今は昔の日傘探して数年間
  譲れないこだわりの果てに...

 2019年の夏、久しぶりに日傘を購入しました。
 
 今年は、日傘を買い換えようと意識して、売り場を見はじめてから5年ほど...ですから、本気の久しぶりです。
 じゃ5年も同じ傘を使っていたのかと言えば、現在進行形で使用中の傘は、8年前には使っていた記憶がハッキリしているので、前回の購入は多分9年前、10年経過してしまってるかもという、いはば、ひと昔前のアイテムなのでした。

 その、ひと昔前からの愛用品が上イメージの2本、24本骨の麻生地と、14本骨の綿麻生地。同時に購入した折りたたみも10本骨(下イメージ右)で、角の少ないの縁と、骨のカーブに沿って形作られた丸みが愛らしいデザインです。
 それ以前のものは使用頻度の低かった折りたたみが数本手元にありますが(一番下イメージ)、白か生成りの麻、あるいは綿素材、刺繍、レース使いの8本骨、かつては定番仕様だったはずですが、濃色、黒い色が主流になった時代では、これも、あまり選択肢がなくなった環境で、妥協して購入した記憶があります。
 その後の、ひと昔前ですから、 もはや刺繍使いの白い日傘は絶滅状態です。
 刺繍、レース、色へのこだわりは横において、麻か綿素材の無地なら...と売り場で見つけたのが、イメージ右側の14本骨、綿麻uv加工、一応晴雨兼用仕様でしたが、生地の質感も問題なく「これ好き!」と感じて手に取った一本でした。これまでのわたしの日傘歴ではもっとも濃い色でしたが、縁のピコフリルと丸みの強いフォルムは刺繍やレースがなくても十分に魅力的でした。 同シリースと思われる折りたたみ(10本骨)も一緒に手に取って、レジに並んで進む途中に、唐突に目に止まったのが麻100% の多骨傘(上イメージの左側)でした。セール対象外の札もろとも、レジ待ちでできた人垣に完全に隠されてありました。薄手の麻100% の生地に引かれて手に取ってみたら、なんと、骨いっぱい!丸みもいっぱい!
 こんな日傘が欲しかった!とばかり、最初に持って広げてみた藤色をそのままかかえ、明るめの挽茶色も綺麗なので、どっちがいいかとしばし迷いました。が、列は先に進むし、列から離脱して並び直のはちょっと...と感じるくらいの混雑だったので、 色比べは諦めてレジには藤色を持って行きました。

 およそひと昔前の話、いまだに後悔するのが、なぜ挽茶色も買ってこなかったかと...。セール対象外だったし、他に2本抱えてたし、同じデザインの色違いを一度に買う決断は、難しかったです。
  ところが、見栄えに一目惚れと言われても反論できない日傘の、使い勝手がよかったんですよね。重さは、軽量化が進んだ昨今のものと比べれば、多少は....かもしれませんが、骨の多さを生地の軽さでカバーしたのか、それまで使っていたものと差を感じることなく、安定感が増したのを実感しました。

 セールで購入した14本骨、 折りたたみの10本骨の傘も広げた時の『しっかり感』が見事で、それまで使っていた日傘は長傘、折りたたみ共に、なんだかさして歩くに頼りなくなって一挙に出番がなくなりましたっけ。 また生地のたたみ線が目立たず、とくに24本骨の方は
たたまない仕様で、折線上の変色を気にする必要がないのもあとでわかったメリットでした。

 見た目にも勝る優れものと実感しながら、色違いを即座に補充しに出向かなかったことが悔やまれます。
 せめてよく年、売り場に足を運ぶべきでしたが、実はイメージは2019年夏に撮影したもので、約10年経過の現状ながら、いわゆる経年劣化は軽微です。
 購入翌年に 補充の必要性は全くなく、(色違いが欲しいな〜との物欲はともかく)いいのがあれば補充しようかと、売り場に立ち寄ったのは、それから3年目の夏だったでしょうか。
 ところが、いいのが全く見つからなかった...。 好みに合うのがという意味ですよ、念のため。
 軽く、コンパクトで、かつ晴雨兼用の日傘に需要が高まっていることは3年前も変わらなかったと思いますが、需要の低い日傘の供給は激減して、素材もフォルムも好みに沿うものがを見つけることができませんでした。  
  ど〜する? まあ、どうしても必要という時期でもありませんでしたから、安易に妥協するより、手持ちのものを大事に使おうと..。

 
 UV効果は期待できなくなってはいるものの、 気に入ったモノに関しては『物持ち』がいいのがわたしの常。
 それでも、その後は毎年、「今年は日傘を買わなくちゃ」と割とマメに、セールを待たずに売り場に立ち寄ってはきたんです。そして、5年経過...。
 さすがに、折りたたみの生地の折れ線が目立つようになって、
来年でもいいかと構えてはいられなくなりました。
 しぶとく重ねた経験上、またの機会を待っても、状況が改善されないことも悟り、折りたたみは軒並み6本骨で骨の本数に選択肢は無くなってた状況下で、せめて、綿か麻の素材をと、探すのも疲れてスタッフに問い合わせて、綿素材一本を 購入したものの、いきなりの6本骨! 頼りない...実際に、さすよりも持ち歩く時間の方が長い折りたたみは...小さくて軽いメリットもあるし...けど、さしたら頼りない、と、妥協の購入品にでは落ち着かず、出会いを求めて探し続け、ようやくちょっといいかもと感じて買った2本目が
上イメージの長日傘(折りたたみは、...しばらく諦めざるを得ない状況でした。)なのでした。
 グレーブルーの綿生地、白の綿生地で内張されたデザインで、かろうじての10本骨。昨今目にしてきた長日傘の中ではもっとも本数の多い10本骨!これ以上は望めそうもない上に、軽量化の時代に内張...となれば、絶滅前夜かもとの危機感にも襲われ、迷っている余裕もなく、求めました。 比較的丸みのあるフォルムも気に入ってはいます。

 ただ、折りたたみと長傘、とにかくも共に新調できたので、古いモノは処分しなければ、する予定で新しいものを求めてきたわけですが、できない...!
 もっと古いもの(右イメージ)は、ほとんど使わない状態で時間がすぎたものの、愛用していた多骨の3本は、十分使ったので、処分して惜しいものではありません。(モトは取りすぎるほど取った!)

 でも、まだ傷んではいないし、 もう入手は叶わないデザインだし、モトは取れても執着が取れない...。

 どうしよう...と、結局クリーニングに出しました。
 担当者は、 二つ返事でお任せください!ではなく(UV加工も)できると思うけど、持ち帰って確認するとのことで、日傘は実際に取り扱ったことがない様子でしたが、二週間後に、最初の一本(処理結果に多少の不安もあったので、まずは折りたたみ10本骨)が無事に届けられました。折り目添いの汚れ(正しくは変色)は残ってはいましたが、幾分目立たなくなって、仕上がりには満足。その後、長日傘も2本ともクリーニングとUV加工処理を終え、継続使用中です。

 特に折りたたみに関しては新調した6 本骨を追いやっての、第一線復帰で、これなら最初からクリーニングでよかったかもという本音の自覚はあります。....手持ちアイテムの希少性、自分の執着を悟るには、5年の年月が必要だったと言いましょうか。
 
 使用の機会を振り分けて、古い傘の寿命を伸ばせるとしたら、新しい傘も無駄にはなりませんしね。
      
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