くつろげるか? いにしえの宿
   リニューアル琴平花壇

 2019年5月中旬、実家の両親と一緒に琴平花壇に宿泊してきました。

 父母の方が我が家に合流して新年を向かえるようになってから10年は経つでしょうか...こちらから実家に向かうのは、何かコトがあってのときばかりでしたから、ちょっと、近場で一緒に“旅行気分”を味わってみる?というノリで、思いついた計画でした。さすがにもう、たとえ平日でも北海道もTDRも誘って乗ってくる“年頃”でもなくなりましたから、家からタクシーで行ける、すぐそこの宿の気軽さを優先して、候補に上がったのが琴平花壇でした。

 いわゆる観光地エリアですから、宿泊施設は...あります。
 ただ、観光抜きの宿泊目的で、『おそばの非日常』を テーマにすると、選択肢は多くはありません。大型のホテル仕様の施設を除けば、母や叔母の会話に登った記憶のある琴平花壇が自動的に第一候補となるわけで、わたしは公式サイトと、宿泊予約サイトを行きつ戻りつして、情報収集と予約を試みました。利用者の評価は、中には掃除ができておらず埃が目立っていた...とか、空調や湯温の設定に不具合が生じて設備の劣化が目立った、あるはスタッフの対応力に関して具体例つきで割と辛辣な悪評もありました。いつのころからか、周りの大人たちにとって憧れの宿みたいなイメージを抱かされていた老舗旅館ですけど、いにしえの風情よりも劣化が致命傷になりかかっているのかと思いきや、昨年に富士見台棟がリニューアルされ、今年3月には別館に占有露天風呂付き和洋室がオープンすることがわかりました。建物のリニューアルには賛否あるようですが、“以前”に馴染んでいた訳ではない身としては、古さゆえのデメリットが解消されたことへの期待が上回りました。しかも、占有露天風呂付き和洋室というのがいい!
 この規模の宿で、大浴場にはさほどの魅力を感じませんから、部屋にゆっくりできるお風呂が付いているのは必須ですが、実は、それよりもありがたいのがベッドでして、畳の部屋でくつろいでストレスなくベッドで休みたいという条件に会う部屋がオープンするというなら、ほぼ理想的とばかりに空室をチェックしたところ、 3月にオープン予定の露天風呂付き和洋室は2室で、空室は1室、他に同カテゴリー客室は富士見台棟に1室、迷っている余裕もなさそうに感じて予約を完了したものの、富士見台棟と別館が繋がっていないらしいこと、レストランは別の建物内にあるらしいことを知り、(体験談等で)やはり、一緒に行くからには部屋の行き来が不自由なのはよろしくないと、同じ建物な内で空室を再検索しましたが、もとより占有露天風呂付き和洋室は新規オープン予定の別館の2室と、富士見台等の一室の計3室。別館のもう一部屋のキャンセルを待つリスクがおおきいので、和洋室より占有露天風呂を優先して、やむなく、予約済みの別館の一室を富士見台等のツイン(占有露天風呂付き)に変更しました。
 左イメージは、チェックイン時に渡された敷地内案内図に、わたしがが書き込みをしたもの。客室は戸建の離れが3棟と、エントランス、ダイニング棟がある松月テラスと、大浴場のある富士見台と3月に和洋室がオープン予定だった別館・山翠閣の建物に別れてあり、松月テラス3階と富士見台の3階が繋がっていて館内行き来が可能。公式サイトでは、それぞれの客室の紹介は詳しく、室内見取り図もアップされている一方、敷地内レイアウトの紹介がないため、別館に一部屋、富士見台に一部屋、松月テラスで食事という不自由なことにな流ところでした。
 口コミ情報から、危うさを押して別館の和洋室にかえて、富士見台で押さえた露天風呂付きツインは
和洋室と同じフロアでした。(占有露天風呂付き客室は全て同じフロア)
  公式サイトからの予約は一部屋毎の手続きで、宿泊者の名前の記入を求められるため、4名でふた部屋というくくりにはなりません。で、予約番号**と**は同行、『食事等は4名一緒の対応で』と要望欄に添えました。
問題なく対応できる場合はとくに返信はないとの案内の通りに宿からの反応はなし、ただ、ツインが禁煙室ではなかったので、キャンセルが出た場合の部屋の切り替えが可能なら希望するというリクエストには、ネットを通じての予約は状況変化が早いため、宿側での客室差し替えの対応はできないとの返信が届きました。
 まあ、そうでしょう...と、理解はできますが、簡単にできないと言ってくるなあという印象は否めませんでした。 
 心がけてはみるけれど希望にそうことは難しい、くらいのところで収めてくれれば、同じ結果でも
スタッフの気配りに対する好感度は残りますが、最初からできない(試みる姿勢が示されない)というスタンスは、下手に期待を持たせせて、結果揉めるよりは、みたいな、無難路線を感じさせられましたっけ。
客室の換気、消臭に務めるとの一言はもちろんありました。
 実態が伴わないリップサービスは問題ながらリップサービスすらないところで実態は??といえば、利用日数日前に、(父が運転していくというので)駐車スペースの確保をお願いする電話をしたおり、対応可能ゆえ無返答だった『食事は等は4名一緒の対応で』を確認したところ、『和洋室の方で4名一緒に部屋食となっていることを、初めて知らされました。こちらとしてはありがたい対応で、『よかった!』の一言ですが、予約時には離れの3棟のみが部屋食希望の選択ができるようになっていて、他のどの客室も、食事場所に関するは表示はありませんでした。レストランに出向くという理解でいたわたしは、なおのこと部屋は違っても食事は一緒よと伝えたのですが、レストランではなく父母の部屋での対応となったようです。ちなみに朝食も同室に運ばれてれてきました。  
  不足はありませんが、どうして(レストランではなく)部屋食になったのかはわかりません。
  和洋室は座敷とは別にダイニングテーブルが配置された部屋(上イメージ 左側2枚)もあって、食事の準備はどちらへと聞かれて、わたしたちは(明るいのは座敷 イメージ右側2枚)体が楽な椅子席での食事を選びました。 が、4人揃って担当者とその種の打ち合わせ(お風呂の使い方などの案内も合わせて)をした到着時点で7名定員の和洋室は、2名対応のしつらえでした。座敷のテーブルの背もたれ椅子も二つ。座敷での夕食となったら、背もたれ椅子が補充されるのか、あるいは二人は押し入れから座布団を出して...だったのかはわかりませんが...わたしだったらととりあえず座卓周りに4人が座ることを推して、座布団は用意するけど、とは思いました。部屋に入ってから、まずは着座して、中居さんが入れたお茶をいただくという旅館の手順がはしょられているので(飲み物はチェックイン手続き中にラウンジで提供されました。)座布団も必須アイテムじゃなくなったのかもしれませんね。

 (下イメージはダイニングテーブルのある部屋から出入りする露天風呂。和洋室はテラスに出て右手にシャワーブースがありましたが、ツインルームは客室入り口横にあるシャワーブースと露天風呂が離れています。露天風呂テラスで蚊取り線香が焚かれているのを見て、失念していた蚊のリスクに対する警戒心浮上。木々に囲まれた外、ですもんね。テラスへの出入り口が引き戸で網戸仕様になっていたら、ベターだった気もします。)

 
  座敷にはネスプレッソがあって、カプセルは7個(定員7名ゆえ?でも砂糖とミルクは4つつづ)、でもコーヒーカップはふたつ...2名利用での予約ですからね、それを不備とは言えません。けど、察せないかな〜と...。
 到着後、主人が母にコーヒーを入れてくれたので、夕食前にはコーヒーカップは二つのうちの一つが使用済みでした。 ホテルで、ターンダウン(サービスがある場合)時に、使用済みのアイテムは新しいものに交換されますが、夕食の配膳で幾たびもで出入りするスタッフが、座卓に置かれたコーヒーカップに気づいたか気づかなかったか....食後のデザートが洋菓子だったので、コーヒーを入れようかいう話になったのですが、こちらからいうまで、コーヒーカップが足りないですねとはならず、すぐに追加で持ってきてくれたカップも二つでした。
 担当スタッフ(いわゆる中居)が気がきかなくて、と言ってるのではありませんよ。かゆいところに手がとどくような心配りがさずが!と、
言わせて欲しかったけど....言わせどころもあったのに、そこまでじゃなかったかもねということです。
 改装前後を比較することはできませんが、客室は快適で(ツインは広めのホテル仕様に露店風呂テラスつき。山が迫っているので、明るさはなく、昼間の居住印象はあまりよくないかもしれません。お風呂とベッッド目的でなら、十分。)父母は担当スタッフにも不足なく、部屋食の気楽さもプラスになったようで、アンケートには、ほとんど“とてもいい”にチェックを入れていましたし、再利用へ意欲も見せていましたから、『おそばの非日常体験』は、結果を得たとは思います。 
 ただ、次の利用に向けて、わたしからは、メール対応のアンケートで、 察して欲しかった話と共に、客室選択時に部屋食対応の有無が別ればありがたいとの意見を送信しました。後者についての対応は早く、現在は予約サイトの客室一覧で、対応できる客室の横には“部屋食可”の表示が通過されています。
 改めて見ると、最初に予約した別館の和洋室には部屋食可の表示はありません。食事ができる座敷はあっても、別館まで料理を運べないということでしょうね。
 部屋食対応は戸建の離れと富士見台棟の占有露天風呂付き和洋室と和室だけで、露天風呂がついていない和室は、和室でも部屋食不可。それはありえるとして、6階の和洋特別室も部屋食可ではなかったのは、意外でした。選択肢の多い客室は、広さや設備だけでなくサービスも異なる...となれば、(結果オーライだったけど)我が家の選択も、なかなかに危ういところでした。
 

 風呂付きベッドつき食事付き(部屋食)は、一部屋だけの狭き門だったんですね。
 門の先にくつろげる空間が生まれているのを実感しつつ....語られてきた感動は生きているかと問われれば...今時だからね...とお茶を濁しましょうか。

                             19/06/10 

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