画面のレイアウトが乱れる方へ

 
              .....のはずが、1泊4日のショートトリップ!!!
 
                               

 2020年3月中旬、初めてのスペイン観光を敢行してまいりました。 
 時期悪しく、コロナウィルス対策で、 世の中が引きこもりムードに陥った中、出国の10日ほど前からは、
渡航情報チェックが欠かせない毎日で、多少の緊迫感を携えての海外、初スペインでした。
 
 何故にスペインと言えば、 当初は再訪ではなく『はつもの』優先で候補に上がっていた数カ所のうち、なんとなく気づけばスペイン...でした。ただし、滞在よりも周遊向き観光地...( だから、後回しになっていたとも言えますが...)プラド美術館とサグラダファミリアだけでも都市間移動は避けられませんし、2度目3度目が期待しにくい状況では、アルハンブラ宮殿も外したくはないしとなれば、ツアーに参加するのが妥当かと、久々に旅行パンフレットをじっくりとチェックした結果、マドリード〜バルセロナ、道中にロンダとクラナダ経由、マドリードからはトレドにも行くと言う、ツアーのメリット満載のコースの現地集合プランに申し込みました。
 ツアー本体とはマドリードで利用のホテルで合流、最終利用ホテルで離脱 、合流前後は個人旅行の抱き合わせで、16日間のチャレンジツアー。行き先も初めてなら、現地集合プランも初、加えて利用航空会社も初(当たり前ですが、初めての地での乗り換え)と言うことで、それなりに準備に神経も使いました。
 
 過去最長の旅程に体力の不安も少々でしたが、結果は開けてびっくり最短ツアーに!
 急速すぎる状況変化に翻弄されるも、体力消費以前に幕引きのレアな体験となりました。

                                   2020/03/18 

  
 更新日  23/09/17    

入国

 ネットでは「よく遅れる」と言う口コミが多かったカタール航空ですが、マドリード着は数分の誤差。
 飛行機前方出入り口から降りて進む間にも、人は少なく、入国手続きに列ができるような混雑もありませんでした。 張り巡らされた誘導ロープの先のブース前にはそれぞれ入国審査待ちの旅行者が0~3組ほど....少なかったです。わたしたちが進んだ先は、ちょうど0人待ちになりましたが、一歩出かったかったところで、「待て」の合図。スタッフが手袋(医療用の使い捨て手袋の類)を交換するタイミングでした。その間に、5人くらいは審査できるんじゃないかと思えるくらいに時間をかけての交換でしたが、後ろに列が長くできる訳でもなく、さすがに、空いててよかったと言うレベルではないことを感じつつの入国でしたっけ。

 トランクも、早々と回収できまして、到着から30分ほど経過したところで、 空港出発の準備は完了。 
  多少の余裕をもってオーダした送迎の『お迎え指定時間』までは、予定外の約1時間の余り。

 持ち主が現れない荷物が三つ、何周も回り続けるターンテーブルの前のベンチで、わたし達はWifiの設定を終え、機内で偶然見てしまったプラド美術館の閉鎖についての情報を探しましたが、特に見当たらず、マドリードの(感染)渡航リスクも、レベル1から変化なく、また、ツアー合流前の日程で申し込んでいたプラド美術館プライベートツアに関しても、利用日が近づきましたのリコンファームが届いた後に、追加のメールもありません。
 美術館の閉鎖云々は、記事を読み間違えたかtもとの希望も芽生えたところで、ピックアップタイムの15分前。余裕を持って出口に向かいました。

 出口があまりに近かったので、その場でさらに数分待機、予定の15時前には、我が家の名前を書いたiPadを片手にドライバーがあわられました。
 エミレーツの地上サービスとは異なって、引き合わせ担当のスタッフはいませんからこちらから名乗り出ての、(自分の名前を見つけての)コンタクトです。
  日本語は言うに及ばず、英語も話さないスタッフが担当する場合もあるとの但し書き付きのサービスでしたが、ご挨拶は「How aer you?」でした。「I'm fine.」と答えらえない気分はご推察の通りで、わたしはつい、プラドの美術館閉館のウワサを知って“fine”じゃなくなってる状況を口にすると、ドライバーは、エマージョンーだからと(わたしたちにしてみれば、軽いノリに思える受け答え)いいつつも、駐車場に移動する間に何度か携帯電話をかけ、やっぱりプラドは閉館していることをどこかに確認して教えてくれました。ご親切に、いえ、ここでダメ推しのパンチ?というべきでしょうか。
 プラド美術館....梅田のデパートが臨時休業するのとはワケが違うと、梅田の近くからはるばる飛んできたプラド美術館目当ての観光客は思いましたね。
  地元の人は深刻さが足りない...。


                                         20/03/18  

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マドリードの1日目(渡航危険レベル1)主要観光施設の閉鎖を確認

 「How are you ?」と聞かれて I'm fineとは反応できない気分で到着したマドリードのホテルで、コンセルジュ的立ち位置(バッジはつけていなかったように思います。)の年配の女性スタッフから、やっぱり「Haw are you ?」と聞かれ、わたしは一瞬言葉に詰まりました。
「Hi!」とか「Hallo.」とか.「Good afternoon.」とかなら、返しやすいんですけど...そりゃ、少々気分が下降君きみでも、こんにちはと言われればこんにちはとは言えますもの。
 でも、「How are you?」なんですもん。プラド美術館が閉まっていると聞いてショックを受けてると言わずに済ませられようか、と言う話です。
 スタッフは、プラドは急にしまったと言う。(...やっぱり閉まってる。 )
  でも、他にも見所はあると言う(そりゃそうでしょう。)

 彼女は地図を広げて、私たちに『おすすめの場所』を示してくれました。
 ここがホテル、とボールペンでグルグル。(赤い矢印部分)
 で、ここからタクシーに乗って、ここがプラド。(緑の矢印)
「プラド?」「イエス。プラド。」
 でも、閉まってるんだよね。と 、わたしは声には出さずに自問自答。行くように勧めてくれたのは、マヨール広場のある旧市街と、ウォーキングに最適のレティーロ公園で、プラド美術館はその間にありますけど、タクシーで行くなら、閉鎖中のプラド美術館で降りる意味はないように見える位置関係でした。
 プラドに印をつけられてもさあ〜、と、思うじゃありませんか。
 と、同時に、わたしの脳裏には、もしかしたら『Closed』の意味に違いがあるのかもと、都合のいい解釈が点滅し始めていました。

 ウィルス対策のために今日は閉まっているけど、明日も明後日も開かないと言うことが決まっているわけじゃない??かな?...という...。
 トンネルの先に出口の明かりが見えたような見えないような、解釈の根拠は、『地元の人の深刻さ』が伝わらないだけではなく、旅行会社からの緊急、重要メッゼージにも、観光施設の閉鎖については触れられていなかったからとも言えるでしょうか。機内で見た記事は知らせがあるまで閉鎖するでしたし、閉鎖期間については記載がなかったし..すでに予約が完了している場合は入館させてもらえる措置が取られる可能性も、勝手ながら浮上してきました。
 とにかく、入ってしまったトンネルの先は、出て見なくちゃ確かなことはわかりませんから、気を取り直しつつ、4 泊お世話になる客室へ。
 荷ほどきは、4日間に使う予定のものを中心にして、 着替えの半分以上は、もちろんパッキングから出さずに置くので、滞在パターンとは違って、なんとなく仮住まい的な落ち着きのなさが残る客室で、備品のネスプレッソを入れながら、ホテルのWifi接続設定をしたところ、ツアー会社からまたもや、“重要なお知らせがあるのでメッセージボードを見るように”とのメールが届いていました。
 
 “添乗員に変更があった”と言う重要なお知らせから、約7時間後のメッゼージボードには、コロナウィルスに関連してスペインの情報に動きがあり、マドリッド市内一部の観光施設の閉鎖が決まったこと、バルセロナのサグラダファミリアの塔の閉鎖が決まったこと、ほかの観光施設についても入場制限が追加される可能性が大きく、ツアー行程の大幅な変更が避けられない状況になっていて、可能な限りオリジナルの行程実施に務めるものの、希望通りの観光は叶わない可能性が高いとありました。
 その上で、『現地発着プラン』としてのツアー参加を希望するかどうか、こちらの意向を尋ねられる内容でした。

 トンネルを出ても、あかりはない...。
 プラド美術館は本日(早仕舞い)閉館ではなく 、紛うことことない閉鎖でした。
 
 ただ、“どうしますか?”と言われても、来ちゃってるし、飛行機のチケットは12日後、バルセロナ発なんですよね。
  予定通りの観光ができないのは、ツアーをキャンセルしても同じですし、自分たちで動こうとすれば、ツアーキャンセルで返金される旅行代金以上に出費がかさむ可能性もあります。バルセロナの状況も流動的とと考えれば、ホテルや食事が確保できて、移動が楽にできるだけでもツアー参加のメリットはあるとしか言えない気がしました。 
 添乗員付きで、車が(二人だけのツアーになったのでバスは使われないでしょうけど)あるだけでも心強い話ですから、状況を理解した上で、ツアーは続けるのでよろしくと、わたしたちはメッセージボードに返信しました。

 時差があるのでボードへの返信よりもよりスピーディに対応ができる現地手配代行会社に連絡をと 言うアドバイスは、見てはいましたが、ツアーをキャンセルして新たにホテルや移動手段の手配を依頼する訳ではないので、この日、コンタクトはとりませんでした。
 それよりも、プラド美術館プライベートツアー(ガイド付き入場)の 催行中止の連絡が届かないのが気になり、現地の窓口に電話をしましたが、営業時間外。申し込みサイトの問い合わせアドレスに、到着してみたら美術館閉鎖になってるんですが、明後日の待ち合わせはどうなりますか?とメールを送信しました。

 ぬるくなったエスプレッソを入れ直し、 持参した栗松露を開けながら、明後日の夜、添乗員と合流するまでは旧市街の散歩するくらいでゆっくりするつもりになってました。
 お風呂に入ってしまうと、部屋の外に出る気にもなれず、ルームサービスの有無もチェックしてなかったので(機内で食べてましたしね)夕食はカッブ麺!
 ロンドンやパリでは、到着当日も出歩いてたのに、ローマでは出るつもりで挫折して、今回は出る気にさえならない、体力衰えた〜などといって、二人とも朝まで熟睡。

 まさか、この時スペインに対する『外務省スポット情報感染症危険情報』の引き上げが発表されているとは...スペインサイドのコロナウィルス対応に気を取られて、自国の外務省サイトにアクセスし忘れていて(在スペイン大使館、在バルセロナ領事館発のメーツは受信してたんですけどね。)自分たちが渡航危険レベルの場所にいると知ったのは、翌朝でした。

                                                20/03/20 

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マドリードの2日目(渡航危険レベル2)ツアーキャンセル、退避勧告を受け帰国

 マドリードで迎える初めての朝は、6時30分にセットしていたアラーム音でスタートしました。
 ホテルの朝食は7時から。先の予定があって急ぐ日でもなくなったため、もう少しベッドの中で時を過ごしてもよかったのですけど、睡眠時間は十二分で、目覚めは悪くはありませんでした。

 ただ、コトが動いていると言う懸念はつきまとっていましたから、起きて、最初の行動はメールのチェックでした。
 プラド美術館ガイドツアーに関しては、申し込み先からの返答はなく、待ち合わせが明日9時なので、日中に(マドリード現地の)窓口に電話をすることにして(まだ、予約済の場合は館内見学できるのかも...と希望が捨てきれない)、こちらは“あるだろう”と想定していたツアー会社からのメッッセージを開いたところ、ツアー続行の(こちらの)希望を了解したと言う話の代わりに、ツアー中止のお知らせが!!!
 
 添乗員の変更と、日本からの参加者が全員キャンセルして、ツアーはわたしたち二人と添乗員で運営と言うメッセージが12日10時40分、同日19時03分のメッセージが、行程の変更が避けられない状況だけど、ツアーどうしますか?と言う話で、続行の意思表示を返信したのが13日01時36分。で、こちらの返信を確認した旨のメッゼージを受信するはずが、13時44分、ツアー中止決定のお知らせです。(メッセージボード送信記録時間)。
  変化が激しすぎてついていけない(主人言)とはいえ、呆然としていられる余裕もありません。 
  と言うのも、ツアー中止の理由が、外務省が12日22時50分にスペイン・マドリード州に対するの感染危険情報をレベル2に引き上げたからで、出発できる予定だった添乗員も出発することができないという...。何しろ“不要不急の渡航は中止”のレベル2です。
 ホテル、列車移動の手配等は、旅行を継続するか早期帰国するかも含めて 現地の提携会社が対応してくれるとのことで、連絡を促されていました。ただ、「旅行会社ジャルパックといたしまてはマドリード地域より速やかにご移動されることをお願いいたします。」の一行が、ズシンと重い。
 マドリードを速やかに離れて、バルセロナに行く? と言うのは、賢くないと考えさせられる一行でした。
 追加情報として、アルハンブラ宮殿、サグラダファミリア(昨日は塔のみでしたが) の閉鎖も決定されたということで、バルセロナに行っても観光できる状態ではないわけですよね。

 “不測”の事態で、ツアー本体との合流が叶わなかった時には、周遊は諦めてマドリード、バルセロナの2都市滞在で乗り切る予定も一応立ててはいましたが、それは例えば、局地的悪天候で本体利用の飛行機が欠航になったりのケースで、観光地の情勢悪化は“不測”の対象外でした。乗り切ろうにも観光予定の施設が閉鎖なんですから、ここで、“速やかにマドリードを離れてバルセロナに向かう”意味があるとすれば、復路の航空チケットが(10日後の)バルセロナ発ということだけだったでしょうか。  
 カタール航空の受賞記念の特別価格のチケットで、キャンセルは不可、ただし日にちの変更はできたはずなので、予約管理・変更のページを開いて、翌日、翌々日の日付を入力し、変更ができるかどうか試みましたが、手続きを先に進めることができませんでした。空席は全くなかったのか、アクセス状態に問題が生じていたのかはわかりませんが、繰り返しても事態は進展しないので、わたしたちは一旦朝ごはんを食べにレストランに...。

 食事を取りながら、コトを整理すると“不要不急の渡航はやめなさい”というレベル2になったエリアに長居はしない方がいいし、スペイン内でレベル2エリアが拡大される可能性があることを鑑みて『帰国』せざるを得ないというゴールはハッキリしてきました。
 日付変更がスンナリできていれば、チケットを活かすべく、頑張ってバルセロナ入りの方向に動いたかもしれませんが、“速やかに離れろ”とお願いされている状況で、11日後のチケットは...瀕死、ですね。
  瀕死だけど、手を施さず見殺しにはしたくない..。

 キャンセル不可、行程変更不可(らしい)の24日バルセロナ発チケットを、マドリード発に切り替えができないかどうかを、とりあえずは確認してみようということになりました。
  オンラインでマドリード~伊丹のチケットは翌日も空席があり予約は可能だったので、切り替え不可なら諦めて、マドリード発のチケットを片道、新規購入するしかありません。
 で、予約サイトを見て確認した価格が二人で59万** だったので、キャンセル不可の手持ちのチケット代金も捨てることを考えると、やはり、できるあがきはしなくては....。
  カタール航空のオフィスに行っても、言葉の壁がたちはだかるでしょうし、海外での強い味方と言われる JCBプラザは...手配は頼めるかもしれませんがチケット変更の交渉は...サービスの範疇かしらね?などと悩んでいるうちに、連絡を取るようにと促されていた現地ツアー会社の営業時間になったので、ホテルの客室から電話をいれました。

 で、ジャルパックの現地集合プランが中止になって、と話を切り出したところで、「マドリードに来ちゃってる**さんですよね!。」と、状況説明は不要でした。
 う〜ん、来ちゃってるのよね。出発の2日前は、スペインはツアー催行に何ら支障なしと言われてたし、レベル1が出されてると知ったのが出発当日の午前中だったし、そりゃ、来ちゃいますって、というのは心の声。

 とにかくも帰国することにするので、お願いできるサポートを受けたいと伝えたところ、帰国のためのチケット入手まで、3段階のステップが提示されました。
 その1)ツアー会社がカタールのオフィスに電話をかけて、変更の交渉を試みる。
     交渉時に必要な私たちのチケット情報は、予約番号を伝えてカタール航空の予約管理画面にて確認してもらいました。

 その2)カタールのオフィスに電話が繋がらない時は、スタッフ同行で、わたしたちが直接オフィスに行く。

 その3)オフィスがしまっている時は空港に行って、カタール航空のカウンターで交渉する。

 いづれも変更不可の場合は、チケットの購入が前提で(何しろ帰国に向けての段取り)その3の場合は、最初、「荷物を持って、出発できる状態で」と言われたので、びっくりしました。速やかにのつもりはあっても、わたしたちは最短で翌日のつもりでしたから...。

 トランク持参は必須のは計画ではなく、そういう手もあるということでと修正が入りましたが...ツアー会社がその1を試みてくれている間、わたしたちはトランクの荷詰めを開始しました。(合間にプラド美術館ガイドツーの中止も確認)トランクひとつに詰め込めるだけ詰め込み、鍵をかけて持ち出せる状態にしたところで、電話連絡が入りました。

 何度電話をかけても応答がないので、カタールのオフィスに直接行きましょうと...。
  スタッフは30分ほどでホテルに到着するので、準備をして待つようにと言われました。ただし、電話に応答がないオフィスが閉まっている可能性が高いので、その時はチケットの確保のために、空港に向う予定も知らされました。

 30分、30分、化粧も後回しに(後に回してできる余地なし)できるだけ荷造りを試みるも、焦ると仕事の効率は劣化...するのは我が家だけでしょうか。クローゼット、引き出し、バスルームカウンターに昨晩分散した荷物を、機内持ち込み分と区別して一箇所にまとめたところで、サポートのスタッフが到着。
 現地在住の日本人女性(Tさん)でした。
 
 カタール航空のオフィスがあるはずのビルの近くでタクシーをおり、ビルのエントランスで守衛? 案内人?あるいは管理人?にたずねると、オフィスはあるけど誰もいないよとう返事(やっぱり)。ドアに連絡先の番号が貼られているというので、Tさんが見てくると上へ。。エントランスで待っている間に、わたしは、1時間半ほど前の電話で“出国準備をして(ホテルをチェックアウト、荷物と一緒に)空港に向かう”とというスタッフの『案』を思い出していました。
 チケット確保のために空港に向かうのには、瀕死のチケットを多少でも活かせる可能性にかけるという点で意味があります。
  活かせればメリットがあったことになりますし、活かせなくても(数時間前にオンラインで見た限りでは)帰路のチケットは入手はできるでしょう。 じゃ、チケットを確保して一旦ホテルに戻ってくる意味は...ないですよね。 帰国を明日以降にすれば、帰り支度をゆっくりできるというメリットがある一方、明日はまた状況が変わっているかもしてれないという不安も付いてきます。
 ドアに書かれていた電話番号は朝からかけているのと同じで、相変わらず誰も出ない、「...空港に行きましょうか。」というTさんに、
荷物を持って行った方がいい気がしてきたことを伝えると、その方がいい!とおっしゃる。即答でした。
 空港でなら選択肢も増えるので、帰る手段は見つかるし、今日の便に間に合わなくても、空港近くのホテルの手配はできるので、とにかくもココ(マドリード地区)から出ましょう、(荷物をまとめる間は)待ちますからとおっしゃる。
 この時に、現地のスタッフが地区封鎖も念頭に動いていることを知りました。
 封鎖されたら、解除まで閉じ込められることになりかねないので、動けるうちにわたしたちを帰国便に乗せなくてはということでしょうね。
 
 速やかに移動するようおねがいされても、移動しようにも移動できなくなる事態がありえそう...、つまりは大変なことになってると、手当たり次第に荷物をトランクに詰め込みながら、わたしたちの気分は『脱出モード』に突入。
 ホテルの館内には、ゲストの姿は少なめとは言え、格別異常な様子もないなかで、“不要不急の渡航中止”の地域にいることを肌で感じるのは難しく、コンダクターが来られない、観光施設も閉鎖されているという不自由さで危機感を刺激されている状態でしたが、封鎖の現実みで、危機感急上昇!!

 Tさんをに待ってもらっていることもあって準備は30分ほどで済ませ(整えたとは言えない)ホテルからマドリード空港に向かったのが12時30分過ぎで、(急なチェックアウトに対するホテルの対応は、ホテルの印象にて)空港到着が13時頃だったでしょうか。
 カタール航空のサインがあるところでタクシーをおり、カウンターに直行したところ、スタッフ二人が並んでいるカウンターの横ではチェックイン手続きが始まっていました。

 二人のうちの一人が手すきだったので、Tさんか即事情を説明。 
 すると、空席はある(確かに、オンライン予約でもありましたから)けど、わたしたちが持っているチケットは特別料金(その通り)なので、変更するには差額が必要で(そりゃ、分かります) 一人2000ユーロちょっと...だというわけです。
 実際には二人で4500ユーロでしたが、高い!
  価格は日にちや便によって違うとのやりとりもあったようで、明日の便のお値段も調べてもらいましょうか?とTさんからは言われましたが、それは不要にしました。いくらかお安くなるとしても、明日にとなれば宿泊等で差額もなくなるし、逆に明日なら諸経費諸々差し引いてもも有り余るくらいに安い価格が...となれば、上昇中の危機感とお財布事情との折り合いで悩み、緊急事態に上乗せのストレスになりかねません。
  目の前で搭乗手続きが行われている便を選択して、このまま帰国の途につくのがベストと信じて、発券してもらいました。
 差額4500ユーロ。仕方がない話ながら、主人はオンラインで販売されている価格と変わらないじゃないかと思ったそうですが、59万** 円、約60万だというのはわたしの見間違いで、実は59**ユーロだったと、あとで気がつきました。
 ちなみに、帰国後の検索では6200~6500ユーロ、現在は、週に1~2日に減便された様子の同路線が9000ユーロ前後に上昇しています。(特別価格もありますけどね)
 約6000ユーロのチケットを4500ユーロで購入したと考えれば、大きくはないにしろ差額が生じています。瀕死のチケットも無駄死はしなかったと言えそうですね。
 空港のカウンターに取り付いてから発券まで 數十分..すぐに搭乗手続きをという割には、支払いをしてから発券まで..ネットトラブル?と疑いたくなるくらいに時間がかかりました。その間に、現地ツアー会社にサポートサービス代金を支払い手続きをすませ(Tさんにではなく支払いは会社あて。カード利用。)セキュリティーチェックの入り口でTさんとはサヨナラしました。
 予定範囲の仕事かもしれませんが、よくサポートをしていただき、たすかりました。せめてもう少し余裕を持って感謝を伝えたかったです。
 
 右上イメージは主人のパスポート、マドリード空港での、日付が1日違いの出入国印。
 キッチリと並べて押してくれたスタッフは気が利いてる感じ! わたしのパスポート はどこに押されたか探さなくちゃという具合で、インパクトも感動もありません。。

 マドリードからドーハに向けて、飛行機の離陸は15時10分。
 この日、起きるのが1時間遅かったら、乗ることができなかったかもしれない便は、昨日乗ってきたフライトの折り返し便と同じ時刻。
 マドリード滞在24時間でした。

                                                 20/03/25 

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前日到着時と同じクルーに迎えられて帰路に、事情の説明だけは上達

 前の日と、同じ頃に同じところを歩いている ...って、散歩コースじゃあるまいし、それがマドリード空港での体験となれば、レアすぎて笑えてくるくらいでしたが、空港については、到着時出口横にポールのカフェがあったこととシャトルトレインがトンネル内走行で地下鉄みたいな雰囲気だったことくらいしか思い出せません。ショッピングエリアもあったはずですが、帰りは出国できたのが、飛行機出発まで1時間を切ってたように思いますから、寄り道の余裕も全くなく、“マドリードに行ってきました”の類の記念品すら買わずに終わりました。主人のパスポートに並んで押された出入国印が空港でゲットした『記念品』みたいなものでしょうか。

 チケットを受け取った後、ほとんど並んでいる人もいなくなっていた保安検査場を横に見ながら、わたしたちは、前進、左折でファーストドトラックの 入り口まで早足で向かいました。混んでないから、ここ(搭乗手続き横の検査場)から入ってもいいんですけど、せっかくなのでとT さんが誘導してくれましたが、自分たちだけだったら見つけられずに迷ったかもねという、目立たない場所に体格のいい男性スタッフが立っていて、ファーストトラック利用の専用カードを回収されました。
 この時に、わたしは飲みかけのミネラルウォーターを持ち歩いていたので、これはダメだろうとホルダーから取り出して捨てようとしたところ、スタッフは、ここではいいよ、構わないよと、おっしゃる。
 開封してるものであっても、問題なし!
  勘違いではなく、言葉の壁のないTさんも「ここは持ち込みOKみたいです。」とのことなので、ホルダーから出したペットボトルをしまって数歩先へ、ごく短い壁の裏手の検査場で検査官にこれは持ち込めませんと、ゴミ箱に捨てるように指示されました。(おじさんの問題なしの直後で、何が問題なのか理解するのに手間取っちゃいました。)
 ほら見ろ、という気分でしたね、わたし。だから捨てようとしたのに、おじさん!ノープロブレムじゃないでしょ!と。
 “ココ”は検査入り口、保安検査を受けるるまではいいんだよというこで、『早々と捨てなくていい』とのアドバイスとしたらご親切にというべきところかもしれませんが、ホルダーから出したり入れたりすることになったわたしは、ココとソコは同じだよと、壁の向こうを振り返って言いたかったです。
 
 観光を楽しんで帰路につく旅行者と推察される東洋人に、ノープロブレムのおじさんも検査官も搭乗口のスタッフも陽気な雰囲気の対応で、実は、違うんだけど....割と大変な状況だったんですけど..というにいわれず....短い旅を終わらせるべくボーディングブリッジを歩く足取りも、さすがにおもい....。ところが、進む先、飛行機の入り口にたつ男性クルーに見覚えがあって、状況が少し変化しました。あらかじめ「もしかしたら」と思って近づいたわたしと違って、乗り込むゲスト一人一人に声をかけていたクルーの方は、対面した瞬間に、ジェスチャーゲームでなら『私は目を疑いました。』の回答必至のリアクションで、なんと言ったらいいのか、異常事態を察してもらえたようでわたしは、少し救われた気がしました。
 加えて、別の女性クルーが見事に驚いてくれまして、「え?あ!あなたを知ってるわ、あなた昨日ここに座ってたわよね。」 と、昨日マドリードに到着した便で、わたしが座っていた窓際の席を正確に指差してから「どうしたの?」と聞いてきました。自然な反応...とは言え、仕事中のクルーにそこまで直接的に驚かれるとは予想を超えていましたでしたが...。
 でも、どうしたと聞かれれば、そりゃ、話せるかどうかは別のこととして、話す素材はいっぱい持っって乗り込んでますから、わたし。

 昨日 そこの席に座って、マドリードについたら、プラド美術館が閉鎖になってて、他の観光施設も閉鎖になってて、合流予定のツアーが朝起きたら中止になってて、日本はマドリード観光をやめるように言っていて、マドリードのツアー会社のアシスタンドからは早く帰国するようにうながされて、二週間の観光旅行の予定をやめて、1日ホテルで寝ただけだけで、外を歩くこともなく、さっき、飛行機のチケットを買って、これに乗れたんだよ....という内容ですね。

 とくに希望を聞かれないまま指定された席が最前方だったことと、わたしたちが比較的後の方で乗ってきたことで、スタッフはゲストを迎えるのにとても忙しい時間が過ぎていたようで、頼んだつもりがない2杯目のオレンジジュースを持ってきてくれたかと思うと、「それで?」という具合で、まあ、トンボ帰りの顛末は興味深かったようすです。 
 で、離陸直前にコップを回収にきた別のクルーがまた、顔を見るなり「え?どうしたの?」という パターンになるので、(離陸前、クルーどうしが集まって、実はあそこのお客さんは...とおしゃべりタイムも取れませんから、一人、一人個別に「どうしたの?」と驚くわけで、...)幾度か繰り返すうちに、わたしは自分の英会話力アップを自覚しました。反復の成果ですね。

 ただ、それはマドリードからドーハまで。ドーハから羽田便に「え?」というクルーはいませんでしたが、代わりに“How sre you?” のからはじまる...関係。
 “ I'm fine.”と言えない気分は御察しのとおり。
 とりあえずは簡単に、急遽旅行ををやめて帰国することになったので残念な気分というと、ご家族でなにかあったの?ときかれたりしまして、結局、継続は力なり。ひとつのテーマでの限っては『英語を多少はは話せます』。の人になった気分でした。

 上イメージはドーハ〜マドリード、マドリード〜ドーハのチケット、搭乗日は12日と13日。
 クルーのシフトと同じ工程!! そりゃ、驚きますって(わたしたちも驚いたもん。)!!

                                                 20/03/31 

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復路移動中

 ドーハに向かう機中、興奮状態がおちついてくると、ようやくまともな感覚に襲われました。
 ひどい目にあったよね、という...。
 朝からの展開が急で、とにかく『脱出』の方向に舵がとられてしまったので、後悔やら、心残りやらは 置き去りにされた半日。せめて、昨日のうちにマイヨール広場に行っておけばよかったかも、などという思いを自覚したのも離陸後すばらくたってからでした。

  右イメージは、今回手元に残った唯一のマドリードしない外の景色。一段落したホテル客室の窓越しに撮ったもので、外はまだ“散策適用時間”でした。こんなことになるとは知らずにすぎた数時間、勿体無いことをしてしまいました。
 予想が付いていたら、そりゃ、荷ほどきやお茶はあとにして、旧市街に足を伸ばしたに違いありませんが、でも、そうしたら、昨晩、片付けが遅くになって、寝るのが遅くなって、起きるのも遅くなって、“初動”が遅れて、 この便に乗れていなかったかも、それでも夜の便に乗れてるだろうから、やっぱり、広場に出かけなかったことは“失策”だったかなどと、仮定に想像力をたくましくしていたら、主人がWEBで、マドリード空港が、押し寄せた出国ゲストで大混雑になっているというニュース動画を発見したのでした。16時頃の様子を配信した短い動画でしたが、荷物を抱えた人で埋め尽くされている様は、1時間差で発生した緊急事態に見えました。
  米国が、この日の深夜以降、シェンゲン地域からの入国を禁止するということに連動した混雑だったようで、目的地が違うわたしたちと空席をとりあうという話ではなかっただろうけど、というのも後になっての感想で、その時はただ、こんなことになる前に『脱出』できてよかったと心底ホっとしました。
 おかげで、ちょっと頭をもたげてきた後悔等は、再び置き去りにすることになって、まあ、とんでもないことには違いないものの帰国へのステップは、それなりに順調だったと思えば、「よかった。」の繰り返しでした。
 
 米国の措置については、在スペイン大使館からの、3月12日13時現在の スペイン全土の感染者数(累計2950人)を知らせるメール内に『米国がスペインを含むシェンゲン域からの米国への渡航を禁止する胸の措置を発表しました。同措置は、13日(金)深夜以降、30日間有効であると報じられています。(原文。)』と記載がありました。また、本日の新着情報として、日本外務省がスペインマドリード州の感染症危険情報をレベル2に引き上げたことも記載されていました。
 ただ、13日16時頃にマドリードの空港にいたのでは 米国の入国禁止措置には間に合わない??という疑問は、その時には皆無でした。 今となっては、もしかしたら、12日14時頃のニュースを見てしまっていたかもという、確かめようのない懸念もチラホラで、そういえば、到着時空港内を出口に向かっている間、いやに混雑している区画を見て、並ぶのか〜と思ったら、ガラガラで拍子抜けした事実もありますし、わたしたちが到着した昨日には、出国ラッシュが始まっていた可能性もあります。
  が、米国の措置とは別に、スペインのサンチェス首相が、『明日(14日)の臨時閣議で「警戒事態」を宣言する政令を発出する』との発表が行われたことを知らせる在スペイン日本大使館からのメールを、わたしたちは、ドーハで乗り継ぎ便待ちの間、カタール空港のラウンジで受信し、どちらにしてもマドリードの空港は混み合う事態になったのだろうと推しました。
  発令は14日の10時半、その頃は羽田に向かう機中にいたと思いますが、不要不急の全ての移動の制限、国内全体の(一部を覗く)商業施設の閉鎖など、発令にとももなう具体的な措置(21時に記者会見)のお知らせメール(スペイン滞在期間中に届く設定)はを開いたのは、大阪に到着後でした。
 
 生乾きのTシャツ(洗濯したんですよね。4連泊の予定だったし...。クリーニングに出していたら、マドリードに置き去りだったかも。)も 「えい!」とトランクに放り込んで、マドリードを後にしたのがおととい...でも、現地時間でいえば翌日には警戒事態宣言発令で、移動にも制限がかけられていたわけで、観光客が帰国のためにホテルから空港に向かうことが、制限の対象かどうかはともかく、30分ほどでTさんに来てもらえなかったかもしれないし、カタールのオフィスに立ち寄る余地もなかったかもしれません(寄っても意味はなかったものの、諦めはつく。)。兎にも角にも戻ってこられてよかったとしか言いようがありません。

 ドーハのラウンジで、26日に予約を入れていた羽田のパークロイヤルに事情を記したキャンセルのメールを送信し、急遽の帰国で必要に迫られることになった14日の空室状況を確認したところ、キャンセルは了解、あいにく14日の空室はないとの返信が届き、慌てました。
『急な帰国』という事態に対してはとりあえずは順調に動いているところに、最後の仕上げの日本で宿なしは、最悪のシナリオじゃありませんか。主人と二人、それぞれにホテル検索。。到着が遅く、翌朝の便が7時発なので、ロケーションを優先して、流石に、洗い場付バスルームへのこだわりは捨てました。まさかの空港での夜明かしを思えば、(バスルームの条件など)捨てざるを得ませんよね。
 幸い羽田エクセル東急に予約(予約と同時に同時に前払い返金不可)ができましたが、特殊なアクセスゆえ、到着後に、ひとしきり時間と競争することになったのは別ページで。
 
 ちなみに、マドリード時間で、13日18時頃ホテルから宿泊費は1泊分のみ、3泊分は返金手続きをしたというメールが届きました。

 詳細はホテルの感想と印象で後述予定ゆえ省きますが、素早い対応には良い意味で驚かされました。

                                              20/04/07 

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