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            オーストリッチの財布 
                    
 09/02/16

 
 忙しい旅程の中でも、やっぱりはずせないのが「お買い物」。
 
 「ま、いいか。」というわけにはいかない義理のお土産には、結構時間をとられるも のの手許には残らないし、土地の名物や旅の記念品は、時とともに、捨てられないけど少々置き場所に困るものに変わってしまうことがありますね。

 自分用のお土産は、何年経っても愛着が薄れず、目にする度にそれと出会った町や店のこと思い出せるようなものなのが一番! そして、その出合いが、新たなおつき合いのきっかけになったりすると、観光で通り過ぎただけの町が、特別な場所になります。
 観る、だけでなく、ちょっと係わりを持ちたくなるような、そんなお土産を紹介したくなりました。

  このページはいわば、わたしの自己満足の「お買い物リスト」のようなものですが、旅行の予定がある方は、覚えておいて損はないものだと思いますし、メールオーダーが可能なものも少なくありません。

 ただ、ごく最近に訪れた店でも、連絡先が今後も変わらないという保証はなく、常に正しい情報を更新していける自信がないので、細かな住所や電話番号の明記は避けました。興味をお持ちになった方はJUNまでメールで問い合わせて下さい。
 現在、メ−ルオ−ダ−等でおつき合いしている店に関しては、正確な連絡先と、必要ならば注文方法を、旅先で訪れた限りの店は、その時の情報をお知らせできると思います。

                                      

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ファブリス【FABRIS】のオーストリッチの財布(メールオーダー編)

 ローマで偶然に見つけた財布の使い勝手がいいので....同じ形のものを国内で探してみるも、見つからない....。
 そこで....と、店にコンタクトをとったのは、数年前のことでした。
 手元にあったのは、商品の現物と購入時のレシートらしきもの、それとこれは意識して保管していたネームカードでした。店名、住所と電話番号が記載されたカードで、あいにくファクス番号は書かれていません。電話で欲しい商品の説明が出来るはずもありませんでしたから、わたしはちょっと手間をかけました。
 使用中の財布を撮影、印刷した数枚の画像を添付して、かくかくしかじか...と手紙を郵送しました。ちなみに手紙は確実に先方が受け取ったことが(追跡で)判るEMSを利用。割高ですが、所要日数も短めですし、待つ間のストレスもありません。
 先方からの返事は、 e-mailで届き、HPのアドレスが添付されていました。
 おやおや、HPがあったのか....検索はしたんですが、店名だけでは見つからないものですね。商品のイメージとコードナンバー、簡単な説明に価格.....ついでにカラーバリエーションも記載してくれたらねえ...と思いつつ、欲しかったものもが特定できたあとは、すべてe-mailでのやり取りになりました。クレジットカード情報も...です。ファクスでもね、誰の目につくか判らないわけですし、今更セキュリティーに慎重になっても....ですが、やはり抵抗はありました。でも,「みんなそうしてるよ。」と言われたんですよね。
「ウチはe-mailで注文を受けてるけど、な〜んも、心配することないです。」とおっしゃる。
 まあ、なんであれ保証はない。 ですから、メインで使っているのとは別のカードを使いました。普段使用しないカードのほうが、覚えのない請求に気がつきやすいし、必要な措置(利用停止、無効)をとっても、不自由がありませんしね。
 でも、もちろん、何のトラブルにもみまわれず、商品は届きました。
 少し厚みのある封筒が一通、受取サインの必要な郵便物でした。
 右下イメージはその時に、一緒に注文した、オーストリッチ製のマネークリップ。残念ながら磁石の威力がつよすぎて、スマートな使用は不可能....未だ戸外に出ていないアイテムです。 財布が2点とマネークリップ2点、店はアバウトにVAT分を値引いてくれ、また関税の請求はありませんでした。
 先方から最初のe-mailを受信してから、商品を手にするまで、1週間程度だったでしょうか...。初めてのメールオーダーは、至ってスムーズでした。

 問題は、昨年....2回目の『取り寄せ』で発生しました。
 
 実は危機感はあったのです。というのもそれまで何度か取り寄せていたビアンキ・エ・ナルディのオーストリッッチのバッグが添付書類の不備で税関で留め置かれるというハプニングにみまわれましたからね、解決までこぎつけたビアンキ・エ・ナルディからならともかく、オーストリッチ製品の取り寄せには慎重にならざるをえません。
 ファブリスが海外発送にものすごく慣れているとは、やはり、思えませんし... 念の為に前回添付されていたインボイスをチェックしたところ、オーストリッチ製品に必要な輸出許可証の類は皆無でした。よく見れば、商品名は単にWOLLETと書いてある....。封筒一つ、開封されずに通関しちゃったんでしょうね。ラッキーだった...と過ぎたことを喜んではいられません。次のラッキーに期待するより、正しい手続きを....ということで、注文前にわたしは尋ねたわけです。

 「オーストリッチ製品の海外発送は問題ありませんか? 以前に必要な証明書が無くて、通関できず困った経験がありますが,その点は大丈夫でしょうか?」

 問題ないと思うが確認してみるという 慎重な返事を受け取り、わたしはほっとしました。
 翌日に、大丈夫とのメールが届き、その翌日には商品の発送が終わったことと、イタリアンポストの送り状番号のお知らせが届くなど、対応は迅速で丁寧! ただ、いい意味で驚かされたのはここまでで、それから数日後、わたしはUPS JAPANから『問い合わせ』の電話を受けることになったのでした。

 「イタリアから届いている商品がワシントン条約に該当すると思われるのですが、非該当証明書等の書類をお客様の方でお持ちでしょうか...?」
 「.......インボイスに添付されていませんでしたか?」と、聞き返しましたね、わたしは。
 と、同時に“念を入れて確認したのに...”というより“やっぱりこうなった”という気分でしたから、どこかで、イヤな予感は持っていたのでしょうね。正直、何をするべきかも学習済みでしたから、あまり驚きませんでした。むしろ、びっくりさせられたのは、UPS JAPANの登場でしたが...どうやらファブリスがイタリアンポストで発送手続きを行った(わたし宛の)荷物は、イタリアンポストからUPSに引継がれたそうで、せっかくの送り状番号もイタリアンポストのものからUPSの番号に差し替えられての“税関留め置き”でした。UPSはあくまでもイタリアンポストから荷物をあずかったという立場で、UPS JAPANができるのは、イタリアのUPSを通じてイタリアンポストにトラブル解決の協力を要請することで、イタリアンポストの頭を超えて、ファブリスと話を進めることは出来ないという....ややこしいですね。海を渡った伝言ゲームは難易度が高そうですし、加えてイタリアンポストの積極的な協力は期待できにくいと.....(腹立たしい)。送り主と直接連絡が取れるのは、わたしだけという状況で、人に任せて、待つだけというわけにもいきません。

 ファブリスには、証明書の不備で商品が通関できない状況を伝え、輸出証明書(CITES)か非該当証明書を送ってくれるように依頼しました。ファブリスの担当者の返事は数時間後、迷惑をかけたことへの謝罪と、イタリアンポストに行ってもらってきた証明書と、あわせて制作者発行の証明書を郵送したという内容でした。
 いや、それは多分、ちがうでしょう。行ってほしいのは、郵便局にじゃなくて、お役所のCITES担当窓口なんだけど...と待つこと数日、わたしが受け取ったのは、“これは飼育駝鳥でワシントン条約の規制に該当していません”という内容の文面の書類が2枚、1枚は制作者がファブリスにあてたもの、もう1枚がファブリスがイタリアンポストにあてたものでした。内容はともかく、制作者や店の署名では用を足さないのはわたしでも判ります。なのに、今までこれで何の問題も無く通関しているのに、日本の税関は何を問題にしているんだろう?...と、ファブリスはわたしに疑問を投げかけるのでした。おまけに、どうしてUPS JAPANのスタッフが絡んでくるのか...彼はあなたの私的顧問かなにかなのか?と。(最初に経緯を説明したのに...。) 
 
 わたしは、再びイタリアンポストがUPSに荷物の配送を依頼したことを説明し、そして、『政府機関発行の公的な証明書』の必要を強調しました。
  参考資料としてビアンキ・エ・ナルディのオーストリッッチのバッグがスムーズに通関していた時にインボイスに押されていたCITESの証明印のイメージも添付して、政府のCITES担当者に助言をもらうように頼みました。
 なるほど...と、 ファブリスの担当者は今度はUPSローマに行って、そこでまた「これ以外にもういかなる証明書も必要ない」というものをもらってきたと言うではありませんか。
 いや....ちがう。
 行って欲しいのは、お役所のCITES担当窓口なの。必要なのは、政府機関が発行した証明書で、国家間で了解済みの公的効力のある証明書なんです〜。
 わたしの英語力でこれ以上の説明は不可能。
 精魂尽きた気分で「UPS JAPANからローマのUPSに話をしてもらうので、あなたが行ったローマの支店とあなたに書類を渡したスタッフの名前を教えててください....。」と伝えたリクエストは、なぜか、スルー。
 ただ、 その翌日(またもや)イタリアンポストとUPSと、そしてCITESの担当者とも(ついに!)話をしたという連絡が入りました。ようやくの進展...でしたが、CITESの担当者も「これで問は何もない」と言ったとのことで、ガックリ!
 救いは、週明けに担当者から連絡がはいるという1行でして、UPS JAPANのスタッフにも(メールのコピーを)見ていただき、解読を試みました。
  不備があって...通関できないのが事実なわけで...CITES担当者が問題ないと判断するのはおかしい。問題ないのに週明けに連絡が入るというのはもっとおかしい。何か、週明けに動きがあるかもしれないので、とりあえずは待ちましょう。(打つ手なし!)
 そして、週明け、わたしが受け取ったのは大阪税関スタッフからの電話でした。
 「CITESの関係で、何か、通関で留め置かれている貨物があるんですか?」....あります!
 聞けば、ローマから東京の経済産業省、CITES担当者宛に証明書が送られてきたらしい....。証明書には受取人としてわたしの住所氏名が記載されていたので、証明書は東京から大阪税関へ...。
 税関スタッフは貨物を特定するためにわたしに連絡してきたということで、通関手続きを代行しているUPSのスタッフの名前を伝えたところ、了解され、20日あまり留め置かれたオーストリッチの財布は、即日日本への“入国”を許されて、無事に我家に届けられました。
 結局、ビアンキ・エ・ナルディ の時と同様、ローマーから経済産業省に必要な証明書が送られて、問題は解決です。
  ローマのCITES担当者の「問題ない」発言は、察するに証明書発送に問題はないということだったかと....。

 送られてきた証明書はCITESの非該当証明書と呼ばれているものらしく、今後の参考にとUPSのスタッフがコピーを送ってくれました。(上イメージ)
 ファブリスの担当者からは、今回何が問題だったか良く分かったので、次はもう大丈夫!というコメントとともに、『CITESのスタッフが日本の税関に送った書類のコピー』が添付されてきました。
 もちろん、同じ非該当証明書です。
 税関じゃなくて....経済産業省に届いたみたいよという細かいことは横に置いて.....ファブリスの担当者は、幾度の迷走を繰り返しつつも最後までベストを尽くして、丁寧な対応をしてくれました。

 本当に、この経験が鮮明なうちに、また注文しなくちゃという気分にさせられる一件でした。
 

                                           09/02/16 


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