国生まれのフルーツトマト
浮気心を本気にさせる『はるか8』

 

 2000年10月、土佐の「まほろばトマト」紹介レポートで、わたしはフルーツトマトがポピュラーになったと記しています。

 20年以上も前...経過した年月の長さを考えるのは(恐ろしい)置くとして、当時は小ぶりで糖度の高いトマトが各地で生産されだしていたと記憶しています。とはいえ、わたしにとってのフルーツトマトの原点はその当時を遡ることなおひと昔以上前の“野育ちトマト”!(土佐の「まほろばトマト」参照)
  残念なことに、話題沸騰のフルーツトマトへの感動は大きくはなかったです。それまでのトマトと比べれば驚くべき風味だったのでしょうけど、野育ちトマト以降、『トマト』との縁が薄くなってましたから、フルーツトマトの比較対象はトマトではなく、記憶に残る野育ちトマト”。そりゃ、今更のフルーツトマトにときめく話じゃありませんって。
 それでも、ときめいていたのが“徳谷トマト”や“まほろばトマト”というわけで、何度かはとりよせましたっけ。数えるほどの、気合の贅沢です。
  日常的にトマトにときめくのは無謀との理性のもと、選択肢が増え続けるフルーツトマトが、我が家にとってもトマトのスタンダードになってきたのは、いつくらいからか...千歳産のフルーツトマトがポピュラーだった北海道から大阪に移って後、高知産のフルーツトマトの入手が容易になった頃からでしょうか。

 わたしの理解では、フルーツトマト発祥の地、高知です。
今は幻の、おそらくは美しく『完成』してネーミングが変わったであろう“野育ちトマト”をうみだし、“徳谷”、“まほろば”のブランドを有する地は『特別』です。フルーツトマトの種類が多くなる中で、高知産選択に迷いはありませんでした。

 ただ、“野育ちトマト”のインパクトもはるか昔...、現に流通しているフルーツトマト比較になると、高知産の入荷がないから今日からトマトはなし!というほど、偏りは、さすがに薄れてました。。
 基本は高知産、なければ静岡産(締まった食感が安定してました)、ごくまれに、熊本産にも手をのばしたかな...と言うのが、数年前までの、我が家のトマト事情でした。

 そのバランスが崩れたのは数年前、きっかけが“はるか8”の登場でした。
 それまで、店頭で見かけることがなかった北海道産!化粧箱入りでした。 高知産をやめて北海道産、しかも箱入りは、少し悩みましたが、尖ったお尻を起点にし、クッキリと見える放射線状のラインに安心感をもらった形で、箱をショッピングカートに... 。北海道産のフルーツトマトは(大阪では)あまりめだちませんから、“はるか8”と言うブランド名がなければ、いつものように高知産のパックを手に取っていたかもしれませんね。

 初めて見る商品の箱買は リスクがあるにはありましたけど、北海道で出会った“アイコ”がおいしくって、その後道外で購入したアイコに裏切られた経験上、『北の大地の恵』は、他府県の上をいくケースが多いと言う法則が、私わたしの中で出来上がってます。

 あまりに大きく膨らますことさえ控えれば、こちらの期待が裏切られることはないに違いないとか判断しての初もの購入でしたっけ。
 
 左上のイメージが、 15個 秀品の箱入り“はるか8”。2022年7月の商品です。
 店頭に並ぶのは15個入りか18個入り。これまでに12個入りをに出会えたのは3回ほどでした。 8玉、10玉サイズもあるようですが、そのサイズの現物は見ることなく数年すぎています。
 切ってみたものが右上イメージ。
 数年前、果肉の中の緑色を見て、口に入れる前に美味しさを確信しました。
 “野育ちトマト”を、 そしてそれを忘れられずに取り寄せた“徳谷トマト”や“まほろばトマト”に通じる緑色です。
 緑の部分は未熟な状態と言う話もあり、 逞しさの証のように感じていたわたしとしては、完熟すれば赤くなりますと言われて、よかった、とはいえないわけですが..未熟と言われるなら。未熟だからの果肉の締まり、濃い風味ということで、フルーツトマトは完熟より未熟な方が美味しいとの結論になりそうです。あくまでも個人の実感ですが...。
 
 ネット上で公開されている“はるか8”の画像でも、緑が全くといっていいほど、見えない断面画像もあります。個体差かもしれません。が、印象としては、そろそろ終盤かなと言う頃、果肉は幾分柔らかく、緑色も目立たなくなってきています。尖ってた未熟者が完成してまろやかになった...といいましょうか。我が家の言葉では(旬の時期と比べると)水っぽくなってきたと言う表現になります。

 まもなく、『トマトに食指が鈍る』季節に入ります。
 そう...“はるか8”に出会ってからは、いつかきた道...我が家では、他のフルーツトマトの購入が激減しました。
 フルーツトマトがフルーツトマトとしてではなく、ブランド名を掲げて並ぶ時代、 代替え不可級の『インパクトのあるトマト』は、試せば他にもあるのでしょうけど、まだしばらくは“はるか8”一筋で、時を過ごしそうです。



追記
  上イメージは、2022年5月頃、“はるか8”待ちの間に、(フルーツトマトの代わりに)購入していたミニトマト。

 高知県産(産地に惹かれた)の“乙女の涙”と島根県産の“ひみこ”(スパルタ生まれの形容詞に惹かれた)。
 どちらも、しまった果肉はかみごたえあり、『味』もギュッとつめこまれているかのような濃い仕上がりで、ちっちゃくってもパワフルでした。

                                    22/08/23 

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