ハウステンボス
    〜快適・ホテルヨーロッパと手探り・園内散策〜

2013年2月平日、2泊3日の日程でホテルヨーロッパに宿泊して冬のハウステンボスを観てきました。
 5年程前になるでしょうか、ルスツリゾート再訪の前に読んだ「夢のホテル ウィンザ−洞爺」という本のなかで、ハウステンボスのホテル開業当時のことにも触れられてまして、筆者、窪山氏がつくりあげようとしたホテルのあり方に共感をおぼえたんですよね。そーだ、そーだ、ホテルはこうでなくちゃ...と。
 その後、諸事情あって、氏はハウステンボスをやめられて、エイペックス(ウィンザー洞爺)の再建、運営へというのが本の筋でしたから、ホテルヨーロッパよりは今現在も窪山氏が携わっているウィンザー洞爺の利用が先のような気もしますが、そこは、まあ、レストランが全てテナントで、そのテナントがまた、こちらにあるの名店...う〜ん,旅先で、生活圏にある店と出会うのは楽しくないし...と逡巡してる間に、ウィンザーよりも利便性の高いルスツで落ち着いちゃっこともあって、むしろ、ウィンザー洞爺よりもホテルヨーロッパへの興味が勝ったのでした。だって、現状の素晴らしさよりも、素晴らしさが続いているかどうかを確認したいじゃありませんか。もっとも、ホテルヨーロッパの開業時を知らないわたしたちは、前との比較の材料をもっていませんから、現状の判断しかないんですけどね。


 結論からいうと、ホテルヨーロッパは、ホテルらしいホテルでした。
 内装、備品はそれなりの時代が反映されて、例えば、洗い場も独立したシャワーブースも無いバスルームは久々でしたけど...でも、トイレと洗面所は独立してましたし、バスタブは、画期的と言ってもいい幅があって、20年前の標準レイアウトにしては...と感心させられました。バスルーム内はタイル床で(中にも洗面シンクがありました)、数センチながら、洗面室(客室)の床との段差もあるので、バスタブの外にお湯がとびちっても問題ナシの造りでしたしね。

 客室のスペースも充分で、調度品も良い雰囲気でした。
 クローゼットが作り付けではなく備品でおかれているのは、国内のホテルでは記憶にありませんが、これはもちろんプラスポイント。しっかりとした家具の左半分は棚になっていて、便利でした。その横にある荷物置き台の下も2段の引き出しになっていて、収納スペースにも問題はありませんでした。今時にしてはテレビがコンパクトなことだけ、目につきましたっけ...。

 ホテル内には和食処、フレンチレストラン、ラウンジがあって、3カ所ともに、驚いたことに朝食、昼食、夕食の時間帯に営業していました。ラウンジで和洋ビュッフェの朝食が提供されているのに、それぞれに定食が用意されているなんて、今時珍しい...。洋定食の方は、さすがに...わたしたちが食事中には他のゲストをみかけることはありませんでしたが(洋食なら、ビュッフェにいくんでしょうね。ちゃんとシェフズコーナーのあるビュッフェでした。)和食の方はそれなりに利用者がいました。盛りつけも美しい、充実の内容でした。
 しかも、テーブルには、連泊のゲストには料理の内容の変更等、対応する旨のインフォメーションが! 当日対応も可能だけど、連絡しておけば、別メニューを準備するというのですね。朝食と店の姿勢に好感を得て、わたしたちは,時間節約のためにお昼ご飯はパーク内での予定を変更して、昼食もこの店を利用に戻りました。

 するとテーブルに案内してくれたスタッフから、朝もご利用いただいて...の一言が。数時間後のことですし、平日で、スタッフの記憶容量にも余裕があったのかもしれませんが、到着時にアフタヌーンティーを楽しんでからチェックインの手続を済ませて,パークに向う途中、エントランス近くですれ違ったスタッフから「先ほどは、(ラウンジの利用を)ありがとうございました。」と声をかえられたりと、スタッフの積極的なアプローチは、我家好みでした。

 右イメージが、和定食の朝ご飯。ごはんかおかゆかの選択が出来ました。おかゆはかなりサラサラした仕上がりで、その都度作る為、少し時間がかかるので、、おかわりオーダーはちょっと早めにと、勧められました。和食の器については確認もしませんでしたが、フレンチレストランで使用されている食器、カトラリーはホテルヨーロッパのロゴが入った特別仕様品でした。(下イメージ 右端)
 ラウンジでのアフタヌーンティーは、3段重ねのトレイが一人にひとつづつ。下にクロワッサンサンド(下イメージ 中央)、中断にスコーン、上段にケーキ類の盛りつけで、残念ながら、クロテッドクリームで葉なく、生クリーム添えでした。ついでに、取り皿もなかった.....。一人分の盛りつけですし、本来食べる順番が決められているんだから下段から順番に皿を下ろして、食べて(皿を)戻せば良い話ですが、スタンドの皿を使って(手元に動かして)食べたのは実ははじめて...。取り皿は、あった方が良いと思いました。
 

 茶葉はルピシエ。
 オーダー時に、茶葉はポットから引き上来上げてもらえますかとたずねたところ、戸惑いなく了解されたところをみると、おそらく、フランス流、茶葉は言われるまでもなく引き上げているのでしょう。ミルクは、こちらも特に要求はせずにいたら、出てきませんでした。注文したお茶がミルクティーに合っているか否かで判断されたというよりも、基本がブラックティーなんじゃないかと思います。
 おや?戸思うこともポツポツとあったホテルヨーロッパでのアフタムーンティーは、感動したとまでは言えませんが、到着後、移動の疲れをほぐしつつ、パーク・インに備えてのエネルギー補充には、良いアイテムだったと思います。。
 
 交通費込みのパッケージツアーの利用でも、レイトチェックアウトのリクエストが出来ましたし(約款に規定の追加料金が必要)、提供時間を確認したアフタヌーンティーも、予約の受付を申し出てくれるなど、対応力も申し分ありませんでした。

 エントランスは重量感のある押し扉と回転ドアの組み合わせで、自動ドアはなく、非日常の入り口にふさわしい仕様でした。ドアマンがサポートしてくれるのはもっぱら押し扉の方。回転ドアは自力でというところが日本なのかなあという感じでしたが、時間の流れは、常の日本より...というか、テーマパーク併設のこういう場所とは思えないくらいにゆったりしていました。

 主人の言葉を借りれば、ハウステンボスに入園予定がなくても、宿泊しても良い気がするホテルだったと思います。

 エントランスやホールに限らず、視線からはずれやすい通路のベンチの上にも生花がアレンジされていいる様子に、館内を飾る花は生花でなくてはならないという、窪山氏の強い主張を思い出しました。

 ところで、初ハウステンボス行きは新幹線利用のパッケージプランを選びました。
 ホテル公式HPでもオリジナルのプランがあるようで、個人手配の方が滞在日数など自由がきくものの、特定のぞみなら1000円アップでグリーン車が 利用出来る(ただし、差額を支払う用意があっても、ハウステンボス号のグリーン車リクエストは不可)お得感にひかれてのプラン選択でした。旅程は一泊二日か二泊三日で、二泊の場合はハウステンボス連泊かハウステンボスと長崎市内に一泊づつかの選択で、我家はもちろん連泊プランを選びました。
 折角ならもう少しゆっくりしたいところで、個人手配も検討はしました。(でも、1000円アップでグリーン車だし)それで、気がついたのですが、ハウステンボスの入場券自体、2日券(一泊二日券)止まりだったんですね。2泊3日、3泊4日券の設定はないじゃありませんか。じゃ、2泊して3日目はどうするのかといえば、再入場券というものがある...。2泊3日のプランに付いていたのも2DAY入場券と再入場券でした。で、この2DAY入場券を2DAYとくとく入場セット券にアップグレート(?)出来るオプションがありました。この段階で、ようやく、『とくとく』の疑問を解決すべく、わたしたちはハウステンボスのHPをチェックして、ショップと飲食店以外の、園内の施設利用は有料らしいと知りました。入場券ととくとく券は別々に販売されてもいましたが、 単体購入よりもセット券の方が少々安い...オフィシャルホテル宿泊者専用のとくとく入場セット券は一般販売価格よりも安く、再入場券もホテル宿泊者専用だと判りました。有料施設をどれだけ利用するかはわからないものの、連泊して入場だけでは済まないでしょうし、施設毎にチケットを購入するのも面倒だし(味気ないし...)得か損かはともかく、わたしたちは追加料金を払って、2日間使えるとくとく入場券セット1枚と、再入場券1枚を確保しました。
 セット券は、入場券ととくとく券の2枚が1枚になっているものの、とくとく券は初めて有料施設を利用する時に日付が押されて、それから2日間の利用が可能というシステムでした。1日目(チェックイン日)と2日目に使ってもよいし、2日目と3日目(チェックアウト日)に使っても良いと....(チケット引き換え時に説明を受けました)。

 でも、実際には1日目の夜まで日付は押されることの無いまま、わたしたちは有料施設を利用しました。はじめの内こそ日付のことが(押してくれないけど...いいの)気になりましたが、各所で「とくとくお持ちですね。どうぞ。」と案内されるので.....いいんだろうと思ってたら、閉園間近に入館しようとしたギヤマンミュージーアムで、突然「今日使われますか?」と聞かれたのでした。
 正直者のわたしは「今日? ずっと使ってますけど...。」と答えましたね〜。すると、日付を押してもいいですか?という話になりまして、イヤとも言えず、その日、最後の有料施設入館のときになって、とくとくセット入場券に日付が押されたのでした。
 あれえ?もしかして、ギヤマンに寄らずに退園したら、とくとくは、今日は使っていなかったということになって、2日目が初日で3日目も使えた?
 それって、あまりにチェック機能がアバウトじゃありませんか。そして、初日の閉園近くになって日付が押されたチケットは、翌日、その日付を(ケースの淵にかかって見えにくかったりすると、覗き込んでまで)キッチリとチェックされるので、アナログの“ムラ”を感じさせられました。(前日に)日付が押されていない券が使用された反省会があったのかもしれませんが.....。
 おまけに、とくとく券を使っても、無料になるもの、割引になるもの(割引率もまちまち)、料金に関わらない(定価)ものとがあって、ややこしかったです。13年3月2日からは、シンプルで判り易いパスポートタイプに変わるそうで、パーク内にいるゲストは全員がとくとくを持っているのと同じ状況になるようです。いつから有料施設に入るかとか、何日まで有効かとかは考えなくてもよくなりますね。が...パスポート形式になってパーク内全てがフリーというわけでもなさそうで、パスポート対象予定施設が27カ所...つまりは対象外のものも残りそう...。ざっと見たかぎり、白い観覧車は対象27施設に記載されていないんですよね。

 運河の町並みは見事で、散策だけでも異国の町の市内観光気分はあじわえますし、施設外のイベントを楽しむだけで充分、運河クルーズや観覧車などの有料施設のいくつかだけでも(いい)...というゲストにとっては、パスポート化で入場券が無くなるのは...残念な話かも....。有料施設を利用するかどうかの(ゲスト側の)予定と関係なく、有料施設利用料を支払わされるようなものですもんね。


 で、その、有料施設がどれだけ楽しいかといえば、正直微妙でした。
 とくとく入場券セットに切り替えた以上は、もとをとらなくちゃの根性で、スリラー・ファンタジー・ミュージアムエリアのアミューズメントも順番に入ってはきましたが、日本の怪談屋敷とかね...いらなかったかなと思うものもいくつか...。 ミュージアムや映像モノのアミューズメントには、面白いものもありまっしたが、どこも自力歩行。オランダの建造物を再現したの建物の中は階段も多いです。スリラー・ファンタジー・ミュージアムエリアの各館内は、あたりまえながらも暗闇で、足下には傾斜や段差もあるという、大胆仕様のアミューズメントで、私は何度かつまづきかけ、主人は割と早い段階で軽い捻挫を経験するという、別の意味での恐さありましたっけ。暗闇を手探りりで進むということも、いはば非日常の体験なので、つまらないわけじゃないんですけど...仕掛けが今一歩というところでしょうか。もっとも、つまるくらいに仕掛けられたら、危ない環境なのかもしれませんけどね。


 スリラー...とは違うコンセプトで、殆ど仕掛けらしい仕掛けも無い暗闇をさまよっただけなのに、それなりの達成感を得られたのが、この時期のアトラクションらしい“光と闇の王国”でした。
 昨年度のゲスト満足度がNO1だったと言うふれこみに釣られ申込んでみたところ、エイリアンに占拠された宇宙船に乗り込み、起爆装置を作動させて脱出するという体験型アトラクションでした。時間別予約制で、わたしたちのスタート時間には,6組12名が参加しました。司令室までは手すり伝いに暗闇、そこで、ヘルメットをかぶり、機関銃をたずさえ、その場で任命された隊長に続いてていざ...と踏み出したものの、も〜、真っ暗。自分の足下も見えないところ、後ろは主人だけど前は見知らぬ誰かという状況で、離されないように付いて行ったものの、 最初の集合地点までも行き着けず、半数ははぐれて、スタッフからの誘導で全員集められたところで、途中まで(特別にスタッフの)案内が付いたんですが、見知らぬ誰かなどと言っていられない危機感が生じ、前の人のコートを掴んでのトレイン行進になりましたが、中継地点に到達できずに、スタッフのお助け誘導再び...起爆装置のある部屋でエイリアンを撃ったり、バリアで攻撃をかわしたりというクライマックス以前に、最終目的地に着いたところで、やり切った感が充分でした。わたしたちはおそらく、落ちこぼれレベルのチームだったのでしょうけど、その前のチームは迷子が発生したといいますし、本気の闇は侮れません。普通それだけ彷徨ったら、少しは目が慣れてくるはずですが、最後まで真っ暗でしたものね。今時あり得ない闇体験は印象的でした。

 一方、夜の帳が下りた園内外では、趣向を凝らしたイルミネーションショーがあちらこちらで...。
 闇あってこその光に彩られた幻想的な空間は、美しく刺激的で、期間イベントだけでも来た甲斐があったと思わせられるラインナップでした。ナイトツアークルージングで運河からライトアップされた町並みに見とれ、アートガーデンで光の海を散策して、3Dプロダクションマッピングを見学、2日目の夜は、パレスハウステンボスの裏庭で開催されるイルミネーションショー(下イメージ。音楽に合わせてイルミネーションが変化)を堪能しました。
 有料アミューズメントはそれなりでも、イベントで満足度が得られる施設なので、別の季節、異なるイベントに期待して、再訪の欲求も生まれそうな気がしました。



 ところで、入場券との関わりで、ホテルオークラJRハウステンボスやJR ホテル日航ハウステンボスもホテルヨーロッパ等と同じくオフィシャルホテルに位置づけられていますが、園内にある系列ホテルと園外の他社運営ホテルとでは別区分で、サービスの内容も異なります。ただ,系列だからこそのメリットはよりパークに近いことで、特典としては園内で購入した土産物をホテルに配送してもらえることくらいでしょうか。入国ゲートの横にあるホテル受付センターの利用は、(チケットの購入、引き換えや手荷物のホテル配送の手続)入国ゲートよりも手前にある他者運営ホテルに宿泊する場合は不要ですし...案外、混雑時は、ホテル受付に寄らなくてはならないことが、園内ホテル宿泊のデメリットになるかもしれません。

 というのもね、受付センターが狭いんです。2月の平日13時30分前でも、手続待ちのゲストの列はセンターの建物の外に延びていたくらいなので、むしろ、駅からパーク入場ゲートまでの途中に立ち寄って手続が出来るオークラの方が、ストレスがなさそうじゃありませんか。実はこのオークラホテルは列車が駅に近づくにつれ、最初に目に入ってくる『ハウステンボスの景観』でして、ホームは一時記念撮影ポイントになります。我家も撮りました。目にした瞬間に勘違いに陥ったわたしは、自分たちの宿泊するホテルを撮影しているつもりになっちゃいましたけど、それはオークラ。園内ホテルの利用者はそのオークラの前を通りすぎて、その先の入国ゲート横のホテル受付センターに並ぶわけです。

 手荷物を預けて、そのままパーク・インするゲストが大半でしたが、2時頃からのアフタヌーンティーを予約していたわたしたちは、まずホテルに向わなくてはなりません。ホテルヨーロッパの専用クルーザーはチェックイン、アウトの時間に合わせての運行なので、わたしたちが到着した時点のアクセスはバスでした。センター横のバス停を見ると、QRコードをかざすようにとの案内板がありました。つまりは受付センターで、入場券にひきかえる必要があるのかと判断して、並んで待つことしばし...。自分たちのの番が来て、荷物は預ける必要がなく、直接ホテルに向いたいというと、横のバス停で待って、赤いバスに乗るようにと言われました。受付センターでの手続は一切行われませんでした。でもお、QR コードをかざせって...と言うのは、パーク内循環の青いバスに乗る場合だったんです。

 園内といっても、入場券(3月2日以降はパスポート)が必要な有料ゾーンと、不要なフリーゾーンがありますが、有料ゾーン、文字通りパークの中にあるホテル・アムステルダムには入国ゲートを通って歩いて向うか、パーク内循環の青いバスに乗って向うことになるので、ホテルに向う為にはパーク入場しなくてはなりません。 (そのために)まずは入場券が必要になるわけですが、フリーゾーンにあるホテルヨーロッパは、ホテル利用とパーク入場は連動しないので、入場券の確保は後回しに出来るのでした。赤いバスは、パーク入り口から有料ゾーンの外の側面を迂回して、フリーゾーンにあるホテルに向う専用バスで、QRコード(入場券)も必要もなかったんですね。

 フリーゾーンといえば、何となく入場ゲートの手前をイイメージしますけど、ハウステンボスのフリーゾーンは有料ゾーンの奥にあって、素直にパーク・インすれば、反対側の突き当たりにあるサウスゲートから退園した先からがフリーゾーンなんですね。ホテルヨーロッパは、そのサウスゲートの真側にあります。有料ゾーンとフリーゾーンの境目に位置しています。大まかなロケーションは理解していたつもりなんですが(それでもオークラと勘違いした。)赤バス青バスについてはね、認識不足でした。

 覚えておきましょう。(ホテル受付横の)園内ホテル宿泊者専用バス乗り場から発着するバスは2種類、フリーゾーンにあるホテルには赤いバスを利用しましょう! 
 荷物をあずけてそのままパークで遊ぶ場合は、受付センターでの手続が必要ですけど、センターの混雑具合では、まずはホテルに向って、サウスゲートの受付を利用した方がスムーズかも...という気がします。

 

                                        13/02/24 

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