縁を信じて、苑探し

 

 2007年9月下旬、神戸空港発着のトマム帰りに,苑に立ち寄ってきました。

 三宮駅から北野坂を異人館通り方向に進むと,通りに面してあるアクセサリーの店です。
 知る人ぞ知る...知らない人はびっくりの....自然の花や実を素材にした、世界に唯一のブローチやペンダント...なにしろ、同じ形のものなんて自然界にないもんね。

  工房は倉敷にあって、最初の出会いは、ふた昔以上前のことでした。
 個性的な店主に,やや圧倒されながら「(それより)こっちの方がにあう。」と薦められるままに購入したのは、タンポポのチョーカーや紫陽花のブローチ、ツタのイヤリング等々...季節が変われば素材もちがって、何度か足を運んだものでした。
 店主が見せてくれた、自身の帽子にごく小さい土筆か,銀杏か(さすがに記憶が薄れてます。)のピンタックが素敵で、欲しいというと,「これは、ダメ。」と...小さいものは手間暇かかって(しかも大きいものより安くしなくちゃならないから)大変なんだと、長々と話を聞かされたこともありました。

 当時でもなかなかに高齢だった店主がなお健在とは考えにくいので、 苑はもう,なくなっちゃったかなあと予想しつつ、今年になって、ネット検索をかけてみました。すると、驚いたことに,神戸店なるものが存在してるではありませんか!
 え〜? いつから? こんな近くに...あの苑なの?あの,苑だったのです。
  倉敷の店は工房という位置づけで、ギャラリーも別にできているようでした。 なくなったと予想していたものが...大きくなってた...。HPの最新情報画が2005年のままというのが多少,気にかかりましたが、猛暑の7月下旬、地図を頭に入れ,プリントした連絡先情報を携えて、神戸店をめざしました。最寄りの駅から三宮まで、急がないなら乗り換えなしで到着のはずが,(出発点で)で行き先違いの列車に乗ったために、三宮ならぬ三田に向かってまっしぐら!
 大阪で、三宮方面は降りたホーム向かいでで乗り換えというアナウンスを聞いて、いったん(乗っていた列車から)降りたものの、次の三宮行きは快速で、乗車予定のお客がいっぱい。とても急いでいるというわけでもないし、ゆったり,ゆっくり,座っていこうかと、回れ右して降りた列車に乗り直してしまったのが,間違いのもとでした。この辺から,頭の中でも三宮と三田がいれかわってしまったようで、車内の表示を見ながら、三田まで後5駅か...などと思ってたのですから,間違いに気がつくのも大幅に遅れました。三田の駅で,改札を出なかっただけマシというものです。
 振り出し...とまでは行かないものの,限りなく降り出しにt会と頃まで戻っての出直しで、乗り換えていれば20分ほどでついた場所に2時間近く要して到着です。

 それでも,ついてしまえば,苑はすぐ近く。
 体温並みの気温にめげず,足取りも軽く(最初は)北野坂を上っていくと,地図で覚えた目印は予定通りに現れるのに、肝心の苑がみあたりません。この辺り...と思えるところに、気配もないのです。
 先に進むと,住所が違ってくる..ナチュラルローソンが他の建物と比べて,新しい感じが....まさか, 苑が撤退してローソンができたとか...? なんどか電話をかけても,この番号は使われていないという音声案内こそ,ありませんでしたが、ひたすら呼び出し音がなるだけで応答はありません。
 イヤな想像を振り切りつつ,ナチュラルローソンのスタッフに住所を告げて,どの辺りかを尋ねたところ,大きな地図をだして、一緒に探してくれました。が....特定できたあたりは、既に歩いて通り過ぎたところではありませんか。見落したとは考えにくいものの、今来た道をもう一度....上って下って,上ってまた下って...ついには地図自体に疑いを抱いて、通りを一本横に入ったり出たりしながら、夜の開店準備をしている店のスタッフにも(この辺り,観光客も多いので,歩いている人には聞きにくい)住所の位置を尋ねもしましたが、番地までとなると、結構曖昧なものなんですね。
 救いの主となってくれたのは,郵便配達中のスタッフでした。
 探している住所の確かな場所(やはり... 最初にローソンで特定したあたり)のみならず『“苑”というアクセサリーショップ』も、ちゃんとあることを教えてくれました。
  HPは2年も前のまま、電話はつながらないとなれば,払ってもまとわりつくのは『閉店・撤退』の文字でしたが、親切な郵便配達スタッフに、充分な安心感をもらって、この日5度か6度目の場所へ。目指すは、花屋のお隣あたり...は、困ったことにやはり何もありません。
 困惑して視線を巡らせば、シャッターがおろされた建物から歩道の上に架けられた茶色のひさしに、白抜きで“苑”と一文字!!! 驚いてシャッターを見れは、黒文字で“苑 火曜日定休”と書かれていたのでした。何度も何度も通ったシャッターの前..ですが、横に階段があって別の店の表示が出ていたので、立ち止まらなかったために、文字を見落としていたのです。見落とすくらいの小さい....シャッターの溝の幅内に収まっているうえに、ごくごく普通の,味気ない文字でした。注意力の問題ではないと思いたい...。そもそも、この日は水曜日! 店は営業しているという前提で探していたのですから,シャッターに書かれた文字までチェックはしませんって!
 
 あまりにも愛想の無いシャッターの前で、疲労感のあまり、思考力停止。火曜日と水曜日がゴチャマゼになったくらしです。

 9月には、立ち寄る予定の1週間ほど前に電話を入れました。
 あのままシャッターが開かなかったという事態もゼロではありませんし...何よりも定休日と営業時間を確認しなくては,坂を上る元気もでてきません。

 電話はすぐにつながりました。
 定休日も営業時間も2年前と変わらず...ただ,7月は火曜と水曜にお休みをしていたとのことでした。....よりによってねぇ。せめて張り紙ででも告知してて欲しかった。
 ちなみに9月、店の真ん前の歩道が工事中で、深く掘り起こされてされていて、近づくと、工事担当者に誘導されて店を通り過ぎるところでした。一瞬,工事のため臨時休業かとぞっとしました。

 イメージ3枚目はおよそ20年前に倉敷で購入したもの。
 色合いはだいぶ変わりましたが,自然素材ならではのインパクトは健在です。

 
 
                                        07/10/11 

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