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我が家の日常に紅茶をもたらしてくれたマリアージュ。そのサービス精神には常に感心させられるレピシエ。長く現在までおつき合いさせてもらっているこのふたつのティーブランド以外にも、最近気になる店や、嘗て夢中になった店なども合わせて紹介させていただこうと思います。
 それぞれの特色がうまく伝わって、おつき合いの扉を開く参考になれば良いのですが...。近くにお店がないという方も、御覧下さいね。
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                     01/05/16  

フォートナム・メイソン(FORTNUM&MASON)

創業1707年と伝えられる、ロンドン・ピカデリーの老舗ですが、スタートは食料品店だったとか...。それが290年を超えた今では、“風格漂う総合デパート”として、手許の旅行ガイド本では紹介されています。
 これが、フォートナム・メイソンの日本正規代理店、片岡物産のパンフレットでは“世界の最高食品”“厳選された特選食品を取り扱う専門店”ということで、なんでも見つかるデパートという位置付けとは少しことなります。
 ただ、共通しているのは、創業後、早い段階から現在まで王室御用達の栄誉を誇る、由緒正しき店たどいうことですね。深い緑の紅茶缶の側面には歴代12人の英国君主への献上と御用達の名誉を受け続けていることをアピールする記述があります。
 
 実際にピカデリーの店に行った時は、ここでカシミヤのセーターを探そうなどとは思ってもいませんでしたから、グランドフロアから上の部分に何があるのかも気にせずに帰ってきてしましましが、わたしにとっては巨大な食品店という印象が残っています。もう少し言えば、紅茶の専門店ではないと言う事実を見せつけられて、茶葉に対する執着が薄れたわけでもないのでしょうけど、茶葉ではなく紅茶味のチョコレートを買ってきました。
 パリのマリアージュで2キロを超える茶葉を買い込んだのとは対照的な反応だったと思います。

 この時、紅茶の缶を手に取ることもせずに帰ってきたのは、今となっては少し悔やまれますが....当時のわたしたちにとって、ファートナム・メイソンは知名度ほどには、商品そのものに馴染んでいなかったのですね。なにしろ、 緑の缶の蓋を最後に開けたのはいつだったか、その時に飲んだお茶は何だったのか、も覚えていないほど以前に遡らなくては、接点がないのですから....。(主人は接点がなかったかも...と。)
 つまりは、マリアージュと出会う以前、家庭ではティーバッグが主流で、ティーサロンではなく喫茶店のメニューには単に紅茶と書かれていた時代、わたしにとってのフォートナム・メイソンはデパートでしか買えない英国輸入紅茶で、他社のものよりもグレードが高そうな雰囲気があるけど、見た目の印象が薄くて購買欲をそそられなかった商品だったのです。
 オレンジ・ペコが茶葉の種類だと(わたしも、回りも)思い込んでいた頃ですから、茶葉の側にすれば、随分不本意な扱いだったことでしょう。筒状のガラス容器に入れられて、ポットのお湯を注がれたあげくに、上からギュッと押さえ付けられたのでは、歴史も由緒も粉々...ですね。 それを、紅茶の普通の味、と信じていたのは、わたしが無知だったからなのですけど、同時にお金を払って飲む紅茶も大差のない環境にあったという不幸な事実もありました。

 今、あらためてフォートナム・メイソンの茶葉を見ると、(販売は缶入りとティーバッグだけですが、とある札幌のデパートでは、それぞれの茶葉のサンプルを透明なビンに入れて紹介しているので、茶葉の形態と香りのチェックは可能です。)ロイヤルブレンド(自慢のオリジナルブレンド)をはじめ、セイロンオレンジペコ、ブレックファスト、クイーンアンなど、どれも茶葉が細かいことに気がつきます。種類がとても多いとはいえないクラッシックブレンドのラインナップの大半はミルクを入れてもおいしいか、ミルクを入れて飲むことを前提にしているもののようで、ティーリストでも「ミルクをたっぷり入れてどうぞ。」「ミルクを入れてお楽しみください。」というアドヴァイスが目につきます。
 この種の茶葉を適当に入れれば、おそらく渋い紅茶ができあがるのでしょうね? おいしいミルクに恵まれていなかったわたしは、ミルクティーを楽しむという習慣がありませんでしたから、渋みを警戒するあまり、十分な抽出をしていなかった可能性もあります。
 最近、試しにクイーンアンを自宅で飲んでみましたが、しっかりとした水色と味の割には気になるような渋みはありませんでした。おもしろいのは、その香りに、ひと昔前(?)の紅茶をイメージさせられたことでしょうか。妙なところで、歴史を感じてしまいました。
 
 産地や農園、季節にこだわって、お茶をブラックで楽しむことが日常になってしまった我が家では、フォートナム・メイソンの茶葉は少し強い感じがします。毎日は、いらないかな、という印象です。
 ただ、幸いなことに、ミルクティーのおいしい英国の、デイリーミルクに近いミルクが、今は日本でも手に入る時代になりました。本来、ミルクティー用にブレンドされたといっても過言ではない英国紅茶....。 今年の冬は、ファートナム・メイソン自慢のブレンド茶葉とノンホモミルクでミルクティーを楽しんでみようかなと考えています。
 ここの紅茶の魅力がわかるのは、これからかもしれません。

                                    01/08/10
 

 ※ 茶葉の名称はパンフレットの記載にならいました。

                                          
 

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