カミーユ・フォルネの腕時計ベルト
   (Camille Fournet) 

 愛用の腕時計のベルトを、そろそろ取り替えなくちゃと思いだしてから、何年も経過した頃、本国パリで買い損ねて(一応、立ち寄ったルーアンの店では尋ねたんですが、無かった)2年後、ようやく旅先のロンドンで妥協出来るベルトを見つけました。
 よりによってロンドンで..とはいえ、これも簡単ではありませんでした。探していたのはライトグレーのオーストリッチベルトでしたが、それ自体、時計を買う時に、時計はこっちが好きだけどベルトはそっちの(時計についている)のが好きと言うわたしに、スタッフがノープロブレムとばかりに付け替えてくれたものでして....革ベルト時計をあまり使わない主人の方は新品同様なのに、わたしのは、艶が出て、柔らかさが出て、ついでに汗じみも出た...。一応おそろいだったので、当初は同じ色目のベルトを探したんですよね。が、ライトグレーのベルトはない。加えてオーストリッチ素材にこだわれば、茶系の2本があるだけという状況で、日にちを改めて入った店で、たまたま(? 数日前のスタッフがチェックしたのとは別の箱からさがしてくれました....)あったブルーを選びました。それ以上さがしても、無理そうでしたしね。

 ブルーはブルーで、気に入ってますが、ただ、見つかりにくさを体験して、わたしに危機感が芽生えました。ベルトは消耗品です。交換の必要は今後もあるわけですから、純正にこだわらずにカミーユ・フォルネで買っておくことにしたのです。
 
 なぜ、カミーユ・フォルネかといえば、手元に古いふるいパンフレッタがあったからで、これは、“素材、カラー、サイズヴァリエーションが豊富で、世界の名だたるブランド(時計の..でしょうね)のオリジナルベルトを手がけている”という内容に惹かれて保存していたものでした。パンフレットに記載の連絡先が有効かどうかはわかりませんが、カミーユ・フォルネで検索するとすぐにカミーユ・フォルネ・ジャポンの公式HPにたどりつけました。ところが、オンラインストアに目的物はありませんでした。素材選択でオーストリッチはあるものの、サンプルで制作された一点ものがWEB限定で(16/14mmのワンサイズ 破格値)発売されているだけで、紳士ものにいたっては素材別カテゴリーにオーストリッチ自体が無いではありませんか。オーダーメイドの案内はありましたが、対応店舗が紹介されているだけで、価格に関しての情報は全くありませんでした。その情報量で、即オーダーには踏みきれません...。
 まずそのまえに....今時の話なので、どこかで並行輸入されているかもと考え、カミーユフォルネの時計ベルトで検索すると、12/10mmサイズのオーストリッチベルトが幾つか見つかりました。色は....この際、手に入るものを優先すべく、ライトグレーは一旦横において(確か)オレンジをオ注文しました。が、店からは,代理店にも在庫がなく、カミーユ・フォルネではオーストリチ素材のベルトは注文販売になったという説明がメールで寄せられました。。

 残念! しかも、注文販売の納期は3ヶ月、価格は25000円〜(確か..。現在は値上がりしてます。)でした。公式HPでもハッキリと記載が無かった情報を得られた利点は利点として、時計のベルトオーダーで、この条件は....時間もお金もかかり過ぎの気がしました。他に何か入手方法はないかと,検索をcamille Fournetに変えたところ、パリ本国の公式サイトが見つかりました。言語を英語に選択して見ると、Made-to-measure Watch Strapsのカテゴリーをオンラインブティックで発見しました。素材や色、ベルトの幅や長さなど、14項目を選択するのですが、素材を選んだ時点で表示された基本価格に、項目毎の選択に応じて、追加料金が上乗せされて、最終価格が決まるというシステムは簡単で、判り易いものでした。問題は日本からのオーダーを受け付けているかどうかでしたが、アカウント作成時に選択する国名の中にちゃんとJAPANもあるじゃあないですか!
 わたしは早速にアカウントを作成して、取り付け幅12mm、バックル10mm、オーストリッチのワイン色(唐突にグレーからワインに浮気)厚さ2mmのフラット....と14項目の選択を終えて注文を完了しました。追加彫金が必要だったのはエッジをワックス仕上げにする25ユーロで、それ以外は基本価格で収まりました。支払いはカード、送料は8ユーロでした。オーダーフォーム送信後まもなく、受付確認のメールが届きました。それから数日後に届いたスタッフからのメールには、注文のお礼と、オーダーが進行中で,発送予定は3〜4週間後という案内に続いて、実は...と....。日本はオンラインブティックの対象ではないので、次からはこちらで注文してくださいねと、わざわざカミーユ・フォルネ・ジャポンのHPアドレスが添付されていたのです。最初に私がチェックしたところです。在庫も無ければ、オーダーメイドのシステムも導入されていなかったサイトでは、次の注文もできません。わたしはとりいぞぎ、もう一本をパリのサイトでオーダーして、それから一応、メールを見て驚きましたという内容のメールを返信しました。さっき、一本追加注文しちゃったんですけど〜、それは受け付けてくれますよね?と。

 回答は、ノープロブレムでした。
 オンラインブティックでは,幾つか発送対象外の国があって、日本もそのうちの一つなんですが、稀にそういう国からの注文も届くし、とにかく支払いも完了してるし、3〜4週間後には届くから大丈夫というわけです。
 う〜ん、それなら『次からは日本のサイトで..。』という案内はしないで欲しかった。第一、アカウントが作成出来ること自体をなんとかしてくれなくちゃ、稀なケースもつづくでしょうに...ね。
 
 ともかくも、3週間ほど経ったころ、時間差攻撃でオーダーしたベルトは2本一緒にフェデックスの封筒に入って届きました。2本一緒でも、注文時に自動で加算された送料は一つ分にはならず、返金もありませんでした。8ユーロという定額送料が、発送対象外国がある理由のひとつかも...などと、このときは思ったものです。
 封筒の中からは少し凹みかけた上パックが二つ。それぞれに布ケース入りのベルトが入っていました。満足でした。が...第一希望だったはずのライトグレーは未入手....。やっぱりね、オーダーするなら既成ではない色に目がいってしまう貧乏性....。ワインや黄色を確保したあとで、しばし、考えました。『次からは...』と言われたことは忘れたフリして、またオンラインブティックで注文をしようかしら? 数ヶ月間をおけば、相手もアドバイスしたことを忘れてる可能性もあります。 逆に数ヶ月経ったら、どこかのサイトみたいに日本への発送が出来ないルールが明記されて、アカウントの作成もできなくなってるかもしれません。後者のケースで慌てない為に、わたしたちは梅田のデパート内のカミーユフォルネコーナーに出向いて、一応オーダーシステムの詳細を尋ねることにしました。

 素材別の基本価格が(パリのオンラインブティックの)2倍強でしたが、時計ベルト専門店でこの価格は提示されていたので、驚かずに済みました。ただ、オプションが10項目で、各項目出選択できるものが少なかったり、ベルトの先歟穴の形状など、決められているものがあったりと、オーダーの選択肢は少ない気がしました。一方で、オンラインブティックでは有料オプションだったベルトの長さ,幅の変更や、厚み形状、ステッチ使用の変更などは、オプション料金無しだったり、同じところでつくるんでしょうに、随分違っていました。
そんな中でなぜか、色の種類が日本のショップの取り扱いの方が圧倒的に多いではありませんか。オーストリッチ素材で言えば、パリ、オアンラインブティックでは14色、国内ショップでは29色です!....オンラインではない色に、わたしは見事に釣られました。 
 丁度、オーバーホールのつもりで出したら要修理になってスイスに飛ばされていた主人の時計の、修理見積もりが約9万円だという連絡が入った頃で、それだけかけるならいっそベルトも新しいのを購入する良い機会だし、折角だからお揃い色で私のも作っておこうと話は進み、3ヶ月後に届いたのが、下イメージのグリーンの方です。わたしの中ではフォレストグリーンですが、色見本はカーキとなっていました。パッケージはビニール袋でした。
 横並びの紫との違いがハッキリしているのがベルトの裏材ですね。日本のショップでオーダーする場合はナチュラルカーフが標準仕上げ(オプションは合皮か黒ラバー)で、パリのオンラインブティックでは、ベージュ、赤、黄色、白、同系色という色選択だできるんですよね。どれも標準仕様で追加料金はありません。(パリでは合皮やラバーのオプションも無し。)
 もう一カ所、縁の仕上げが違っています。オンラインブティックでは裁ち切りが標準仕様でワックス仕上げと縁返しにはオプション価格が設定されていましたから、わたしはワックス仕上げを選んだのでした。でも,ショップではワックス仕上げの選択がありませんでした。注文時、わたしは既にパリから届いていたカミーユフォルネのベルトを使っていたのですが、ショップのスタッフは(ワックス仕上げのエッジを見て)これが裁ち切りの標準仕上げだといったのです。でもね、オンラインの方でも、標準の裁ち切り仕上げはあるんです。25ユーロ追加のワックス仕上げが日本では標準達きりになるというのも.....ワックス仕上げのオプションが無いだけじゃないかと思いつつも(選択肢が無いので)グリーンのベルトは、裁ち切り仕上げになりました。
 
 で、くらべてみると明らかに....と言う程の違いがわかりませんでした。

 上イメージの黄色がワックス仕上げで、 最近オンラインブティック再利用してオーダーを試みた際、標準断ちり仕上げを選択してみたのが赤の方です。標準2mmのフラットだと、ワックス仕上げの効果もめだたないのか、裁ち切りの仕上げが上手いのか.....どちらにしても今後葉25ユーロの節約ができそうです。

 今後....実はオンラインショップ再利用の前に、わたしは改めてStandard terms of sale二目を通しました。ざっと...ですが、一応慎重に、みていくと、Territorial scopeに時計のベルトは世界の全ての国へ発送出来るとありました。...日本以外のという但し書きもありません。でもそれ以外の革製品は、European Union countries, Switzerland and the United Statesに限られることも明記されていました。
 時計のベルトを注文するのに、何の問題もなさそうじゃありませんか。
 実際、2回目(初回の時間差注文をカウントすると3回目)の注文後には、注文確認のメールが届いただけで、スタッフからの特別なアドバイスはありませんでした。案外、スタッフが時計ベルトとそれ以外の革製品を区別するのを忘れたっ結果の,勘違いアドバイスだったのかもしれませんね。
 価格も安いし納期も早い、ショップに劣るとはいえカラーバリエーションも充分となれば、オンラインブティック利用のメリットはおおきいです。発送対象国から日本が除外されていなかった現状を喜びましょう。                                      

                                         13/03/25 

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