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                        ボビンレース


 03/05/19

 
 
 忙しい旅程の中でも、やっぱりはずせないのが「お買い物」。
 
 「ま、いいか。」というわけにはいかない義理のお土産には、結構時間をとられるも のの手許には残らないし、土地の名物や旅の記念品は、時とともに、捨てられないけど少々置き場所に困るものに変わってしまうことがありますね。

 自分用のお土産は、何年経っても愛着が薄れず、目にする度にそれと出会った町や店のこと思い出せるようなものなのが一番! そして、その出合いが、新たなおつき合いのきっかけになったりすると、観光で通り過ぎただけの町が、特別な場所になります。
 観る、だけでなく、ちょっと係わりを持ちたくなるような、そんなお土産を紹介したくなりました。

  このページはいわば、わたしの自己満足の「お買い物リスト」のようなものですが、旅行の予定がある方は、覚えておいて損はないものだと思いますし、メールオーダーが可能なものも少なくありません。

 ただ、ごく最近に訪れた店でも、連絡先が今後も変わらないという保証はなく、常に正しい情報を更新していける自信がないので、細かな住所や電話番号の明記は避けました。興味をお持ちになった方はJUNまでメールで問い合わせて下さい。
 現在、メ−ルオ−ダ−等でおつき合いしている店に関しては、正確な連絡先と、必要ならば注文方法を、旅先で訪れた限りの店は、その時の情報をお知らせできると思います。

                        
               

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イルマ【IRMA】のボビンレース(ブルージュ)

 ベルギーの手工芸品としてポピュラーなのがレース製品ということで、わたしも、レースショップ情報に関しては、他のアイテム以上に念入りにチェックしたうえで旅立つつもりでした。

 ガイド本ではヴェニスと同様、粗悪品やアジアからの輸入品に注意するようにとのアドバイスが目につきましたが、できばえはともかく、製品の氏素性まで見極める眼は、わたしにはありません。ステキな物なら、由緒正しきベルギー生まれでなくてもいい...かもしれないけれど、そもそも相場がわからないのですから、ステキなものでも(勢いで)不当な値段に気が付かない可能性がありますね。
 ローマのコロッセオでの記念撮影に10万リラを払ってしまった前科のあるわたしとしては(イタリア3都市エピソード ローマの4日目参照)鴨ネギ状態の失敗は繰り返したくありません。念入りな事前情報収集はその為でしたが、実際にはガイド本が4册あれば4册とも紹介している店が違うというありさま(しかも、わづかに1店鋪ずつ...)で、ショップの選択は決め手に欠きました。
 ブリュッセルのグラン・プラスの回りだけでも、ここもあそこも、その向こうもレースショップという状態なのに、ガイド本に掲載されている店はそこから離れた場所にあったりするのです。決め手がないところへ選択の幅ばかりが拡がったという感じで、結局は日本のガイド本よりも現地評価、ホテルのコンセルジュにお薦めのレースショップを紹介してもらいました。コンセルジュは店のカードもちゃんと持っていて、ホテルのスタンプを押し、店のスタッフの名前まで書き込んでくれました(見せるようにと...)。あまりに手慣れているので(ホテルと店との)“話し合い”を感じないでもありませんでしたが、コンセルジュの“ベスト1”という言葉を信じて向かった店は、前日のディスプレイチェックで、わたしが眼をつけた店でもありました。(よかった。)
 そこで、わたしはコットンのテーブルクロスや、麻のハンカチなど、大小合わせて20点余りの製品を購入したのですが、正直なところ大満足とは言えませんでした。
 それというのも、ブリュッセルレースの主流はリボンレースなんです。簡単に言えば、テープ状のリボンを布の上に配置して模様を作るという編み方(?)で、店ではプリンセスレースやボビンレースなども扱ってはいましたが、多かったのはやはりリボンレースでした。デザインがひと目で分かるように大きな板に張り付けて展示されている美しいテーブルクロスも、リボンレース。
 でも、ベルギーで買うのはボビンレースと思っていたわたしは、ブリュッセルのその店でもボビンレースのテーブルクロスを買いました。 (右イメージはセンター部分)
 普段使いのクロスとして買ったそれはそれで、可愛らしいし、リーズナブルだったのですけど....もう少し繊細な物を期待していたわたしとしては、感動も7割り程度...。同じ店で、最も細かいボビンレースだと紹介されたドイリー(左上イメージ)のようなクロスは...ありませんでした。もっとも、あったとしても、お値段の折り合いが付かなくて悲しかっただけかもしれませんが....。
 それでも、お土産品も含めて一杯買ったし...日帰り旅行のブルージュでは観光に専念できるはずでした。でも、“産地”はバカになりませんね。ベルギーの名品と言われるくらいですから、ブリュッセルでも選り取りみどりだと思っていたレース製品ですが、ブリュージュでは、店のショーケースを飾られているモノが異なっていました。思い描いていた通りの細やかで緻密なレース製品の中には、ブリュッセルの店では無かったテーブルセンターの類いもありました。立ち寄らずに帰れるはずもありませんね。

 コンセルジュのお薦めも聞いてこなかったブルージュでは、持参していたシティガイドマップに記載されている二つのレース専門店の内、わたしが“るるぶ”で見た記憶のあったイルマに寄りました。

 そこで見せられたボビンレースのレーブルクロスが、右のイメージのものでした。(上はブリュッセルで購入したクロスの角部分)
 ブリュッセルで買ったものより小さめと、同サイズが正方形で、少し大きめの長方形タイプの3種類だけでしたが....みとれました。
 生地は麻、色は白のみ、レースのデザインはひとつのサイズにひとつだけで、さすがにブリュッセルの店は種類も多かったなあと、振り返って感心したくらいですけど、ボビンレースの美しさという点では、イルマのクロスは見事でした。いえ、ブルージュなら他の店にも見事なものがあるのかもしれませんけど、わたしはイルマとの縁を喜びました。

 もう、十分に買っているからと、理性はがんばろうとしましたが、無駄なあがき...。コーヒーテーブル用に長方形のものと、正方形の小さい方のサイズを買いました。大きめの正方形のデザインが長方形のタイプと同じ(に見えました。)だった為に、雰囲気の違う小さめ正方形を選んでしまったわたしの理性は、欲求の前に粉砕されていたのでしょうか...。実は、イメージのこのクロスに合うテーブルが我が家にはありません。小振りのティーテーブルなどにピッタリなのでしょうけどね。
 
  セットになっている4枚のテーブルナプキンも(長方形のクロスに付いているものより)ひとまわり小さくて、これはお茶用のリネンなのだと思わせられますが、ヨーロッパでは街のカフェだけではなく家庭でも、小さいティーテーブルの需要があるのでしょうね。ポットとカップ&ソーサーを二人分置いたら、ケーキ皿のスペースはあるか...という感じです。テーブルを探すよりも、クロスの使い方を考えた方がよさそうですね。質感の同じ麻の無地の生地が見つかれば、菱形に重ね置きすることで(我が家に今ある)90cm四方のテーブルにも、対応できるような気がします。....もちろん、大きいサイズの正方形を選ぶべきだったと反省はしています。
 
  ちなみに、紹介しているイルマのテーブルクロスは丁度100ユーロでした。
 VATは後から返金されるシステムだったので、じっさいにはもう少し安くなっています。ブリュッセルで購入したコットンのものより、大きさは小さくお値段は高いということになりますが....素材とボビンレースの完成度を考えれば、妥当な価格差かと思います。
 イルマにリーズナブルなコットン素材のクロスがあればとも考えますが、ため息を誘われるような仕上がりは麻素材ならではのものかもしれませんね。
  細い糸がキッチリと編み合わされてできたレースの模様は、触れるとわずかに凹凸と軋みを感じます。控えめな光沢も独特です。
  イルマでは、テーブルクロスの他にテーブルセンターも購入しました。
 右はそのエッジ部分ですが、デザインはどうやら“定番”のひとつのようで、同じものがブリュッセルの店にもありました。最も繊細なボビンレースとしてケースの中に陳列されていたドイリーのみっつのデザインはすべて、イルマにもありましたし、ブリュージュの他の店のディスプレイウィンドウでも見ることができました。
 ごく薄い麻布とのコンビネーションで、洗濯したらどうなるのかと不安を感じてしまうほど 華奢な1枚ですが、麻ならではの丈夫さに期待しようと思います。


                        03/05/19 

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