画面のレイアウトが乱れる方へ


                 

 10数年振りの再訪を切っ掛けに、2010年のグリーンシーズンもルスツでゴルフを楽しんで参りました。
 今はなき...というべき旧トマムのコンセプトに夢中になったわたしの価値感は変わらずですが、その旧トマムで何よりも評価してきた(オールドファンが言うところの)トマムスピリッツは、場所ではなく人によって受け継がれていくのだということを、昨年来のルスツリゾートで実感させられています。
 旧トマムに変わる地としての妥協点が見つかることを期待して訪れてから1年、トマムのような快適さの中で、今後は『ルスツらしさ』をも楽しめる時期が来たように思います。


 



     

 


 ミュージカル・ ファウンティン(サウスロビー)

 
10数年振りに訪れたルスツで、夕食のためにベルビューに向う途中、サウスウィングのロビーで音楽に合わせて噴水が動いているのを見かけ、「あらま、こんなとこに...。」と言いながら通り過ぎたのは2009年の初夏でした。

 わたしたちの目下の興味はルスツの住環境ではなく(一昔前に客室には一定の評価をしていましたしね。)、その後の変化が期待できそうな食環境でしたから、気持ちはベルビューへと向い、噴水ショーに足を富めることもなかったんですね。あとになって、これが、フロリダから直輸入されたもので、ミュージカル・ファウンティンという名称もあると知りましたが....わたしのコメントの信憑性を高める為にも、あえて言ってしまいましょうか、凄い!とは思わなかったです。噴水ショーに類するエンターティメントを観る機会は他でもありましたし、たとえばディズニーシーのハーバーショーを観てると....まあ、比べる話ではないのですけど、連想がさけられないせいか、当初は「....がんばってるね。」という程度の印象だったんです。格別の感動はありませんでした。

 ところが夜に通るたび(ベルビュー利用の行き帰りに)色づいて躍動する水と馴染みのある音楽に出迎えられることを繰り返すうちに、ミュージカル・ファウンティンに対する印象が変わってきました。圧倒されたり衝撃を受けたりする規模ではありませんが、そもそも館内、サウスウィングのフロントの前に設置されてる噴水ショーに、迫力は不要でしたね。
 集客目的ではなく、集まった(訪れた)ゲストへのお楽しみサービス....空間に華やぎを添え、居合わせたゲストの気持ちを浮き立たせるという点では、これ、侮れないアイテムかも...と思えてきたのです。
 ミュージカル・ファウンティンがあるのは、サウスのロビーとはいえ、フロントの他にゲストが集う(ラウンジのような)施設はここにはありません。 ただ、ロビー階奥には大浴場や室内プール、体育館などが、4階にはレストランがあるので、チェエック・イン、チェック・アウトの時間帯を除けば、ここは、いはばどこかに向うゲストの通り道になるところです。大半のゲストの目的は、ここより先にあるとして、そのついでに、心地よい音楽と、軽やかに舞う噴水に出会えるとすれば、これは、結構贅沢なアプローチの演出ではではありませんか。

 そう.....贅沢なんです。
 時と場合によっては、無駄と位置づけられるリスクを背負った贅沢なアイテムは、物理的にはいうまでもなく、精神的な余裕が無ければ存続しえないもので、ゲストの有無、オン期、オフ期の区別無くミュージカル・ファウンティンがきちんと,そして特別なアピールもなく稼働し続けている状況が、何を隠そう、無駄も贅沢もリゾートにあっては、滞在環境のグレードを左右する必須アイテムだと思う価値感を持つ我家には、好ましい発見だったのです。
 凄いというより、いい感じなのが、ミュージカル・ファウンティンなのでした。
  
 もちろん、ついでではなく、噴水ショーを目的にこの場に来るゲストもいるのでしょうね。
 わたしたちは、なるべく混雑時を避けて利用の計画をたてているので、観賞者を見かける機会が少ないのかもしれませんが、10年8月下旬は、噴水の方に向けて並べられた観賞席も、それなりに埋まってました。

 イメージはその時にビデオ撮影したのデータをあとから切り取ったものですが、せっかくだからちょっと...とデジカムをオンにしたところ、立ち止まったまま、こちらもしっかりと鑑賞態勢に入ってしまいました。流れる音楽はいいつでも聞き覚えのあるものばかりでしたが、この日はなおいっそう馴染み深い“ミッキーマウスのテーマ”や“星に願いを”などのディズニーミュージック!
 演奏曲や演奏時間は、すぐそばに置かれた案内板で紹介されていて、曖昧な記憶によると開始時刻は30分毎だったでしょうか。
 
 ちゃんと観てみると、そこに椅子が用意されているだけのことはあるエンターティメントだったわけでして...数曲分ですから、時間にしても見応えのあるショーだったと判りました。
 タワーやノースウィングのロビー等、目につき易いところにも『宣伝』をだしたら良いのに...と思わないでもないくらいでしたけど、『宣伝』が無いのがいい感じなのかもしれません。
 
 先を急がず、時間に追われず、ゆるゆると過ごすうちにいい感じの空間を見つけたら、そこでしばし、時を浪費してみるのも非日常。
 ルスツの演出に乗っかって、ソファ(観賞用)に腰を下ろしてみるのも一興ですね。

                                 
                                        11/04/26 

 

ルスツ実感レポートTOP(グリーンシーズン)へ戻る

 

 客室備品スリッパの館内使用ルール

  ルスツリゾートでは、タワーとノース&サウスウィングのそれぞれの館内に大浴場があります。ジュニアスイート(ノースウィング)やタワーの客室には洗い場付きのバスルームが設置されていますから、部屋風呂でも充分リラックスできますが、あるなら(しかも館内だし)折角だから行ってみようかみようかというのが自然の流れというわけで、わたしも毎回タワーの大浴場を利用しています。  ノース&サウスウィングの大浴場は覗いただけなので分かりませんが、タワーの大浴場に関して言えば、あってよかったねと、本音で思える施設です。

 ただ、大浴場には、ホテルの旅館化とでも言うべきデメリットがつきものなんですよね。
 久々の再訪となったルスツでも、館内を備品のスリッパ履きで歩くゲストは目に付きました。
 わたしたちは、やっぱり、いたか...という気分で眺めたものでしたが、もちろんこれはルスツに限った事ではありません。東京や大阪のホテルで、スリッパで客室の外に出てくるゲストを目撃した事はン十年前までさかのぼっても記憶にないのに、何の加減か、リゾートと名のつく所のホテルには必ず、いまだにいるんですよね。TDRのディズニーブランドの各ホテルでもいますし、トマムでも(初期はスタッフが注意をしていたといいますが。)スリッパ族との遭遇は珍しくなくなってました。木林の湯開業後に、スリッパに浴衣のゲストが館内パブリックスペースに表れた時(エリア内循環バスにも乗ってましたっけ)にはさすがに驚きましたが、国内のリゾートホテルで、客室外でのスリッパの歩行をご遠慮くださいと言う利用規約が守られないゲストがいる事実には、わたしも免疫が付きました。
 目にして気にならないといえば嘘になりますが、そこはいちいち反応してストレスの素を作るのは得策ではないわけでして、ルスツでも、まあ、お風呂(大浴場)あがりには靴よりもスリッパだろうしね〜と、状況への理解に努めたものでした。ところが、ルスツでスリッパ履きを制限しているのは、レストランだけだったようでして....。つまりは大浴場にかぎらず、ロッカールームもショッピングエリアもゲームコーナーも(多分)ファストフードも、館内はスリッパで出歩いてもかまいませんよというわけです。
 ホテルの常識にこだわらないルールを、ルスツの英断ととるか安易さと思うかは意見が分かれるでしょうけど、遠慮してねと言ってるのに遠慮出来ないゲストが尽きない事態へ対応としては、あり得る策かもしれませんね。

 というのも、スリッパを履いているゲストを見て、ヤだなあ〜とわたしが感じるのは、その行為に対してではなく、ルール違反に無頓着な 、無作法な存在自体(場の品質を劣化させる存在です。)に対してなので、許可されているとなれば、話は別。ルスツのルールを知ってからは、スリッパで歩くゲストを目撃しても気分が乱れなくなりました。
 客室外でもスリッパを履いているゲストが、スリッパ利用のルールを確認してそうしているのか、ただの無作法なのかは傍目にはわかりません。実態はともかく、

明らかなルール違反がいないという事実が大事なわけで、そういう意味では客室外でのスリッパ利用を禁止していないルスツの判断は、(我家には)有益に思えます。

 右上イメージのスリッパは、ビニール製の備品とはべつに用意されている(おそらく)使い捨ての室内履きです。肌触りがよく、また多少踵が荒れていても引っかかりや遊び毛が出ないワッフル仕様の生地で、素足に最適...つまりはお風呂上がりに重宝する素材ですが、こちらは「スリッパのご利用は...」と言う案内のスリッパとは別ものに思えます。バスローブと一緒に用意される類のアイテムなので、利用は客室内に留めましょうね。

                                        12/02/07 

 

ルスツ実感レポートTOP(グリーンシーズン)へ戻る

 

 グレ モスクワサーカス

 夏休み期間限定で開催されるイベントのひとつ。
 ロシアのサーカス団が特別編成公演をルスツで行うもので、遊園地の利用者と宿泊者は入場(鑑賞)も無料....サーカスを目的に訪れるする人が大勢いることが想像できないわたしには、サービスイベントの類に振り分けられるアイテムでしたから、当初は、興味の対象にはなりませんでした。正直なところ、シルク・ド・ソレイユを見てしまうと...グレートと名のられても期待を抱くのは難しいし、無料サービス品となれば、それなり...と判断するじゃありませんか。夏休み期間を避けて利用する我家には、どっちにしても縁の無いイイベントだけど....と思ってたら、この年、我家のチェックイン日が公演の最終日になっていて、無かったはずの縁が生じてしまったのでした。

 縁が生じると、無料サービスへの、期待はともかく興味が生じるわけで、観てみる?という話になりました。
 初日は、移動日でして、特に予定もありませんでしたしね。お茶を飲むか、昼寝をするかのかわりにサーカスを覗いてみようかと....。
 入場に際しては、遊園地チケットや宿泊キーの提示を求められることはありませんでした。どちらかに該当しない限り、立ち入ることができないエリア...でもないのに、いいのかな〜。やはり、サーカスだけを目的に来るゲストはいないという判断でしょうか? 

  テント内は、円形のステージ回りに、緩やかなすり鉢状に鑑賞席が組まれていました。開演数十分前は、イメージのような有様で、ついつい余計な心配をしたくなりましたけど、組み立てられた席は、時間まえにはちゃんと、良い加減に埋まりました。ストレスを感じる程の混雑はなく、高揚感を生み出すには充分な『入り』は、観賞環境としては、ある意味理想的でした。誤解を恐れずに言えば、我家にとってはついでのお楽しみなのですからくつろげるゆとり空間と、感動を増幅し易い雰囲気くらいは、整っていなくちゃ。
 で、たまたまかも知れませんが、気楽な観賞環境の中で、結局、わたしは拍手をしすぎて、掌に少々違和感がのこりましたっけ。

 パフォーマンスは、『ニャンともかわいい猫サーカス』の他は、初めて観るカテゴリーのものではありませんでしたから、ビックリさせられることは無かったものの、凄さに感激は出来ました。
 正直なところ、 比べるべきではないと理解していても、記憶にある以上、シルク・ド・ソレイユへの連想を避けることは難しかったです。それで、公演開始からしばらくは、 パフォーマの決めポーズやダンスには、内心で苦笑している自覚もありましたが、公演がすすむにつれ、比較の対象は 自然に消滅していった気がします。 ステージの規模や設備の妙の優劣は、パフォーマンスに見入っていると気にならなくなるということでしょうね。 すぐ側でくりひろげられるパフォーマンスは、 余計な値踏みの間を与えないくらいに、迫力もありました。ステージが近い分、なおさらですね。

 無料サービスのエンターティメントで、エアリアル・シルクやトラピスが疲労されるとは....お得感が満足度を押し上げた気がします。
 案外面白かったので、滞在中に公演がある場合は、時間をやりくりしてでも、また、立ち寄りたいと感じましたが、2010年以降、残念ながら縁がありません。

 ルスツの公式HPによると、グレートモスクワサーカスは、どうやら、毎年恒例の招致イベントのようですね。
 
 アクティビティに関しては、あちらでもこちらでも似たようなものが展開されるなかで、ルスツ限定(その後に、多分、姫路セントラルパークに移って公演なので、加森観光限定というべきでしょうか。)のイベントは、レアなカテゴリーで、印象づけの効果は大きいでしょうね。ここでしか出会えないもののひとつです。

  無料サービス、侮るなかれ。夏休み中という期間も限定されたアイテムですが、少し積極的に縁結びに動いてみるのも一案です。

                
               13/04/17 

 

ルスツ実感レポートTOP(グリーンシーズン)へ戻る