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 ローマ、フィレンツェ、ヴェニスを12日間の急ぎ足で見て参りました。
観光名所やお勧めスポットなどは、美しい写真と共に多くのガイドブックで詳しい紹介を見ることができますから、ココで観光ガイド的な旅行記を展開することには、あまり意味を見出せません。
 たとえば、コロッセオの迫力を説明して、それを見たわたしの感想を伝えることよりも、駅前で剣士の衣装を付けたおじさんと一緒に写真を撮ってから、請求された金額が果たして妥当なものだったのかどうか、いつまでも悩んだというようなエピソードを中心に進めていくつもりです。         
                           01/01/16  



   

飛行機を決める

 海外旅行の申し込みに際して、ハッキリと分かっているのは出発日と帰国日ぐらいのもので、旅行規約には、予定の見学コースが変更になるかもしれないと書かれているし、ホテルや飛行機にいたっては、直前にならなくては分からない、というのがパック旅行の困ったところ!
  パンフレットに記載されている「同等クラス」のホテルを自分なりに下調べして、第三希望までピックアップしてみたところで、泊まることになるホテルは希望からはずれていることが多いものです。とは言え、お任せのパックなら文句も言えないところですね。最近では、ホテルや飛行機を指定できるものや、選択してオリジナルのプランを作成できる商品も随分増えました。文句を言うなら自分の旅ですもの、多少の手間を厭うではいられないということで、初めてのイタリア旅行も、個人で行くことに決めました。

 個人旅行となると、まず決めなくてはならないのが飛行機です。今回はビジネスクラスの利用が前提で、しかも、わたしたちの出発は12月28日。混み合う年末ですから、席が確保できないことには話が前に進みません。
 
 できるだけ短い時間でローマに到着できるフライトがあって、前後のシートピッチが127センチメートル以上の航空機、(落ちた時の保証なども、頭をかすめたので...)日系かヨ−ロッパ系の会社、という条件のあてはまる航空会社をいくつかピックアップしました。
 イタリアに飛ぶのですから、アリタリアが第一候補であることは間違いないのですが、ホテル程多くはないとはいえ、旅行雑誌のランキングや、航空機関係の特集などでは、140センチという広いシートピッチにもかかわらず、なぜか、評価が低いのですね。よく遅れるとか機体が古いとか....。
  安心感からか、評価の高い日本航空全日空は、強気の価格が折り合わず、また面白みもないのではずしました。乗り継ぎが便利なルフトハンザ、千歳発着があるKLMオランダ航空、バランスのとれたエールフランスヴァージン・アトランティックが比較の対象でしたが、価格の面でルフトハンザと決別、シートピッチの狭さでKLMが脱落しました。前回、プレミアムエコノミーで利用した帰路にグレードアップでアッパークラスを体験してしまったヴァージンは、フライトスケジュールがあわず、諦めることに。
 ローマ到着時刻が数時間早いエールフランスよりも、アリタリアに決めたのは、空港からホテルまでの送迎サービスにひかれたからでした。どちらを選んでも、冬期はすでに暗くなってからの到着です。初めての、しかも少々治安の悪さを指摘される場所での、「お迎え」はやはり魅力でした。

 ところが、こちらの予定が決まっても、困ったことに旅行会社と年末の飛行機の話ができるのは、夏休みが明けた頃からなのですね。その頃にならなければ、下半期のフライトスケジュールや航空運賃が決まらないからと言うことで....。この場合の運賃は、旅行会社が格安と称して販売する航空券の価格のことですよ、もちろん。1日違えば、数万円の差が出ることもあるヤツですね。数カ月もあるのだから、困ることもないじゃん、と思われます? でも、初めて、個人手配を試みたロンドン行きで、予定の飛行機の席が取れず、青くなった経験が、わたしたちにはあるんです。

 某カード会社のトラベルセンターでしたけど、そこのスタッフが「このホテルに関しては、クレームは一度もありません。」というフォーシーズンズを予約してもらって、飛行機は評判のいいヴァージンのプレミアムエコノミーをと希望したのですけど、予約確定のホテルとは違い、飛行機はあくまでも予約預かり。料金が決まらないことには、というのは他の代理店と同じでしたが、ただ、春の内に予約を受け付けてくれるだけでも良かったかなと...。ところが、10月も半ばを過ぎた頃、そろそろ決まったかしらと連絡を取ってみると、帰国便はキャンセル待ちだというではありませんか! キャンセル料が発生する直前に動きがあると思う、というスタッフの見通しなど、慰めにもなりゃしません。ギリギリまで待った結果、だめだったからといって日程を延ばす余裕はないのですもの。結局、この時は、かろうじて空きがあったフリースティのパックに滑り込みましたが、ロンドン直行のはずがパリでの乗り継ぎになるし、ホテルは、聞いたことがないところでしたし(「同等クラス」の仲間にはポピュラーなホテルも多かったんですけどね...。結局、3日間はフォーシーズンズに泊まるという、無駄づかいをしました。)個人手配の意気込みも、足下からすくわれてコナゴナでした。

 この、苦い経験からわたしたちが学んだのは、「お返事待ち」の危機感です。
 2年後、再びヴァージンを利用して、パリとロンドンへの観光を計画した時、わたしは出発日を遡ること10ヵ月以上前の2月に、飛行機のチケットを単独で販売している代理店に片っ端から電話をかけました。年末の飛行機のチケットについて即答できるのはいつ頃かということを確認する為です。
 そして、出会ったのが、今回もお世話になったHIS
 「御予定がお決まりでしたら、今、お調べすることができますが。」
  それで、空きがあれば、席を押さえることができると言われて、わたしはあせりました。価格は昨年の同時期にHISが販売したお値段を参考にすることになりますが、実際の価格が決まった時点で再検討することにはなんの問題もなく、キャンセル料の発生は、通常の旅行規約と同じとなれば、申し込まない理由はありません。
 早々と『足』の確保ができたことを喜びながら、これでは、9月に下半期の価格が決まるのを待っていては、年末年始のビジネスクラスが満席になっているはずだと理解できました。

 エコノミー航空券に限らず、ビジネスクラスついても格安チケットを扱う代理店は増えているものの、HISのように柔軟な対応をしている店は、他にもあるのかどうか...。前年度、同時期の販売価格も、即答していただけないところも少なくなかったことを思うと、結局、今回はお世話になる店に迷うことはありませんでした。

 10月から、アリタリア日本航空と共同運行ということになって、わたしたちは、行きは日航の機材とサービスで、帰りはアリアリアの機材とサービスを経験することになりました。
 ランキング上位の日航のビジネスクラスと、シートピッチが広く価格も手頃なのに、高い評価が得られないアリタリア、実体験の感想は、帰国編「飛行機の感想」でのお話になります。

                                         01/04/04  

 
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