画面のレイアウトが乱れる方へ
ダージリン・フェスティバル2009
紅茶、雑談、雑知識 特別付録


 世界の新茶とプティ・マルシェというサブタイトルの通りに、春摘みダージリン試飲コーナーの他にも世界の新茶や地域限定茶、他のブースの登場がめだった、ダージリンフェスティバル2009、大阪は、これまでの会場からよりスペースのある会場へと場所を移しての開催でした。

  レポートは、当サイトの他の紅茶情報をご覧いただいている事を前提にしています。初めての方は、本編もご一読ください。
                     07/05/24 

 2009年のダージリンフェスティバル、大阪会場は..昨秋のグラン・マルシェに引き続いてのマイドーム大阪、中心となる試飲ブースがグランマルシェの時のそれよりもコンパクトで、割とスペースが残されて、動きやすいレイアウトに仕上がっていました。

 左イメージが会場内見取り図、左下矢印の入り口の左側壁沿いに世界の新茶の試飲ブース、中央に設置されているのが楕円よりも長方形に近くなった春摘みダージリンの試飲ブースです。色分けされた7つの地域から届いた新茶は今年は37種、パンフレットで確認したところ、昨年よりもまた3種少なくなっていましたが、ティ−スタ(地域)からジエルの入荷がなかったことを除けば、各地域の上位に記されるラインナップに大きな変化はありません。
 茶葉のグレード、 SFTGFOPとFTGFOPの1:3の割合もほぼ変わらず
....改めて見ると、意外にSFTGFOPが少なかったことに気づかされました。
 そしてまた今更ながらですが、 高くなりましたね〜。50グラム単位なのでつい油断してしまうのですけど、“直輸入でより安く”を掲げてマリアージュの代理店から国内紅茶専門店
レピシエに転身した創業当時に取り扱かわれていた茶葉は、同グレードでほとんど2倍以上ではありませんか。つまりは今のお値段が100グラム単位だったとして、ちょっと値上がりしたかなあという.....10数年経てば、ちょっとの値上がりでは収まらないことあるでしょうけど、値上がり率の低いマリアージュと、今はもう大差ない価格帯なんですよね。加えて、手頃な茶葉も少なくなりました。昨年は9種あった3000円未満(以下ではなく未満)の茶葉は今年は5種、2000円を下回るのは3種からわずかに1種(いずれも100グラム換算)で、開場内で何度か“高い”ことに驚く会話を耳にしました。

 だからこそ、いっそうありがたみが増すのが会場特別価格!
  100グラム3000円なら300円ですが、7000円になれば、割引も700円です。後で、ゆっくり通販で取り寄せようなどと呑気なことはいってられません。
 ルピシアたよりの送付サービスの期限が切れるので、通販も利用しなければならないのですが、今年もまた、我家はそれなりの量を持ち帰りました。

 ピュッタボン・クイーン、キャッスルトン、ジュンパナ・アッパーなどは定番ですけど、昨年、茶葉の状態に惹かれて買ったシンブーリが、やはり茶葉の色合いも香気も魅力的に仕上がっていました。
 東京会場での人気は昨年に続きシンブーリがトップ、大阪会場は(最終結果は未確認ですが)そのシンブーリを抜いて、ピュッタボンが走ってました。面白いことに、ティイスティングテャートによると、横軸がほぼ同じ位置付けにあるシンブーリとピュッタボンの、縦軸の位置が、昨年と今年とではいれかわっているんですね。今年のシンブーリはチャートの中心から遠くはなれた右上角、若々しい青みと爽やかな花の香りが最も顕著な場所に名前がありました。いつかのピュッタボンという感じですね。

 それでも人気投票の順位が入れ替わらないのが、不思議....と言いましょうか、ティイスティングに既存のイメージが影響する結果なのかもしれません。
 茶葉の違いはハッキリしてるのですが、お茶になるとピュッタボン
・クイーンよりもシンブーリ(あるいはその逆)とはなかなか....。こう言ってはなんですが、入れ方によっても風味は違ってきますしね。一番の好みは、決めかねます。(投票は自由)

 実は今回は、清算が各ブース毎にだったので、ティイスティングを始める前にわたしは地域限定茶を購入したのですけど、その際に使った四角い籠を清算後も開場内で使ってもかまわないと言われたので、荷物番担当の主人が陣取るカフェテーブルに、わたしが籠をトレイ代わりにお茶のサンプルを運ぶことで、同時に数種の飲み比べが出来ました。

 最初に取ってきたのは、おなじみ7つの地域の1番目、ダージリン・ウェストからピュッタボン・クイーン
とノースゥトクバーでした。 各地域上位2〜3種を中心にチェックするのは2007年途中に悟ったやり方です。 でも、そのどれもがチャートの中央からはなれた位置にあるわけではありません。バランスよりも個性重視の我家好みの春摘みは、右上かもしくは左下....。
 たまたま主人が陣取ったカフェテーブルのすぐ前にチャートのボードが出されてていたので、今年はチャートの位置を優先して試飲のお茶を選びました。チャートは会場で渡されるパンフレットにも記載されていますが、こちらは紙面の加減でか品番のみ、ページをめくって品番と茶葉名を照らし合わす手間が....結構なストレスなんですね。ボードは茶葉名付きでしたから、参考にしやすかったです。
 結果、全く試飲をせずに終わった地域もありましたが、3回目にして、ちゃんと“選んだ”感はありました。
 テーブルを(昨年は殆どなく、一昨年はクッキーが提供されていたのでテーブル上のスペースがありませんでした。)確保できたのもですけど、複数のサンプルを持ち運ぶことができる籠が大変便利でした。

 右上イメージがサンプルのお茶。 できたては熱いけれど、冷めるのも早い量です。飲み頃が短いデメリットは、できたてを取ってカフェテーブルまで運ぶことで解消されました。籠は使っていいと言われたので活用しましたけど、それじゃあ、わたしも...と考えるゲストが増えれば、すぐに「清算後はレジにお返しください。」となるかもしれない程度の数......トレイの有無によるストレスの差を実感したことを活かして、来シーズンは、自衛のためにアクリルの小さいトレイを持参しようと考えています。

 ちなみにピュッタボン・クイーンとシンブーリ、我家は両方持ち帰りましたが、どちらかをと選ぶ時には、舌よりは目で判断した方がいいかもしれませんね。
 余談ですが、シンブーリは2008年のマリアージュの価格改定時に三段跳びのごとき値上り幅をみせて、キャッスルトン(もともと最高値)と並んで、春摘みダージリンの中で最も高くなってしまいました。自然の恵みか、人の努力か、これまでと大きく評価が変わる茶葉が出来始めたということでしょうか? 


右:ピュッタボン
  SFTGFOP

左:シンブーリ
  SFTGFOP

 


 ところで、昨秋のグラン・マルシェで初お目見えだったココデシカブース(地域限定販売コーナー)が、今回も賑わっていました。
 こちらも地域別に、数カ所に分散されて、商品と茶葉のサンプルが用意されていました。
  レジへの出入り口は別に設けられていたので、秋のように(混雑時は)商品の前を通り過ぎたら後戻りできずにレジの前などという不条理もなく、行きつ戻りつ、迷いつつ...商品選びが可能なレイアウトは、ありがたい改善点でした。初日の14時過ぎの時点では特に品切れのアイテムもなかった様子で、焦る必要もない....のですが、なぜか、“限定”に反応して舞い上がるんですね...わたしは。
 しかも、秋は20種だったのが、10種以上の限定茶を持つハワイ店や、表参道、軽井沢店からの参入もあって,ラインナップはいきなり38種に!
 おそらくは、年に2回のペースで購入の機会は得られるとの期待は現実味を増したものの、プチ缶の中味は、わずかに20グラムの茶葉なのです。(紙ラベルを貼っただけの限定缶は、わたしには魅力ゼロで、本当に不要な無駄アイテム。50グラムの袋に限定ラベルを貼られた方がいい。)興味を抱いたフレーバーは、一缶だけではあまりに寂しいではありませんか。

 それで、20缶近く抱え込んだわりには、ほんの6種類という偏った買い方になってしまいました。途中で、あ,これ全部チェックは無謀と悟ったんですね。
 自宅にカタログがあったにもかかわらず、候補を絞っていかなかったのが反省点です。100グラムは欲しいもの、40か60グラムあって、何度か味わえればいいと思えるもの、モノは試し...とりあえずは20グラムでいいものなど、先に把握して行けば、会場でリストの説明を読む手間も省けますものね。
 今回、ちゃんと読んだはずなのに...なぜ買ってこなかったんだろ?と悔やまれる限定フレーバは3種、次回の最有力候補です。

 フェスティバルのお土産は、カップのロゴ色違いシリーズ化は叶わず、お茶のサンプルとティーバッグトレイでした。振り返れば、最初の(大阪 2007年)お土産はお茶パッチだったのでした。(昨年、わたしが気に入ったからといって)カップが続く根拠はありませんでしたね。

 DARJEEING FESTIVAL 2009 JAPANのロゴは箱ではなく本体に印字して欲しかったという意見(があるとして)に、わたしは一票。 
 見方をかえれば、そんな記念品っぽい印字などない方が...通常の販売品のようで使い易いのかも知れないけど...などと思ってルピシアのHPを除いて、右イメージのとんでもない失敗に気がつきました。
 トレイが....裏だったんですね。(正しくは左下イメージ。)どうりで...三角の尖った部分の仕上げが....というのは些細なことで、驚いたのは、このティーバッグトレイのアピールポイントでした。 

“ ロゴの溝を通ってティーバッグに残った水が切れるので、2煎目もおいしくめしあがれます。”
 .........いや、それはないわ。
 ティーバッグで2煎目って...20年か30年前ならいざしらず、『オレンジペコ』がフルーツのオレンジと何かの関係がある信じていた頃のわたしでもしたことありません。まして、新茶だ、水選びだのと言っている昨今、紅茶専門店が想定するのは.....いけません。ティーバッグもポットを使っていれましょう、直接カップで入れる時には、ソーサーでカップに蓋をして十分に蒸らしてという(ルピシア前身、レピシア時代からの)アドヴァイスが、2煎目を語った段階で、空虚になるではありませんか。
 
  それより何より、ティーバッグはカップ1杯分 ...のはず。

 ティーバッグ2煎目へのこだわりがトレイのセールスポイントというのは、残念な発見でした。ダージリンフェスティバルにはミスマッチなお土産と感じるのは、わたしがひねくれているからでは...ないですよね!?

                  
   09/06/12 

 



 
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