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2012年、グリーンシーズン、タワーの雰囲気に惹かれつつも、客室の快適さを優先して,宿泊はノースウィング、ジュニアスイートを選びました。個人客はタワーに集約された昨シーズンの同時期とは異なり、今季はジュニアスイート宿泊のゴルフプランも登場し、ぐっと利用しやすくなりました。
 夏休み前ということで、混雑に伴うストレスもなく、団体客(主に修学旅行)が館内を適度ににぎわしてもくれる為に静かすぎるということもなく、リラックス&リフレッシュ滞在を楽しめました。
 大浴場には新たに露天風呂が造られ、オクトーバフェストの店内もリニューアルされるなど、施設面の『改善』も、今季は刺激的でした。


 



     

レストランと食事

 ルスツ4度目のグリーンシーズン。

 夏休み前、ピーク時を避けてわたしたちが滞在した時期は、やはり営業しているレストランもかぎられていました。中華料理や寿司カウンターなども選択肢に入らないのは、確かに残念ですが、風花とベルビューが開いていれば不足なしと言うのも本音で、食事に関しては利用の前から大満足の予想がついているような状態になりました。いつものおいしさにその時々のエッセンスが加味されて、ルスツの食環境はゆたかです。
 アンチエイジングメニューのラインナップに続いて、今季は料理長お勧めの旬メニューも展開。月(時期)によっては※※づくしと言うようなインパクトのあるコースも提供されていて、楽しみが、また増えました。


ベルビュー(サウスウィング 4F) 夕食

 和の風花に、洋のベルビュー。
 定番コースの選択肢 も充実しているうえにサービス力にも優れたふたつの店が、ピーク時以外でもちゃんと営業していることは、混雑時を避けて滞在計画をたてる我家を、迷い無く(今季のゴルフも)ルスツへと誘う要因の一つになっていますが、実は風花とちがって、ベルビューは結果的には常に(昨シーズンを例外として)不自由なく利用できたものの、営業が約束されているものではありません。例えば2週間程前なら、風花の営業は間違いなく決まっていても、ベルビューは未定......初利用を試みた2009年6月は、営業しない確率もそれなりにあって、わたしたちはベルビューという場所にはこだわらず、どこか....営業している店で、リクエストした洋食のコースを食べることができればそれでヨシ!とすることで折り合いをつけたのでした。結果として、初利用のベルビューで、料理とサービスに大満足したことはレポートの通りですが、その時にコース料理を食べたのは(多分)わたしたちだけで、オーダビュッフェスタイルで営業中のベルビューのセルフコーナーには飲み物やサラダ類とともにご飯も用意されていたんですよね。
 仕方ないよね。そもそもは、ルスツの利用は、この時期のトマムで営業するのがビュッフェのみとなったのがきっかけだったわけで、コースをリクエストできるだけでも良いと思って来たんだしね、その料理もおいしいんだから文句ないよね...と納得しながらも、言ったものでした。....もったいないよねえぇ。料理とスタッフのレベルに棹さす雰囲気を、残念に思えましたっけ。

 最も、あの日の雰囲気に棹さしたのは、オーダービュッフェスタイルの中でコース料理を堪能したわたしたちの方だった事実は否めませんけど....参考にファクスしてもらったメニューが意外にちゃんとしたコースラインナップでしたしね。基本はフレンチレストランにはちがいないんですよね。
 そのうえで、ケースバイケースで柔軟にサービススタイルを変えるも,経営のテクニックかもしれないと、わたしたちは理解に努めたのでした。何しろ、20年余りにわたって代わりになり得る場所はないといって利用を繰り返してきたトマムに代わる遊び場所の必要に迫られての状況でしたから、求めすぎない覚悟はできていましたしね。
 ただ、オーダービュッフェスタイルでの営業はそれきりで、その後は、同年9月の2階目の利用から、今季の2度の利用まで、ベルビューはコース中心の創作フレンチレストランらしいテーブルサービスが提供されてきたので....わたしたちは、初利用時の“残念”をすっかり忘れていました。

 
上イメージ
 6月の旬素材 岩内産海洋深層水でボッシュした旬のグリーンとホワイトのアスパラガス オランデーソーズ。キャビア添え。

 左イメージ
 左が6月(こんがり焼いたイチジク添え)右が7月のフォアグラのポアレ。

 

 そういえば、初めての時には、炊飯ジャーもセルフコーナーにあって、ご飯を食べていたゲストもいて、フレンチレストランとは考えない方が....とまで言ってましたっけ。まるで別の店のことのよう....。4回目のグリーンシーズンの夕食をあたりまえのようにベルビューでとりながら、わたしたちは3年目のことを思い出話にしていました。
 折しもトマムから、アルファもガレリアもヴィズの名称も消された年、ベルビューから“残念”がなくなっていた事実に気づいたわたしたちは、3年前にルスツを選択した結果は、自分たちには最善だったと、喜んだのでした。

 営業スタイルの違いはたまたまだったかもしれません。別の時期には“フレンチレストランとは考えない方がいいスタイル”でのサービスが提供されている可能性はゼロではありませんけど、毎年の我家の利用は、夏休みを外した同じような時期ですし、公式HPのレストラン情報が年毎に充実度を増している事実から推して、ベルビューは、ルスツの洋食のメインダイニングとして、ふさわしいスタイルに定着したのじゃないかと思います。



 そんなベルビューの今季のラインナップは、月代わりの旬コースと2種のアンチエイジングコースで、価格はアンチエイジングモースが、これまでと変わらず(たぶん)、夕食券利用の場合は差額が必要ですが、5月から10月まで、月代わりで紹介されている旬のコースは、3年前よりも随分お安くなった夕食券に対応している様子です。
 イメージ付きで詳細が紹介されている各月のコース内容を見ると、コストパフォーマンスの高さに満足させられること、疑いようがありませんが.....やっぱり、年に2度か3度の機会だしということで、我家は今季もフォアグラのポアレをリクエストして、コース内容はお任せでお願いしました。

 右のイメージが7月の、最初のひと皿。
 海老にフォアグラ(のポアレ)、スープの具は丸ごと鮑(上イメージ。6月のスープは白カブのサラサラクリームスープ。透き通ったルビー色が美しい7月のスープは、ほのかな酸味が食欲を刺激する夏バージョン)おまけに7月の魚料理はタラバガニ(右下イメージ。左下は6月の差かなりょうり。カナダ産活オマール海老のミュート。甲殻類のソーズに柑橘類添え)というという贅沢な食材は北海道ならではの恩恵かもしれませんが、様々にアレンジされたひと皿、ひと皿は,北海道キュイジーヌと言うよりも、正しくはルスツキュイジーヌ....ルスツオリジナルですね。
 道内の宿泊施設でベルビューのような洗練に出会うのは難しいし(店単体なら、札幌、円山地区でいい感じのフレンチレストランもありましたが...)、大阪でよく利用しているホテルのレストランでは、これだけの食材は期待できません。いえ、いかようにもリクエストは可能ですけど、価格を気にするレベルでは論外です。トマムで食べられなくなったフォアグラのポアレや、フカヒレの姿煮をリクエストした時期もありましたが、リクエストのひと皿がランチタイムのコース価格を上回る...つまりはルスツの夕食、旬コースを上回るというのが現実でして、素材よし、味よし、見栄えよし、雰囲気よしが定着したところに、価格よしもくっついているベルビューのありがたみは、そのままルスツの引力となっている気がします。

 3年....その間の実体験を根拠に、そろそろ言葉にしてもいいでしょう。
 北海道ナンバー1を誇るスキー場や、ゴルフ天国というキャッチコピーで印象づけられるゆとりの72ホールなどとならんで、今やレストランも、ルスツを支える太い柱のひとつ。ルスツの魅力アップに欠かせないどころか、大きな影響力を持つ存在になったと考えます。

 猛吹雪でゲレンデに出られなかったり、ドシャ降りの雨中でスコアがさんざんだったりしても、夜の食事が昼間の残念を帳消しにしてくれる、ベルビューはそんな時間を約束してくれます。

 かつて、ルスツリゾートではなくアルファ・リゾート・トマムを選んだのと同じ理由で、ルスツに惹かれているというのは、面白い現実ですね。
 
 サウスウィング4階にあるベルビューは、そこに行かなければ店の様子(雰囲気)を知ることはできません。そのサウスウィングは初期開業施設ですから、造りは、共有部分もシンプルで、フレンチレストランへのアプローチは味気ないといわざるをえません。はじめから“リゾートの食”を重視したアルファ・リゾート・トマムが、ルミエール開業にあたって用意した設えや備品に匹敵するものを、ベルビューに求めるわけにはいきませんけど(当時のコンセプトがちがいましたしね。)不足分は、これはルミエールファンだったわたしたちのようなゲストが感じるかもしれない不足部分ということですが、スタッフがカバーしてくれます。
 
 料理に関しては、ご覧の通り。(下イメージ、肉料理、デザートともに、左側が6月、右側が7月のもの)
 夕食券で済ませるのもお得感があると考えますが、旅先での数日間、すこし懐を緩めてシェフにおまかせすれば、“ここならでは”&“ここでしか”のコースを堪能出来ます。
 スタッフのサービススキルの高さは、何度も言及しているので今更の話になりますけど、ベルビューでも利用日時の予約は受け付けていませんから、顧客情報の把握は容易ではありません。部屋付けでの支払いなら,宿泊情報から利用頻度を推すことができるかもしれませんが、カードがつかわれれば、支払い時にカード保有者名前が判るくらい、現金払いのゲストの場合はその名前を知る機会もない状況で、個々のスタッフの積極的な接客姿勢が光っています。

 過去に何度かの利用したことのある(らしい)ゲストが、それまでと違うカテゴリーの飲み物を注文したのを受けて、サービススタッフがいつもと異なる注文について確認するのが聞こえたことがありましたが、覚えられていたことに驚いていたゲストの受け答えに親しみが増し、弾みがついた会話は談笑の雰囲気を得て、通りすがりのリピーター”が“おなじみさん”に変わって行くプロセスを見た気“がしました。
 スタッフ(との関係)が生み出す引力には、抗いようもないですもんね。

 ところで、今季7月、わたしたちは席に案内されるまで、初めて別の部屋で少しだけ待たされました。入り口右手に仕切られてある、まとまった人数での利用に個室対応出来そうな所が臨時のエウェイティングルームになっていて、わたしたちの前にもう一組が待っていました。珍しい(待たされる程混んでいることが)ことでしたが、予約制ではないのでこういうケースもあり得ます。順番に並んで立たされっぱなしじゃなく、待つしても、それらしき場所があるのは悪くない話ですし、食前酒のメニューなどがあるとむしろポイントアップかなとも思えたくらいです。
 もっとも、この時の待ち時間はわずかでした。
 突然団体さんがいらしてバタついてしまって...と言うことでしたが、奥に案内されてみると、壁側ソファー席と店内中央に
セッティングされた8人〜10人がけのテーブルが外国人ゲストで埋まってました。近隣国からの団体さんで、そりゃ、フロアも厨房も慌てただろうこと想像出来る、けっこうな人数でした。世話役とおぼしき男性は、各テーブルの側まで歩み寄る労はとらず、一カ所に立って、皆に聞こえる声で話すし、子供は食事中でもゲーム機から目を話さないし...お行儀は良くないグループでしたが、それはそれ、反面教師として我が身を振り返るにとどめましょうか。ただ、お行儀とは関係なく団体客や大人数のグループ客と鉢合わせするのは、アンラッキーな状況と捉えられるのが一般的ですよね。同じ混雑でも個人客で埋まってるならお互い様だけども、団体さんの場合、いなけりゃ混んでなかったのに...という、随分アンフェアな話ですが、二人よりも三人、三人よりも四人、五人、六人、人数が増えれば目立つに反して傍目に鈍感になる傾向もありますし、アンラッキーは自然な感情でしょうね。

 でも、常にもまして、スタッフのキメ細かなサービスに触れる機会になるとすれば、アンラッキーな状況も“残念”ではなくなります。

 修学旅行の学生で埋まった通路を逆進しようとした時に通りがかりのスタッフがすかざすエスコートにたってくれたエピソードは既出ですけど、今回のベルビューでも、店内への案内がすぐにできなかったことや、少々にぎやか(で、おちつかないこと)なことに対して、丁寧な謝辞がありました。それと、料理が遅れ気味になった時には、『出来上がり間もなく』の事前報告もありましたっけ。
 お待たせしてしまってと言われてみれば、いつもよりは時間がかかってるかな?というていどのロスタイムですが、お腹を空かしたゲストの方から、「まだですか?」と言わせないタイミングでのご機嫌伺いはさすがじゃありませんか。「まだですか?」って、言ったからって気分の良くなる展開じゃないですもんね。たとえ、心の中で「今日はやけに時間がかかるなぁ。」と思ってても(我家の食事はもとから長いので、思いません。)先に頭をさげられれば、ゲストはイヤな言葉を口に出さすにすみますものね。
 外国人団体客を突然に迎えてバタついた分、ベルビューのスタッフは個人客へのいっそうの様子伺い、声かけに努めている様子で、雰囲気は良かったです。
 そう、スタッフのサポートで、わたしたち(個人客)の昼食環境は守られますから、少しくらい「嫌だなあ〜..。」と感じるゲストに遭遇しても心配は無用ということです。
 
 ついでに言えば、近隣国からの団体客には、パンではなくご飯が出されていました。ベルビューでご飯を目にするのは、2度目ですが....今回は全く“残念”ではありませんでした。

 フランス料理店でご飯の用意がないことは、対応力を問われるものではないと、私は思います。苦手な食材や料理の差し替えが出来るかどうかというレベルの話とはちがいますものね。
 突然来た団体さんが、その場で、メニューには無いご飯をリクエストしたのでしょうけど、スタッフは、断らなかったんだなぁと、感心させられました。 急ぎ炊いたか(無理かな?)オクトーバフェストあたりから取ってきたか、余裕の無い事態で、それでもベストを尽くして、ゲストに応えた結果のご飯! 残念どころか....のエピソードではありませんか。
 ベルビューのレベルの高さの象徴のようなものとして、わたしたちはフレンチレストランで目撃したご飯に感心してしまったのでした。
 我ながらあきれる贔屓解釈ですが、レストランで、食事とスタッフがよければ...正確を記すと、利用を重ねて馴染んで、スタッフの良さを知ることができたら、“残念”などなくなるという実例ですね。


                                           12/10/11 

 

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