益性は、個々の価値感に左右されます。アルファリゾートトマムのコンセプトに共感しトマムを愛してきたゲストは、広く知られているルスツのセールスポイントに惹かれる理由も無い一方で、他のゲストが気にならない部分が、やたらと気になる(悪い意味でです)...いはば、ルスツ不向きのリスクを背負っているようなもの。価値感を白紙に出来ない以上、マイナスポイントへの理解を試みる事が、一番のリスク軽減かと考えます。不用意に行ってマイナスからのスタートにしない為に、いくつか、事前に折り合いをつけるべきポイントをご覧ください。 
                                 11/06/14 
 



     
 旧アルファリゾートトマムユーザーの価値感を持ってして、おもわず取り込まれる現状ルスツの魅力については、レポートをご参照ください。

 上のイメージは、2枚ともルスツタワー上層階からの眺めです。
 左側が、国道を挟んだ左側のほぼ正面で、イメージ右寄りの三角屋根の建物がルスツリゾート前身時代からの本館(現スキー場センターおよび宿泊施設)で、見るからに年期が入っています。その三角屋根の手前の方、イメージ右下
からトンネルに向って延びているのが,国道で分断されているタワーエリアとホテルエリアを結ぶモノレールのレール。国道の下に『道』が作られたお陰で、道路事情の影響を受ける事無く安全に行き来が出来るようになりましたが、エリア内にモノレール!?と感嘆する程の規模ではありませんし、あと数年で開設20周年を迎えようかという代物ですから、見栄えも劣化しています。いえ、真新しい車両であっても、絵柄はルスツ遊園地のホストキャラクタ,ダニエル君とその仲間達です。トマムにリゾートのモデルを見いだしていたわたしたちには、ときめく要素はありませんから、評価は利便性のみにとどめましょうね。
 リゾートの定義は個々の認識で振り幅が大きいかと考えますが、本館を基点に増築、開発が行われたルスツのウェストエリアは、いわゆるレジャーランドというべき様相で、我家も、その昔に道内観光で何度もこの前を通りましたが、ちょこっとでも立ち寄ってみようかという気にさせられることはありませんでした。遊園地にしろ、スキー場にしろ、あまりに道ばたに寄り過ぎ....日常と隣り合っていると言うレベルではなく、日常に分け入った異質物が景観を壊している感じで、印象は悪かったです。むろん、傍目からの印象です。札幌からの日帰り(無料送迎バスがあります。)圏内にある遊園地の規模は道内屈指で、ルスツはルスツで、ここにしかない物を有していた事実を否定するものではありません。
 ただ、しょっぱなの印象は、結構尾を引くものでして....。例えば、知人から、遊園地は楽しいけど、ルスツは日帰りで充分。泊まって何かをする程のモンじゃないと聞かされれば、「だろうね〜。」と行ってもいないうちから納得出来るくせに、スキーをするならトマムよりもルスツをのほうが断然いい!とすすめられれば、スキーだけが目的じゃないもん...と、不要な情報を聞き流したものでした。

 対岸にタワーが開業しなければ、聞き流したまま、我家はルスツと縁を繋ぐ事無く今日を迎えたにちがいありません。
 何しろ、トマムでは、VIZが光の効果を計算して選ばれたドイツ製のタイルやら、イタリアのモザイクタイルやらで仕上げられてるのに、ルスツのプールはペンキが塗られてるだけだもん、興ざめだよなどと言ってましたっけね。
 でも、バブル崩壊とともに、道内各所のリゾートやテーマパークが自転車操業から酸欠状態に陥る中、加森観光一人勝ちと言われた時代に、近いし、たまにはトマム以外にも行ってみようかと予約を入れたルスツで、わたしたちが最も気になった(トマムとの)違いは、景観や施設の設えではなく、スタッフでした。いえ、当時の景気を反映してか、さすがにスタッフも活気があるよね...と言ったくらいで、個々のスタッフに落ち度は何も無かった気がします。ただ、愛想良くキビキビと仕事をこなしているものの、印象に残る程の感じのよさは伝わってこなかったのを思い出します。随分後になって聞いたところによると、当時の加森観光では、スタッフは、今季ルスツ担当であってもルスツ専任では無かったそうで、担当が代わっても安定したサービスが提供出来るように、かなりしっかりとマニュアルが作られていたとか....。あたりまえの対策ですが、事務的というほどひどくはないものの、漠然とした味気なさはマニュアル重視の限界だったのかもしれません。
 
 分かり易い例え話しをひとつ。
 和食堂で食事中に、こちらからリクエストしないとお茶のお代わりが出てこないのは、マニュアルが整っていないか守られていないかで、論外としましょう。
 それとなく観察しつつ湯のみがからになるのを見計らって新しいお茶をだすというのは、普段使いの店で見かける気がします。もう少しサービスの意識が高い店では、湯のみの中味とは関係なく、一定時間経過後に湯のみごと新しいお茶が出てきますよね。先にだしたお茶が減っていてもいなくても、冷めている事はあきらかなので、熱いお茶と取り替えましょうという心使いです。個人的な見解ですが、トマムもルスツも後者として話を勧めます。同じサービスを受けながら、なぜ(以前の)ルスツのスタッフに(以前の)トマムのスタッフ同様の好感を抱けなかったかといえば、態度が悪かったわけではありませんよ。ただ、(お茶がまだ残っている状態で)「お茶を交換しましょうか?」「熱いお茶をおもちしました。」という類の言葉が不足していた......おそらくそれだけの違いです。でも『それだけ』が、実はものすごく大きいんですよね。猫舌のわたしなどは、お茶のお変わりはありがたいけど、程よく冷めたお茶も下げずに置いてて欲しい事情もありますし...いえいえ、それよりなにより,サービスは無言実行よりも有言実行のほうが効果的という話です。黙礼か、ありがとうの一言で終わるところ、二言三言余分に言葉をかわせば、その分縁ができるじゃありませんか。

 トマムのスタッフはコミュニケーションスキルに長けていましたから、2度3度と利用をくりかえせば、親しいスタッフの何人かできるのは自然なことで、馴染みのスタッフが協力な引力となって、こんどもまたトマムへ...の
繰り返しでしたよね。
 この種の引力の弱いところへの再訪,再利用は続きにくいと、わたしは考えています。景色も、食事も、アクティビティーも、それを、他とはちがう特別な物に仕上げるのは人!というのは、トマムのリピーターが個々に実感してきたことですよね。特別に.....良いものばかりではありません。他と比べて劣る部分を許容レベルにまで引き上げるのも、人の魅力
に他ならない気がします。だから我家はルスツではなくトマムに通い続けたのでしょうね。ルスツのゴルフコースも楽しめたし、風花は当時も良かったし、札幌からなら週末にマイカーで行って1泊2日でゴルフをするには悪くないところと言いながらも、キャディバッグはルスツよりも遠いトマムに預けっぱなしにしてたものです。
 スキー場に関しては、なおのこと。ロッカールーム,リストの設備、コースのダイナミックさなど、快適度ではルスツのほうが分があったにもかかわらず、我家にトマム以外の選択はありませんでした。親しみは快適さにまさるということですね。
 いいかえれば、親しみがあれば、多少の不具合には寛大になれるというわけでして....ルスツの、10数年前とは代わりようが無い国道が横切る景観や、絶叫マシーンの機械音や、夏のピーク時以外は水も抜かれて晒された屋外プールの味気なさも承知の上で,我家が再訪にふみきれたのは、以前は不足と感じた親しさへの期待が生じたからでした。(トマムのスタッフは多く異動してましたものね。)
 雪質、晴天率、非日常感....トマムがまさっている部分は(今も)数々あるのに、自分たちの行動が真逆になってきたのは、興味深い現象です。こちらの価値感が大きく変わったわけではないので、トマムやルスツの変化に対応した結果にはちがいありません。簡単に言えば、ルスツのスタッフとのコミュニケーション量が増大したということです。その結果、もとより承知していた(諦めていた)マイナスポイントも、擁護まではできないものの大問題でもなくなりました。日常感いっぱいのセブンイレブンも....まあ、あればあったで便利で良いか...と。
 隔離されてはいないけど、雄大な景観は散らばってるし、屋外プールはどのみち利用しませんし、ご飯はおいしいし、時間の予約はできないけど、予約時間に縛られることも無いし....不自由無く、(スタッフへの)親しみがませば、快適な滞在が約束されたようなものではありませんか。

 でも、トマムが好きだったという共通項はあっても、こだわりの優先順位は人それぞれ....。
 まずはスタッフ! そういう方なら、ルスツに不足は無いはずです。いえ、あるにははあってもさほどの苦労なく折り合いもつくでしょう。
 一方、完璧な隔離性、コーディネイトされた施設の安定感をが何よりも魅力だったゲストには、ルスツの問題解決はのぞめません。国道は、なくせませんしね。前身は大和ルスツスキー場。最初からリゾートとして開発されたわけではないだけに、リゾートらしからぬ要素もコミコミですが、ここに来て一から作り直す計画などありえない以上、施設や設えに過剰に反応しても、解決の見込みはありません。
 また、森の中の散策や、せせらぎがBGMの散策路も、ルスツには不十分です。ゴルフをする、スキーをする、遊園地で遊ぶ等、何かをするステージは充実してますが、何もせずに自然の中でくつろげる造りにはなっていない気がします。館内の読書スペース(上イメージ左)やショッピングエリアが代わりになるかといえば、それはそれ、トマムには無かったルスツのメリットにはなっても、屋外フリースペース不足の解消にはなりません。都心では叶わない自然の中の散策に最大の魅力を感じている方は、要注意です。


 妥協して利用を試みても、良い結果は得られませんから....ルズツリゾートに行く前に、自身のこだわりの優先順位を整理しましょうね。


                                         12/03/27