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 2017年11月中旬、6泊9日の日程で、ローマ市内を歩き回ってきました。

 17年振り、2度目のローマ観光は、かつてはミレニアム賑わいで近寄ることも叶わなかったサンピエトロ大聖堂の内部見学と、ベルニーニとカラバッジョの作品観賞を主なテーマに、聖堂巡りが中心となりました。

 メインロードから,興味のままにちょっと脇道へと地図を拡げた再びのローマ。
 風情のある石畳の道と、『7つの丘の街』ならではの坂道になやまされ、疲労を重ねながら、充足感で持ちこたえたような6日間でした。
 懐かしい店や味に触れて、呼び覚ました記憶に、新たな感激をきざみこんで、ローマ観光体験また少しだけ空白部分が埋まりました。

 乗ったはいいけど、降りる場所を判別できないトラム...、時間がきても開かない聖堂、気まぐれに利用不可になるので、あてに出来ないエレベーター、トドメは飛行機には余裕で預けらたトランクが重量オーバーで空港往復宅急便では預けられないという衝撃の事実に、「汗まみれ」との縁が切れない旅でした。...が、汗は乾いても、感動は乾かない!
 17年の歳を重ねた身には結構ハードな2度目のローマは、老後に振り返って楽しむ思い出を山ほどくれました。
                                   17/12/04 
   
 

  
 更新日  23/09/17    

ローマのチョコレート屋さん(17年振りの再訪店と最古のチョコレート店 )

 
パリやブリュッセルでなら探さなくても見つかるチョコレート専門ですが...、ローマではピンときません。

 17年前に偶然にた見つけたチョコレート店が記憶に残っているものの、店の名前も分かりませんし、場所も曖昧。そもそも手元のガイド本にも、ピザやジェラートの店舗情報は豊富ながら、チョコレートに関しては殆ど見当たりませんでしたから、2度目のローマで、チョコに対しての興味や期待は“あのとき”の店はまだ、あるのかな??という程度のものでした。

 その、“あのとき”の店が下のイメージ。
 記憶を頼りに探して、尋ねる予定にはしていましたが、偶然に通りかかっての“発見”でした。なんか、見覚えのある気がするチョコレート店.....17年前も、え?こんなところにチョコレート専門店?という軽い驚きとともに入店した気がするショップでした。100%の確信はもてませんでしたけどね....不思議なもので、包装紙にまで覚えがある感じで、勝手な懐かしさを抱きながらの、17年振り、2度目の買い物でした。
 店内は奥行きのある細長い空間で、ボンボンショコラは箱の大きさを決めてから好きなフレーバーを詰めてもらうおなじみの方式で...やっぱり、ケースの中を覗き込んでも、フレーバの説明が分かりません(字もちっちゃいし)。で、こちらの好みを伝えながら詰め合わせてもらった内容が右側イメージ。クーベルチュールはスイートかビターチョコ中心で、ミルクチョコレートバージョンはありませんでした。あったかも...しれないけど、センターがこちらの好みに添わなかったんでしょうね。購入したラインアップにミルクチョコレートは見当たりません。...17年前にはインパクトも大きかったに違いないラインナップですが、ボンボンショコラにも名馴染んでしまった現状では『記憶に残っていない味を懐かしむ』エッセンスの効果で、満足度が上昇した気がします。
 



 主人もわたしも店主(この時間に一人店内にいたので)は17年前と同じとの印象を持ちましたが、当時は全く通じなかったわたしの英語が、好きなチョコを選んで買い物を終えるに困らないくらいには伝わるようになっていました。(当時はたまたまいた他のお客が通訳をになってくれたのでしたっけ)わたしの語力が改善されたのではなく店主が英語を話すようになったということ(同一人物なら)ですが...英語表記がないのがなんとも...。
 ドラジェの類はパッキングされての陳列だったので、ついでにいくつか購入しましたが、我家にとってはこの店で買ったものが初物だったはずのマロングラッセ・チョココーティングは、作っていないという御返事でした。

 チョコがけのマロングラッセは、ボワシエのアソートでも入手は出来ますけど、5粒の内の1粒なので、それなりに稀少で....。
 チョコがけマロングラッセと出会った店で、少し多めに買うんだ!と決意していただけに、ないことにはショックを受けました。
 店の名前はやっぱり分からずじまいで、と言うより読めなくて、帰宅後にカードに起債されているアルファベットをそのまま入力して検索したところ、“ケツァルコアトル ・ショコラティエ”というらしいと分かりました。“Quetzalcoatl Chocolatier”、スペイン広場周辺の余り広くはない通りに面していました。ウェブサイトもありましたが...言葉の壁が立ちはだかって....活用には至りませんでした。

 一方、少々足をのばして、探し歩いて立ち寄って来たのがSAID(サイード...でいいのかな?)という、ローマで一番古いとか、一番おいしいとかの形容詞付きで紹介されていたカフェ併設のチョコレートショップでした。
 
 名所、遺跡巡りで目一杯だったローマ観光も、2度目の訪問なら、穴場も楽しみましょうというテーマで、ショップやカフェにスポットをあてていたテレビ番組が、その店を知る切っ掛けになりました。
 正直、ローマで、チョコレートショップ目的でわざわざ郊外に足をのばす?という疑問符で印象づけられた店で、手元にあった数冊のガイド本や参考本には全く取り扱われていなかったために(他の店は、あら、ここに紹介されてるじゃない、ガイドに取り上げられてるじゃない...でしたけど。) 店の位置,営業日等の情報はネットで集めました。

 それでも、必ず行く!とまでは決めていたわけではありませんでしたが、7大聖堂のひとつ(4大聖堂にはカウントされない)が同じエリアにあるので、5番目の聖堂見学に抱き合わせてSAIDも訪ねることになりました。

 聖堂を見てから、徒歩10分前後、店は迷うことなく見つかりましたが、入店までに迷いがありました。
 店はトラムが走るひろい道路から覗ける窪地の先にあって、建物壁で囲まれた窪地はちょっと袋小路のような空間になってましたが、通りからでもSAIDO の文字はよく見えるので、近づかないと気づかないと言う程に分かりにくくもありません。
 ただ、何の基準か、入り口は反対側じゃないかと言う気がする主人によれば、ガラス扉がロックされていると....。で、同じタイプの扉が左側(イメージでは手前の建物の壁で見えませんが)にもあったのですが、こちらも開かないという...。
 中でテーブルに付いているお客はいるけど、入り口は別にどこか....といっても、通り抜けできない状態(上イメージ左側)で、建物の反対側には回れないんですよね。強硬突破もやむなしの判断で、再度、開かないはずの扉にわたしが手をかけたところ、男性スタッフがすかさず中にドアをひいてくれました。
 ようこそ..という類の言葉をかけられた気がしましたが、わたしの第一声は、「入り口はどこですか?」。
 .....入っちゃってるのに、チンプンカンな話ですね。
 ロックされていたはずのドアを(見かねて)開けて入れてもらえたとおもった結果の第一声でしたが、実は、ロックを確認した主人はドアをひいたそうで...しかも御丁寧にもうひとつのドアは押したらしい...統一していたらどちらかのドアは開いたのに...と言うのは、中に入ってからごくふつうに、右側からドアを押して入ってくるゲストや左側のドアを押して出て行くゲストをみて、ドアは最初から開いていたことが疑いようもなくなってからの笑い話でした。


 
 店内中央にははレジと作業台をかねあわせたような大きなカウンター,ボンボンショコラが並べられたガラスケース,陳列棚などで、ロの字に区切られた空間があって、四方の壁よりにも棚や台が設置されて、主に量り売りとおぼしき商品が並べられていました。
 カフェテーブルはロの字仕切りの奥にふたつ、左側に3つ、右側入り口よりにひとつ、かふたつという配置で、左側のひとテーブルが空いていたので、わたしたちはそこに座り(ドアを開けてくれた男性スタッフは、買い物か、カフェ利用かと、こちらの目的を聞いてくれました。)フロア担当の女性スタッフのアドバイスを受けながら(メニュー見ても判断できない)ミルクチョコレート(ホットドリンク)と2種のチョコレートケーキをオーダーしました。
 店は奥にもひろがっていて、もっと広々としたカフェスペースになっているはずでしたが、チョコレートを買いに来たついでのブレイクタイムには、むしろ手前(ショップエリア)に空席があってよかったというわけで、見た目よりは重さのないチョコレートドリンクを、意外にサラリと味わいながら、店内商品を物色して、買ってきたものが上下のイメージです。

 ドラジェにしては大きくて丸くて....正体不明のままミックスで袋詰してもらった物は、ゼリーらしき物がセンターにあって、フルーティな風味と食感がクセになりそうなチョコボールでした。その並びにあった粒チョコ3種の内2種も袋詰してもらいました。 いわゆるボンボンショコラは箱詰め..ですが、箱一杯にしなくてもノープロブレム...秤で重さチェックの、本当の量り売りでした。
 板チョコの酒類も多く、また明らかなドラジェもバリエーションがあって、目うつりもしましたけど、これだけの買い物でもわりとに時間がかかりました。スタッフについてきてもらって、(商品名が分からない上、分かっても言葉だけで正確に伝えられる自信は皆無))、これを*グラム、それを*グラムと指差しオーダーしたあとで、スタッフが大きなビンごと商品をカウンターまで持ってきて、袋に詰めて、重さをはかって、袋をシールで閉じてひとつ出来上がり!の繰り返しでした。
 お茶の合間のオーダーだったので、実際に待たされた感はありませんでしたが、いざ会計という時になって、主人がチョコがけマロングラッセを見つけて来たので、再度スタッフをその場についてきてもらって(稼働中の製造器具の近くにトレイに並べておかれてました)指差しオーダ....。
 

 マロングラッセも、大きさまちまちで、秤売りだった様子です。
 コーティングのチョコレートは以外にうすく、ボッボンボンショコラのクーベルチュールなみ。割って見て、栗の大きさに驚かされました。見つけてよかった。
 もうひとつ、粒チョコのホワイトチョコレートですが、独特のミルク風味がインパクト大でした。
 北海道ミルクのソフトクリーム風味ですと言われれば、な〜るほどと納得しような香りと味でした。そうと判ってたら...もっと買ってくるんだったと後悔もした一品です。
 3度目のローマのチャンスにめぐまれれば....SAIDはもちろんスケジュールに組み込んで、多少の地の利の悪さはなんのその、計画的に訪れたい店のひとつになりました。

 
 右イメージは、ローマ三越オリジナルの真実の口をかたどったチョコレート。
 大量に数が必要なお土産用に、個包装、コンパクトの条件を備えていたため、選択しましたが、安直に決めた割には、に好評でした。
 個包装の3種がひとまとめにパッキングされて袋や箱に詰め合わされている物、個包装単体で詰め合わされているものなど販売形態は多様で、渡す先に応じて、調整ができて、使い勝手が良かったです。
 
                      

                          18/02/28 
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お土産の定番革製品...ですが、妙に目立つmade in Italy の激安バッグが増殖中。

 イタリアといえば.....いろいろあるでしょうが、まずは革製品!
 
 世界的に知られたブランドは...愛用に至っていない高価なクラスに食指を動かす無理をしなくても、いい革製品との出会いに不自由しない感じが17年前の印象でした。

 ローマで散策中に、ショーウィンドウ越しに目にしたオーストリッチの財布につられて入店した店も、日本橋三越のイベントで店名を調べて訪れたフィレンツェの店も“知られていない名店”の類でした。ラッキーな出会いをきっかけに、何度か個人輸入も繰り返すくらいには、商品は“当たり”でしたけど、持ちがいいので数年オーダーしなかった間に、コンタクトが取りにくくなり、取れても思うアイテムがなくなっていたりで、補充はかなわなくなりましたが、“当たり”の商品は今も愛用中で、寿命の長さには、さすがの一言です。

 ただ、少し話はそれますが、ここにきてバッグのストラップベルトに折れが生じまして、特定の部分にストレスがかかるので、革自体のダメージも心配になり、修理にだしたところ、折れた中芯を取り替えるとのことで、1本21000円(同種の症状3本)の見積もり連絡を受けました。想定外のアフターケアは、.....痛手でした。

 という話はさておき、 今回も、17年前の小さな店に立ち寄り、以前に入手した財布を見せて同じ形のものをリクエストして、あいにくオーストリッチ素材は皆無になってましたが、クロコのいい斑のものを見つけ、わたしのバッグは愛用のお手頃ブランドのイル・ビゾンデで物色しましたが........気になったのが、左イメージのような店でした。
 ローカルな革製品専門店?の様相ですが、 スペイン階段の上からホテルまでの道沿いに、何件もあるんですよね。立ち止まって、視界に入るだけでも、4件、5件と連なって見える...。
 モンパルナスのクレープリーロードはどのガイド誌にも紹介されていましたけど、ローマのバッグロードの情報はないし 、まあ、これが、ホテルの近くでも見かけたような店がナヴォナ広場近くにもあって、パンテオンのそばにも...というのなら、流行り?という話ですが、通りに向かい合って何件もは、違和感があるじゃないですか。
 
 ホテルからスペイン広場に向かう途中、一軒目の店先に吊るされたバッグを、最初、わたしはちょっと振り返って見ました。
 こんなところにも専門店が?と、あとで寄ってみても、通り道だし...と思ったんですよね。ところが、少し先に同じような商品が吊るされている店が..向かいにも...先に目にしたのとそっくり同じデザインのバッグが.....進むにつれて、次つぎと...です。わかりやすく“made in Itaiy”の表示をかかげているうえに、とにかく、見間違いを疑う数字が商品につけられているので、観光客相手のバッグ専門店というよりバッグのお土産店かと スペイン階段の上に出るまでの間に理解しました。 
  お土産バッグでも、いい感じのイタリア製の革バッグが数千円なら、試しに一つくらい...と、もう少し、店舗数が少なければ、思案したかもしれませんが...過ぎたるは...の典型でしょうね、夕方に朝の道を逆方向に、ホテルに戻る時には、安さヘも警戒心が働いて、興味本位に価格と商品をチラ見しつつも、足を止めることなく過ぎました。
 
 実は、同種の店を他の場所でも見かけるにつけ、思い起こされたのが、少し前にテレビで紹介されていた、不当に生み出される“maid in itariy”製品の問題でした。
  イタリア の地方、日常生活を営む住人が殆ど居ない地域に国外資本の工場や生産場が建設され、出資国から渡ってきた働き手が安い賃金で作ったものが、イタリア製として販売されている現状を取材したプログラムでした。
 特定のブランドを模したわけでも、見紛う程に似せたものでもなく、イタリアで作った製品をイタリア製と称して販売している行為に違法性は問えず、営業や労働力確保の過程で、ルールが守られているかどうかという視点で、取締や指導が試みられているという内容は、興味深かったんですよね。そうした場所で生産された商品を、同じカテゴリーの、これもイタリア製のもアイテムを取り扱うスタッフに見せたところ、針目が荒いとか、仕上げのが雑だとかの指摘満載で、イタリア製を名乗るクオリティに達していないことに、怒りと嘆きをあらわにされていましたが...。
 場所だけの問題ではなく、そこで培われてきたもの(伝統や技術、価値観や需要)への評価込みでの、“maide in itariy”。 イタリア製自体が ある種のブランドになるわけで、イタリアと無関係に、他国の資本と人手で、大掛かりにイタリア製がうみだされる状況を防げないとなると、わかっていて、低価格の商品を求めるのは個人の判断ですけど、“maid in itariy”に頼らず、品質は自分の五感で見極めなくちゃ...リスクがついてくる場合もありそうだと記憶にしまった事案でした。

 紹介したバッグの類がその種グッズだとは言えません。危うきに近寄らずの精神で、手に触れることなく過ぎましたから、もしかしたら、本気のほりだしものだったかもしれません。
 でも実は...と言われれば、そうだろうねと至極納得できる印象はぬぐえなくて、翌日以降、頻繁に視界に入る、お安い革製品には気分を乱されました。
(右上イメージは、別の2店。店の雰囲気は様々でしたが、店頭に吊るされているショルダー、ポシェットの大半が同デザイン展開。)


                                              18/04/08 
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