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 2005年のやま里、天ぷらコーナーのレポートです。

 分割運営体制が整ったトマムのスキーシーズン、やま里の天ぷらに関して複数の批判的な感想が寄せられました。HP開設以来初めての珍事だったので、覚悟を決めて臨んでまいりました。
 我が家としては,悪くない結果を 得てきましたので、今後の参考にご一読ください。
 なお、鉄板焼きコーナーでは一昨年退職なさったシェフが復帰されています。
                    05/02/28 


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 バックナンバーマークの付いたページの情報は2005年10月末まで有効期限とした、『在りし日のトマム』の記録としてご覧ください。


星野リゾート単独運営後、やま里は閉店しました。09/03/05

 アルファリゾートトマムで快適に遊ぶ為の本編で、 わたしはやま里の天ぷらを表するのに,大胆にも天一を引き合いにだしましたが、当時のシェフSさんはその後に退職されました。

 
ゲストにとっては残念ですが、これは「おめでとう」と言うべき事柄でしたからやむおえません。 ただ...もっと残念だったのは、後続がすぐに決まらなかったことでした。その理由をここで推測するのは(過ぎたことですし)意味はないと考えますので割愛しますが....ピーク期、時にはオン期にカウンターに立ってらしたシェフのほとんどは『この時期だけ』の方達でした。それでも,天ぷらに大きな問題は生じなかったと、わたしは思っています。味は「いつも同じ」ではないし、ましてやオークラでの研修経験もあったSさんの時と比べれば「前とちょっと違う」部分はありましたけど、それでも、我が家はおいしくいただいて来ました。
 (右上イメージ、手前が天ぷらカウンター出奥は鉄板焼きカウンターになります。定員は各6名)

 もう久しく天一からは遠のいて、その味も記憶から薄れたいま、わたしが比較の対象に思うのは、甲陽園つる家(大阪)石水(札幌)ということになるのですけど、つる家で天ぷらを食べたいね...あ、でも来月やま里に行くから...やめとこうか...という会話が成り立つくらいには、我が家ではやま里の天ぷらにも満足していました。(お値段も比較の対象)

ところが、2004年の下半期の休眠を終えて目覚めた2005年、やま里の天ぷらに,何かが起こったようで、否定的な情報が寄せられました。(トマム最新情報2005参照)多く...ではありませんが、複数、しかも、衣の厚さに関してという共通項もありましたから、好みの差...では収めきれない不安が残ります。
 そもそも、究極の天ぷらを食べ慣れているゲストは別として、人が目の前で揚げてくれた揚げたての天ぷらは、通常おいしいものなんですね。(そう感じる許容範囲が広いという意味です。)
 にもかかわらず、よくない感想を複数聞いてしまったわたしは、悩みました。確認したところ、今季は以前からトマムにいらしたS氏が主に天ぷらを担当している様子...特に外部から一時的にシェフが入っているということでもなさそうでした。となると、そのS氏の天ぷらが今のやま里のスタンダードとなりますね。

 そこで、玉砕も覚悟で,チャレンジするべく予約を入れました。
 S氏の都合が悪い時には他のスタッフがカウンターに入ることもあるようなので、S氏を指定。スタンダードをいただかなくては,チャレンジの意味もなくなります。ただ,もしも...に備えて、一旦はオーダーしていたタラバ蟹の足は、キャンセルしました。
 (予約担当スタッフにこれだけ言うところからして、チャレンジャーだと主人に言われました。)

 今季のやま里、天ぷらコーナーは(鉄板焼きは以前から)スタート時間が決まっているということで、案内は19時30分からになりました。我が家の他には1家族、お子さんがふたりで、6人満席です。
 シェフに向かい合う形で、シェフの左手から、弟さん、お兄さん、奥様、ご主人、主人、わたしの順に座りました。この席順を憶えて下さいね。

 奥から登場したS氏のお顔を見て、わたしは口が半開き...。存じ上げているシェフで、しかも、天ぷらでお世話になったことがあったんです。お名前を効いても結びつかなかったのが不覚...。いつだったかは特定できませんが、S氏の揚げた天ぷらをいただいたことがある...ということは、(すくなくとも)その時に問題も感じなかったわたしたちには、2005年初天ぷらに対して玉砕の覚悟が不要ということなんですね。ああ...タラバ蟹の脚をキャンセルするのではなかったと、後悔に浸ってるうちに、車エビの頭の唐揚げ....。“ちゃんと”おいしかったです。

 でも、一応チャレンジャーとしてわたしは座ってましたから、今までよりは観察力を強化!その結果、もしかしたら批判のポイントになるかなという部分が皆無ではないとも感じました。
  (ただし、批判的な感想をくださった方が利用された日のシェフは特定できていません。S氏でなかったかもしれませんし、S氏だったのかもしれません。)

 まず、今シーズンはスタート時間が決められた為に6人揃って、よ〜いドンだったんですね。今までも満席になることはありましたけど、多少の時間差がありました。同じ頃合いに席についても、メニューの決定から,先付け、お造りを食すテンポが違えば、時間にはずれが生まれます。
  でも、今回はこのずれがなかった...というよりなくしたのでしょうね。それで6個の天ぷらが一緒に揚げられると言う状況が発生しています。(すべてではなくて、かなり...)この状況が油の温度に及ぼす影響があるのか、ないのか....真意はともかく、素人の目には「ありそう」に見えるかもしれませんね。
 このことに関連するのですが、油切れが気になったものがありました。
  ただしこれはわたしだけだと思います。それというのも、1枚、2枚...と揚がった天ぷらを鍋から引きあげられた天ぷらは、S氏の手元のペーパーの上で一休みするわけですが、5枚目の天ぷらがペーパーの上に並べられてから6枚目...一旦はペーパーの上に行くんですが,お箸から放れることなく、そのままわたしの前に置かれるのでした。主人もちょっとおもしろがってましたが、引き上げられたのと逆の順番に配られるんですね。

 わたしが“待てなさそうなタイプ”に見えてらしたのか、あるいは左端が小学生のお子さんだったので”十分に冷ましてから”と考慮されていたのか....。数秒違いの2番手、主人は全く(油切れは)気にならなかったと言いますし、同席したご一家のご主人も『衣が軽いですね〜』などとおっしゃって、おいしそうに召し上がっていらっしゃいました。
 1番手のわたしは...舞茸とナス...を黙視した時に、油が....ちょっと残ってるように見えました。わたしは猫舌なもので(少し置くため)実害は感じなかったですけど、揚げたて熱々を即ガブリ!といきたい方には、(この配り方は)時に支障があるかもしれませんね。
 
 油きりに関しては、引き上げた天ぷらを割と高い位置で、2度、3度と振り切っていらしSさんを、どうしても思い起こします。
  ゲストに油が飛ぶリスクはゼロではないし、 女性ならではのしなやかな手首の動きだったから絵になっていたものの、おじさん(ごめんなさい)世代には,に合わないパフォーマンスかもしれませんけど、本当に仕上がりがカラリとしてました...。どこの席であっても、同じ条件だったと思います。
 でも,今回も配る順番を逆にしなければ、わたしにも「見抜けなかった」程度の問題ですので,ご安心ください。
 もう1点が,書き込みでも指摘されていた衣の厚さなんですが...。

 一応、分かり易いところで、イメージを取りましたので。ご覧くださいね。
 南瓜と同じ厚みの衣の塊がすべての食材にこびりついている(トマム最新情報2005、05/01/2参照)驚くべき事態はおこりませんでした。(よかった。衣は薄目が好き,と言う好みは事前に伝えましたけど,伝えなくても同じだったと考えます)

 でも、レンコンの右上、気になりますか?

 実は S氏、 時折、衣の種を鍋の中にお箸で散らしていらっしゃいました。お隣のご主人が、『油の温度を下げてるのか』『温度を調べてるのか』と尋ねられて、温度を見るのが主の目的というお話でしたが、衣の種は、油の上だけではなく、意識的に素材の上にも散らされていたように,わたしには見えました。衣の、一部後づけですね。(すべての素材にではありません。念の為)
 その結果のマイナスポイントを、我が家では特に感じることはありませんでしたが、 別に(跡づけは)なくてもいいわよ...というのも正直な気持ちです。その部分を余分に感じるゲストもいらっしゃるかも.....。

 とはいえ,意地悪目線で観察してても、問題点はこの程度...。(最初にお顔を拝見した時点で,安心しちゃった部分もありますけどね。)
 覚悟をして臨んだ我が家にとってはうれしい誤算でした。
 これがやま里のスタンダードだとしたら、今度は、タラバの脚をリクエストしたいと思いました。
(ただ、コースだけで、量は十分を遥かに超えちゃったので.....安易に追加はできかねます。案外それが一番の問題かもしれません。)
 
                                       05/02/28