マリアージュ・フレール(MARIAGE
FRERES)
アンリとエドワードの兄弟がパリのブール
ティブール通りにお茶の専門店をオープンした1854年が、マリア−ジュ・フレ−ル社の創立年。
ただ、マリア−ジュ家とお茶の産地であるインド、中国とのかかわりはその時を遡ること200年近くも前、ルイ14世の使節として活躍したニコラや貿易の仕事に従事していたピエールの兄弟の時代に始まったようです。マリア−ジュ家のファミリーツリーはともかく、何世紀にも渡って一族に受け継がれてきた知識と経験、そして間もなく150年目を迎えようかというマリア−ジュ・フレ−ル社の実績は、まぎれもなく由緒正しきお茶の専門店の風格を今に伝えて、
良くも悪くも他に代わりがきかないティーブランドになっているような気がします。
実際に、サロン・ド・テを併設したパリの店は大きくはないものの、食料品店として紅茶も扱っているフォションやエディアールとは異なった、専門店ならではの雰囲気を漂わせていました。
この、マリア−ジュ・フレ−ルが日本に上陸したのは1990年のことらしく、場所は先日緑碧茶園としてリニューアルオープンした、レピシエの青山店です。90年からの5年間、そこはマリアージュの青山店として、デパートやスーパーでではなく、スタッフと向き合いながら、専門店でお湯を選ぶ楽しみを提供してくれました。
日本上陸から5年あまり、歴史を誇っても、決して知名度の高くはなかったマリアージュのお茶を、ていねいな説明ときめ細かなサービスで紹介し、販売していたのは代理店契約をしていたスタッフです。
マリアージュと出会ってから1年後、転勤の為にわたしは通信販売のシステムを利用することになりますが、その時から95年まで、毎月欠かさずに送られてきたのが左のイメージの「MARIAGE
FRERES JOURNAL 」(マリア−ジュ フレール ジュルナル)です。お茶にかかわる様々な情報とともに、小さなプレゼントとしてお茶のサンプルのパックが届きました。
当時、マリアージュが取り扱っていたお茶は、既に400種類以上。そのお茶の説明を兼ねたマリアージュの「お茶の本」と「マリアージュ フレール ジュルナル」はおいしいお茶を飲むだけではなく、お茶を思う楽しさへの扉を開いてくれました。
紅茶にも、摘み取り時期や農園による特色があることを教えてくれたのも、それぞれの茶葉を身近なものにしてくれたのも、マリアージュでした。最近では、農園や収穫時期を限定してお茶を買うことも珍しくはなくなりましたが、この種のこだわりは、いはばマリアージュ>の上陸によってもたらされたものかもしれません。
イギリスやフランスの多くのティーブランドがすっかりお馴染みになっていた日本に、遅れてやってきたマリアージュを他のティーブランドとは一線を画した販売方法で紹介し続けた代理店は95年に契約を解消、その後マリアージュは直営店、マリアージュ・フレール・ジャポンとして、本店を銀座のすずらん通りに移しています。(この頃、マリアージュとの連絡が途絶えて、苦労しました。)
この、銀座本店は、パリの店の雰囲気を忠実に再現していて、代理店時代以上に『マリアージュらしさ』をアピールしているように感じます。
ただ、残念なことに、ジュルナルやお茶のサンプルプレゼントといったサービスはなくなりました。通信販売にしても、前払い制となって、ひと手間増えたことは否めません。お特なプライベートセレクション、購入金額に応じてのプレゼント付きのキャンペーンなど、代理店時代のサービスはレピシエに引き継がれています。
マリアージュ・フレール・ジャポンが、顧客の開発に無頓着というわけではないでしょうが、
代理店から直営店に変わった時点で、顧客サービスのリセットが行われたことは確かなようです。店頭で購入していた知人は
ある日、行ってみたらスタッフはみんな見知らぬ顔に変わっていて、ココはドコ?状態の気分に陥ったと言っていました。それでも、彼女はやっぱりマリアージュを買っているようです。
そして、我が家もまた、マリアージュが一番のお気に入りであることに変わりはありません。
同じ農園の、同レベルの茶葉なら、基本的にはお値段の安い直輸入のものを買いますし、郵便局に行くのが面倒でマリアージュへのオーダーが先延ばしになることもよくありますが、家の中にマリアージュの茶葉がないということは
ありません。 オリジナルのフレーバードティーはもちろん、マリアージュでしか入手できない農園のもの、そして高い関税を払っていることを承知の上で、例外的に買ってしまった茶葉にまで、マリアージュの名を戴くものにトキメキを感じてしまうのは、我が家の単なるブランド嗜好でしょうか?
でも、ブランドは一朝一夕に出来上がるものではありません。マリアージュの歴史に敬意を表して、割高なお買い物も、時にはいいかな、と思ってしまえるのですね。
右上のイメージは毎年送られてくるカタログと、100グラム入りの、コロニアル缶、クラッシク缶と袋入りのもの。
密封性に優れているものの、少し開けにくい(と言われるらしい)クラシック缶に対して、取り扱いし易いコロニアル缶は、今のところ売れ筋の数種類のお茶だけでの販売のようです。
01/05/27 
補足
2003年1月、マリアージュのパリの本店と支店に立ち寄って来ました。興味深いお茶の入れ方を目撃してきましたので、レポートを御覧くださいね。
ちょっと残念なことには、世界のどこにでも発送するというマリアージュでは、日本への発送はできないということが確認できました。マリアージュのHPでそれらしきことが書かれているので気になっていたのですが、今やパリ本国よりも日本の方が店鋪数が多くなっているマリアージュでは、日本はその他の国と別の扱いになるようです。パリと比べると2〜3倍の価格ですから、送料を考えても個人輸入をしたくなりますが....日本のみなさんはマリア-ジュ・フレール・ジャポンを利用してくださいねと言うことのようです。
現状では、マリアージュの(日本国内の)通販は前払い制というややこしい状態から改善はされていないようですが、店によっては代引での発送も受け付けてくれます。
店鋪所在地、通販専用のフリーダイヤルが必要な方は、掲示板を御利用ください。
03/04/08 

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