薄型ガレット・ブルトンヌ!!
    一期一会からの脱却 

 ガレット...そば粉のクレープではなく、ブルターニュ地方の郷土菓子として位置付けられている丸型ビスケットガレット・ブルトンヌの話です。 

 2018年のフランス祭(百貨店催事)で、わたしが毎度おなじみのアンティークボタンの物色に専念している間に、主人が会場を回って購入してきたお菓子の一つが、下イメージの、素朴なビスケットとおしゃれ仕様のゼリーでした。今年はポワラーヌもボワシエも出店していましたが、アイテムも限定的でしたし、直接取り寄せができるモノを割高な催事で購入する必要も感じず、京都で食べることができるクレープやガレット(そば粉のクレープ)にも満たされていたので、イートインコーナーにも並ぶ予定もなかったため、時間を余した主人は、催事場内を見て回って、カシスのタルトや昔のマカロン(という説明を受けたらしい)などとともに、下の二つにも食指をのばしたのですね。

 ところが、このふたつ、事前に届いていたフェアの案内紙に記載されていないじゃありませんか。
  いえ、ゼリーの方は、フレーバー紹介のカタログにパリの店舗情報、日本国内の販売店情報も明記されていて、特定は容易でしたが、ガレットブルトンヌの方が....情報がなくて、困りました。

 困ったというのは、珍しいとは言いにくいタイプのビスケットなのに、おいしくて! 
  一枚かじって、風味にに驚いた...まあ、我が家のツボにはまっっちゃったというわけでして、これ、どこのビスケット?という段になって、 店も、商品名もハッキリしていないことに気づかされてからは、このビスケットの氏素性を確認すべく、多少の時間と労力を費やしました。

 なにしろ、催事会場の見取り図つきリストには店名と取り扱い商品が併記されているので、(ポワラーヌ クッキーという具合) ビスキュイ、サブレ、クッキー等の取り扱い品から店名がわかるはずと思ったのに、該当する店がないのです。
 そこで、 昔のマカロンと同じ店で一緒に購入したという主人の記憶を根拠に、ビスキュイ・ド・モンボソンを扱っているランテルニエに検討をつけました。ビスキュイ・ド・モンボソンはカラー版案内紙にも写真付きで紹介されていて、楕円形の箱も、上蓋に貼られたラベルがことなるだけで、いわゆるお揃いパッケージだったので...代表商品はビスキュイ...だけど、ガレット・ブルトンヌもラインナップの一つと解釈したのですが ...ランテルニエ、田舎町ボゾンで1789年創業....かたや1920年創業のビスケット専門店...話が違う....。 そもそもは、ガレット・ブルトンヌのパッケージのどこにもランテルニエ、Lanternirの文字はありませんし、別の店...ですね。

 でも、ガレット・ブルトンヌのパッケージから、店名に繋がるものは確認できませんでした。
 創業1920年の工場、バッツの町のガレット・ブルトンヌ、1920年来変わることのないレシピ、バター20%等の説明分を省いて残ったのはSaint-Guénoléのみ。アルファベット、カタカナ、画像、全ての言語対象等、条件を変えて検索して、入手できたのは、フランス、ブルターニュ圏の地域情報でした。
 つまりは、ラベルの表記はには、サンゲレノ、バッツで1920年創業、伝統的なレシピで作られているガレットブルトンヌ バター20%配合という内容....。
 
 少し横道にそれますが、上イメージの左が、再開のつてを模索中だったガレット・ブルトンヌ、真ん中がサン・ミッシェルのグランドガレット、右が、京都のブレッツカフェで時折入荷するそば粉のガレット。このそば粉のガレットも輸入者、販売者の記載はあるものの、製造者にはふれられていませんが....定期入荷の期待はできますし、また一応オンラインショップへのアプローチも可能です。

 真ん中のサン・ミッシェルとか、ラ・メール・プラールはもう、すっかりおなじみで、常時取り扱かっている店もあるし、輸入業者がオンラインショップも展開しているので、購入したこともあります。ただ...ツボにははまらなかった...。入手のたやすさゆえにありがたみが薄れてということもあるかもしれませんが、今回、近くのスーパーで入手したサン・ミッシェルのガレットと食べ比べても見ましたが、郷土菓子といっても、店により、レシピにより...で、かなり風味は異なっていました。
 
 言い換えれば、食べ比べの結果、サン・ゲレノの ガレットへの執着が増しました。

 残すは、輸入者から情報をいただくしかないと、箱の底に添付されていた番号に電話をしたのが、フランスフェア催事場で購入後10日ほどのちのことでした。
 1920年創業のビスケット専門店のガレット・ブルトンヌ(一般名称))についての問い合わせです。あまり時を置くと、百貨店のフランスフェアで購入したという、貴重な情報も役にたたなくなりかねませんし...。

 結論から言えば、電話に出たスタッフは、すぐにわたしが言わんとしている商品の見当がついた様子でした。 「青い横線のラベルの楕円の箱に入ったビスケットですよね?」 「そ〜です!それです!」という具合。
 購入できる方法の有無を尋ねると、神戸に実店舗があり、小売販売をしているというので、とりあえず安心。ついでにラクソンのキーワード検索でオンラインショップも利用できることがわかりました。  
  あっけなく問題は解決。
 10日間も、翻訳だの、検索だのと悩む話ではなかった...と言えばそれまでですが、この執着がなければ、輸入業者にとまで電話もせずに終わったでしょうから、時間と手間はそれなりに必要だったといえるでしょうか。

 ちなみに、ラクソンの単語は、パッケージの面にはもちろん、底面に貼られた、名称、焼き菓子(バタークッキー)、他、原材料、内容量、賞味期限、保存方法、輸入者が表記されている日本語ラベルにもありません。
 輸入者欄の株式会社名で検索表示される企業概要ページにあるリンク先が、ラクソンの公式ショップでした。輸入商品の小売、販売のオリジナルブランドがラクソンのようで..会社名に、住所、電話番号...なら、URLも一緒にラベルに表示していて欲しかったですよね。

 ついでに、ラクソンの公式ページの取り扱い商品一覧内に、催事中にオーナーも来日、来店していたランテルニエのビスキュイ・ド・モンボソンもありました。『昔のマカロン』も『1920年のレシピのビスケット』も同じ店で売られていたという主人の理解
も、間違いではなかったということですね。
 もう一つついでに、サンゲレノ地区の1920年創業のビスケット工場の会社名もサンゲレノらしい....。
 リストには、出店ラクソン、取り扱い商品、ランテルニエのビスキュイ・ド・モンボソン、サンゲレノのガレット・ブルトンヌと書いてくれていれば、わたしも.....ラクソンのオンラインショップに自力で到達できていたでしょうに...ね。

                                    18/06/08 

リストに戻る