渡航環境未だ不安定...なので、とりあえず Go TO

   国内近場の温泉旅館回帰録 その2

 2週間の予定が、ホテルに一泊で切り上げとなったスペイン観光旅行...仕切り直しで来年のお楽しみになるはずが、再燃を繰り返すコロナ騒動を横において、海外旅行の計画を立てられるほどには楽観者でもない我が家。
 とりあえずは、この際GoToしとく?という話になったのが10月、スペインまでの道のりはまだしばらくは見えないことへの悟りとともに浮上した近場の温泉旅館への興味。
 遅ればせながらのGoToトラベルキャンペーン参加計画だったので、 狭き門をこじ開けるようにして、いくつか予約っを完了しました。テーマは『身近のくつろぎ・日常への刺激』。宿泊が目的ですから、快適に過ごすために占有露天風呂付きベッド仕様の寝室に居室スペース有りの客室を条件に、選択しました。


有馬グランドホテル 別墅 結楽(有馬温泉 2021年3月下旬)

 予約を完了したのは2020年10月23日17時前。

 阿讃琴南や京都坂のホテルを利用して、GoToトラベルキャンペーンのお得感にどっぷりはまって帰宅したのち、とりいそぎ、この際はキャンペーンに もう少し積極的に参加しよう!と、思った時には、対象期間に空室なぞ、ありゃしません...。ありゃしませんが、探していればなんか良さそうなお宿の情報は入ってくるというわけで、有馬グランドホテルも、そのうちの一つでした。大規模な宿泊施設との認識でしたから、最初から強い興味を抱いていた訳ではありませんでしたが、ここも、やはり別邸のカテゴリーが...。
 2019年開業らしい結楽は、新築か改築か、改装かはわかりません(新築かと思った)が、露天風呂付客室にひかれました。 こじんまりとした別邸のイメージが先に立って、多少の誤解にも気づかず、空室のあった3月に、予約をいれました。
 1月末までされていたとトラベルキャンペーン とは無関係の予約でしたが、キャンペーン期限の延長への期待を抱きつつの、勢いで進めた予約です。そういう勢いでもなければ、毎月露天風呂付客室へGo!という計画が浮上するほど、我が家のお財布はふくらんではいません。

 当初の期限直前に一時停止され、なお停止期間延長されている中で再開時期が取りざたされるということは、キャンペーンの期限は予想通りに延長された(されるのか)のでしょう。停止期間まで延長されるのは予想外でしたが、結楽の予約変更に関しては、我が家の『議題』に上が
ることなく、一旦ついた勢いは鈍らずで、お財布の膨らみは考えないことにしてとりあえずGo To...。

 最寄り駅から ホテル専用バスで数分、気合いで歩かなくてよかった坂の先には、観光バスがズラリと並ぶ画を連想しそうな大きな建物。
その大きさにテンションをあげる『年頃』ははるかかなたに過ぎ去ったわたしとしては、混雑時の利用でなくて、よかったと、キャンペーン停止中の行動の正当性がアップした気分でした。ただ、この規模ゆえに(かもしれない)残念なスタートが、チェックインまでの段取りです。

 到着時、 スタッフがすぐに荷物を引き取ってくれ、預かり札をフロントに渡すようにと、フロントの場所の案内がありました。よくできたお出迎えですが..結楽は、“専用のなんたら”がとか書いてあった気がするけどと思いつつ、案内のままにエスカレータをのぼると、動線の先には見落としようもないフロントデスク。ご時勢柄、誘導ロープもちゃんとはられていました。そこでも、“ようこそ”と迎えてくれたスタッフも、チェックインはこちらとばかりにフロントをしめすので、わたしは抵抗せずに誘導ロープ内をくるくると回って、フロントデスクに到達、そこで、結楽予約の旨と名前を伝えたのですが、すると、その場から隣接する別の部屋に案内されました。

 実はエスカレーターではなくエレベータを使うと、フロントデスクに向かう手前に結楽のお客はこちらへという案内板があるんですが、手ぶらになってエスカレーターだと、そこを通り過ぎた形でフロントデスクに繋がっちゃうんですね。エントランスのスタッフ、エスカレター前のスタッフ、利用施設により振り分けの機会はあったのに、『ここではない』フロントに到達しちゃったというのがね〜、例えばそれなりに混雑していて、列ができていて、並んで、少々待たされての挙句に、『ここではない』となると、特別なサービスもあだになりかねないといいましょうか、マイナスポイントになりそうで、もったいない気がしました。
 我が家の被った無駄は、誘導ロープ 内をくるくると歩いたそれだけでしたから、ほら、やっぱりここじゃなくて、“専用のなんたら”がって、見た気がしたもんとの納得感でおわりましたけど、せっかくのサービスも、運用が...という気はしました。
 帰宅後に公式サイトを見直したところ、わたしにも誤解があったようで、フロントデスクではない別の、専用(カウンターと書いてあるけれど、別室?)の場所での手続きは、結楽の2階と7階(クラブフロア)の宿泊者が対象のようです。他の階の宿泊は、エスカレーター前、のフロントデスクでいいということになるのでしょうか。別室前の案内ボードに、クラブフロアの記載があったかどうか、おぼえがありませんが、結楽のキーワードで、2階でも7階でもない予約客が、その部屋に入って、『ここではない』というパターンになるおそれは...ないんでしょうか?
 クラブフロア限定となれば、満室でも数はしれている訳ですから、振り分けは徹底すべきかと考えますが、この規模の施設で、エントランスで名前を聞き、予約内容を確認する作業は、無理がありそうなことは理解できます。
 
 予約した客室に付随しているサービスは、 しっかり把握して出かけるのが、正しく行動するための第一歩かもしれませんね。スタッフにフロントデスクを示されても、「クラブフロアの予約なんですけど...。」といえば、『ここではない』方への案内はなく、すむ話ですものね。

 
 そのクラブフロナの中で、我が家が利用した客室が、下イメージ。

 左上から、手前客室のバルコニーから視界に入る他の棟、客室入り口から伸びる廊下の先が洗面所(右手に洗い場兼シャワーエリア、隣接して露天風呂)廊下右手に畳仕様のダイニングと窓側にソファスペース、壁掛けTVは二箇所。廊下左側に、棚あり、引き出し有りのゆとりのクローゼット(クローゼット手前に布団収納コーナー)ベッドルームはリビングダイニングと障子でしきりが可能で、ソファエリアとベッドルームの床はカーペット仕様。
 
 あったらいいなと思うものがほぼ整えられている感じでした。
 イザという時の避難通路としての役割が強いと思われるバルコニーは、そこでくつろぐほどの機能はありませんが、 改装は外回りもきちんとなされていて、室内からの外に向かう環境もいい感じでした。(改装前を想像できる他の棟のバルコニーは...隣室とのしきりも簡易で、出ないで過ごすことが前提の、やはり避難通路に思えます。)

 結楽の客室のいくつか(広いタイプ)は間取り図も紹介されていましたが、我が家が予約したのは数枚のイメージと文字の説明だけだったので、気になっていたのが、露天風呂と洗い場、あるいは内風呂はなさそうだけど、シャワールームはあるか??という水回りの設備でしたが、こちらもよかったです。

 洗面所の横に洗い場(この広さならシャワールームというより、洗い場でOK)、外気の入るお風呂はへは洗い場経由以外のルートはなく、湯上りのほてりを外気で冷ますスペース(ウッドデッキの類)もありませんが、洗面所だけではなく洗い場までも床暖房がきいていて、お湯に浸かるだけでも、洗い場を通るストレスはなかったです。床、あったかいし、乾いてるし...、ウッドデッキはなくても浴槽の手前のスペースもひろく、使い勝手に不足はなかったです。
 洗面所は広々とはいえませんが、収納スペーは十分で、我が家が持参した細々としたグッズも収まり良く、棚の位置やカウンターの幅もいい塩梅に作られていました。(シンクは一つ)
 廊下のクローゼットの扉が折戸だったら(クローゼットが広くて、扉の幅もあるので、扉を開けた状態では廊下の行き来が難しい)とか、洗面シンク前の他に、室内のどこかに鏡があったらとは感じましたが、欲をいえば...という話。

 “巣ごもりプラン”だったので、夕食は部屋食、朝食はビュッフェの選択もできるということでしたが、部屋食を希望しました。 
  プラン内容の詳細で、スタッフの客室への出入りをできるだけ控えるために食事は一度に提供されるという説明を見た記憶がありますが、プラン違いだったのか、品書きの順に分けての提供でした。前肴と一緒にセッテングされた温物(イメージなし)は、とろ鮪の小鍋仕立て、強肴は黒毛和牛、蝦夷鮑の陶版焼き(下イメージ左から3枚め)で、よくありがちな『一人鍋』でしたけど、素材のクオリティが高く、盛り付けの妙もあって、テンション下降の懸念は不要でした。
 
  少量を小鉢盛りで、大胆な余白使いで美観 を整えた盛り付けには、食欲を刺激させられました。とはいえ、積もれはやっぱり結構なボリューム。
 デザートの提供から後片付けまでは1時間程度の『猶予』があったでしょうか。気兼ねなく、小休止ができる部屋食は、ありがたかったです。食後(後片付けどき)に持ってこられたのが、おやすみ前のハーブティーと、クッキー。さすがに手は伸びなかったです。 

 前後しますが、到着時はウェルカムフルーツのいちごと、お茶、(シャンパンにしますかと言われて、いえ、お茶でと、お茶を入れていただきました。)テーブルにはあらかじめおまんじゅうと梅が用意されていました。
 客室にはネスプレッソとお茶、専用ラウンジにはコーヒーマシンと、紅茶、ジュースと、夕方以降は、ビール、日本酒などもラインアップに加えられていました。ラウンジにあったクッキーは、ラウンジ用に調達されているとのことで、お土産には入手不可でしたが、ハード系のかみごたえなのに、サクサクと崩れてい区食感が独特で、美味しかったです。

 朝ご飯は右イメージ。
 イメージから外れましたが、ヨーグルトはフルーツとソースが別添えでした。

 チェックアウトは11時ですが、それ以前にこちらの希望する時間に客室で清算を済ませることができ、  混雑回避で、帰りはキーを返すだけ(本気の混雑時に返すだけのためにフロントに近づけるかは、不明)で、帰路もスムーズでした。
 クラブフロアに停止する専用エレベーターは、ルームキーでロック解除しなければ開かない扉の向こう側にあって、エレベーター待ちも、混雑も無縁で、ストレスなく動けました。
 今はまだしも、平常時稼働になれば、規模が規模だけに...専用エレベーターのありがたみがますでしょうね。

 大浴場、ショップ、などパブリックな部分は大規模ならではの利点もあり、プライベートエリアは、特別感につつまれて、結局は部屋にいても、部屋から出歩いても、なんだか至れり尽くせりで、快適な滞在でした。
 強烈なインパクトは...控えめながら、じわりじわりと好印象が固まる、いい宿でした。
                                
                                        21/04/01 

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游月(皆生温泉 2021年4月中旬)

 予約は2019年10月。

 GoToトラベルキャンペーンに背中を押され、宿探しの資料にともらってきた『露天風呂付き客室』のパンフレットで
 目に止まった宿です。
 公式サイトによると、2019年5月1日に旅館からRYOKANへというキャッチコピー を掲げて、新築オープンした様子です。老舗(昭和2年創業)松月の姉妹館ということでした。全19室の老舗旅館にもベッド、露天風呂月の客室はあって、小規模、老舗ならではの落ち着きや風情が期待できるのかもしれませんが、いや、いや、いや、ここは風情より快適さでしょうと、我が家の食指は、游月に動きました。
 それというのも、客室のレイアウト。 全タイプが見取り図付きで紹介されていますが、いづれも、オーシャンビューで、テラスに露天風呂が配置、和室とベッドルームは出入り口からテラスまで縦長配置で、一部タイプ以外は和室は通路も兼ねている様子なのが、ちょっと..とはいえ、内風呂と洗面エリアがベッドルームとテラスの間に配置されていることに惹かれました。和室もベッドルームも窓なし状態になるところ、多用されたガラスのおかげで、バスルームや洗面所を挟んでも(室内から)海と空への視界は確保されている様子でしたし、内風呂と露天風呂が隣接しているのが、理想的じゃありませんか。。
 
 多少距離があるので、夕朝食付きプランで 2連泊。
 食事はレストランで、朝食はビュッフェとの案内がありました。予約時に、夕食に関して内容の変更を希望するメッセージを添えましたが、こちらはとくにリクエストしなくても調整される様子でした。

 送迎サービスの記述はなく、皆生温泉観光センターから徒歩数分...天候次第ではJR駅からタクシーの利用も視野に入れてのアプローチでしたが、歩きました。
 建物エントランス周りにいたスタッフが2名、わたしたちが敷地内到達前にカートを準備、手荷物の引き取りに数歩こちらにと動き出すなど、到着時の印象はよかったです。

 ...は?じゃ、その後は?と言われそうですが、 旅館でもなくホテルでもない RYOKANたる游月のサービスは、ゲストの価値観に大きく左右されるかもとは、思いました。というのも、部屋に案内されて、まずはお茶をいただきつつ、食事時間の調整や館内の説明などといった、かつて日本旅館で当たり前だったサービスはありません。
 いわゆる部屋付き中居システムがなく、客室で入れていただくお茶に変わって、 到着時に即チェックインではなく、まずはラウンジ等ででお茶やお菓子をいただく宿も多くなった印象がありますが、游月は、ラウンジで、各種フリードリ ンク。おまんじゅうもお皿と一緒に一箇所に積まれていました。到着後はフロントデスクではなくラウンジに誘導され、今時に必須のチェックシート記入はラウンジで、一休み後に代表者のみフロントデスクでチェックインの手続き(到着順ではなく、こちらのペースで随時という雰囲気)という段取りは、悪くない気がしましたが、実は、同時間にラウンジを利用していた他のゲストのが、ドリンクカウンター前で、一人ごとででも口に出さすにいられない不満が...どうやらセルフにご立腹の様子で....。
  旅館でもホテルでもないという位置付けの宿ですが、ホテルに旅館のいいところをふんだんに取り入れたと考えれば、全く不足のない宿なのに、逆に捉えると、お茶を入れるスタッフもいないという不満に繋がるのでしょうね。残念な事例を見た気がしました。

 部屋への案内はありませんが、エントランスで引き取られた荷物は、客室に運ばれ、とくに案内がないことへの不自由さもありませんでした。客室数、30数室、エレベータも、フロントデスク前一箇所のみ、客室階も廊下一つまっすぐで、迷いようもない造りです。
 ただ、幸か不幸か、いえ、幸いには違いないのですが、客室が予約したタイプとちがっていまして、扉を開けたら即、間違いました!のコーナースイートルーム!先にあづけた荷物はそこにあるので、キー間違いではない様子ながら、チェックイン時には何もいわれていないので、確認したところ、サービスですと...。ありがとうございますのサービスなんですけど、一言いってよとの本音は自覚しました。朝食券(久々の券システム)も、2泊なのに翌日分のみで、問い合わせたところ、翌々日朝の分は翌日にいただけるとのことで、え〜と、初利用なので、少し説明が足りないんじゃありませんか?いう印象はありました。
 旅館と思って利用すると、なお、『説明不足』はき気になるかもしれませんね。
 押し付けがましくなくて、よし!とする向きもあるかもしれません。

 右イメージ

  コーナースイートの
 入り口、左手にダイニングエリア(見ただけ)
  和室(右奥クローゼットのみ使用)
 入り口右手にトイレが二箇所。

 客室は、予約した客室タイプのふた部屋分で、広かったです。
 奥行きはどのタイプも同じ(なはず)で、 広かった部分は専用入り口のあるダイニングと隣接して和室、通常はベッドルームに連なってある和室の代わりにソファエリア、ダイニングと和室、ベッドルームとソファエリアの間に廊下というレイアウトで、ダイニングはいうまでもなく、和室も使わずに終わりました。廊下からベッドルームの反対側半分、いわゆるもう一部屋分は不要なスペースで、予約したタイプでもゆとりは十分だったと思います。ただ、改めて感じたのが、和室よりもソファ...なんですね。フロアよりは畳とはいえ、座椅子よりはソファの方がくつろげる、というか体が楽でして、ほとんどの時間を洋室リビングで過ごしました。ベッドルームとリビング(洋室)とバルコニーと露天風呂という組み合わせは、快適でした。和洋室に露天風呂の客室は、別館とか、改装とかで増えてきた気がしますが、基本は和室の温泉旅館、二間続きの和室に変えて、ベッドルームが導入されているわけで、洋室はね、なかなかないんですよね。
 ホテルの広い部屋というのとも、もちろんちがって、靴をぬいで過ごす洋室は、和室、ダイニングはいらないからベッドルーム、洋室の組み合わせいくつか作って欲しかったと感じました。和室でも座卓ではなくテーブルやソファが置かれている宿もあるなか、旅館でもホテルでもない游月、印象としてはホテルに旅館の良さを導入という感じなので、ベッドルームプラス洋室、あってもよかったよね。
 


 全室海側(廊下を挟んで反対がわに客室はなし)で、海風吹くバルコニーの露天風呂への第一歩は。4月でも気合いが必要でした。が、内風呂、洗面室、客室リビングの3箇所からの出入りが可能。新築の強みか、導線は理想的でした。
 本来予約した部屋は、ベッドルームとバルコニー露天風呂の間に内風呂、洗面室があるレイアウトですが、客室から直接の出入りよりは、室内環境安定のためにもいいレイアウトと察しての予約でしたっけ。
 ただ、リネン類は各2枚づつ、 大浴場に客室のタオルを持参する必要はないとはいえ、客室内でも何度も湯船につかりますから...リネンの予備は(環境への配慮は一旦横に...)あったほうが好印象と考えます。


  網戸はないんだとか、段差につまづきそう(視界確保のため段差ありとの説明)とか、床暖はなさそう?とか、...であったら完璧だったのにと思う部分はありましたけど、十分に完成された客室、不足なく期待に答える『物件』でした。
本当なら、大感激!というところなんでしょうけど、間取り図や画像で、期待し、予想もしていた快適さゆえ、グレードアップのコーナースイートにいながら、感激一瞬、興奮せず早々くつろいでしまいました。

 いっぽう、感激が醒めることなく続いたのが、夕食。(ちなみに朝食はビュッフェ。感染対策の手袋が渡されるのでも自分でとるのでもなく、手をかざすと手袋が一枚持ち上がって手を入れる口が開くという、収納機が優れものに思えました。手袋に触れることなく着用できる手袋収納機はレストラン入り口と、料理が並ぶカウンター近く数カ所に置かれていました。和洋に気持ち、中華がプラスのラインナップ。ですが、香りの誘惑のないパンには、手を出さずに済ませました

 公式サイトでも食事に力を入れている様子は伺えましたが、驚かされました。

 美しく、繊細な、創作料理は、こう言ってはなんですが、地方の温泉宿とは結びつきにくい、逸品ぞろいで五感で堪能しました。

 初日は、品書きが2枚?と思ったら、1枚は料理の説明書。
 それぞれの、素材の特質、調理方法、ソースやタレとの相性など、丁寧に記されていました。コロナ対策で、口頭での説明を控えるためか、あるいはまだ若い宿ゆえ、サービススタッフのサポート策かもとも考えましたが、作り手の熱意が伝わる説明書は『臨時』ではなく、おそらく『標準』なのでしょう。サービススタッフからも、説明書ほど詳しくはありませんけど、ちゃんと、料理の説明がありましたし、口数減を格別意識している様子もみうけられませんでしたし...。
 美しい料理は、 目にした瞬間に急上昇する期待を超えておいしく、説明書を読んでは、なるほどと余韻に浸ることの繰り返し、失礼ながら、まさかの感激でした。


 
上イメージは、左側が1日目、右側が二日目の、同カテゴリーの異なるラインナップです。
 
料理は二品単位での提供が基本のようで、初日の焼き物は牡蠣 翌日は伊勢海老、作りと一緒の椀物は、猛者エビと地蛤の玉締めに対して二日目は海老真丈、和食会席だけで(洋食、中華なく)3連泊もあありえる?と思わせられるバリエーションでした。
 流石に料理人のことが気になって、帰宅後料理長のお名前を検索したところ、 なかなかの経歴をお持ちの逸材だったようです。
 
 料理のインパクトが大きすぎて、コーナースイートの客室への感激を持続させる余地がなくなったのかもというのは、振り返って見ての分析です。部屋も、よかったんですよね、確かに!

 縁に感謝の宿でした。

                              21/05/10 

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あわじ浜離宮 別荘 鐸海(潮崎温泉 2022年1月下旬)

 最初予定は1月中旬、予約は2021年11月下旬。
 コロナ陽性者数も日々激減して、 GoToトラベルの再開時期が話題になり始めた頃でした。
 
 Go Toを当てにしていてはストレス必至、2021年1年間を経て学習しましたから、キャンペーン再開の決定を待つ意味はありません。こちらの予定にキャンペーンが乗っかってくれればラッキーくらいに考えるのが無難と言えましょうか。
 ただ予約を思い立った時期は地方自治単位で**割なる経済喚起対策が始まっていましたから、我が家の場合は、大阪府内の宿泊ならお得...なんですが、気分転換なら温泉宿でしょう...ということで、近場で有馬、淡路島の宿をチェックしたところ、条件に合うところが軒並み満室表示で、焦りました。大阪府割があるように、兵庫県には兵庫県民割があるのでした!(羨ましい)しかもあとでわかった事ですが、洲本市民割まであるとなれば、そりゃ、満室にもなる??
  なるんでしょうね。

 1月中旬に2月の予約が取れた鐸海は、淡路島西海岸にあって、洲本市民割の対象外、それで何とかなったのかもしれませんね。客室数17、12タイプ館内設備は客室とレストラン、大浴場やショップは隣接の本館、浜離宮へという小規模な宿です。全タイプの間取り図が表示される公式サイトで見る限りは、安定のニューアワジグループ...。占有露天風呂への導線、ベッドルーム以外のスペースで腰掛けることのできる設備など、我が家の求める客室環境はみたされていたので、割引のない身としては、洲本立地にこだわって空室を待つ意味もないしとばかりに、初淡路島は賑わいから外れた西海岸に決まりました。 
 その後、 1月4日以降は、大阪府民も兵庫県民割の対象になるというありがたいニュースにうかれ、こちらの都合で、利用日を下旬に変更してからまもなく、大阪府民の新規予約受付が停止され(予約していてよかった)まんえん防止法が発出された場合は、県民割自体が停止されるとの話に、予定を変えずに最初の日程で強行しておけば..と少し悔やみ、予想通りにまんえん防止方発令出された日には、そもそも割引があるからと予約したわけじゃなかったんだし、もう(キャンセルしなくても)いいねとひらきなおってたら、まんえん防止発出後1週間は予約済みの宿泊は割引対象になるという判断が下されました。周知期間としての対応だそうで、何と、我が家の利用は割引対象の最終日。結果オーライで、2020年12月以来の、宿泊料金割引、クーポン付き(半分使えずに持ち帰りました。使えるの検索が面倒で、地元ではない旅行者には使いにくい。)の温泉旅館お泊まりです。

  最寄りのバス停からの送迎サービスの利用者は、往路、帰路共に我が家のみでした。
 宿泊客が少なかったのではなく、マイカー利用者が多かった様子です。15時すぎの到着で、チェックイン順番は4組目、ラウンジのソファに座っての手続き待ちですが、ラウンジは広くはないので、混雑時、あるいはタイミングによっては.....実は某サイトの口コミで、(ロビーの)準備ができていないからと本館の方で待たされて不快だったとの評価をみましたが、なるほど、間が悪ければありえるかもと(口コミ状況を)理解しました。
 それを不快と感じるかどうかはともかく、チェックイン時間帯は、レストランの一部(2テーブル)を ラウンジに組み込んで、5テーブル、座ってお待ちくださいと案内できるのは同時期には5組です。
 他者と時間が重なった時に、フロントデスク前に並んで手続きを待つのは仕方がないですませられれも、ラウンジが先のゲストで埋まって、 手続きまで居場所がない(?)というのは、仕方ないとは思えないでしょうし、本館のスペース活用もケースバイケースだと思いますが...鐸海専用のエントランスがあるので、危うい事態も発生しかねません。
 本館経由なら鐸海の状況次第で、本館ラウンジで時を待つのもさしたる問題ではないと思いますが、 鐸海について、本館に誘導され、鐸海に呼び戻されるような状況には遭遇したくないですね。 鐸海のパブリックスペースの規模なら、ファーストコンタクトは本館で統一するのも一案のような気もしますが、どうなんでしょう?
(下イメージ左から ベッドルーム。 日没間近の眺め 日没時間のお知らせがあるので外に出るのがベター。リビングルーム)
 
 今回の客室はタイプH。中旬に予約していたタイプGは日程の変更時に空きがありませんでした。 2人での利用なので、ロフトは不要、眺めは松原と海側、ウッドテラスの備品はカウチシェイプではなく普通の椅子とテーブルが配置された部屋を選びました。公式サイトで各客室の詳細をチェックしての判断です。期待外れのリスクもない代わりに、特別な感激も生じにくいとは言え、やはり、約束された快適さには、気分も上昇します。
  洗面所横の収納スペースはオープン仕様でしたが、ハンガーラック、引き出し、棚と高さの異なる天板の組み合わせで、基本形はグループ共通なのでしょうか、相変わらず使い勝手がよかったです。
 そして、露天風呂(露天風呂のネーミングが正しいのかという議論は置きましょうね。このタイプのお風呂で、我が家の場合はいいんです。)隔離性と開放感を併せ持つ、良きレイアウトです。
(下イメージ左から ウッドテラスとの界の扉を開けた状態のお風呂。洗面所シャワールームの奥に見えるお風呂。テラスとの境の扉を閉めルーバを立てると外気をかなり防げます。)


 ただ鐸海のテラスの柵に目隠し機能はなく、散策する人の存在が気になり、湯船から上がってそのままテラスにという暴挙は控えました。実際に外から建物を仰ぎ見て、お風呂上がりは素直にシャワールーム経由洗面所を通って室内への行動が正しかったことを確認。テラスは散策してると視界に入ります。着衣で利用しましょうね。



 食事は1階レストランで。
 フロント周りとは対照的に 、レストランは広々としています。テーブルは大きく、その配置はスペースを贅沢につかわれていて、今時の個室対応ではなくても、何の問題もないように思えました。
 料理は、スパニッシュアレンジ、洋のテイストを取り入れた和食...というコンセプトで、メニューも表示されてましたから、行ってみて、驚く話ではありません。予約した段階で、朝ごはんが(選択なく)洋食ということに、『ちょっとびっくり』は済んでいるので、いわゆる温泉旅館とは違う感じのご飯かも..との予備知識は持っての着席でした。
 品書きを見ると料理長ではなくGrand Chef の肩書きでアルファベット表記のおなまえ...一品目は前菜ではなくオードブル 次がドゥージェーム...二品目でいいのかな?その後にお造り、魚料理 鍋物 肉料理 御食事...で、デザートの構成でした。魚料理と肉料理の間にはお口直しのシャーベットではなく鍋物です。
 化粧をして、着替えて、ヒールの靴に履き替えて、アクセサリーも選んでディナーに臨んだ過ぎた日なら、統一感のないメニューにまず興ざめていたところでしょうけど、お風呂上がり、洗い髪も束ねたままでのスリッパ履きが容認される日本の宿です!もとよりくつろぎ優先の非日常、メニュー表記は気にはなっても、批判の対象にはならないわけで、いいじゃないの美味しければという話ですね。

 料理は美味しかったです!
 ただ、 意外に洋テイストの主張を強く感じました。造りも(欧州での)牡蠣やムール貝の盛り付けを連想させられましたし、鍋料理がなければ和のテイストを纏った洋食コースのイメージです。鍋は出しが絶品だったので、無くてもよかったとは言えませんが、具材は野菜に特化してもよかった気がします。魚料理と肉料理の合間ですから、(鍋に)魚の具材はいらなかったかな...。

 食事は 五目炊き込み風パエリア...炊き込みご飯ですね。
 残したご飯はおにぎりにして(部屋に持ち帰り)くれると言いますが、お腹いっぱいだし、持ち帰って食べるかな〜と、わたしが一瞬躊躇するまに主人が即答でおにぎりリクエスト...部屋でもまた食べていましたし、本気で美味しかったようです。最後は白いご飯でさっぱりとという意見もあるでしょうし、コースの内容自体賛否は別れると思いますが、わかっていた内容ですから、和食の方がよかったというのはなしね。 よくある料理ではないから、好みに合わない場合は、残念だったとしかいいようがありませんけど、甘みの柔らかな出汁もソースも、一手間かけた価値ある仕上がりで、 一品、一品、私わたしたちは堪能しました。

 洋風らしいとわかっていてなお、綺麗な盛り付けに食食指を動かされ、 期待をうらぎられることないおいしさを楽しめました。(パンがあれば、浸して、ソースを残さずいただきたかった。)
 和食の枠を外すことで、 バリエーションの拡がりや、ここならではのスペシャリテが期待できそうですね。
 
 朝食は選択なしの洋食。
 小ぶりのパンは100 %オリジナルなのか生地外注なのかはわかりませんが、 きちんと美味しかったです。
 朝食は2日目も(多分ほぼ)同じかと考えていたら、100%の和定食が提供されました。 面白いことに、しっかりと記憶に刻みこまれたのは、やっぱり洋食...。和食で(その時は美味しい!と感激したとしても)特色を出すのは、難しいということでしょうね。

 異なる季節のメニューが気になる....食事目的で、お風呂に入りに行ってもいいかも...と思わせられる宿でした。

 

 料理イメージコメント 上から下、左から右順(提供順不同 トラフグに“3年”多くの食材に“淡路”の形容詞つき)

 1日目のオードブルと肉料理。 とらふぐのロワイヤル(茶碗蒸しではない)里芋のフリットとごぼうのポタージュ(ひところ執着した根菜素材のクリームスープを思い出す)。肉料理はロースト、〜柚子胡椒ソース〜 。二日目、玉葱とほうれん草のキッシュ 五色海苔と小エビのポンヂケージョ(食感のみでも戦える絶品) ふぐの煮凝りと蒸し鮑。肉料理はリブロースのポアレ 〜焦がしバターソース〜(おいしい!) 1日目の食事はちりめんと五目炊き込み風パエリア(炊き込みご飯) おにぎりは3個できました。二日目は鯛めし。前日のおにぎりは食べ切ることができなかったので、この日の持ち帰りは2個。
 1日目の魚料理 鯛の白ワイン蒸し〜蕪のクリームソース〜  (ソースが美味しくて、浸すパンが欲しくなった一皿)。2日目はふぐのローストと白子の昆布焼き。各日のデザート。
 
 洋朝食の淡路牛乳のクスクスとフレンチトーストヨーグルトソース。
 牛乳もヨーグルトソースも甘みを含んだ柔らかな風味の仕上がり。 牛乳にパスタ? デザートがフレンチトースト?とか、思わなかったと言えば嘘になりますが、もうね、いいじゃないの美味しければの一言で、黙りましたという...。
 イメージ最後は2日目和朝食の彩小鉢と出汁巻き卵。
 イメージのない部分で、1日目のドゥージェーム(二皿目)はハマチのマリネで2日目がギロフグのエスカベッシュ。造りは盛り合わせが1日目、2日目はトラフグのてっさ .
  鍋ものはホウボウのすき鍋とすだち鰤の豆乳じゃぶじゃぶ。

 洋朝食 は他に野菜のスムージー メランジェサラダ 野菜のポトフ 玉葱と旬野菜のココットエッグ パン。
 和朝食は鰤のかま焼き もち豚のしゃぶしゃぶ鍋 きぬひかりご飯と味噌汁。 

                                       22/02/11 

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