アンティークボタンは
    これきり、これっきり

 2016年3月、梅田の百貨店で開催された恒例のフランス祭催事会場で、アンティークボタンを取り扱う店主と、無事に再会することができました。

 4回目...になるでしょうか。
 フランス祭といっても、ラインナップの大半は、フランス繋がりの国内店舗かイベント専門業者かという状況は、他の、この種の催事と変わりはありません。それでも、催事にあわせて現地から出店している、いわばこういう機会でなければ出会えない何かに期待して、一応足を運ぶのが我家の常でして、数年前にであったボタンの専門店がその『現地組』の一つだったのでした。
 パリで店舗を持っているアンティークボタン専門店...ではなくて、蚤の市に出店している店でした。
 店主のE.H氏の肩書きは、2016年のビジネスカードではボタン専門家となっています。
 
 興味をひかれて購入したガラス製のボタンの美しさに、自宅であらためて見ほれながら、もっと買ってくればよかったかな〜と、欲が出ましたっけ。でも、催事は終わるし、その時あったものはさらえて買ってきたので、同じ種類のものがもっとあるわけではないしと『現地組』の大きな魅力と淡い縁を実感したものでした。
 数ヶ月後のパリ旅行で、蚤の市にボタン屋を尋ねたのは既出の話ですが、実は、昨年も、決して余裕があったわけではない日程(時間)をやりくりして、蚤の市に寄り道をしたのです。が、前回の場所に、ボタン店はみあたらなくて...場所が入れ替わるとは考えにくいのを承知で、それでも端から端へ、横道もさがして“いない”ことに少なからずショックを受けました。
 日本の催事で利益が大きかったので、蚤の市はリアタイアしたのかもという主人の憶測は、慰めにもなりませんでしたけど、次回のフランス展で出店があるかどうかを待つより他にボタン店の消息を知る術も無く...という状況で待つこと数ヶ月、届いたフランス祭催事の案内紙に、E.H氏来日との出店の記事を見つけて、ホット一息! 
 
 最初に買ったガラスのボタンは、同年のパリでもかげも形もなくそれきりでしたから、補充が叶うわけもありませんが、別のデザインの小さいガラスボタンを確保すべく、,主人とふたりして週末の朝一番に、催事場に出向きました。
 E.H氏も健在でした。
 昨年10月に蚤の市を尋ねたのに(いなくて)どうしたのかと思っていたと言ったら、即座に日本にいたとの返答で....まさかの主人の憶測を思い起こしました。

 日本にね...まあ、そういうこともあるでしょうけど、昨年、9月、10月、11月と関東方面の催事に参加していて、3月に大阪にいらっしゃる....その後西の方で催事出店の予定もあるそうで、話を聞くうちに、前回、パリの蚤の市でちゃんと遭遇できたことが、稀な幸運に思えてきました。
 わたしがガラスのボタンを最初に購入した数年前から、E.H氏のホタン店は日本での人気が上昇中で、来日の頻度が高まっているとか...パリにくる時にはメールで(蚤の市出店の)問い合わせを..と、今年は、日本語も併記したビジネスカードを頂きました。

 この様子だと来年のフランス祭にもE.H氏はやってくる...、つまりはパリよりも日本での再会が約束されているわけで、日本での需要の高まりが、喜ばしい状況を生みだしと言うことになるでしょうか。

 と、いっても、ボタンは...今あるものはこれきりです。同じデザインが作られるということが無いので、迷ったら、買ってしまう方が無難です。

 ボタンは6個(または別の個数)ひとパックで販売されているもの(パッケージの裏面の色シールで価格が変わる)と、台紙に縫いつけられていいたり、ケースにいれられたりしている単品販売ものがありますが、価格は、ハッキリいって判りにくいです。
 同じデザインの色違いだと思ったら、片方はガラス製で片方はプラスティック製で価格が違っていたり、シールの色が同じだからガラス製と考えて選んでいたら、プラスティック製が紛れ込んでいたり(シール色の付け間違い)と、予想外もありえますけど、サイズや素材など、こちらが欲する条件がハッキリしていれば、E.H氏が確かな眼力を発揮して一緒に探してもくれます。

 そのサポートの甲斐あって、今回購入してきたボタンの一部が上のイメージです。
 台紙に貼付けられているボタンはガラスではなく、コロゾ(だったかな?)と呼ばれる椰子科の植物から作られているものらしく、象牙ボタンに代わって作られたとか...で、丈夫だそうです。滑らかな艶を帯びながら印象はマット...どなたかが先に数個お買い上げでしたけど、数も揃っている1cm大のチビボタン、ワインとグリーンの2色は、わたしにとっての掘り出しモノでした。
 
 掘り出しものは,眺めているだけでも楽しめますけど、実はこのサイズのボタン、結構必要に迫られているんです。
 と言うのも2007年にブランドが閉店した“カネコイサオ”と“ワンダフルワールド”の、ブラウスはもちろん、ワンピースもスカートも、ファスナーではなくボタンが使われてるアイテムが圧倒的に多いんですよね。
 10年前のものを未だ来ているのかと言うなかれ、閉店直前の最も新しい者が間藻なく10年というはなしで、大半のアイテムは、10年などとっくに経過しているのです。(おそろしや...)

 洗濯機で回して、天日干ししての繰り返しで、例えばジャンパースカートは、オレンジのものはさすがに色があせてきたかなという感じはあるものの、下イメージの2色と、もう一点のピンクの経年劣化は許容範囲で、現在も愛用しています。が、ボタンがとれていくんですよね。
 糸が切れて取れるのではなく、糸を通していたボタンの足が割れて取れるので、ボタン自体がつかえなくなるんですね。ブランドの閉鎖が決まった人知ってすぐに、補充用にとボタンの注文をだしましたけど、手に入ったのはわずかでした。会社の方でもストックは持っていなかったようで...。となると、ボタンが取れたらその後は、ボタンの総付け替えが必要になるわけで、1cmに満たない小さいボタンの、しかも好みに合うものの需要が上昇中なのでした。
 オリジナルのボタンのように、服地と同色のを探すことは無理なので、服の雰囲気に即した者モノをと思うと、最も、見つかり易いのが、E.Hさんのボタン専門店ということなんですね。

 右上イメージは付け替えた結果ですが...3袋、18個でなんとかなると思ってたら、ボタンホールは20個(ちゃんと数えてなかった)あって、2個不足でした。もとより裾よりのボタンを取れたところに付け替えていたので、下の2個分くらいボタンが無くても大問題ではありません...が、定期健康検診帰りの主人にフランス祭最終日の催事場によりみちしてもらいました。
 主人も、ボタンのデザインは見ているので、案外スンナリ...と思いきや、最終日のボタン店は人だかりができていて、求めるデザインを見つけることから大変だったそうです。(人気なんですね...。)
 会場からの電話で、オレンジ一つと濃いオレンジ二つと、と水色を一つ見つけたと言うので、各色一袋づつ...
これで、ボタンが24個、スカートの裾まで止められて、予備が4つ...の余裕のはずでしたが、落とし穴はあるもので、水色が色違いでした。(上イメージ右側)比較すると、先に買った3袋は、緑がかった水色でしたね...。   
 結果、青系は2個足りず、6個余ると言うことに...このデザインとの出会いはこれきりでしょうから、6個の使い道には悩みそうです。
 
 来シーズンは最初から20個単位を心がけなくては!

 余談ですが、今年のもう一つの掘り出し物が左のイメージ。
 台紙に縫い付けられていたポーセリン製のボタンです。
 陶器ですね。色合いが綺麗なので、カネコの服には使えないサイズでしたが、いづれ用途もあるだろうと購入しました。
 3個は売却済で台紙に残っていたのは9個....このサイズのボタンを9個も使うことは無いと重いつつ、最初はとりあえず全部もらうつもりになったところ、単価2000円とのことで、冷静に、必要個数を検討しなおしました。
 ハーフコートで5個か6個、前開きのワンピースなら7個か8個....主人が横から1個だけ残しても(店だって)困るだろうと言うので、価格を伝えたら、そりゃ、店には目をつぶってもらおうと....。
 結局、目をつぶっていただき、8個のオーダーで、1個はE.H氏の好意で頂戴しました。
 いい買い物をさせていただきました。

                                    16/03/29
 

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