ホテルグランヴィア大阪

 大阪エキナカの 異空間フロア        

 数年前から、Tomokoさんが来阪した時にグランヴィアを利用するようになりました。

 それ以前は食事も宿泊も、リッツカールトンを選択していましたが、一昨年からだったでしょうか、なんだか突然に予約が取りにくくなったんですね。外国人ゲストの需要が急増したせいか、11月の平日でもピークシーズンとかで...ほぼ全日にわたってそれまで活用していたダイナースの優待特典対象外になってしまいまして....わたしは印刷ミスかとも考え、直接問い合わせたくらいに利用しにくくなったのでした。
 それなら、優待にこだわらずに、ホテルが提示している料金で利用すればいいじゃにかと言う話には....ならないんですね。一昔前、最初の利用から優待料金適用でしたから、今となっては優待の適用除外日が広がったとか、割引率が低くなったとかではなく、単に*万円の値上がりとしか捉えられないわけです。
 10年前ならそれでもココがいいと言っていたでしょうけど、10年経つと最初の感動は少しずつ薄れてきていたのが正直なところで、この状況で万札を余分には出したくないよねと、結論は早かったです。
 そこで、別のホテルを...梅田には、大阪駅回りにホテルは沢山ある...のですが、そもそもは一昔前に選ばなかったホテルなわけで、積極的にココが良さそうという話には落ち着きません。しかもどこも10年利用してきたリッツカールトン優待室料ほど安くはない。やっぱり優待なくてもリッツカールトンにする?(ただし空きがあるかどうかは未確認)という選択も浮上しかかるなかで、目についたのが、グランヴィアでした。

 大阪駅構内、大丸百貨店と同じビルにある、いわゆるエキナカホテルです。
 週末、買い物途中のお茶やお昼に、デパートのレストランフロアほど混み合っていない(グランヴィアの)レストランはストレスなく利用出来る場所ですが、でも日常に近すぎて宿泊を検討したことは無いホテルです。つまりは選ばなかったホテルではなく選択の対象にしていなかったわけで、.....第二の選択云々ではなく、土俵がちがいますから、考えようによっては折り合いがつけ易かったんですね。
 何と言ってもエキナカ! 
 改札を出たらすぐそこ!
雨にも濡れず風にもあおられず、もちろんタクシー不要! 
 以前はさほど重視していなかったポイントをメリットと認めれば、着地点は見えてきました。
 感動やトキメキはなくても快適な利用が叶うなら、アリかなと言うわけです。むろん、だからといって、いまどきユニットバスなんてことだとお話になりませんけど、なんと、知らないうちにグランヴィアフロアなる高品質客室階ができてるじゃありませんか。
 ツインで36u、(狭いところで30u、広いところで38u)の広さに加えて、バスルームはセパレートタイプ....となれば、(ココでも)いいんじゃないと思いますよね。

 実際...良かったです。
 イメージは、最初の宿泊で利用したツインルーム。確か36uのスーペリアタイプだったと思います。昨年と今年は利用1ヶ月程前の予約でこのタイプに空きがなく、30uのツインの利用になりましたが、床面までの大きな窓、良質な寝具、洗い場付きのバスルーム等の基本仕様は同じで、向かい合って使えるデスクがべッド横の壁に取り付けタイプになっていたり、シンクが一つで、バスルームのドアが上部スリガラスの一般的なものだったり、独立した化粧台(上イメージの奥の角。コンパクトなテーブルの位置に合わせて壁に鏡が嵌め込まれています。)がなかったくらいの差だったでしょうか。

 デスクは、テレビ台、冷蔵庫等収納っを兼ねたライティングボードが標準で設置されていますから、不自由は無いですし、バスルームのドアは、丸見えガラスよりもむしろ普通のドアの方が落ち着いたくらいで、特に、6uの狭さは快適さに影響しない印象を持ちました。
 トイレのドアは引き戸、また、入り口から水回りエリアまでの床面はタイル仕様で、ベッドルームと区別されていて、仕切りのドアも設置されていました。非常扉のごとく壁に同化しているので、最初にスタッフからの案内を受けていなければ、わたしなどは気づかないままに過ぎていた可能性大。使わなければ存在を消して待機する仕切りドアのあり方には感心させられました。
 27階のフロアはエレベーター乗降スペースとフロアとが仕切られていて、ルームキーがなければフロアへの出入りができない仕様になっています。キーが無くても27階までは上ってこられるところが、リッツカールトンのクラブラウンジや、開業当初のガレリア(アルファリゾートトマム)などとことなりますが...グランヴィアフロアでは、エレベータを乗り降りするゲストとガラスの仕切り越しに向かい合う位置ににチェックアウトに対応するカウンターがあって、スタッフが常駐しています。
 フロアの隔離性を保つ意味では,水際チェックのグランヴィア方式に一票!でしょうか。
 フロア内の客室にはネスプレッソが置かれていますが、専用ラウンジのドリンク類は客室への持ち出しもOKで、使い捨てのカップとプラスチックの蓋も用意されています。飲み物以外は、クラッカー、クッキー、チョコレートなど、どれもデパートではなくスーパーで取り扱われているレベルの商品ですが....飲み物を調達する場所と位置づければ、ラウンジの価値は低くはないですよね。セルフなので、気をつかうことなく、カフェオレを飲んだり、ジュースを持ち出したりとり利用していますが、21時までと言うのが....残念。今回も、初日は夕食から戻ってきたらラウンジは閉まっていて、利用出来ませんでしたっけ。なまじラウンジ内のラインナップが充実していると、時間をやりくりしてても利用しなくちゃ損!というせこさを自覚することになりますが、カフェラレ飲み損ねたねという程度なら気持ちにも余裕が....。 以前にリッツカールトンのクラブフロアラウンジで、アフタヌーンティーのサービスを受けた為にホテルに足止めされたことを思うと、まあ、『宿泊』が一番の目的じゃなければ(ホテルで時を費やすのでない限り)は、グランヴィア流で不足はない気がしました。
 昨年も、今年も、リッツカールトンの現状をもはやチェックすることなく、グランヴィアでいいよねとなっていることを思えば、意識している以上に満足度は高かったのかもしれません。
 室料は、いわゆるラックレートに対して、公式サイトでもかなり値引きされたプランが提示されていて、立地とフロアのクオリティを考えれば、『安い』です。その安さがいつまで続けられるのか...の問題はともかく、惜しいのは、グランヴィアフロアのクオリティにホテル自体がフィットしていないこと....。

 高品質客室階にあるのは客室のみです。かろうじてチェックアウトは同フロアで手続出来ますが、チェックインは、TOMOKOさんが「え?ホテルに荷物をあづける前に大丸で何か買うの?」と勘違いしたというような、雑踏の先にあるフロントで行わなければなりませんし(いかにもエキナカホテルと言うアプローチでして、これがフロント?となれば、利用はしたくなくなってもやむをえない感じ)19階にある各種レストランも、主人が「あれ、やっぱりサービス料を取るんだ。」と本音を漏らしたくらいに、ホテルらしさにはとぼしいんですよね。
 料理はおいしいんです。中華料理にはちゃんとフカヒレの姿煮や北京ダックが組み込まれたコースもありますし、スカイラウンジのパスタ付きの洋食コースにはメインの肉に大根とフォアグラのポアレが寄り添ってくる...けど、買い物途中に予約なしで利用するランチタイムはいうまでもなく、夕食も...ハイヒールに履き替えなきゃと思わせられるほどの敷居の高さはありません。回りに乱立しているデパート,商業施設ビルのレストランフロアと比べても、ホテルならではの特色の主張は、わたしは感じることができません。
 それだけ利用がし易いのは、日常的にはありがたいものの、高品質客室階を有していながら,客室に見合う設備が不足しているのは、ロケーション故の限界でしょうか。乱暴な判断をすれば、このホテル内にレストランが無くても、困るこはないかもしれませんものね。

 ....だた、終日をホテルでくつろぐというのではなく、日中は京都に足をのばして、観光バスで紅葉観賞...つまりはお寺巡り、坂道多いし、歩きにくいし、階段は急だし...で、ホテルに戻るころには、まず靴を脱ぎたい!状況が、グランヴィア利用時の常です。
 実は、ハイヒールに履き替えなくても大丈夫そうなレストランは....救いだったりもするわけで、コストパフォーマンスの高い客室と、リラックスして利用出来るレストランの組み合わせは、悪くないと言わざる終えないのが正直なところです。
 
 グランヴィアフロアがホテルの評価を高めると言うよりも、逆パターンになりやすい気はするものの、エキナカのうえにある別空間は、単体評価で迷わずリピートの価値有りでした。
 


上イメージは京都の紅葉の1枚。ホテルのイメージが不足しているので彩りに。観賞して回った夕刻には、ハイヒールに足ははいりません〜。)

                                16/12/11 

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