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 2016年、ウェスティン・ルスツリゾートとして、タワーがリブランド営業を開始したルスツで、変わることなくノースウィングのジュニアスイートを選択して、ゴルフをメインに遊んできました。
 売却ではなく運営委託でのリブランド開業、主なスタッフはウェスティンへの出向というシステムが取られたようですが、変わるべくして進められた結果ですから、何かは、必ず変わるでしょう。
 手放しでは喜べない本音もを抱えながら、『改善』に期待をかけた滞在でした。

 
                                  2016/06/30
                               
 



     
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6月 速報版

 右イメージは、ウェステン・ルスツリゾートと、ルスルリゾートホテルエリアを繋ぐモノレール。
 ウェスティンの開業に併せて(...?かな)車両が新しくなりました。未確認ですが、レールガードなども、綺麗に塗り直されている感じでした。
 モノレール開設がほぼ20年前....イメージキャラクターのダニエル君たちのペイントが目立つ前車両が“20年もの”かどうかは知りませんけど、かなりの年期を感じさせていたのは事実ですから、新車両の導入は悪くない話ですね。
  一応、ダニエル君も描かれていますけど、レジャーランドの乗り物からリゾートエリアの移動アイテムに近づいたかなという印象です。遊園地目的の子供達には....とはいえ、遊園地メインならモノレール利用の必要も無いわけで、控えめ(?)なペイントがマイナスポイントなることはありませんよね。
 開設当初は、タワーからゲレンデに向う必須アイテムで、ハードブーツやスキー板をうけとめて、前車両は傷にまみれていたものですけど、タワーエリアにもゲレンデに直行出来るリフトがかけられた今、真新しい新車両には、大きな痛手をうけることなくスキーシーズンを越えてほしいものです。

 6月は短期利用で、ウェスティン館内の宿泊棟(1Fにショップがある)には行っていません。
 ゴルフスタートの受付も、ゴルフショップ内に定着したようで、ウェスティンのフロントにも用がなく、遠目に見ただけですが、フロントデスク回りは改装されていました。
 そして、改装で、かなり雰囲気が変わったのがアトリウム。(改装前のイメージは2009年のレポートをご覧ください。)
 植栽が殆ど取り除かれて、視界が広がる空間になっていました。
 席数を増やす目的の工夫の結果か、積極的なイメージチェンジを測っての改装かは判りませんが...これはこれで広々としていいけど、茂った木々の間を抜けるアプローチも,いい演出だったのに惜しい気がします。

  それよりも惜しかったのが、ベルビューのリニューアルでしょうか。

 出発前に、ベルビューが創作フレンチからファームレストランにリニューアルしたことを知ったわたしは....正直に言いましょう、ショックを受けました。

 必ず利用するレストランですから、影響は、モノレールの新車両やアトリウムの改装の比じゃありません 。

 壊れ行くトマムから逃れてきた2009年こそ、オーダーバイキングシステムで営業していたベルビューで、中央に置かれていた飲み物やご飯釜は見ない振りをして利用したものでしたが、その直後からは、地域性も活かされたフレンチコースが定着して、目をつぶるマイナスポイントもなくなった店だっただけに、変化は...曾て望んだ予約も出来るようになって、これ以上に望むポイントもない店のリニューアルは、我家にはリスクに他なりません。
 でもまあ...食材へのこだわりがアピールポイントのようだし、前菜、メイン、パスタ(リゾット)を選んで、コースの組み合わせを決められるシステムは....選択肢が増えると言う意味では悪くないし、旅先では創作フレンチよりもファームレストランの方が利用し易いかもしれないし...と、リニューアルのメリットを意識して、ショックを和らげる努力をしました。
 和食の風花に対して洋食のベルビュー...リニューアルで雰囲気が変わったから利用をやめるというわけにはいかないのです。
 悩んでいても先に勧めないので、予約がてら、問い合わせたところ、リクエストはこれまで通りに可能、日にちに余裕さえ持たせれば、創作フレンチベルビュー時代のコース料理も出来るとのことだったので、逃げ道を確保出来たゆとりで、今回は、既存のメニューからメインとパスタを、当日、選ぶことにしました。...前菜は....選びたいフォアグラのポアレが無かったので差し替え、ついでにスープを追加リクエストしました。素直に前菜を選んで、フォアグラを追加することも考えましたが、そうするとスープがね...追加、追加になると、全体量が増えますから、差し替えリクエストにしました。

 ベルビュー店内に変わりはありませんでした。
 サービススタッフのユニファームは以前よりはカジュアルな雰囲気に...。

 選択メニューには、追加料金のかかる料理もあります。
 パスタ(2種)かチーズリゾットの三品ではチーズリゾットは+1188、前菜、メインともに、四品の内二品に追加料金が設定されていました。
 追加料金のかかる料理を選択しなければ、料理三品とアミューズ、パン、サラダ、デザート、コーヒーの組み合わせで5940円。これが夕食券に対応している様子で、夕食券が幾分値上がりしているのかもしtれませんね。

 既存メニューはフレンチよりもイタリアン寄りのラインナップに思えましたが、パスタはプリモ(第一の皿)ではなく、メインの後に提供されます。
 チーズリゾットは、リゾット米ではなく道産ななつぼしを仕様とのことで、興味を抱いて選択したひと皿です。
 テーブル横での実演も楽しめました。(動画、写真撮影OKでした。スタッフは、ありがたくもポーズを取って静止してくれます。)濃厚だけどもくどさは無く、モッチリとした食感ながらベタつきはなく、次の利用時には、また、リゾットを選ぶか否か(折角別の選択肢もあるのに...)と、悩ましいほどおいしい一品でした。

 左イメージは、コースに固定メニューとして組み込まれているサラダ。
 温めたソースとともに提供されるバーニャカウダです。
 野菜のおいしさは間違いなしのルスツですが、ファームレストランのサラダは大地の恵みが収穫を待つかのような演出で、見た目はもちろん、その見た目を上回る“味”が衝撃的でした。
 イメージではホワイトアスパラの脇に半分隠れてしまってますが、人参も太い棒状でつきささってましたっけ。人参もイヤな臭みが無くおいしいねと言ってはきましたが、このボリュームを生で...は、人参好きではないわたしは発挑戦だったかもしれません。...が、やっぱり、おいしかったです。ソーズはつけてもいいけど、つけずに食べても存分に風味を堪能できる、優良野菜のそろい踏みでした。
 インパクトのある一品です。

 ところが、野菜だし...と思ってたら意外とお腹が膨れるようで、わたしは、メインのポークを完食出来ませんでした。
 後に控えるリゾットのためもありますが、ベルビューで、料理を残したのは、多分初めてです。
 前菜二品、スープに魚、肉、と続くコースと違って、品数が抑えられている分、ひと皿の料理にボリュームがあるんですよね。
 二皿分がひと皿になっているだけと言う見方もできますが、異なる味わいなら食べられる量でも、同じ料理を続けて二皿は、キツいよねと....。
 まあ、スープを追加したのが悪いと言われれば、その通りです...。既存のメニューに差し替えやら追加は控えるのが無難だと実感しました。。
 例えば、オニオングラタンスープが食べてみたければ(ルスツで使ってるタマネギを素材に作られるオニオングラタンスープは、おいしいに決まっているので、リクエストしたいと思いつつ数年すぎました....。)希望する料理と予算を告げて、コース構成はシェフに一任するのが正解だと考えます。

 和風アレンジのたまねぎスープの意外性が懐かしい風花については、6月の利用のみでは、レポートをまとめるに足る情報が不十分なので、7月レポートに持ち越します。
  風花は、ウェステェンホテル内のレストランという位置づけになりましたが、予約はこれまで通りにベルビューと同じ番号で同時に申し込みが可能で、部屋付けも出来ました。運営が違ってくると、ノースのジュニアスイートのルームキーは、ウェスティン内では使えないかも...と考えていましたけど、利用に際しては、案じていたような不自由さはありませんでした。

                                         16/06/30 

 

7月(詳細版)

 7月宿泊の予約を入れたのは3月初めでした。
 リブランドオープンしたウェスティンへの興味が全くないわけではありませんでしたけど、内装や備品がウェスティン仕様になっても、2層、あるいは3層の造りまでを変えられる話ではないので、我家の狙いは相変わらずのノースウェスト、ジュニアスイートでした。絶対数が少ないので、利用予定日指定検索で予約が可能になったら、グリーンシーズンの全プランが出そろうのを待たずに、まずは客室を確保することを優先します。
 3月の時点では、ゴルフプランは既にUPされていて、1泊朝食付き、1プレイのプランで5泊を申込み、最終日はゴルフなしの1泊朝食付きプランへの差し替えをリクエストしました。オンラインの予約では、異なるプランを組み合わせての連泊申し込みが出来ないので、調整は予約担当スタッフと、メールでのやり取りになります。少し前なら、全日ゴルフプランで問題なく、ただし、レイトチェックアウトを申し込んだものですが、さすがに...帰宅当日のプレイには無理を感じる年になりましたし、昨今の混雑では、朝一番にスタートしても、ハーフを終えた段階で、先頭ではなくなるので、2時のレイトチェックアウトでも、ゆとりが持てなくなった事情もあり、チェックアウト当日のプレイは控えるようになりました。

 予約完了の後に、6月の短期滞在の計画が持ち上がり、現地にて、朝食、夕食ともに、いわゆる食券対応メニューの価格が上がっていることを知りました。
 朝食はプランに組み込まれているので置くとして、夕食に、例えばオクトーバーフェストを利用するなら食券対応コース表示価格よりも安く購入出来る夕食券をつけたほうが、割安だと気づき、7月に入ってからバタバタとプランを再チェックした結果、基本の一泊朝食付きプランに夕食券をオプションでつけるプランに、ゴルフなし1泊朝食プランを切り替えてもらい、その際、ゴルフプランにもオプション夕食券をつけることができるということで、3日目に夕食券を追加しました。
 初日は、夕食券利用でベルビュー(既存メニューから選択)、 2日目は風花(鉄板焼き)、3日目はオクトーバフェストで夕食券利用、4日目は風花、最終日にベルビューの予約を済ませました。初日と3日目以外は、予算、料理についてリクエストを入れたので、夕食券は使用しませんでしたが、風花では鉄板焼きも含めて、夕食券対応コース以外でも、夕食券を利用する場合の差額が明示されています。メニューから選択する限りでは、夕食券を抱き合わせた方が幾分お得になるようですから、計画段階でのチェックをお勧めします。

客室とパブリックスペース

 ウェスティン仕様になったタワーの客室を実感することはできませんが、公式HPではサウス&ノースの客室にシモンズベッドを導入したとありますから、ウェスティン開業に合わせて全てのゲストルームのクオリティがアップした様子です。

 
 我家が利用したノースウィング、ジュニアスイートの客室にも、ディベスタイルの寝具やエアウィーブの導入に続き、今季は、ソファの張り替えや、バスルーム天井の塗り替えなど、手が入れられていました。サテンストライプのコンフォーターカバーのクオリティも申し分なく、絶対的評価でトップクラスの睡眠環境が整えられていると思います。快適です。

 パブリックスペースでは、ウェスティンのロビーフロアが大掛かりにリメイクされました。
 フロントは長いカウンターテーブルが廃止され、個別のオープンボックススタイルに、速報でお知らせしたようにアトリウムへのアプローチからは小川のせせらぎもグリーンカーテンも取り除かれました。
 下イメージ、撮影時の高さと方向が若干ことなりますが...左のタワー時代の左の柱と、右側(改装後)真ん中の柱が同じものです。かなり....雰囲気は変わりました。が、タワー開業時からあるベンジャミンと4本の樹は残されたそうです。(6月のイメージ。鹿のオブジェの横の樹)

 ウェスティンサイドの積極的な判断か、やむなしの譲歩の故かは知りませんが、木々を見守ってきたスタッフと、そしておそらくは撤去された木々との縁は浅かっただろう支配人から、(タワー開業時からあった樹は)残したと聞かされた時、縁が深かったとは言えないわたしでも、何となく良かったと感じました。20数年間在り続けたモノが先へと繋がって行く意味は意外と大きい...。
 改善という名の変化は...多くの場合、リピーターにはストレスのおまけがつきます。満足度の高さや愛着が縁を深めて行くわけで、ヘビーユーザーともなれば、改善の利もストレスのせいで改悪になりかねないわけで、まして、運営が変わった結果の変化は試練そのもの....ですが、紡いできた記憶のひとかけらでも健在なら、これまでとこれから、繋ぎ易くなりますものね。
 年に1度か2度の利用の我家でも、様変わりしたロビーの正面で、命を繋いだベンジャミンを愛おしく思えました。それはウェスティンがルスツタワーの20数年に対する敬意の象徴のようで、ルスツユーザーのストレス緩和の役立っている気がします。

 この後、施設増設の計画はある様子ですが、条件が整うまでは...の先の話。
 現状ではリニューアルされたアトリウムが、ウェスティンのメインダイニングに位置づけられているようです。が、滞在期間中にアトリウムの夕食ビュッフェ営業はありませんでした。
 ルスツリゾート公式HPの案内によれば、ウェスティンホテル内のアトリウムの夕食ではたらば蟹、ズワイ蟹も楽しめるとのことで、一方、リニューアル前のイメージが使われている(2016年7月20日現在)ウェスティン・ルスツリゾートの公式HPでは、特に蟹についての記載はないものの、蟹のイメージは紹介されています。解放感が増したこの空間で蟹はね....わたしは、害が大き過ぎる気がしてなりません。
 蟹の匂いがするロビーって、心地良い空間とは言いにくいじゃありませんか。とはいえ、北海道...蟹を提供しないビュッフェの支持がえられるかといえば...難しいところでしょうね。
 もひとつ、難しそう..だったのが、客室棟1Fのショッピングエリアの一角に設けられた、トレーニングジムでしょうか。ウェスティンとしては多分必須の標準設備なのでしょうけど、元はティーカップなどのおしゃれ雑貨が置かれていた(我家の滞在期間中有では90%程の確率で閉店)店の後に、ガラス張りのジム...........浴場に遠いし、ショップに近いし...。

 雷付き暴風雨でゴルフ場閉鎖とか、吹雪でリフトも停止、スキーも楽しめない日には、ジムで汗を流そうかという話になるのかもしれませんが....リゾートスティではアウトドアスポーツが優先されるでしょうし、観光利用ならジム利用の時間的余裕が不足でしょう?
 ビジネス利用も多い都心のホテルなら、ジムの有無が評価を左右する場合もあるでしょうけどね。
 ジム(フィットネス)とスパ、プール、マッサージ、アロマトリートメントなどがセットで提供されてこその利用のし易さを考えると、中途半端感は否めません。入室にルームカードが必要な24時間営業と言うことは宿泊者専用...なら1Fでなくても、ゲストルーム一つを改装すれば無関係の他人の目にさらされること無く、トイレやシャワーブースくらいの併設も可能だったろうにと言いかけて、ゲストルームがメゾネット仕様だったことに気づきました。
入り口2階、フロアは1階、この様式では1階にマシンを並べても閉鎖的すぎて、逆に利用者の足は遠のきますよね。
 トレーニングジムは、ココに配置が最善だったと言うことになるのでしょうか。
 既存の建物にウェスティンのスタンダードを嵌め込む難しさ、ですね。

                                      16/07/20 



ゲストとスタッフ

 今回、新千歳空港からルスツに向う道中で一緒になったご夫婦から、一昨年はトマムに行ったと言う話を聞きました。
 一昨年といえば、アルケッチャーノもピーク時にはオープンしていた頃ですが、ご夫婦の感想はもっぱら、中国人ゲストの多さに終始していました。それは、どこもにたようなものだけどとおっしゃりながら、昨年につづいてルスツには再訪されているのですから、2度目のトマムが無かった理由を外国人ゲストの多さだったと推すのは危険ですが....トマム独特の隔離性が、好印象も悪印象も増大させるのかもしれませんね。

 ご夫婦がおっしゃったとおり、外国人ゲストの多さはルスツも同様です。
 「今日、**コースで日本人は**さんだけ...かも。」と聞かされたは2013年だったでしょうか。さすがに驚きもし、コース内の雰囲気に違和感を覚えたものでしたが....まあ、時流ですから...気にいていたら遊べませんよね。
 メディアなどで指摘されるマナー、常識云々については、そういうこともあるかもしれないけど...お行儀の良くないゲストが100%外国人という話でもないわけでして、例えば、レストランではご遠慮くださいとされている客室備品のスリッパ履きは、外国人客が増えたことで、むしろ見かける頻度が減りました。
 これまでの直接的な影響といえば、観光バスの多い日の翌朝は,混雑が予想されるので、朝食はレストランオープン前に待機するか、いっそひと波み過ぎるまで時間を遅らせるかの工夫が必要になることくらいでしたから、ルスツに向う車中で、サプリメントを買いに行ったデパートで、海外客殺到のレジが1時間待ちと言われて買うのをやめた大阪の方が実害がありますなどと余裕の会話だったのですが、ルスツでも外国人客は右肩上がり...急上昇...いえ、うなぎ上り状態で、多いと判っていながらも、今季はまた新たに驚かされました。
 8時台には観光バスで出発する団体客も相変わらずですが、これまでになく目立ったのが、ゴルフ目的の滞在客....。8時を過ぎてもルスツにいます...。ゴルフ目的と言うことは、わたしたちと行動パターンがかさなるので、朝食レストランも、モノレールも、ゴルフ場送迎バスも、混んでました。ルスツの4つのゴルフコースのうち、ウェスティンに隣接しているタワーコース以外は,ホテルから少し離れていて、バスでの送迎がつきますが、今季はリバーウッドコースへの送迎バスが1時間毎の定時運行になっていて、時刻表がはりだされていたのでした。外国人ゲストに個別に送迎バスの時間を連絡するのも大変だから...かな?とは思っていたところ、8時20分発のリバーウッドコース行きは大型観光(タイプ)バスが満席になり、乗り合い型の乗用車が登場、その乗用車内の補助席までも埋まるという賑わいでした。これほどの大人数ではこばれるのは...修学旅行以降は未経験野わたしはあっけにとられるばかりでしたが、二つのコースに散らばるので、プレイ中に極端に待機時間が増えるということもなく、ゴルフを楽しむに支障はありませんでした。ただ、大型バス一杯とプラス十数人が一斉にスタート受付をしようとするわけですから...推して知るべし。
 道中、一緒になったご夫婦は、来シーズンもルスツに来られるかな...とつい思ってしまいました。(外国人客が)多いのはどこも同じとはいえ、この日、数十人単位で移動した中で日本人は我家と、明らかだったのはもう一組....**コースで日本人はウチだけという時よりもマシ???とは思えない、状況でした。

 ちなみに、受付は、担当スタッフの頭も見えないほど外国人ゲストが受け付け回りに集まっていて、時間がかかりそうだったのですが、別のスタッフがカウンター内に入って、すぐに手続をしてくれました。これを、ズルと思わなくていいよね。 さきに受付回りにいったゲストも多分プレー受付伝票を持たずに受付しようとしてるし、わたしたちの後に入ってきたゲストも、わたしたちが伝票記入をしている間に受付に並んでいったので、受付出来る条件を満たしている順番で受付してもらうという話。並び(固まり)に参入しない罪悪感無く、スタッフのアイコンタクトに素直にのせてもらいました。(タワーコースといずみかわコースは受付伝票は受付スタッフから渡され,その場で記入、リバー&ウッドコースでは受付カウンターとは別のテーブルに伝票がおかれているので、記入済伝票を持って受付をします。)
 時に少数派に追い込まれる日本人ゲスト(またはリピーター...?)に、スタッフが気遣いを示すのは、10年、20年先へと続く為の保険のようなもの、必要なことだと、わたしは思います。
 外国人客、日本人客の区別に限らず、団体客と個人客、常連客と初利用客、基本サービスは等しくても、ホスピタリティーの真髄はプラスアルファの対応力と言うのは今更の話ですが、増えた外国人客に対応すべく、外国人スタッフも増えているルスツで、日本人の個人客が気分よく滞在出来るかいなかは、本当にスタッフ次第かもしれません。
 ご飯はおいしく、ゴルフは楽しいし、ゲストルームも綺麗になって快適さ増、でも、場所の雰囲気は多数派ゲスト層の影響を受けます。タイミング悪く少数派の立場に置かれたゲストの、なんとなくの『居心地の悪さ』は野払拭はスタッフ次第でしょうか。
 初利用ではない我家のケースでいえば、昨シーズンまでのことを話せるスタッフや、言葉をかわすには遠い距離でも会釈の挨拶がかわせるスタッフなど、ひとときを共有したスタッフの存在が大きいです。

 7年がすぎましたから、見かけなくなったスタッフも少なくありませんが、昨シーンまでと同様に、今季も(年に1.2度の利用にもかかわらず)見知ったスタッフのおかげで、少数派でも萎縮すること無く、つまりは気分よく過ごせました。
 
 実は、3日目の夕食、満席のオクトーバー店外で、順番待の列に並んでいるとき、スタッフが、席を確保しているから案内します声をかけてくれました。我家の前後は外国人ゲストで、わたしたちの話に注意を向けた様子はありませんでしたが、前にいるゲストを飛び越えて案内を受けるのは、ズルい話です。思ってもいなかった申し出で、むろん即座に断りました。列が出来ているところに並んだのですから、待つ覚悟は出来ていたのです。スタッフも是非にとはいわず、(待ってもらっても)よろしいですかと、店内に戻りました。
 待ったのは20分くらいだったでしょうか。大人数の外国人客に混じっているわたしたちに気づいたスタッフが、気を使ってくれたのでしょう。気遣いの是非についての意見は無用です。ゴルフ場の受付とは違って、その申し出に乗るのはフェアではないと、主人もわたしも判断に迷いはありませんでした。(これが2時間待ちなら...迷うかもしれませんが、やはり、断るでしょう。)ただ、スタッフの気遣いは嬉しかった! 
 弱者(?)救済...ではなくて、不満の芽の摘み取り作業(?)ですね。
 あ〜、並ばなきゃしかたないか。次からはもう、全部予約出来る店(の利用)にした方がいいかも...のの気分を、声かけ一つで見事に摘み取られた我家は、そんなに気をつかってもらわなくても...と、状況は変わらないのに、自分の気分が変わったことを自覚したものです。
 いわゆるマイナスポイントがスタッフ力で、ゼロから時にプラスに切り替わる,そんなことを積み重ねて、長〜いおつきあいに取り込まれていくんですよね。ものすごく多い外国人客が気にならないとはいいにくいものの、今季も、我家の快適さは保たれた滞在でした。

 ゲストのバランスは7月中旬の現状です。6月はそれほどの混雑ではありませんでしたし、夏休みはまた異なるタイプのゲストが大勢を占めるかもしれません。月別でいえば、1月よりも2月よりも8月の利用客が多いらしいのがルスツです。ルスツの空間をシェアすることになる他のゲストのことは、行ってみるまで判りません。
 多数派になってたら群れ(過ぎ)ず、騒がず、回りへの少しの配慮を、少数派だったら、慌てず嘆かず、スタッフのサポートに甘えましょう。

                                         16/07/25 




レストランとサービス

 現在、ルスツリゾートのの公式HPでは、レストランはルスツとウェスティンに分けて紹介されています。
 ルスツタワー時代はレストラン一覧があって、各々所在が示されていたものが、所在別に先に枠が設けられたと言うだけで、案内の内容はさほど変わりません。
 これとは別にウェスティン・ルスツリゾート公式HPでも、レストランのページがありますが、風花、アトリウムともに、基本情報(雰囲気、ドレスコードも明記)とイメージ数枚の紹介に留まり、ルスツリゾートの公式ページを入り口にした(レストラン紹介)ページと仕様は異なっています。
 予約の可否、料理イメージなどはルスツリゾートの公式サイト内で得られる情報が、ウェスティン・ルスツリゾートの公式HP内に記載されていないんですね。例えば、ウェスティンロビー階のアトリウム、夕食はビュッフェスタイルですが、ルスツリゾートの公式サイトによれば、8月27日(ピーク時ですね。)までは予約を受け付けている様子で、予約先電話番号も、ルスツの予約センターにまとめられています。
 混雑時、ビュッフェの予約が出来るのを知っているのと知らずに行くのとでは......。経緯(ウェスティン開業のいきさつ)を知らずにウェスティンを利用する場合は、情報不足の恐れがなきにしもあらずでしょうか。
 今後の予想はつきかねますが、当面はルスツリゾートの公式HP内で、ウェスティンを含めたリゾート内のレストラン情報をチェックするのが無難かもしれませんね。

 タワーのリブランド開業を機に、コンセプト、メニュー等が大きく変わったレストランはベルビューとアトリウム、風花、オクトーバフェストはこれまでと比較して目につく変化は無いように思います。が、朝食、昼食ともに食券対応の標準メニューはウェスティン価格に統一される形で、値上がりしています。朝食付きプランを利用しても夕食券をつけたことが無かった我家では、これまでの価格を正確に把握していませんが、上げ幅はどちらも1000円前後でしょうか。
 夕食、5940円はともかく、朝食の2970円は、北海道で...思いきった価格と言わざるを得ません。
 しかも、連日大賑わいのオクトーバフェストでは、価格差に見合うような内容の変化は見られず....正直なところ、昨年の方が良かったような気が....。朝ご飯に海洋深層水の野菜しゃぶしゃぶがあったり、夕食は、そこにルスツ高原ポークも加わってたし、揚げたて天ぷらは、今季は(おいしいとはいえ)野菜ばかりで海老もキスも無くなってたし...カニや夕張メロンは確かに大判振る舞いで、インパクトに不足はないものの,それ以外のラインナップは....う〜ん、値上がりを知らなければ良かったんだろうけどねとしか言いようがありません。
 ところが、最終日に利用したアトリウムの朝食は昨シーズンまでとは刷新されていて、3000円の価格にも、納得できたんですよね。。
 まずフレッシュジュースがある! オレンジをジューサーで絞ったものが、各種ジュースとは別に用意されていました。我家がよく利用する京都のデパート内のフルーツショップのオレンジジュースを基準にすれば、3杯飲めば,ほぼもとがとれるという類のフレッシュジュースです。(かつて大阪のリッツカールトンでもあったのですが、その後提供されなくなってがっかりしたものでした。最近は足が遠のいてるので判りませんが..。)
 そして、温かい飲み物、コヒーやカプチーノの類は、セルフマシーンではなくリクエストでの提供でした。
 オーダーを受けて、スタッフが入れて席まで持ってきてくれるシステムのようで、多少時間はかかりましたが、ちゃんと、豆をひいて、充填していれたようすのカプチーノに思えました。同様のことをオクトーバフェストでおこなったら、待ち人の列がどこまで延びるのか...考えるのも恐ろしい。でも、アトリウムでも並ぶ時は並んでましたから...このゆとりを優先したことには驚かされました。(そのうちにカプセル式エスプレッソマシンなどが導入されなきゃいいのですが...挿入されたとしてもやっぱり..と頷いてしまうでしょうね。)
 植栽を撤去した分、増えたかと思っていた席数は公称102席...実際に入店してみた感じでは、贈席云々よりも、ビュッフェに特化したレイアウトや設備が徹底され、スペースが割かれていました。
 (下イメージ左から、ホテルメイド焼きたてパンの提供ケースはすのこ仕様、温メニューはは揃いの容器で、フラットなカウンター自体に容器に合わせた保温設備あり、この日の玉子料理は2種のオムレツ、店内中心部には、端に保冷機能付きスペースを設けた大きなテーブルカウンター、ヨーグルトやフルーツ、冷菜が収められたカウンターよりも低くなったスペースには常時冷気流が吹き出ししているという考えられた環境)
 

 ゲストの合間を縫って料理の補充をするオクトーバフェストのスタッフの機敏な所作に対して、アトリウムのほうは早足禁止のルールがあるかのような、落ち着いた様子が保たれているというわけで、相当にハッキリと違いが表れてい増した。
 品数を求めるのでさえなければ、また、卵かけ御飯に固執しなければ、ビュッフェならオクトーバよりもアトリウムの方が上位にある気がします。共通食券のため、アトリウム価格に合わせた結果のオクトーバーで満足感を得るのは、現状ではちょっと厳しいかもしれません。(さばくゲストの数が違いますし...。)

 ただ、スタッフの話だと、アトリウムでも時間帯によっては並ぶ時もあるそうで、我家がスンナリ案内してもらえたのはタイミングが良かったに過ぎません。朝食に、ノースウィングからモノレールを利用してアトリウムに向うには、時間に相当のゆとりを持っていないと、次の行動に支障をもたらすリスクがつきまといます。だから、ホテル宿泊ゲストがアトリウムに流れ込む事態にならずにすんでいるのかもしれませんが...。
 アトリウムでの朝食のために、(ノースのジュニアスイートをやめて)ウェスティンに宿泊する選択は、我家にはありません。
 となると、朝の時間に余裕を持たせるべく、ゴルフスタート時間を(来シーズンからは)1時間程遅くして、アトリウムに行って戻ってくる時間を確保、スタート時間が遅くなればプレイ後夕食までの時間があわただしくなるので、昼寝を優先して、コインランドリーは夕食中に利用するのがいいかもしれない...と、アトリウムで朝食を取るための対策を、わたしたちはカプチーノを味わいながら話し合ったのでした。

 混雑時は予約も受け付ける様子の夕食については、滞在中に営業していなかったため、利用の機会が無く、比較出来ませんが
 レストラン部門のスタッフの話では、ウェスティンはビュッフェには一定の基準を持っていて、細かい部分での要求、指示があったとのこと。なるほどと感じさせられた朝食のラ内容を知って、夕食への興味は高まりますよね。

                                          16/07/25 



 長い休眠状態から覚醒稼働し始めた鉄板焼きコーナーで、当時の総料理長からルスツの食事情について伺う機会を得たのは2013年....(総料理長談話参照)、その頃ルスツの公式HPでは、食、レストランに関するアピールが目立っていたようにわたしは記憶しています。
 総料理長をはじめとして、各レストランの料理長のコメントがリレー方式で掲載されたり、総料理長が知床牛の一頭買いを決めたとか、和食料理長が豊浦漁港のセリに出向いて、鮮度の高い魚介類を仕入れているとかの内輪の事情も語られていましたよね。
使用食材の主な産地や、仕入れ先の契約農家の情報も、判り易く一覧で表示されていましたが,そういえば...と思い返すと、最近はその種の発信が、殆ど無くなりました。総料理長の交代がきっかけで、『食』に対するルスツの価値感が変わったのではなく、かつてのかんばしくない印象を払拭して、安定した評価を得られるようになった結果と考えたいところですが...数年前のような気合い、熱が伝わってこないのは、残念と言わざるを得ません。
 過ぎたアピールは足を引っ張るもとですけど、旬の食材は**で終わるのではなく、その**を使ってこんな一品を提供予定とかね...少し前のように、例えば、白樺樹液を使っているから、ヤーコンの煮汁を使っているからホテルメイドのパンは云々というような、期待を高め、誘惑に抗い難いオリジナル情報の不足が続くのが、小さくない問題に思えるのは、わたしだけでしょうか?

 実は、ルスツの食事情改善に尽力なさった前総料理長が顧問に退かれただけではなく、同時期にベルビューの料理長が交替、加えてウェスティン開業を機に、和食料理長は風花を離れて,ホテルエリアに移動されています。数年前の料理長の紹介やのコメントは現在は公式HPには残されていませんから、料理長の移動や引き継ぎの紹介がなくても、情報の誤発信とは言えません。
 言えません...が、再訪ゲストは以前発信されていたスタッフ情報を記憶してるものでして、.公式サイトでは、この辺りの筋は通して欲しいじゃありませんか。
 もしも、特定の、スタッフ個別にスポットは当てない方針に変わったとしたら、それは間違いだと、わたしは思います。
 メニュー料理のイメージも大事ですが、優先されるべきの作り手の思いとスキルです。
 ついでに言えば、フロントデスク、ベルパーゾン、レストランマネージャー、そしてもちろんゼネラルマネージャーのコメントも、公式サイトにはあるのが望ましいと感じているわたしとしては、施設やサービスの案内に留まっている公式サイトの内容は、本来公式だからこそアピールできる「人」の魅力、マンパワーがひところよりも潜められて、惜しい気がしてなりません。

                                           16/08/16 

 支配人の名前を知らなくても客室の仕様はかわらないし、料理長の顔を見たことがなくても料理の味は同じ.....ですが、実はそのささやかな情報の有無の影響はかなり大きいんだけど...という話は別項に譲るとして、ウェスティンルスツリゾート内レストラン、風花の話です。

 タワー時代の料理長がホテル(ノース&サウスウィング)担当になり、これまでの副調理長(正式の肩書きは未確認)が料理長に昇格したということだったので、リニューアル後初利用となる6月は、細かなリクエストも不要と考え、コース内容はお任せしました。利用日がリニューアルオープンから10日ほど後という時期だったからか、予約時点では風花のメニューは紹介されていませんでしたから、当日の料理が(6月の)定番メニューとどの程度の変更がなされたのかは、判りません。夕食券対応コース、あるいは差額が発生する他のコースも、7月に意識してみた限りはタワー時代から傾向は同じとみえましたが、....が、6月は、味に変化を感じたのでした。
 クオリティが云々という話ではなく、味加減の話です。
 例えば、椀物ならホロホロと淡い甘みの余韻がたおやかなこれまでに対して、キリリとした刺激が風味を引き締めて、口当りに少し強さをもたらした感じ....極わずかな違いだとは思うんですが、コース全体の感じとなると、判る違いで、わたしには風花よりも雪花亭に近い味付けのようにも感じました。
(左イメージ 左が6月、右が7月の前菜。
 7月にはシャドークイーンの甘みや椎茸寿司の酸味等味のバリエーションが増えました。)

 ノースウィングにある雪花亭は、今のところ営業は冬期に限られている和食処ですが、日本料理ではなく郷土料理をコンセプトにしています。昔々は我家にはちょっと...だった店もルスツの食事情改善の成果は顕著で、誘惑されるに足る店になっていましたが、幾分味付けはしっかり目の気がしたと言うのは既出のレポート...風花の(当時の)調理長が冬期は雪花亭担当で、作り手は同じなのに、風味がちょっと違うのは、コンセプトのちがいかなあ...などと勝手な分析をしたものですけ。まあ、エリア内に同居する和食処に『違い』があるのは悪いことではありません。ただ、雪花亭の握りがグリーンシーズンに食べられないことは残念ながら、我家の場合は風花の味に一票!だったので、2店の栄j業パターンが逆でなくてよかったとおもってたんですよね。ですから、風花で、雪花亭を連想させられる料理の提供には、戸惑いがありました。

 重ねて言いますが、料理の質の話ではなく、風味の傾向の話です。
 滞在中一度の利用ならおいしかったねで済むでしょうが、2度、3度の利用となれば、微妙な違いも過ぎて感じそう...なので、次の利用につなげる為、シェフには感じたままを伝えました。その時になって判ったことですが、この日、新料理長は不在で、お任せ料理を造ってくださったのは主には雪花亭で活躍されているシェフだというではありませんか。雪花亭の味に近いとの印象は的外れじゃ無かったかもとほっとする一方、わたしは内心慌てましたね〜。
 雪花亭にダメ出ししているふうに伝わるのは本意じゃないものの、そう伝わりかねない言い分だったかも....。
 シェフは、雪花亭がクロースの機会に風花で勉強中だとのお話でしたが、雪花亭は雪花亭らしく、そのままでいいと、わたしは本気で思っています。わたしが雪花亭よりもこれまでの風花の味を好むと同様、雪花亭を贔屓にされるゲストもいるわけで、それぞれに“らしさ”を保持して行けばいいんですよね。

 雪花亭は“らしさ”を語るだけの利用を重ねていないので置くとして、風花はその“らしさ”のひとつに、和食の枠からはちょっとはみだしそうな独創的な料理があります。トマトの吸酢、玉葱スープ、ヤーコンの葛餅...脇役ながらも、シェフの探究心と(多分多少の)遊び心から生み出された逸品料理。最初は違和感を覚えもしましたが、ここでしか堪能できない創作料理が楽しみになり、期待値も高まりましたっけ。
 リブランド後の初利用では、そういえばこの種のサプライズ料理がなく、北海道食材を活かした和食という組み合わせだったので、インパクト不足も気になったのでした。レストラン部門のスタッフによれば、意外性こみの料理の数々は前料理長あっての特色で、他の料理人が同様のことが出来るかというと....(むつかしいかも...?)という話振りで、確かに味付けにしろ、料理の構成にしろ、料理人の個性が反映されるのは仕方が無い...というより、反映されてしかるべきでしょう。
 でも、オーナーシェフの店ならシェフが変われば看板も変わる...別の店になれば、縁がリセットされるだけのことですが、利用をやめると言う選択が難しいホテルのダイニング等では、店の味の継承は大前提です。シェフの個性はのその中で緩やかに活かされる野が望ましいと、わたしは思っています。

 それで、7月の予約時には、昨シーズンまでの風花の料理を可能な限り意識したコース構成を希望しました。
 結論から言えば、6月に感じた危惧は払拭され、トマトの翠酢も再会が叶いました。
 新料理長は、わたしたちが、トマムからルスツへ乗り換えの一歩を踏み出した2009年に、風花で料理を担当してくれたシェフで(その時料理長は不在)実はその時の料理が、トマムからルスツへのちょっとした浮気心を本気モードに突入させた切っ掛けの一つだったのですから、『変わらない風花』に安心させられたのも、さもありなんというわけですね。2009年風花レポート参照
 
 2009年から8度目のグリーンシーズン、風花の利用回数も二桁になりました。
 主に別の店の厨房を担当しているシェフの味付けに、幾らかなりの違和感を抱くのは、あたりまえだったわけですから、結論を急がずに良かったと、そして、感想や希望をきちんと伝えることができる環境が整えられたルスツの(細かく言えばルスツから影響したウェスティンルスツタワーの)レストラン事情に、あらためて満足させられました。

 下記イメージは、左から6月の炊き合わせ(牛ヒレ柔らか煮 大根 地蕗 地竹)、7月の合肴(知床鶏といろいろ揚げ野菜の卸し餡かけ)、7月の焼物(ずわい蟹甲焼き 大助はらす柚庵焼き 北海焼き 盛り合わせ)、6月の焼物は北海道ならではのチップの塩焼き 卸しすだち 谷中 椎茸有馬煮でしたが....イメージがありません。

                                           16/09/03 

 

 当初は設備があるのに休眠状態が続いていた風花店内の鉄板焼きコーナーも、2013年以降は通年営業が定着しています。

 ただ、横に長いカウンタータイプの鉄板は幅が充分ではなく、使い勝手は良くないとのことで、長く営業が控えられた一因ともいわれましたっけ。ウェスティンへのリブランドを機にタワーの改装が行われるなら、鉄板焼きコーナーも横長鉄板からコの字や、U形状にリメイクされたらいいのにねと、淡い期待を共有したものでしたが、淡い期待は淡かった...。ひところはビュッの虜裡が並べられていた細長いカウンターは細長いまま、鉄板の幅も変わらずでした。もっとも、残念!と言う程、ゲストには影響の無い話で、それよりも、影響が大きいのは、メニューのコースが3種から2種に減らされたことかもしれません。価格がね...開きがありすぎるんです。27000円と16200円....なかなかに強気というか、20数年前の六本木の某ステーキハウスの価格に追いついたかという感じでした。言うまでもなく、コース内容を思えばまだまだお安い...ですが、ルスツリゾートエリア内では高値安定の印象は必至でして、しかも1万以上開きのあるコースの選択にも、悩むでしょう?
 我家の予約時には、HP上にメニューが上がっていなかった(が...気がつかなかった)ので、価格を知らされて、わたしも悩みました。聞いた限りでは、品数は変わらない...けど、一品の中味はといえば...素材のグレードに留まらずボリュームもちがってくるようでした。

 そこで、風花和食コースの方で頂けるであろう造りは鉄板焼きでは外してもらい、また、海鮮焼きの中からもきんきを除き、鮑とタラバガニの2品に減らして(?)もらうようリクエストしました。27000円のコースをベースに、減らせる部分で量を抑えたたつもりでしたが、利用予定日前日に思いついて、トウモロコシのバター焼きを追加オーダしてしまいました。

 その結果、用意された鉄板焼きの素材( フィレ肉は別皿に用意)が右のイメージです。
 焼き野菜は2種のコースともに留寿都産の野菜2種と大滝産のジャンボ椎茸野組み合わせです。が、今回はリクエストしたトウモロコシと定番ジャンボ椎茸と、他3種でした。
 トウモロコシは北海道らしさにも繋がるので、季節野菜としてコースに組み込まれてもいい気がしますが...ピョンピョンはねるますもんね。積極的に焼きたい素材ではないかもしれませんね。(鉄板焼きでバタコーンが出たのは..、トマムのやま里だけだったかも。)鉄板焼きではポピュラーな野菜炒め(もやし炒め)がくみこまれないのも、もしかしたら鉄板の幅の問題でしょうか?
 焼き野菜ではなくもやし炒めなどを好む場合は要相談です。

 『イメージ左側は先付けの毛蟹

 右がバターコーン調理中の図。
 コーンは威勢よくはねます。
 
 料理人に不要のストレスをあたえかねませんから、おいしそう...と身を乗り出してみてはいけません。』

 昨シーズンまでは 、予約が入れば総料理長のお出ましで“開店”の鉄板焼きコーナーでしたが、今季からは新たに担当(?)シェフが加わったようです。
 道産子ながら雪がイヤで東京で腕をふるわれていたのに、風花の前調理長に誘われてのルスツ参入だそうで、料理人のネットワークあってこそ得られた人材ですね。
 ルスツ歴は浅く、わたしたちとももちろん初対面で、共有している記憶もない....けど、前料理長つながりのお陰で、馴染んだ場への違和感もなく、対面での夕食のひとときは、いつも通りに楽しみました。来季に再会が叶えば、久々雪に囲まれて過ごしたスキーシーズンの感想などを伺うことができたらいいなと思います。

 下のイメージはアイコ使いのサラダと焼き野菜、フィレ肉とアワビ。
 肉は、塩とワサビ添えでの提供で、これは一昨年から引継がれている風花仕様で、アワビの盛りつけは小石も投入されたシェフ仕様といいましょうか。一口大のコロコロカットは食べ易さに加えて肉厚の食感もきわだつので、いい感じでした。

 最後はミニ雲丹ではなくガーリックライスを選択、水菓子はシャーベットと大きなサクランボ...で、基本27000円からいくらかでもお安くなればラッキーと思っていたところ、お値段間違えてますと引き返したくらい(酔が回っていた主人はホイホイとサイン。わたしが気がつきました。)の安値に驚かされました。こちらの都合で外してもらった造りやきんきがそれなりの価格だから(請求は間違っていない)とのスタッフの説明でしたけど、じゃ、次回もこれで...とリクエストするのはちょっと...というサービス価格は....どうしましょう?
 同時期に風花和食コースも利用するゲスト向けに、造りなし、海鮮焼きは選べるコースが鉄板焼きに加えられると、悩まず、遠慮なくオーダー出来て、ありがたい...かな。


                                           16/10/14 




 7月、ベルビューの利用は到着日と最終日の2回でした。

 1回目はオプションでつけた夕食券を利用して、既存のプリフィクスコースを、追加、差し替えなしで、選択しました。
 下イメージの左側2枚が主人とわたしがチョイスした前菜、右2枚がメインです。6月の反省をふまえ、ルスツ高原ポークのローストは完食できないと思ったわたしは、スープ仕立ての魚料理を選びました。前菜は2品ともに追加料金有りで、メインは差額なしの標準料理です。量が、量がと問題視したわりりには、実はボリュームがしっかりとあるのはポークだけで、他はどれもコースの中のひと皿として適量だったと判りました。ポークに関して言えば、これにサラダかカップスープが付いてセットメニュー提供出来そうな感じだったので、ハーフサイズが欲しいなどとの感想を抱いたのですけど、メインの魚料理は、それなりに余裕で完食出来ました。
 6月には無かったラム肉のローストも加わって、メインの選択肢が増えていますが、肉と魚は4:1.....もう一品魚料理が欲しいところですね。
 ファームレストランという位置づけになったベルビューは、スタッフのユニフォームも料理の提供スタイルも『こだわりのある洋食屋』さん的な感じになって....料理がおいしいんだから何の問題もないとはいえ、6月の利用では目で捉える感動は後退した気がしました。口に運ぶ前に印象づけられる盛りつけが....前菜をフォアグラに差し替えていたので、メインのポークだけが判断材料だったlこともあって普通に思えたんですよね。
 普通が悪いという話ではありません。
 カジュアルに北海道の食を楽しみましょうという...ファームレストランなんですから、むしろ7月にチョイスした前菜や魚料理の『見栄え』の方が意外というべきでしょうか。(元)フレンチレストラン・ベルビューの隠しきれないクオリティーにイタリアンテイストを加味したような料理は美しく、そして、日本のとつけるべきでしょうけど、コース料理に適してコンパクトに仕上がっていました。
 ベルビューはベルビューのまま...ではなく変わったのですけど、いつでもルスツ・キュイジーヌ、フレンチレストランに戻ることができると安堵した我家が、最終日に、ファグラのポアレ込みでシェフにお任せしたコースの一部が下のイメージです。スープ(一口目は洋風やわらか茶碗蒸しのような初食感。右下イメージ左側。右側はファームレストラン・ベルビュー既存メニューのスターター。泡トマトの仕上げはテーブルで。)も口直しのシャーベットも組み込まれたコースは、ファームレストランにリニューアルされたことを忘れさせてくれる内容でした。が...食後のコーヒーが既存メニューと同様マグカップ仕様での提供で、忘れてしまえない現実ともむきあいましたけどね...。

 こういう料理を持ちながら、店の敷居を下げるのは、もったいないとわたしはやはり思っています。再訪が大前提のリゾートにあるべきは、馴染み感のある非日常と捉えている我家では、大きな変化は歓迎しにくいのは今更の話ながらも、利用のし易さ、選択の広さを利点として、フレンチレストランからファームレストランへ...の試みは理解は出来ますが、非日常の特別感が薄れるのは、残念じゃありませんか。無くなるとは言いません。薄れる...です。


 店の設えはそのままだし、リクエスト次第でこれまで通りに『フルコース』も堪能できるんだから、濃くても薄くてもいいじゃないかという見解もあるでしょうね。でも、雰囲気は最初の印象を決める要素ですから...。
 ファームレストランはファームレストランらしく、『フルコース』のリクエストは受けるのをやめますとなったら大事なので、我家としては、料理を最優先、雰囲気2の次、店の名称やコンセプトは......もうかまわないわ。なんでも...と言うところに落ち着くことになるのですけど、視点を変えれば、ファームレストランとの案内で利用しようとしたゲストはゲストで、多少の違和感を抱くんじゃないかとも考えます。カジュアルなのはスタッフのニフォームとまり、既存メニューもいくつかはそのままフルLコースの一品に組み込まれてもフィットする仕上がりなわけで、コンセプトから推すカジュアルさよりも時折表れるエレガントさがめだつかもしれません。
 リニューアル元年故のアンバランスさと理解しましょうか。
 ファームレストランのイメージに添うには、前菜や魚料理ももう少しカジュアルに仕上げた方が、サラダや肉料理、マグカップ入りコーヒーとのコーディネイトが安定する気がします。
 
 
 ただ、ウェスティン(タワー)内に在るボナペティが今後どう活かされるかにもよりますが、風花の和食コース、鉄板焼き、かかしの単品、鍋料理、加えて冬期は雪花亭のコースl、寿司カウンター等の和のラインナップに比べて、テーブルサービスの洋食は、ベルビューの孤軍奮闘が続いているんですよね。だからこそのもっと気軽な利用を!のリニューアルなのでしょうけど、正統派洋食レストラン(ルスツキュイジーヌが正当?という疑問は不要。)が埋もれては、リゾートの必須条件が欠けるようなもの。
 かくなるうえは、完全予約制でフレンチ『フルコース』の提供も出来ますよ!と言うのが、現環境下では理想なのじゃないかと考えます。
 ファームレストランベルビュー内に、ルスツキュイジーヌコーナーがあると....。(店内に独立したフロアもありますしね。)

                                           16/11/01