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                オーストリッチの財布     

 08/08/26

 
 
 忙しい旅程の中でも、やっぱりはずせないのが「お買い物」。
 
 「ま、いいか。」というわけにはいかない義理のお土産には、結構時間をとられるも のの手許には残らないし、土地の名物や旅の記念品は、時とともに、捨てられないけど少々置き場所に困るものに変わってしまうことがありますね。

 自分用のお土産は、何年経っても愛着が薄れず、目にする度にそれと出会った町や店のこと思い出せるようなものなのが一番! そして、その出合いが、新たなおつき合いのきっかけになったりすると、観光で通り過ぎただけの町が、特別な場所になります。
 観る、だけでなく、ちょっと係わりを持ちたくなるような、そんなお土産を紹介したくなりました。

  このページはいわば、わたしの自己満足の「お買い物リスト」のようなものですが、旅行の予定がある方は、覚えておいて損はないものだと思いますし、メールオーダーが可能なものも少なくありません。

 ただ、ごく最近に訪れた店でも、連絡先が今後も変わらないという保証はなく、常に正しい情報を更新していける自信がないので、細かな住所や電話番号の明記は避けました。興味をお持ちになった方はJUNまでメールで問い合わせて下さい。
 現在、メ−ルオ−ダ−等でおつき合いしている店に関しては、正確な連絡先と、必要ならば注文方法を、旅先で訪れた限りの店は、その時の情報をお知らせできると思います。

                        
               

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ファブリス【FABRIS】のオーストリッチの財布(ローマ)

 
ファブリスはローマ、スペイン階段の近くにある小さなショップです。
 
 散策中にウィンドウにディスプレイされた革製品に目を止めたのは、通貨統合前....ずいぶん以前の話です。持参した数冊の観光ガイドには未掲載の、地元のショップですね。わざわざ訪れたなら、日本でも購入可能なおなじみのブランド品よりも、そこでしか入手できない物の方に惹かれるのは我が家の傾向ですが,当時は、ローマの後に訪れるフィレンツェのビアンキ・エ・ナルディでオーストリッチグッズの購入を決めていたこともあって、ショーケースのディスプレイや広告等にも誘惑されずにいましたから、ファブリスはローマで入店した唯一のレザーショップということになります。

 入店のきっかけを作ったのが、オーストリッチの財布でした。
 通りからディスプレイを見る限りは、ごく普通の、二つ折りの財布でした。でも色が珍しかった。ショップではレッドといっていましたが、カンパリ色、あるいは暗めのバラ色です。もともとPurseではなくWalletとして販売されているもので、いわゆる紳士用では見かけにくい色あいでした。婦人用財布(ファブリスではWoman's wallet) になると、本当のレッドもありましたが、実は珍しかったのは色だけではなくデザインそのものだったんですね。

 店内で商品を見せてもらったとたんに、主人が利便性に富んだデザインを気に入ってしまいました。
 右イメージ、右サイドのカバーを開いた状態が上のイメージですが、カード用ポケットが左右に3つづつ、その下に横入れポケットが左右にひとつづつ。半透明のケースがひとつ。よく出し入れするカード類は左側のポケットへ、ときたま使うなものは、普段財布を開いた時でも目につきにくい右側に、携行の必要はあるけど、ほとんど出し入れすることのないものは横入れポケットに、半透明ケース部分には提示で事足りるカード類を...使用頻度と使用方法別に、たくさんのものがうまく収まるデザインなのでした。
 当時は(実は、今でも...)特に半透明のケースが秀逸アイテムに思えて、グリーンとレッドを、主人と色違いで購入しました。
 フィレンツェにももちろん財布はあるだろうけど、同じデザインが見つかる保証もありませんし、なんといっても財布は消耗品ですから、気に入ったなら購入しない理由はありませんしね。 価格は...2万まではしていなかったと思います。家捜しすればレシートが見つかるかもしれませんが、当時の価格は意味がないですね。(2008年現在は180ユーロです。)
 店のスタッフにVAT返金の手続きについてたずねたところ、対応していない様子で、そのかわりにと、一割ちょっとだったでしょうか、その場で値引きをしてくれました。我が家としては満足のいく結果でしたが、あらためて思うに。国外へ持ち出されるケースに慣れてはいない店だった気がします。もう時効との前提で言ってしまうと、オーストリッチ製品の通関に必要な証明もありませんでした。

  あれから10年....までにはまだ少しありますが、愛用し続けた財布にはいい艶が出てきました。

 ただ、酷使は寿命を早めると思い、数年前から国内でも類似の物を探し求めました。でも、見つかったのはどれも似て非なるデザイン....。 まあ、財布ですからね、形はどれも似ているわけです。ところが、使い易さは全くちがうのでした。
 左イメージのグリーンの財布が、国内で購入したもののひとつ。オーストリッチやクロコダイル等の素材の製品の取扱店として関西では名前の通った店で販売されていたもので、
半透明のケースを諦めてしまえば「いいんじゃない?」と食指が動いた商品です。折り畳んだ状態で、わずかに横幅がせまく、縦が長いのがお分かりになると思います。この、わずかの差が開いたときには2倍以上の差になるのです。(右下イメージ)原因は“まち”の幅なんですね。つまりグリーンの方はポケット全部をカードで埋めると、厚みがまちを越えてしまって、すんなりと二つ折りにならないのです。
  銀行のキャシュカード、デパートカード、クレジットカードにスーパーのポイントカード、メンバーカードに交通機関のプリペイドカード...ついでに健康保険証と、お守りまで入れても『浮く』ことのないファブリスの財布の収納力にあらためて驚かされたものです。そしてもう一つ、気にかけていなかった優れポイントが、縦の幅でした。ファブリスの財布の縦のサイズは国産のものより5ミリほど短いのですが、紙幣を収めたときに財布の外のふちが1ミリ(紙幣の)上になるくらいで、財布を広げたときには、内側で紙幣が1ミリ顔を出すというバランスです。横幅には余裕があり、縦はギリギリ...これはね、紙幣の判別も出し入れもし易いんです。
 逆に、紙幣が財布の中にスッポリかくれて見えないということは、出し入れの度に
、指と財布と紙幣が干渉しあうんですね。...ああ、うっとうしい...。でもグリーンのサイズは、決して特殊じゃないんですね。一回り大きかった旧紙幣にあわせて定まったかなというサイズです。言い換えれば、もっと前ならファブリスの財布は、お札がはみ出しちゃうので使えなかったサイズです。それが今はベストコンビネーション! 提示して使うカード類も増えたことだし、そろそろ日本でもファブリス型の財布が流通してもいいはずなのに...ないんですね〜。

 となれば、せっかくの縁を無駄にする手はありません。
  かくなる上は『お取り寄せ』。
 でも、VAT返金代わりにその場で値引きしましょうと言った店に、メールオーダーを敢行するとどうなるか...。それば別ページでのお話です。
 
 ファブリスの財布はお勧めの秀品、ローマに出向いた時には、店に立ち寄って損はありません。


                                             08/08/26 


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