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おことわり
 
2社による協調運営から完全分割運営の1年数ヶ月あまりを経て、トマムは2005年10月から、再び1社単独運営の体制に変わります。破綻したA.Cからトマムの運営を引き継いで5年...加森観光の撤退に伴い、スタッフの大量流出がさけられないのが、今回の悲劇! トマムの大きな変化を、わたしたちは覚悟すべき時が来たようです。その変化の是非を、今言及することはできませんが、傾向を予測して対策を取る為に、“新生トマム”誕生前夜の最新情報をお届けします。

                             05/09/30 




     

 2005年のスキーシーズン、 トマムのエリア内を華やかに彩るイルミネーションが、激減しました。
(左イメージは、その代わりにライトアップが定番化された水の教会。)

 この事実にショックを受けたリピーターは少なくないと思いますが、レストランの全面禁煙化やゴルフ場コース内へのカート乗り入れ解禁など、星野リゾートは運営参入初年度に、従来のトマムのルールのいくつかを大きく変更してきました。

 星野リゾートとしての価値観を早い段階で提示されたということでしょうね。
  禁煙化や、カート乗り入れを我が家は歓迎しましたし、レイトチェックアウトの設定(1時間1000円)はとてもありがたいし、四季のフリースペース化や、海鮮市場祭りやへの改名リニューアルは、賛否両論あるものの(四季はね〜...。)、利用するゲストには改善と見なされる変化かと考えます。
 我が家のスキルでは十分なスキー場のコースも、上級者への対応が検討されましたし、キッズパークもリニューアル整備されました。2005年9月末の目撃では、シルキーウェイ横野エリアが削り取られて、何かの細工が始まっていました。2006年のゲレンデマップには、新たな顔が登場するのかもしれません。
 
 一方、完全分割運営で加森観光担当になったら「どうなるの?」と喚いていた、ルミエールは、大きな変化もなく従来のグレードを堅持。(本当に、いまとなっては余計な上に失礼な心配でした。)
 西エリアには、しゅんも登場、ハマナスモンドールの通常営業も開始されました。アーリーバードのパンが供給されなくても、パティシェがハマナスで焼くパンはおいしかったし...ヴィズも(眉をひそめたくなるレベルダウンはありましたが)一般論としては利用し易くなりました。ガレリアスポルト等の宿泊施設には大規模なメンテナンスが計画され、シャワー付き便座も設置されました。一部はクロスの張り替えも終わったようですね。

 こうしてみると、利用者の不便は予約の窓口が分かれたことと、宿泊施設と利用レストランの関係によっては、部屋付け清算ができないことくらいだったでしょうか....。二つの会社が競う合うことで、ゲストの選択範囲が増え、トマム全体のレベルも上がるかも...などと、分割のデメリットよりもメリット期待させられたのも束の間...加森観光の撤退で、トマムは2005年10月、星野リゾート単独運営体制に変わります。

 正直、わたしは非常に驚きました。
「え...? 諦めがよすぎない?」というのが、情報を聞いた時の最初の印象でした。実際に加森観光が諦めて撤退するのか、見放して縁を切るのか、あるいは....ということは、分析しても意味はないので置くとして、加森観光が撤退と共にトマムから持ち去るものは少なくありません。
 その最たるものは、いうまでもなく、トマムのスタッフです。

  もちろん、スタッフの流動は常に起こっていたことで、例えばルミエールだけでも、我が家は6人のシェフの料理をいただいたことになります。レストラン予約のスタッフも幾度も変わりました。でも、これまでは引き継ぎが行われていましたから、我が家のトマム滞在に影響が及ぶことはありませんでした。
 ところが、今回は、引き継ぎが不十分な状態で、多くのスタッフがトマムを離れます。特に調理部門のスタッフが3分の2程...と聞かされては「え〜!!!」と叫ばずにはいられません。悲しいことに、叫んでもどうしようもありません。もう決まったことですしね。なんとか(勝手な言い分ながら、次の代が育つまで)残って欲しいと願っていたルミエールのシェフもパティシェもトマムとは別の場所で腕を振るわれることになったようです。
(イメージは、これが最後になる草野シェフの冷前菜。美しく繊細な一品のレシピはシェフに帰属するもの。記録はトマムに残りません...今後のトマムでもお目にかかることができれはいいのですけどね。)

 2006年、トマムの“食”に少なからず変化のあることを、リピーターは覚悟すべきかと.わたしは考えます。
 一部情報によると、この冬はやま里のオープンは無理という話もあります。
 加森観光撤退後、ヴィズガレリアスポルト等の運営も星野リゾートで...となると、スタッフが足りないことはわたしでも理解できます。去ったスタッフの数を補充しても、星野さんが補充のおつもりがあるかどうかは別として、同じだけの仕事をカバーできるはずもありませんしね。トマムのような場所は、スタッフにもそこでの経験が不可欠だとわたしは思うので、人材の流出は、しばらくの間わたしたちに不都合を感じさせるでしょう。

  多くのゲストの要望に応えて...とできた寿司コーナーの存続も危ぶまれます。やま里クローズ中、トマムの和食を一手に引き受けることになる三角のメニューも、アイテム数が相当に減りました。ただ、現行の調理スタッフの名誉の為に言及すると、選択の幅が少なくなっただけで、選択できる料理の味が落ちたわけではありません。単品チョイスなら、一人3000円前後で、お腹も舌も満足できるのですから、文句を言う筋ではないのですけどね...。でも、安くておいしいものなら北海道には溢れてるんですから、他ではなくトマムを訪れるリピーターは、それ以上のものがあるトマムを支持してきたのだと思います。
 山の中のスキー場で、鉄板焼きのステーキを食べなくてもいいでしょ、と思われる方もいるでしょうけど、山の中のスキー場で六本木のステーキハウスに負けない(お値段は、ありがたくも負けます。)鉄板焼きがあるからトマムはすごいのです。ですから、この冬トマムを訪れるみなさんは、やま里クロースの情報を聞かなかったことにして「え〜?どうしてやらないんですか? 楽しみにしてたのに〜!」と声をだしましょうね。
 星野リゾートの価値観とトマムリピーターのそれが100パーセント一致することは期待できませんから、ゲストはゲストの価値観を(叶うかどうかは別の話)キチンと伝えることが大事です。
 料理に関するリクエストに対応する融通さは、今の時点では星野リゾートは封印しないようなので、食への満足度アップのためには、ひと手間かけるのも一案ですね。

 左は、9月末の三角で オーダーした、しまホッケ。 メニューにあるホッケよりも肉厚で食べ応えがありました。
 今日は※※があります、というスタッフの入荷情報で、当日に『特別な単品』に出会えることもあります。会話にトライしましょう。いいことがあるかもしれません。

 ちなみに、カメリアコーナーは肉料理中心のレストランに変貌すると言う噂も耳にしました。単独運営なると、ルミエールカメリアコーナーにそれぞれ特色を加味することが可能です。カメリアコーナーで洋のコースを提供する意味は薄れますから、ビクトリアかフォルクスか..への変貌はあり得るかもしれませんね。
 
 ところで、貴重な人材の他に、加森観光の撤退でわたしたちに直接影響があると考えられるものが、施設に付随している備品です。分割運営故の恩恵かも...と喜んだ、スポルトガレリアの客室に設置されたシャワー付き便座は、撤去される可能性が大きいです。
 実は、加森観光の自前でオープンしたしゅんの、調理器具等の所有権に関する話を道内情報誌(クオリティ)で読んだ翌日、わたしは、たまたまスポルトの宅急便用倉庫に、シャワー付き便座の箱が積み上げられているのを見て、もしかしたら...とイヤな予感がしました。これは、施設を所有している占冠村が資金を出した備品とは思えませんものね。つまり加森観光に所有権がある備品です。どうぞお使いくださいと、置いていってくれるほど、円満な引き継ぎが行われていない(クオリティ)ようですし、箱がね〜と思っていたら、ガレリアロビー階のトイレでは既に撤去済みでした。箱を目撃してなければ、心臓に悪かった...。
 いえ、予感はあってもショックでした。というのも シャワー付き便座撤去の後には、当然普通の便座が取り付けられていましたが、便器と便座の形態が合っていないんですね。元のものではないんです。村がそれでいいと言ったのか、形態にまで意識が及んでいないのか、非常に見栄えに悪い、トマムのグレードを失墜させるごときミスマッチ便座が取り付けられていました。。
 客室に関しては未確認ですが...箱の量から言っても撤去はあると考えた方が無難です。元に戻せないなら、撤去してはいけません!とは言えないのでしょうか...。便器よりも小さい便座は見るに耐えないのですが...宿泊すれば、見ないわけにはいきませんね。
 昨年、スポルトガレリアを利用されて、シャワー付き便座に重きを置いて、今年も...と計画される方は、予約前にシャワー付き便座の有無を確認なさることをおすすめします。あると信じたものが無いと、滞在中、立ち直れません。
 同じ、備品の所有権の理由で、しゅんは(この冬は)クローズの可能性が高いですね。
 
 今年はアイスドームに割く人手はあるのかしら?と思いつつ、
あと1、2年はトマムの迷走は続くかもなどと、わたしは感じています。
 新生トマムの評価はもう少し先に、1、2年は多少のことに目をつぶる、リピータならではの思いやりも必要かもしれませんね。目をつぶれないことは、黙って去るより言うのが親切。
  頑張りましょう。 

                                        05/09/30