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おことわり

 当サイトで言うトマムのオールドファンとは、原則としてアルファコーポレーション時代のトマムをご存知で、そのコンセプトに共感して、再訪の経験のあるゲストを指しています。もう少し、広範囲に捉えると、現在よりも以前のトマムにより高い評価を抱きながらも、トマムとの関係を模索しているゲスト、という言い方もできます。対象でない方にとっては、茶話室は害あって利無しのページとなる場合があります。ご覧になる前には、昔話をするにあたってのJUNの考え方をご一読ください。 茶話室リスト
 
                              06/02/06
 


    

ちよ坊さんの憂鬱 (メール原文からの直接引用部分は山吹色文字)

 2006年3月3日、ちよ坊さんからメールを頂戴しました。

 トマムはいかがでしたか?
 多分、想像していた以上のショックだったのではないでしょうか?(私がそうでした。...)

 でも、でも、ルミエールは変わらぬ姿で...。それから桃里は想像以上の好印象だったのではないでしょうか? 桃里の
杏仁豆腐はとってもとっても満足されたのでは?

 トマム殻返って来てからしばらくの間は「来年はザ・ウィンザーホテル洞爺かしら?」と本気で考えておりましたが、時間が経つに優しそうな※※さん(JUNの判断で伏せ字)のお顔やルミエールや桃里でいただいたお料理の数々を思い出し、「来シーズンもまたトマムね!」と思えるようになりました。何しろ、生意気な上の娘は今度のクリスマスもルミエールで優しいおじちゃまとおしゃべりすることを楽しみにしていますしね。

恐るべし! スタッフの影響力!
 こうして、トマムのリピーターは育まれていくのですね。....と、5年程前なら、確信を持って言い切るところなのですが、ちよ坊さんもおっしゃるように、かつてはおくびにも出なかった他リゾートへの浮気心が、現実味を帯びて来たのが,今季のトマムの,急激とも癒える変貌振りでした。

 実は、上記のメールはわたしのPCクラッシュで消失した、以前にいただいたメールを再送信してくださった際のお話なのですが、トマムからお帰りになった後にいただいたそのメールの内容は、スタッフの底力を持ってしてもカバーしきれないトマムの状態に、つい口をつく愚痴にため息...というものだったのです。そのメールを頂戴したのが1月13日。
 掲示板では、(部分的な指摘事項はあっても)総評おおむね好評のトマムレポートの投稿が続いていた時期、オールドファンは『眉をひそめたくなる変化』とどう折り合いをつけていくかを思いながら、気分はブルー! たっだわけですね。

 毎年、クリスマス時期をトマムでおすごしのちよ坊さんは、今季もレストランの予約、お料理やテーブルのリクエスト等、事前にしっかり、きっかり準備を整えてのトマム入りでした。
 その効果あってというべきでしょうか、利用なさったレストラン、三角、ルミエール、桃里に関しては、大変満足なさった旨、掲示板にもレポートをいただいています。(以下、抜粋)

 
スタッフは新しい方たちばかりの様子で、対応に時間がかかっているようでした。ただ、お料理はイカソーメンはいつものようにおいしかったし、ほっけのよい物が入っていてこれもおいしかったですよ〜。 (三角。 イカソーメンは、今季は単品メニューに無かったので、ちよ坊さんは事前にリクエスト)

 
予約の時にいろいろとお世話になったMさんが対応して下さって、とても楽しい時間を過ごすことができました。上の娘はりんごジュースがなかったので、来年は用意して下さるとMさんに約束していただき、とても喜んでおりました。主人と私のお料理がおいしかったのはもちろんですが、上の娘のフィレステーキと下の娘のシーフードグラタンがおいしいのには驚きました。上の娘は大のお肉好きなので「おかわりする〜」と言ったほどです。まあるいケーキはろうそくの火を娘たちが「ふう」した後は持ち帰りにさせていただきました。(ルミエール。 ちなみに左上イメージは、ちよ坊さんもご存知の開業当初のルミエールの魚料理。手持ちの資料から紹介。コースが2万円を越えていた時代です。当時の上条シェフは、アルファ札幌→ホテルオークラ札幌でご活躍中)

 シェフの方が変わり、どんな感じかしらと思っていましたが、おいしかったですよ。確かに昨年とはまったく違う感じです。洋食出身の方ということで、中華ですが、大皿ではなく一品、一人ずつお皿ででてきます。洋食のようにきれいに盛り付けをするスタイルですが、味はしっかりと中華でおいしいです。何より、杏仁豆腐は形にならないくらい柔らかく、お嫌いな方もいるかもしれませんが、私は大好きな杏仁豆腐でした。娘たちの妙なお願いにも対応していただいて、汁そばもコース料理では坦々麺しかないところを辛くないものを用意していただきましたし、大きな海老がゴロゴロと入ったチャーハンは下の娘がスタッフの方に「おいし〜い」と大きな声で言うくらいおいしかったようです。(私には回って来ることなく、終わってしまったので、わかりません。)ここでも、とてもお世話になったSさん、ありがとうございました。(桃里 シェフは軽井沢からの応援。...ということで、今季の桃里の味は冬季限定バージョンになりそうです。)

 予約制の直営レストランは,変化はあっても合格点! 
 一方、憂鬱の原因となる残念なポイントは主に4つ。

1.バスの不足による運行時間の遅れ
2.木林の湯
3.カメリアコーナー
4.クリスマスツリー
  お話には出てきていませんが、クリスマスツリーやクリスマスの飾りつけはほとんど
  なくなりました。唯一あったホテルのクリスマスツリーはかわいそうなことにカメリ
  アコーナーの煙の中に埋もれていました。

 投稿のお話と順番が前後しますが、1と2に関する具体的なレポートが下記。

 ショックでした。VIZに大衆浴場が併設されてしまったようなミスマッチな雰囲気が…。木林の湯だけを利用するゲストはスリッパ(だったと思うのですが)をはいてエスカレーターから降りていくではありませんか。娘二人を連れて木林の湯を覗いたところ、リラクゼーションルームは見事になくなり、そこには裸で(お風呂なので当たり前なのですが)体を洗い、露天風呂に入るゲストの姿があったのでした。もちろん、サウナも小さなリラクゼーションルームのようなものもあるのですが、ゲストはみな裸…上の娘は「みんな裸だよ〜。恥ずかしいね〜。」と言っていました。以前の姿を知らなければあまり違和感はないのかもしれませんが、やはりロゴプールをなくしたトマムを恨みたくなってしまいました。主人もがっかり、娘たちもがっかりしておりました。そして、ガレリアへ戻るバスに乗るためにVIZの出口へ向かったのですが、待てども待てどもガレリアへ行くバスは来ず、予定時間から1時間程待たされたのでした。


 そして,下記がカメリアコーナーに関する情報です。

ホテルへ入った瞬間、大ショック。四季のあった場所にカメリアコーナーが作られており、ステーキを焼く煙とにおいがロビーに充満していたのでした。四季にあったソファはクロークの前に乱雑(としか思えませんでした)におかれ、カメリアコーナーの順番を待つ人の行列ができておりました。
 
 カメリアコーナー...実はロビーですもんね。目の前にはスタッフのいないフロントカウンターがあり、客室、ショップへ繋がる通路には“通せんぼ”のロープがはられ...なんの予備知識もなく遭遇すれば、朽ちた建物の、使用に耐えうるスペースを再利用したのねと思われても仕方のない.....情けなさ。
  アルファ札幌はその設え故にオークラが食指を動かしたというのに...。 
  ちよ坊さんは、気を取り直しての御夕食後に、クリスマス礼拝とアイスドームを楽しまれたということですが...。わたしたちは、食後に、お肉のニオイを浴びながらのロビーで、案内アナウンスもないエリア内循環バスを待つ間に、また「誰がトマムをこんなにした...。」という気分に陥りかけました。

 JUNのレポートと重複する部分もあるかと思いますが、エリア内運行用のバスの保有台数は、おおまかに言えば5年前の台数にまで減っているようです。
 リゾートマネージメント(加森観光)の運営時代に増やされたバスは、加森観光の備品...というわけで、その結果、ちよ坊さんもご指摘なさってますが、おさがりバス(JUNの命名。路線バスのリサイクル品で料金箱等が設置されたままの状態のバス)が姿を消して、トマム名物大型低床バスがフル稼働してました。それでもガレリアからスポルトまでのエリアをカバーするには、台数不足(だから、加森時代におさがりバスが増えたんですもんね。)というわけで、バスの運行時間、ルートも見直されました。現保有台数では今季のバス運行環境が限界...という話を(スタッフから)わたしも聞いてまいりました。
 
 じゃ、来期に向けてバスを増やすかといえば、その計画はなさそうです。
 バスを増やせばスタッフも増やさなくちゃならない...いえいえ、それよりも
動く範囲をせばめれば?...と思ったかどうかは知りませんが、ホテル,タワーを所有しているにもかかわらず、星野リゾートは、まず西エリアに手を入れる計画があるようです。

 この件も、最初は、1月にメールで、ちよ坊さんが知らせてくださいました。
 
 ...略)改装するのなら、古くなって来ているホテルとタワーとガレリアなのでは....?と驚いたのですが、どうやら星野リゾートはVIZのある方面を中心とする考えのようです。 巡回バスもあちら側中心となっていましたしね。私としては、ホテル、タワー、ヴィレッジ、ガレリア方面が好きなのに、残念です。

 もう少し推論すると、星野リゾートは、トマムを(当面)『冬のリゾート』と位置づけて運営していく“つもり”にも見受けられます。リゾートセンターに近い西エリアの環境整備(レストラン等の施設も含めて)を急ぐのも、西エリアで『コトがまかなえる』利便性を重視しているからのような気がします。
 例えば、スポルトに宿泊したゲストが、 バスに乗って、ホテルやフォレスタモールのレストランまで移動する必要が無くなれば....これは、改善なのかもしれませんね。でもその代わりに、ホテルやフォレスタモールの稼働が止められることになれば、オールドファンにとっては改悪以外のなにものでもなくなります。
 
 未完成とはいえ、トマムは、隔離 された非日常の空間の、そのスケールメリットを計算されて施設の建設が進められたリゾートです。
 何かと余裕の無い時代、エリア内の移動は不便な上に時間の無駄と感じるゲストも少なくはないのでしょうけど、でも,そんな無駄な時間を費やしても、バスで10数分揺られても、日常から遮断されていられる場所なんて、めったやたらにあるものじゃありません。
  例えば,スポルトからガレリアまで,グリーンシースンは遊歩道をテクテク行けば30分少々でしょうか。寄り道や休憩を重ねれば,朝ゴハン前の散策は1時間を有することもあります。ガレリアからヴィズまでも同様ですね。その間、視界に入るのは、どこまでもアルファ・リゾート・トマムなんです。トマムと無関係なものはそこには存在しないんですね。これほどに貴重なスペースを、活かさず部分使いをするとなれば...星野リゾートに余裕が無いんだね,と言わざるおえません。

 トマムに温泉の雰囲気を持ち込んでで欲しくなかったというちよ坊さんは、

 星野リゾートの運営になったことはやはり、ロゴプールの消失に集約されているような気がしてしまいます。(略
 星野リゾートの理念とトマム自体が合っていないのでは...と心配するのは私だけでしょうか?  (略
 私の好きな「ヨーロッパのリゾートに近いトマム」は日本の温泉地のスキー場に近くなっていってしまうのでしょうか?

 と.1月のメールを結ばれています。
 わたしも、もちろん心配しています。コンセプトの相違が明らかな今、星野リゾートにはトマムに余分なものを持ち込まないで欲しいというのが本音ですが、オールドファンの価値観を新たな経営者に押し付けるわけにはいかないですね。
 今後は、“折り合い”のつけどころを模索するということになるのでしょうけど、しばらくは、やはりスタッフが『鍵』となりそうです。
 ウィンザー洞爺には“ルミエールの優しいおじちゃま”はいないんですものね。
 

 注 当ページ中程の右イメージは、開業当時のガレリアの紹介資料の一部分。 左はガレリアに設置されていたギャラリー。「美しさは、人をほどく」というアピールがなつかしい....。オールドファンが見せられたトマムの価値観でした。参考イメージとして添付。

               
                                         
06/04/03