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 2009年6月下旬、9月連休にルスツリゾートで遊んできました。
 数度の利用から10数年の時をあけての今、ルスツ再訪に踏み切ったのは、トマムの引力が弱まったからです。残念な事態ですが、ゴルフやスキーを楽しみながら快適に過ごせるエリアの探索が急務となりました。ルスツを選択したのは、過去の経緯で少なからずトマムとの関わりがあったからで、ルスツに多少なりとものトマムらしさを期待して...というのが正直なところです。
  レポートは、ですから、かつて、ルスツではなくトマムを選んできたわたしの価値観が大きく反映されています。参考資料として利用される際は、その旨ご理解の上、他者の見解や評価を併せてご覧になることをお勧めします。





ホスピタリティー&etc



 ウェルカムドリンクとはるゆたかクッキー

 
<籠の中がかなり寂しい状態なのはタイミングの問題なので....空白部分にもスペースにもビシッとクッキーが埋まっている様子を想像してくださいね。(撮影のためにのけましたが、実際には半透明の埃よけカバーがかかっています。)
 クッキーはココナッツと、1枚も残っていなかったチョコレートと、ラスト3枚のパンプキンの3種でした。
 このクッキーは何故にここにあるのかは、正確なところは不明です。

  「羊蹄の大自然が産んだはるゆたかを使用したルスツオリジナルクッキーをご賞味ください」という表示付きですから、おそらくはウェルカムクッキー.......、ついでに、玉手農場のはるゆたかを使ってのクッキー、パン、ピザ等の手作り体験のアクティビティの案内もあるので、宣伝効果の期待を担っての太っ腹な試食という見方もアリですが、
いずれにせよ、“ある”時に通りかかれば、インパクトの大きさは、多分、宣伝効果を遥かに越えるに違いありません。

  実際、わたしたちが6月に初めて見た時には、体験アクティビティ云々については表示があったかどうか...あったとしても目にはいっていないのですから、宣伝効果はゼロ! でも、はるゆたかで作られたクッキーが「ご自由に」とばかりに置かれている様子は、
ルスツではね...と語るに十分な素材、結果、こうして、ページを割く気にさせられました。

 (客室内やレストランにではなく)通路にあたるパブリックスペースで無料の飲食物が提供されるというのは、よくある話ではないと考えます。すぐに思い出せるところではフィレンツェのリージェンシー(基本的に宿泊者以外は建物内にいない状況)くらいで、国内ではわたしは記憶にありません。ですから6月は驚きました。
  なにしろねぇ、行くところに行けば大袋入りで販売もされていそうな飴玉などではなく、オリジナルのクッキーですもん。どこかに値段表示があるんじゃないかと見回したくなったくらいです。ただ、
<そのときには、わたしたちはノース&サウスエリア見学をかねて、遅いお昼か、あるいはお茶とお菓子を食べるべく移動中だったので、クッキーは後で....と決めてそのままモノレールに乗って対岸へ....。ところが、数時間後に戻ったときにはクッキーは籠ごと無くなっていて、それきりでした。ま、あたりまえといえばあたりまえですが、常にある物ではないのですね。

はるゆたかに思い入れがあるわたしには残念な結果でしたが、でも、食べたとか食べられなかったかというのは、実はどうでもいい話でして、あったことが重要だと感じています。

 もちろん、クッキー効果UPには、他の提供方法も考えられます。

  このケースでは、クッキーで満杯の籠が置かれてからどのくらいの時間で空っぽになったのかはわかりませんし、そもそも満杯の分量も確認できていませんが.......3種全部を欲しがる子供もいるでしょうし、その前を通る回数が多かったりすると、同じゲストが何度か蓋をあけるかもしれません。
  混雑期ではなかった6月の平日でさえ、ある時刻以降に到着したゲストは知らずに終わった話なわけで....。
  「今時分はともかく...(お客が)多い時にはできないんじゃないの?」との懸念に反して、9月の連休時にはかわらずクッキーの籠は登場しましたが、もしかしたら上のイメージのようになるまでは、あっという間だったかもしれません。
 多くのゲストにアピールすることを優先すれば、例えば100枚のクッキーがあったとして、100枚を一カ所に置いて「ご自由に」にいうよりも、50室に2枚づつ置いた方が、またはラウンジでコーヒーのお伴にとサービスでだしたほうが、確実とも言えます。

 でも、客室やラウンジで
思いがけなくクッキーのサービスがあったとしても、ゲストの心に響くのは案外短い時間にすぎないと、わたしは思っています。気の利いたサービスに好感度はあがるとしても、それはホテルの規定のサービスとして認識されるはず....。ほどなく、いはばクッキーも備品の一つにすぎなくなります。パブリックスペースに「ご自由に」といわんばかりに籠盛りにされているほどのインパクトは、ないですよね。
 サービスは等しくあるべきかもしれませんが、 ホスピタリティーに均しさへのこだわりは不要です。等しさは標準に通じ、あたりまえと裏表。せっかくのホスピタリティーも単なるサービスなってしまうので....クッキーを“配る”のではなく“置いた”ルスツの姿勢を、わたしは評価しています。
  40人にアピールし損ねても、10人に強く印象づければそれで十分ではありませんか。
  ホストの潔さとおおらかさは、惹かれた10人から100人に伝わって、お仕着せではないホスピタリティーの好例として定着する気がします。

 ちなみに、健康野菜として紹介されているヤーコンのお茶は、セルフサービスのウェルカムドリンクとして常時提供されていました。(クッキー籠と同じテーブルに給湯器が置かれています。)
 

                                         09/10/13 

 

 

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