画面のレイアウトが乱れる方へ

 

       
 
                               

 2月の半ば過ぎ、6泊9日で、久々のロンドンを楽しんできました。
 我家の海外旅行としてはの最短の日程は、主人の休みの関係でどうしようもなく、貴重な時間を無駄にしない為に、(前後泊不要の)関空発着で計画をたてました。

 早い段階で利用を決めたエミレーツ、割と長々と検討が続いた結果のチェスターフィールドメイフェア(ホテル)は、ともに旅の充足感を引き上げてくれましたが、2年前のパックツアーで,いつでもどこでもバス移動を経験した反動か、単なる身体能力の劣化か、個人旅行ならではの疲労感も味わってきました。荷物の多さと日頃の運動不足を省みて、今後の改善に取り組まなくてはという思いです。

 旅の目的の第一は、過去に回る余裕がなかったナショナルギャラリーとコートールド美術館。丸2日を絵画鑑賞に費やした結果、時間に追われた買い物には思い描いていたような成果もなく、愛用の英国ブランドに関しては残念な現実を見せつけられた一方、ドーバーを越えてやってきたものが少なからず目につきました。
 これまで後回しになっていたところを優先した旅では、いわゆる名所観光は殆どなく、写真の枚数も、ビデオの録画時間も前回に比較してかなり少なめにおわりましたが、英国ブランドの茶葉購入をめざして、地道にあるきまわって、紅茶店にも何件か立ち寄り、それなりの収穫に満足しています。
 強烈に印象づけられるポイントは少なめながら、ロンドンの日常にふれた気分が楽しめた旅になりました。

                                     12/03/11 

  
 更新日  23/09/17    

ホテルの感想(The Chesterfield MAYFAIR  チェスターフィールド メイフェア)

 そんなに狭そうには見えないけど....。
  チェスターフィールド・メイフェアの公式HPで紹介されているジュニアスイートの客室をチェックしながら、わたしたちは少しばかりの希望的観測をもって、ジュニアスイート23uという某予約サイトの情報が、間違いではないまでも、誤差が大きいかもと期待しました。もしかしたら、バスルームの面積はカウントされていなかったり、もしかしたらジュニアスイートの客室の中で最も狭い部屋を平均値のように表示してあるだけだったり...まあ、行ってみれば判ることを(行ってみなけりゃ判らない)あれこれと分析して、レイアウトもインテリアも異なるジュニアスイートの客室から、いくつか、自分たちの好みの部屋をリクエストしました。好みの雰囲気で、かつ、広そうに見えた部屋です。そして、口コミサイトで、ごく少数あった非常に悪いという評価の投稿者の一人が利用したという特定の部屋(ジュニアスイート 投稿者は小さい子供を含む5人で利用)は、むしろ広そうに思えましたが、とりあえず好まない部屋としてメッセージを送りました。
 その他は、可能ならツイン仕様で、コンフォーターはダウン を希望し、到着予定時刻(フライト情報)も伝えました。
 ホテルから届いた予約確認のメールには、わたしたちが到着した時には客室の用意が出来ているように心がけると書かれていましたが、その他のリクエストに関しては特別な記述は無かったように記憶しています。が、実際には(こちらの)要望は全てかなえられていました。ベッドは、元々置かれていたキングサイズを取り払ったところにシングルベッドを並べた様子で、ヘッドボード(固定)からマットがちょっとはみ出してましたが....気になる程のバランスの悪さもなく、布団をひっぱりあうことも、お互いの寝相の影響をうけることもなく、,わたしたちは毎晩熟睡できました。
 
 ホテルのエントランスは、集合住宅のお隣同士というくらいの幅をおいて、 通りに面してふたつありました。ドアマンのいる方の入り口はフロントデスクの前に、もう一つの出入り口はロビーの端を突っ切って客室エリアに繋がっていました。(右イメージ右側。エレベータ前からと出入り口を撮影。)フロントデスクをはじめとしたスタッフの視界の中にあるものの、ロビーを挟むという適度な距離感のお陰で、出たり入ったりの繰り返しも、気楽でした。
 ドアマンに絶妙の(あるいは、早すぎる)タイミングでドアを開けてもらうのも悪くないシチュエーションですが、それも頻繁に(日に幾度も)になると、デメリットと向き合うことにもなるわけで....。「HAVE A NICE DAY!」 と送り出された直後に、 ミネラルウォーターを取りに戻ったりするのは、それなりのストレスを感じましたもんね。 
 その点、スタッフは近くにいるけど真側ではないというのは“内気な日本人”にとっては理想的とも思えました。

 だからといって 、スタッフ自身に距離感があったわけではありません。館内ですれ違うスタッフはみんな必ず声をかけてきますし(挨拶プラスアルファの数言葉)レストランでは、労を惜しまず丁寧にメニュー選びを手伝ってくれました。また、航空会社からの留守電メッセージ(非常に聞き取りにくかった)の内容を確信出来ないうちに消えてしまったので困ったと伝えたところ、先方に電話ををして、メッセージの確認をしたい旨を説明してから、私にかわってくれるなど、こちらが頼みたいこと具体的に口にする前に察してくれるサポート力は、ありがたかったです。
 チェスターフィールドは、利用者の口コミでスタッフに対する評価が高く、それは我家のホテル選びの需要ポイントでしたが、なるほど...うなずける毎日でした。
 チェックアウトの時に渡されたアンケート用紙は、持ち帰って,しっかりとコメントも書いて返送しました。後日、GENERAL MANAGERから返信の封書が届きました。簡単なお礼で終わらず、ゲストからのFEEDBACKの重要性、また、 スタッフのサポートについて(個別に書きました)わたしたちが感謝している等のコメントを全てのスタッフに伝えるということにくわえて、私が、不便だったと指摘した固定式のシャワーヘッドを、我家が次に訪れる時には可動式シャワーヘッドの提供を保障するともありました。出始めのお湯の温度が不安定な問題は、チーフエンジニアに改善を依頼するとも.....。設施設や設備はそう簡単に“取り替え”はできないと思いますし、そもそもは『満点じゃないならマイナス部分の理由を書くように』というアンケートだったので、仕方の無いことだけどと前置きをして指摘したことだったのです。マネージャーからの具体的な対応報告は、感動のダメ押しじゃありませんか。,結果は行ってみなくちゃわかりませんが、いてみたいと思わせられた上に、完璧な改善にいったっていなくても、スタッフ力で納得させられてしまいそうです。

 右側イメージが、“問題”のバスルームです。バスタブとは別にシャワーブースもありましたが、スペースに余裕は....あまりありませんでした。バスタブの幅も、洗面台のシンクも小さめと言っていいサイスです。シャワーブースは、半畳分くらいだったでしょうか。その中で、たとえば髪を洗おうとすれば、注意していないと壁に肘をぶつけそうな広さです。
 でもアンケートで、残念だったと指摘したのは、スペースのことではありません。これは、今更壁を10cm部屋の方にずらして...なんてことは無理な話ですしね。
 本当に仕方の無いことは、折り合いをつけられるかどうか...こちらの問題で、相手に(改善を)求めるポイントではありません。

 実際 、このコンパクトな空間に、必要なものを置くには充分収納力のある棚(トイレの背面と、洗面台の下)があり、テレビもあり、 タオルウォーマーも拡大鏡も備わって、カーネーションの生花まで置かれている環境は、感心するに足るものだったので、バスタブの高さに苦労するのも笑い話(つまりは、私の足が短すぎた)どまりで、わたしは 不快感を抱くことはなかったのです。
 ただ、バスタブ、ジャワーブースそれぞれに取り付けられていたシャワーヘッド(バスタブには可動式のヘッドもありました) は、壁からグッと腕が述びて真上から降り注ぐ位置にあって(下イメージ 鏡の中参照)これが.....一見シャワーの真下に立つことができて良さそうに思えますが、私でさえ頭のちょっと上にある感じの大きなシャワーヘッドは割と圧迫感のあるものでした。口コミの悪い評価の中で、立ってシャワーを使えない(かがまなくてはならない)と言うコメントを、現地にてよく理解出来ました。

 問題は、そこから出るお湯の温度が,出始めからしばらくの間不安定だということで...いえ、まあ、それは珍しくはないこととしましょう。ただ、その不安定な温度のお湯の直撃を避けられないことでした。蛇口をひねれば身体は丁度大きなシャワヘッドの下にいるというわけで、狙い撃ち状態なのです。これがシャワーブース内となれば、コトはもっと深刻でした。どこにも逃げ場が無い中でお湯の温度調整に悪戦苦闘した私は、主人には(シャワーブースを)利用しないことを勧め、自分自身も2度目の挑戦は行いませんでした。
 素早く動けば逃げ場はあるバスタブの方には、可動式のシャワーヘッドも併設されていたので、リスク回避も可能でしたしね。ただ、残念なことに、そのシャワーヘッドをかけるフックの類はなく、握っていない時にはヘッドを真下にしての、おしゃれな横向き置き.....。おしゃれすぎて使いにくい...と言うより、置いた状態で使うことは考えられていないんでしょうね。でも、足下低い位置、身体からは遠ざけて待って、お湯の温度がいい具合になったらそのシャワーヘッドをポールの適度な位置に固定出来れば、便利なのに....と思うのは、私だけでしょうか?

 クラシックな 魅力に惹かれて決めたホテルです。
 設備面での多少の不自由さは 織り込み済みとはいえ、シャワーヘッドのフック一つでバスルームでの不自由さの大半が改善される気がしたたけに、私はアンケートに書いたのでした。
 お湯の温度調節は、チーフエンジニアの技量だけでは、完全解決を見るのは難しい気がしますし、 狭いシャワーブース内に可動式シャワーヘッドを新設するのも、簡単ではないでしょうけど、横置きの他にシャワーヘッドを立てかけられるフックくらいなら、次(の利用時に)はつけておくよというマネージャーの言葉に期待してもいいかもしれませんね。自前フックまではともかく、ワイヤー入りのテープ(園芸で使うヤツ)の用なものを持参しておけば、役に立ちそうな気もします。

 ところで、2泊すれば3泊目は無料のプランには朝食も付いていました。
 飲み物、ハム、フルーツなど温かくないものはビュッフェ でて提供されて、卵料理はメニューを見てのオーダーでした。その他にトーストのパンの種類、コーヒーか紅茶かそれ以外の何かか(温かい飲み物)を席に案内してくれるスタッフに口頭で尋ねられました。
 ビュッフェの内容にはさほどの特徴はなく、 保温ケース内のパンはミニサイズのクロワサンとチョコディニッシュの2種類....。
 でも、保温ケースのパンはおまけのようなもの。パンの主役は焼きたてのトーストなんですよね。
  白パンか、ブラウン(全粒小麦パン?)かを一応たずねてくれましたが、両方?と,こっちが決める前に聞かれるのが常で、毎回二種類(三種だったかもしれませんが)のトーストが、専用のトレイで出てきました。(左下イメージ)
 焼き加減もその都度違っていて、パンの切り方がアバウトなせいか、形や大きさもふぞろいで、 お国柄を楽し
ませてもらいました。
 決して厚切りではない食パンは、 日本でだったらボツになるに違いないくらいにこげていた時もありましたが、それでも外はこんがり(時にカリカリ)中はもっちりの基本は変わらず、おいしかったです。

 また、サービスに定評のあるホテルでは朝食時のビュッフェでも見かけるシェフズコーナーは、チェスターフィールドにはありませんでしたが、その代わりに厨房で卵料理が作られていました。
 メニューにズラリと並んだ 卵料理はの中からどれかを選ぶシステムでしたが、書かれている料理内容を細部までを読み切れない為に、初めの内はスクランブルかオムレツか...というように料理方法を指定して、付け合せも思いつくまま、あるいはスタッフが読み上げるのを聞きつつ「それ!」というような注文で済ませました。
  スクランブルエッグにベーコン添えとか、マシュルーム入りのオムレツとか、卵に付け合せは1アイテムにしていたので、わたしたちの卵料理はシンプル仕様の1皿だったと考えます。メニューにあるスクランブルエッグにはスモークサーモンと茸のソテー、カリカリのトーストもついていたらしいことが、(主人がメニューをひらいたまま))スクランブルエッグを頼んだけど付け合せを聞いてくれなかったある日のいひと皿でわかりました。卵2個を使うところを1個にして、茸のソテーを多めししてもらったりのリクエストも思いのままでしたが、ベーコンの付け合せを頼んだらソーセージも一緒についてきたり、そのソーセージがおいしかったから前日と同じようにオーダーしたら、ソーセージが無いかわりにベーコンの量がふえていたりと、卵料理は日々変化にとんでいて、おいしいだけではなく非常におもしろかったです。

 下イメージが、結果として広さに不足はなかった客室のイメージです。
 正直なところは、ジュニアスイートというよりもスタンダードルームに対してのデラックスルーム 、エグゼクティブルーム等の表現のほうが合っているような気もしますが、ネーミングはともかく、5つ星、あるいは大規模ホテルのスタンダードルームよりも、ホテル自体は星の数が一つ少なくても、規模が小さくても、上位カテゴリーの客室を選択して正解だったと納得出来た部屋でした。
 TVモニターは壁掛け式で場所をとらず、iPod用スピーカーも置かれてていたキャビネットは引き出し、棚ともに収納スペースも充分でしたが、ベッド横のクローゼット内にも左側奥よりに棚が設置されていて、洋服だけではなく、おやつもデジタル機器も、小物も、増えていく土産物も余裕で収納でき、整理にストレスを感じるとはありませんでした。 窓と窓の間に置かれていた引き出し5段のキャビネット(一番上のイメージ右側参照)も、引き出しの深さがことなっていて、機能的でした。
  どれもが年月とともに蓄積した“いい感じ”が漂う調度品でしたが、実際に使うとなると、使い込まれた様子の引き出しの中の 埃やシミに(それらが実際には無くても)神経質なって、例えば、カシミアのセーターを直に置くのは避けたりすることがあります。でも、チェスターフィールドでは、ゲストが私物の収納に利用する引き出しや棚には、赤いカーネーションが印刷された真新しいシートが敷き詰められて、年月がもたらすデメリットを見事にカバーしていました。 ロゴが印刷されたこの種のシートの心配りに感心させられたのは、随分以前、ブリストル・パリが最初だったと記憶していますが、星の数とは関係なく、チェスターフィールドのホスピタリティーが最高ランクに並んでいるという良い例になるんじゃないかと思います。



 バスルームの1件で(我家のアンケートは)満点にこそなりませんでしたが、限りなく満点に近いホテルでの6連泊はとても快適でした。

                                                12/09/12 


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