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                    リネンのハンカチーフ


 01/07/31

 

 
 
 忙しい旅程の中でも、やっぱりはずせないのが「お買い物」。
 
 「ま、いいか。」というわけにはいかない義理のお土産には、結構時間をとられるも のの手許には残らないし、土地の名物や旅の記念品は、時とともに、捨てられないけど少々置き場所に困るものに変わってしまうことがありますね。

 自分用のお土産は、何年経っても愛着が薄れず、目にする度にそれと出会った町や店のこと思い出せるようなものなのが一番! そして、その出合いが、新たなおつき合いのきっかけになったりすると、観光で通り過ぎただけの町が、特別な場所になります。
 観る、だけでなく、ちょっと係わりを持ちたくなるような、そんなお土産を紹介したくなりました。

  このページはいわば、わたしの自己満足の「お買い物リスト」のようなものですが、旅行の予定がある方は、覚えておいて損はないものだと思いますし、メールオーダーが可能なものも少なくありません。

 ただ、ごく最近に訪れた店でも、連絡先が今後も変わらないという保証はなく、常に正しい情報を更新していける自信がないので、細かな住所や電話番号の明記は避けました。興味をお持ちになった方はJUNまでメールで問い合わせて下さい。
 現在、メ−ルオ−ダ−等でおつき合いしている店に関しては、正確な連絡先と、必要ならば注文方法を、旅先で訪れた限りの店は、その時の情報をお知らせできると思います。

                        
               

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アイリッシュ・リネン・カンパニー【Irish Linen Company】のハンカチーフ(ロンドン)

ヨーロッパの主婦にとってリネンをたくさん持っていることは自慢のひとつになる、というようなことを何かの本で読んだことがあります。
 この場合のリネンは、シーツやテーブルクロス、ナプキンやタオルなどを総称しているらしいと理解したのは、それからまた、少し経ってからのことですが...そりゃ、ないよりある方が自慢にはなるよね、と受け流したのは昔の話。
 今にして思えば、ヨーロッパのリネンに対して、特別な意識が芽生えるきっかけは、その話によって刷り込まれていた気がします。
 棚ぼた式で実現した義妹とのドイツ旅行で、ハンドバッグよりも羽毛布団を買うことを勧める添乗員さんの話に素直に反応した時も、大きくはないハイデルベルクの町を走る車窓から、興味を抱いて振り返って見ていたのはシーツやテーブルクロスでディスプレイされた店のウインドウでした。
 羽毛布団と一緒に、わたしはその店で刺繍が施されたテーブルクロスを2枚購入しましたが、(おそらくはナイトテーブル用のもので、小さいサイズです。)繊細で可憐な2枚のクロスは、その後、今日に至るまで幾たびも、「いい買い物をした」という自己満足を与えてくれました。

ロンドン旅行の下調べの最中に知った、アイリッシュ・リネン・カンパニーは、世界初のショッピングアーケード、バーリントン・アーケードの端にある店ですが、釣り上げられるには店名だけでも十分なところへ、創業は1875年、取り扱うのはアイルランド産のリネン素材の手工芸品のごとき製品の数々となれば、(アイルランドのリネンが他のリネンとどう違うのかという事前の知識はありませんでしたが)歴史と伝統と希少品に弱いわたしは、まさにネギを背負ったカモと化してココで何かを買わなければ一生後悔すると思いつめていました。
 
 実際に店を訪れたのは、年末、冬のバーゲンセールの真っ最中のことでしたが、小さな店のまわりを取り囲んだショケースにSALEの札はありませんでした。
 遠くからでも、白い布の美しさが際立って見えたショーケースに近付いて見ると、陳列されているのは、値段を知らなければ、面白みのない白いシーツとして通り過ぎてしまいそうなシンプルなもの....。イギリスでは、日常使うリネンは多少値が張ってもアイルランドのものを、という主婦が多いというのはガイド本に書かれていましたし、シングルサイズのシーツが£200くらいからというのは分かっていましたけど、現物を目の当たりにして、つくづく思いました。ただの白い布にン万円もは出せないなあ、と。
 いえ、もちろん、それはただの...じゃなくて、張りとしなやかさを合わせ持ち、耐久性に優れて、乾きも早い、清涼感溢れるアイリッシュ・リネンのシーツなのですけど、それを日常的に使って、肌で感じ取った質の良さを根拠にしながら、もう、アイルアンド産のリネンじゃないと落ち着かないわ、と言えるような生活基盤が我が家にはありません。
 気合いが必要なお値段のものや、他人が見れば不要な贅沢品でしかないものに手を出す時のわたしの原則は、いい買い物をしたと思えるかどうかということで、残念ながら、シーツはその条件から外れていました。1枚だけを大事にしまっておく類いのものではありませんし、日々に使うには、高すぎました、
そこで、使える小物をということで、見せてもらったのがハンカチーフです。
 実は、観光客だからとでもと思ったのでしょう、最初に勧められたものは綿素材で、刺繍も、(期待が大きかったので)こんなものかなあという程度の商品でした。お値段も£5から£10くらいまでだったと記憶しています。安くても、欲しいとは思えませんでした。
 麻素材のハンカチがいいんだけど...とリクエストをした後に、引き出しの中から取り出して、目移りするほどいろいろと見せくれた商品の一部が、このページのイメージのものです。
 左は麻にオーガンジーが使われているタイプで、残りの三角にも小花があしらわれています。
 四角刺繍のこのタイプが一番高くて、£35.5、上のイメージのチューリップとスズランがそれぞれ£27.5と£24.5(これは裏面を埋めた刺繍糸の色が、表に透けて見える美しいものです。)で、それ以外は、だいたい£20以下のお値段でした。ハンカチとしては安くはないですけど、もちろん、わたしにとっては大満足の、いい買い物でした。
 もっとも、イメージを見ていただければバレてしまうと思いますが、いまだに使ってはおりません。実用的なタオルハンカチを愛用する生活をしているもので....。

綺麗過ぎて、使えないというわたしに、そのうちに色は変わるし、織り皺が付いたりして、結局は(使わなくても)汚れて行くんだからと主人は言います。それなら、心おきなく使う為に、同じ刺繍のものをもう一枚買っておくつもりで店を尋ねた2年後には、当たり前ですが、先に買ったデザインのものはありませんでした。 その時、新たに購入したのが、刺繍が一ケ所だけの右のイメージのものです。イメージを撮っていないものを合わせると、丁度10枚になります。シーツが買えていましたね。
 
 使わなくては、その良さは実感できないシ−ツと違って、見てるだけでもいいけどな、と感じるハンカチーフですが、そろそろ、ハンドバッグに忍ばせようと思っています。
 サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の純エキスをハンカチの角に一滴たらして....お出かけするような場所はあるのでしょうか?

                      01/07/31  

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