遅ればせながら
     “水曜どうでしょう” 

1年ほど前から、意識して“水曜どうでしょう”を見るようになりました。
意識してというのは、視聴、録画の予約をしてという意味で、それ以前にも、何度かは偶然必然に目にしていた番組が、特別なものになったということですね。

 北海道ローカルの人気深夜番組を、最初に見つけたのは主人でした。
 数年前、単身赴任中の仙台でのことです。もちろん当地ローカル局での放映で、大阪の自宅でも兵庫と京都のローカル局で放映されているのを見ることができると判ったのは昨年のことでした。実際には2局ともに放映開始は2003年とのことですから、気がつくのが遅かった...というか、相当に出遅れました。

 “水曜どうでしょう”はレギュラー放送終了後、単発の新作がスペシャルとして放映されていいるようですが、我が家はこれとは無縁です。(今年1月、最新作が道内放映から1年遅れで放映されたことにも気づかず、見逃しました。)昨年来視聴しているのは、“水曜どうでしょうClassic”で、“リターンズ”に続く再々編集版ですね。
 それ以外はほとんどチャンネルをあわせることのない局のテレビ番組欄には、“どうクラ”とわずかに4文字...。知っている人にはこれで十分なのでしょうけど、新参者には最初の試練。公式HPやマニアックなファンサイトのからの情報収集にも思い及ばなかった頃のことです。他所で見たあの番組ウチの方でもやってないのかな...と探して...見つけるまでに無駄な月日を費やしました。

 それから2ヶ月くらいは爆笑しながら見るだけでしたが...それが、思い出しただけでも笑える...つまりは何度でも楽しめることを実感して、番組を保存するようになりました。実際、録画しながら見て、録画したものの編集(CMカット等)しながら見て、DVD に保存してまた見てと、1週間に2度、3度と繰り返して見て、それでも面白いわけで、ここまで直接的、かつ恒久的にツボにはまるバラエティ番組に出会ったのは、はじめてかも...いえ、間違いなく、初めてなのでした。
 どんな番組?という方には、公式HP等を見ていただくことをお勧めしますが、主には、出演者二人と制作スタッフ二人、4人が無茶なスケジュールを強行して繰り広げる旅の行程の映像にリアルなトークが重なったドキュメンタリータッチの、個性的な番組です。
 大胆な企画に、備え不要のいい加減さで臨めば、憂いは必至。
 『大変な状況』は、いはば自業自得(何事も無くスムーズなゴールなど、誰も期待していない。)なわけですが、ゴールをめざしてのバカバカしいほどのがんばりは、爆笑と同じだけの感動を呼び起こします。

 
 もちろん、すべての企画が同じレベルで面白いというわけではありません。
  幸い、 視聴可能な2局の内の1局で、昨年の夏からクラシックの放映が開始された(それ以前はリターンズ)ので、クラシックの90回目を過ぎた頃から見始めた我が家では、第1回目にさかのぼって見る機会に恵まれましたが、当初、出演者のお一人、大泉洋さんは現役の大学生で、3人の大人(企画、出演の鈴井さん。ディレクターの藤村さん。カメラ担当の嬉野さん)に否応無くつきあわされている感が漂っていましたし、回が進むにつれ,声だけにとどまらず、身体の一部も画面に登場するようになるスタッフも、最初の内は100%スタッフの立ち位置です。
 ところが、お互いの呼び方が変わり、距離感が変わり、スタッフの露出度が変わって...気がつけば、それぞれにクセのある4人は、これ以外の組み合わせはあり得ないと感じさせるほど『完璧にいいムード』を醸し出してくるんですね。
 番組を面白くしているのは、巻き起こるトラブルやハプニングそのものではなく、そこにいる4人のキャラクターがぶつかり合って出来る雰囲気なのかもしれません。
  同様の企画でも他の人が挑むなら興味はわかないし、たとえ1人でもメンバーが替わることも容認できない。

 ああ... 出演者(とスタッフ)に惹かれてるんだと自覚した時、DVD が欲しくなりました。
 意識して見始めてから半年ほどたった頃のことです。
 第1話から見られているのに?と、思うでしょう? わたしも、思いました。
 でも、見られているのは“クラシック”、DVD はオリジナル!  未公開、特典映像有りで、しかも、 副音声がついているのです。英語バージョンではありませんよ。スタッフと出演者による解説です。
  ある時は車窓の景色を映しながら、時には暗闇の中でも、トークで盛上がって(乗り切って)番組をつくってしまう方々のおしゃべりが副音声となれば、面白さは保証付きです。
 聞きたい!という欲求のままに、購入したのが、一番上のイメージ、箱の外に出ている5本です。
 既に発売されていたのは9本、おりしも10本目と、既存の6本目から9本目と10本目の5本が特製ケースに収められたコンプリートBOX Vol.2の発売が決まっていて、こちらは予約受付中だったので、ケース分がお得なセットを予約しました。(ケース単品は別価格販売)
 それからおよそ2ヶ月後、コンプリートBOXVol.2の現物を受け取った我が家では、遊び心一杯の、こだわりと愛情で仕上げられたようなケースを眺めて、新たな問題に悩むことになりました。

  .....Vol.1のケースも、欲しい! 
 でも、それが発売されたのは何年も前、わたしたちが“水曜どうでしょう”というローカル深夜番組の存在も、感動のレギュラー放送最終回の模様も、それが全国で繰り返し放送されていることも、ましてや、DVD が発売されていることも知らずに過ごしていた頃のこと、遅すぎた欲求です。
 とはいえ、箱入りの5本とバラの5本を見比べ、数年後に増えているであろうVol.3の箱入りを想像するにつけ、Vol.1の特製ケースの入手は重要課題のように思えて来ました。それだけ、番組に対する執着が増しちゃったということでしょうか。
 そもそも、笑いのツボなどというものは押される度に鈍化するものなのに、“どうでしょう”では逆に刺激される感じなのです。こんなバラエティ、他にはない(実はその後に、同テレビ局制作の他の番組にも引き寄せられて、DVDを買うことになります。)のです。執着と愛着は財布の口を緩くするというわけで、完売のケースを、オークション等で物色。
  定価1300円(実際には800円。販売当時の情報を持たなかった我が家では、Vol.1ケースもVol.2ケースと同じ価格と考えていました。)のケースが15000円をゆうに越える価格で落札されていく状況には、呆然とするばかりでしたが....慣れというのは恐ろしいですね〜。そのうち(落札金額が)1万円を下回ると、「安い!」と感激するんですね〜。
 感激に後押しされて、落札してしまったのが、イメージ、茶色のケースです。
 収めるべきDVDのタイトル付き、内部のイラストもそれにちなんだものです。
 遅ればせながらも未使用品を入手する機会に恵まれたことには、もちろん感謝....ですが、熱い要望に応えての、Vol.1ケース再販決定のお知らせを見たのは、それから1ヶ月も経たないうちのことでした。(発売開始は9月)
 なんというタイミング....。
 後悔先に発たず....いえ、いえ、いえ、数千円の差額は我が家の執着の証です。 
 納得して...後は、どうでしょう写真集の再販決定の情報を、今度はじっくり待ちましょう!
 

                                        08/07/15 

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