エディアール(HEDIARD)
日本初上陸のブティックは、伊勢丹・新宿店だったかと思いますが、高島屋のフォション、三越のハロッズに対して、伊勢丹のエディアールという感じで、ひと頃は伊勢丹専売という感じがありましたが、今は、一部の百貨店の紅茶コーナーでも、鮮やかな赤いパッケージに目を引かれることもありますね。
わたし自身は新宿の混雑が苦手で、買い物は銀座、日本橋に出向いていたので、伊勢丹でエディアールの紅茶を買ったことは数回しかないように記憶しています。それも、自ら味わう為というよりも贈り物としての需要が中心でした。
都内が生活圏だったその頃は、、紅茶=イギリスの公式は不動ながら、フォションもかなりポピュラーになっていた時期です。マリアージュとの出合いが訪れる前の3年半余、わたしはエディアールの知名度の低さに価値を見い出していたような気がします。同レベルのクオリティーなら、10人のうち8人が知っているものよりも2人しか知らないものの方にひかれる傾向は、今もわたしにはありますが.....当時は自分のこだわりを伝える為にも、“レアな名品”に執着していたようです。
贈った相手から“初めて”とか“知らなかった”とかいう言葉を聞かされると、「パリでは有名な店で...」などと解説をしたものです。かといって、別に自分が愛用していたわけでもなくて....早い話、名前とパッケージを贈って、自分のセンスをアピールしているようなものでした。自己満足も極まれりというかんじで、自分でも“改善”の必要性は理解していましたけど、紅茶を飲むのは1週間に数回程度の(今は1日に数回)生活でしたから、中味(茶葉)のチェックまで手が回らなかったんですね。
その“パリでは有名な店”はパリ8区、マドレーヌ寺院の裏手にフォションと向かいあって立っています。98年の年末に行った時は地元の買い物客でごった返していて入店を諦めましたが、4年後の1月に、本店で紅茶を買うつもりで立ち寄りました。
ただ.....紅茶の専門店ではないという点では、フォトナム・メイソンやフォションとも同じですが、エディアールにおける紅茶の比重は他の店よりも低い感じです。目に付くのはワインやスパイス、それにフルーツや野菜(フォションの加工品に対して、エディアールは食材という印象でした)で、紅茶はというと、階段を上った先にに見覚えがある色とロゴの大きな缶が並んでいるのが見えました。
量り売りも行われていたようです。
買うつもりで入ったのですが、“おやつ”ではなく“ごはん”もので埋め尽くされたグランドフロアを一巡りする内にエディアールブランドの紅茶に対する、自分の価値観が変わってしまいました。閉店まじかだったせいもあって、結局階段を上らずに出て来てしまったのです。
上のイメージのふたつは日本国内で(数年ぶりに)購入したものです。
以前の経験は無いに等しいので、エディアール初心者気分で、ミニ缶と袋詰めを選びました。
香りの良さにひかれたバニラとセイロンオレンジペコですが、いづれもフルリーフタイプで、英国ブランドとの(茶葉形態の)違いが良くわかります。興味深かったのは、セイロンオレンジペコに秋摘みとの説明があったことでしょうか。収穫の最終期に摘み取られたということで、深い味わいが特徴だと記されていました。(日本の)販売店がサービス精神を発揮して添付した説明書のようですが、思わぬところで秋摘みが取り扱われているものですね。
この場合は、秋摘みセイロン種のエディアールアオリジナルブレンドということになるのでしょうね。今なら、自分が選んだ贈り物にもう少しマシな“解説”ができそう...と思いつつ、ミニ缶でなら、エディアールの味巡りも悪く無いかなという気がします。
ついに、本当の執着とは無縁でしたが、かつてよりも今の方が興味を引かれるブランドです。
03/04/01
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