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ロンドンのミルクティー、パリのカフェオレ、旅の間、当たり前のように飲みながら、「やっぱり、本場のものは違うわ。」と単に感動してきた2年前....。
 実は温めたミルクの匂いが苦手なわたしと、小学校の給食以来、温かくても冷たくても、カスタードクリームやホワイトソース姿をかえていないミルクは嫌い、という主人が、温かいミルクたっぷりの飲み物を、「おいしい」と言って飲んで来た事実に、もっと驚くべきでした。掲示板におこしのむーみんさんから、ヨーロッパのミルクは日本のものと違うもの、というお話を聞かされて(「紅茶のおはなし」デイリーミルクを参照)納得したものの、当時、「驚かなかった自分たちの感性」が悔やまれます。
 知識が不足していると、注意力も緩慢になるということですね。

 イタリアでイメージする飲み物はエスプレッソとカプチーノ。3回で飲み干す(実際は、立ったまま一気飲みのおじさんたちが多かった)と言われるエスプレッソはともかく、カプチーノはやはりミルクなしでは語れませんね。国によって、ポピュラーな飲み物は異なっても、おいしいミルクがあってこそ、と改めて思い知らされます。
 その、カプチーノはもちろん、存分に味わっては来ましたが、やはり気になったのは紅茶のこと...。

  

 ローマ

 ローマに着いて、最初に飲んだのは日本から持参したマリアージュのティーバッグでした。ローマ滞在2日目に日にちが変わる時間です。(今回は、お湯でできるゴハンものも用意して行きましたから、湯沸かしポットを持って行ってました。)2日振りの紅茶ですから、ホっとするひとときではありましたけど、色はかなり濃くなりました。ただし、味と香りはまろやか、と言えば聞こえはいいですが....淡白でしたね。渋みとは無縁という感じでした。
 主人が、ポットの内側が石灰で真っ白になっているというので、「硬水」なんだなあ、と思ったのですけど、この石灰の量が半端じゃないので、改めて驚きました。
 早くから治水技術に長けて、豊富な水に恵まれ、お風呂の文化まで持つローマでも水質はヨーロッパの他の国と同様のようですね。むしろ、この目で石灰の固まりを見たのは初めてのことで(多少は注意力が向上していたのかもしれません。前回は湯沸かしポットを持って行ってませんでしたし...。)確かに、多くの専門家が「お茶を入れるには適さない」というのが理解できる気分でした。

 朝食時、コーヒーか紅茶かと聞かれて、つい、コーヒーを選択。
 クリーマーの代わりに温めたミルクが使われますが、お任せしているとできあがるのはコーヒーではなくカフェ・オレ、そのものです。ミルクの匂いは全く気になりません。
 観光の途中で立ち寄ったカフェで、使命感から紅茶を注文しました。
登場したのが、イメージのものです。
トワイニングのティーバッグだったのですが、なかなかオシャレな形で出てきました。
 ステンレスのポットに入ってきたお湯は(石灰が溜まる水道水ではないと思いますが..。)
3杯分くらいの量がありました。
御覧になれると思いますが、
カップの中には輪切りのレモンが....。
この時のオーダーは単に「紅茶」だったのですが、レモンか、ミルクか、という希望は聞かれませんでした。水もミルクもロンドンと同質ということで、レモンの登場は考えてもみなかったので、かなり印象深い出来事でしたね。
 数種類のお茶に3杯分のお湯、となれば、お茶はカップで入れるということになるのでしょうけど、残念ながら、カップは温められてはいませんでした。ポットのお湯も冷めていきそうです。でも、せっかくこれだけの種類があるし...。ということで、お湯をカップに入れてティーバックをひとつ、ポットの残りに違う種類のティーバックをひとつ、レモンは取り出しました。なかなか、しぶとく(お茶は)出なかったです。
 
 通りから見えた別の店の中で、蓋付きの木箱に、この何倍ものティーバッグが並べられているものがお客のテーブルに置かれているのを見かけました。味よりも、見た目へのこだわりが感じられます。
 翌朝、期待をしてホテルで紅茶を頼みました。
 出て来たのは、ポットに入ったお湯とカップのお皿の淵に乗ったトワイニングのティーバッグがふたつ...。ちょっと、寂しかったです。

 翌日から、カプチーノばかり飲んで過ごしました。

                                        01/01/12 

 フィレンツェ

  ローマからフィレンツェに移動したのは2001年1月1日。
 2時前にはホテルのホテルのテェックインが終わり、部屋に入ることができましたが、この日はさすがに町中がお休み!
 それで、当初はおそらく(行く)時間はとれないかも、と考えていたミケランジェロの丘を目指しました。赤い屋根のフィレンツェの町が一望できる高台です。
 丘の上には、さすがに観光客が多く移動式の売店もいくつか店を開いていました。が、とにかく、お茶を飲むなら座らなくては...。坂道が苦手なわたしにとっては、水分補給より椅子!です。カフェスペースを併設したレストランは、1日でも平常営業していました。こういう場所でこういう時期に開いてる店にしては、感じは悪くありませんでした。やはり、景観が売り物で、地元の人達の利用もあるようです。
 21世紀の紅茶初め、と思って入ったのですが、口が滑ってショコラッテ・コン・パンナをオーダーしてしまいました。たっぷりのココアの上にハーフサイズのソフトクリームのような形状で甘い生クリームが乗っているものを御想像ください。登ってくるまでに使ったカロリーを全部補充しおつりを貯えた気分でしたが、これはおいしかったです。ミルクにかかわるものは、やはりおいしいですね。

 翌朝、ホテルの朝食時に紅茶を頼みました。
 期待して待っていたわたしの前にあらわれたのは、ポットに入ったお湯と、トワイニングのイングリッシュブレックファストのティーバッグでした。ひとつだけ。これが、わたしの紅茶初めです。このあと、フィレンツェでは紅茶をオーダーしませんでした。
 ローマと違って、登場の仕方のおしゃれじゃないので....。
 ティーバッグなら、持参したマリアージュのものがありますからね。
しかも、湯沸かしも...。ポットに入ってテーブルに運ばれて来るお湯よりは、部屋で沸かしたお湯の方が熱々なので、マシかな...と
 でも、その度に、石灰の固まりと対面していました。

 左は、持参したマリアージュのティーバッグ。
 イタリアの水で、色濃く、香りは薄く、味はまろやか(?)なお茶になりました。フィレンツェで、一番飲みました。


                      01/01/26  




 ヴェニス

イメージはローマでのものですが..
ヴェニスでの紅茶は、このイメージの状態で出てきました。
 テーブルに運ばれてきた時には、ポットのお湯の中にティーバッグが浸されていました。やはり、トワイニングです。
 ただ、宿泊ホテルのダニエリで、フォトナムメイソンの缶をふたつ乗せた銀のトレーを掲げてロビーを横切って行ったスタッフを見かけました。わたしたちも、出かけようとしていた時で、一瞬のことでしたが、あの緑色の缶を見誤ったとは思えません。イタリアで、トワイニング以外の紅茶を見たのはこの時が初めてでした。それでは!、ということで、翌朝はカプチーノではなく紅茶をオーダーしましたが、ティーポットにぶら下がっていたラベルは、毎度、お馴染みの....。
 もう少し、日程に余裕があって、ホテルで午後のお茶を楽しむ時間が取れたなら、「紅茶は、どこのものが用意できるのかしら?」と尋ねてみたかった気がします。
 おまかせ状態のゲストには、ポピュラーなトワイニングを使っているものの、案外各社の定番は、ぬかりなく揃えていたりして....と思うのは、5つ星ホテルへの過大な期待でしょうか?

                                      01/02/28  

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