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JUNのトマムレポート 2010
          実体験の伴わない現情報から今後の様相を推す試み

                        


おことわり

 JUNのトマムレポート2010は、当サイトのTOMAMUカテゴリー(星野リゾート運営下のトマム)内の情報、コメントをご覧頂いた方を対象にしています。 昨今のトマムの状況を根拠にして、これまで言及してきたことを見直し、今後の予想を修正する目的で稼働したものです。このページを単独でご覧になる意味はありませんし、また、トマムの利用に際しての参考資料にはなりませんので、ご注意ください。


                            09/12/15 

 

  

おさらい

 最初に、アルファ・リゾート・トマムがアルファ・コーポレーションから加森観光(リゾートマネージメント)へ、星野リゾートの運営参加直後の分割運営を経てのち、星野リゾートの単独運営となるまでの経緯は、『トマムの“民事再生法申請”報道について』で既出事項なのでここでは割愛します。おさらいは、その後に焦点をおいての話です。

 2006年、星野リゾートのトマム単独運営が始まった当初、わたしたちは.....これまでトマムの利用経験のあるファンは、結構好意的に受け止めていたように思います。
 いきなりロゴプールを潰されたショックは隠しようもありませんでしたし、グリーンシーズンの営業はタワーだけになったり、ゴルフ場も閉鎖の噂が聞こえたりと「ええ〜?」と問いただしたくなるコトが続きはしましたが、それでも、スタッフを始め、トマムらしい雰囲気はかわらず、行ってみたら、残念なこともあったけれど、意外にほっとしたと感じたことを、わたしも思い出します。
 乱暴な言い方をすれば、スタッフも備品(加森観光運営時に整備、投入されたモノは基本的に撤去。2005年の夏、メニュースタンドにまで所有権を区別する張り紙が.....)も半分になってのスタートではありませんか。内情はゲストには無関係とはいえ、明らかな準備不足に対してトマムファンは寛容でした。愛着のある場所ですからね。しばらくは我慢して、そのうちに今年よりは来年、その翌年はもっと持ち直す....ハッキリいえば、元の状態に近づくことを期待したものです。
 元の状態.....もちろん、開発初期とは経済状況が大きく違う以上、変化は仕方がありません。でも、わたしたちの変化に対する理解には、トマムがトマムとして存続する為にはという但し書きがあるわけで、リピーターがリピートするのには、多少の変化にもゆるがない基本コンセプトへの信頼があったからなんですよね。ヨーロッパモデルの滞在型リゾートを活かすべく導入されたこだわりや価値感がしっかりと受け継がれていたからこそ、ハマナスの浮かび上がる幻想的な景観が目の前は空き地?の露天風呂にかえられても、針葉樹に調和したシックなタワーの外壁が愉快なまだら模様になっても(そりゃ、がっくりですもの。文句の一つやふたつはでましたけどね。)、わたしたちには「行かない」という選択肢はありませんでした。
 ルミエールがクローズになった痛手は雪花がカバーしてくれましたし、寿司コーナーの閉鎖のショックは、三角の一夏の料理に癒されたり....新たなモノへの感激もありました。

 シェフが変わっても、以前のトマムを知らないスタッフが多くなっても、リピーターがこれまで通りに楽しんで来られたのは、以前を知っているスタッフの配慮のお陰に他なりませんが、ただ、それは準備不足が解消されるまでの、星野リゾート単独運営初期の『特別な配慮』だとわたしは考えていました。
 利用頻度がもたらすメリットを、否定はしません。
 いい例が、食事に関してですよね。1から10、全てを言葉にしなくても、心得てくれているスタッフを介せば、これまで通りの食事を期待するのは難しい話ではありませんでした。ただメリットはそこまで。例えば初めて言葉をかわすスタッフなら、あるいは初めてトマムを訪れるゲストなら、1から10、必要なことをキチンと伝えあうひと手間が余分なだけで、同じ結果を期待できる....はずでした。
 星野リゾートの単独運営後、営業レストランが減り、メニューのラインナップも激減していくなかで、トマムの食環境はゲストの最大の批判の対象となりましたけど、それは一時的なことと思ったのは、希望的観測だったのでしょうか?。
 だって、シェフも十分にいないし、慣れていないスタッフも増えてるんだし、今は仕方ないんだよね...と、そう考えたのはわたしだけではなかったですよね。利用頻度の高いゲストほど、物わかりもよかった....というよりも、自身への影響は少なく済んだので、食環境の劣化を実感することも少なかった....。トマムの食環境批判に対しては、それが整うまでは、事前のリクエスト、予約、調整などのひと手間が効果的だよという内容の情報も、当初は多く寄せられました。 
 早晩、整うと思ってましたものね。
 ところが、1年経ち、2年経っても『特別な配慮』は特別なまま...それが柔軟な対応力が定評だったトマムのスタンダードになる気配がないではありませんか。
 特別なことなら伏せておくべきかも...と、オールドファンが、滞在中のプラスポイントについて、掲示版等で言及することに悩みだしたのはこの頃からでした。おいしい料理、スタッフの気遣い....いいところは具体的にいろいろと紹介したいけれど、それがトマムのではなくトマムに勤務している何人かのスタッフに限定した話かもしれないと思う懸念は、残念なことに、一昨年よりも昨年、そしてて今年はいっそう現実味を帯びてきたのではないかと感じます。
 馴染みのスタッフがいるというメリットは、やがてそのスタッフ以外には話が通じないというストレスと抱き合わせになってきたのです。
 公表されている番号を通さず、スタッフ個人に直接コンタクトを取るのがリピーターの自衛策となれば、それはリピーター、しかも馴染みのスタッフがいるリピーター以外は使えない対策です。
 自分たちの評価や期待の対象が、星野リゾートのコンセプト下にあるトマムではなく、スタッフがひととき再現してくれるトマムらしさにあることに、わたしたちはは気づかずには済まない時期にきたようです。。
 日ごとに再現が難しくなるトマムらしさに、いつまで期待をかけていいものか...。そう考えた時、わたしは自分の執着や愛着を、素直に昔のトマムに向けることができるようになりました。

                                       10/07/01 

現状

 利用の予定が無い者の意見は、ともすれば利用しない理由の列挙に過ぎなくなって、それなら、行かなきゃいいだけの話でおわってしまうことですが....2006年以降、全面的にではないにしても、評価、期待できる部分を中心にレポートをUPしてきた立場としては、現実はだいぶ違ってきましたという話もしておく必要を、わたしは感じました。

 万が一にも、当サイトで紹介した雪花のコースを見てトマム行きを決めちゃうゲストがいても困りますから....。困るファイルはいっそ削除したら?と思われるかもしれませんけどね、それはイヤなの。本当においしかったし、当時のコメントはその時の感動を伝えるもので、削除なんてもったいない!実際に、雪花は評判も良かったようですし、...いえ、雪花がなくなってもその場所にはプラチナムがありますから、よくある変化の内....万が一のゲストにも、そこは納得していただきましょうか....?

 
予約制だったレストランが予約不可になったり、シーズン当初に紹介されたメニューの価格帯がいつの間にか変わっていたり、星野リゾートの運営になってから、レストラン事情の変化は頻繁です。店名が同じなのに場所やメニューが変わったかと思えば、新しいレストランが増えたかと喜んでたら、場所は同じで店名とメニューが変わっていた等....冬1回、グリーンシーズンに2度のペースで利用していても前回滞在の情報が参考にならないほどで、いっそ、現状を無視して前回同様にとリクエストするのが(ハズレの)リスクを回避する自衛策と言っても過言ではないくらいに、『落ち着かない』印象が現在も続いています。
 シェフもサービススタッフも充足して、予約センターでは利用履歴のデーターが整備が進んで、電話に出たスタッフが社員か、バイトか、他のエリアからの応援隊かなどの区別を感じさせられること無く、(最低限の)話は出来るようになっているだろうと見当をつけた時期、3年目も既に過ぎました。そして昨年、予想に逆行する状況に遭遇することになったわたしは、自分で自分の期待を葬り去りました。
 それというのも、特定のスタッフでなければ話が通じない状況が改善されるどころか、電話では話をしたいスタッフとコンタクトがとれなくなってきたのです。一人が複数の仕事を担うマルチジョブシステムに加え、異動も頻繁な現トマムでは、※※の○○さんを...とはいえません。冬は※※にいらした○○さんを...とコンタクトを試みるわけですが、しばらく待たされた後の代表電話のスタッフの返事は「○○さんですが、あちこちお探ししてもどこにもにもいらっしゃらないんですが...。」と言うものでした。
 身内(自社社員)を指してここまでの敬語を聞かされたのは初めてだったので、
わたしは代表電話も委託(それも経験の浅い)になったか...(未確認です。)とため息を付きたくなったものです。昨今、委託が悪いとはいえません。本来の身分はどうであれ、なるべき立場になりきれれば(この場合はトマムの社員)言葉使いは自然と違ってくるはずですよね。...こないかな?
 代表電話に出たスタッフは丁寧な応対を心がけているだけで、倣う先輩や、常識を教わる指導者がいない結果の、言葉使いなのかもしれませんが、正直なところ、この一件は、わたしに、星野リゾート運営によるトマムを旧トマムと完全に分けて捉えるべきとの決断を早めさせました。経験が奇妙な言葉使いをただしているかもと期待してかけた今年も、相変わらずで(「○○さん」が「○○様」にグレードアップ?してました。)、いらっしゃらないと言われれば、判りましたと電話を切るしかありませんが、あちこち探した先で、どこも、だれも、代わりに用件を聞こうとか、こちらの電話番号を聞いてかけなおそうとかの申し出はなかったのかしら?というのも驚きだったのです。

 星野リゾートの運営になってからもしばらくの間は、コンタクトを取ろうとした試みが無駄に終わったことはありませんでした。残ったスタッフの退職も続く中で、話したい相手にスムースに繋がることは むしろまれでしたが、それでも、最初に電話に出たスタッフがちゃんと対応してくれましたしね。
 実は、特定のスタッフでなければ話が通じないという状況は、多くのスタッフが辞めた当初からではなく、1年、2年と経過するうちにいつしか....という話なのです。施設の利用の仕方や景観の変化はともかく、やがて、トマムらしさの再構築を担ってくれると期待していたスタッフの現状は、その積極性や驚きの気配り術に魅了されてきたオールドファンには、トマムらしさの終焉を予感させるものかもしれません。

 くわえて、今年からはレストランの予約がインターネットで出来るようになりました。
 オンライン予約は、便利になったとして、改善と見る意見もありましたが、言葉をかわすことが、リレーションシップ構築の切っ掛けだったと実感のあるわたしには、歓迎にくいシステムです。
 お世話になります。楽しみにしています。お待ちしています。....そういう一言が、オンラインで口をつくことはないもんね。スタッフはゲストに向き合う貴重な経験の場を一つ無くしたかも...というのは考え過ぎでしょうか。
 ま、大型スーパーの便利さはありがたいけど、例えば、魚は魚屋で、時に店主の勢いにおされて、今日は造り、明日は塩焼きなどと夕食のメニューまできめられて、ついでにいいだしが出るから!と、頭も持って帰らされる(本当にあった話。いらないといっても、遠慮しないでもって帰んな!と言うおじさんだった...。)ようなのが好みのわたしの価値感ででは、『人』が介在しないサービスに魅力は感じにくいのです。
 
 『人』の介在が煩わしいと感じるゲストも、最近では少なくないでしょうから、星野流への支持ももちろんもあるのでしょうね。
 メニューも、ネット上で(最近になって)紹介されていますから、コースの内容を尋ねる必要もありませんし、今までを知らないゲストには、利用し易い環境が整えられていると言われれば、反論するつもりはありません。

 ただ、よく変わりますからね。初めてではないゲストには、前回の記憶を是正されないままのオンライン操作は、行ってビックリとなりかねないのです。レストランに関しては、現在、冬期のようにオンライン予約の案内が見当たらない(見つけられない)ので、夏期はまた変わったのかもしれませんが、6月中旬に営業を開始したリラクゼーションの予約は(当日以外は)インターネット限定です。ところが、こちらは冬期までのリラクゼーションプレイスとは別.....直営だったリラクゼーションプレイスを閉鎖して、類似のアイテムを外注で置いたと聞いています。つまり、この前お世話になったスタッフはいないということですね。 
 専門のスキルを身につけた自社スタッフがいるのにどうして....?と追究するのは、やめましょうか。
 
 また、ようやくピーク時に向けての夕食営業が決まった様子の三角も、場所も店名も同じですが、長く厨房を預かってきたベテラン調理人と、冬期に三角を担当していた料理人、共に退職されたとのことで、この夏の利用に際しては新規オープンの店と位置づけた方がよさそうです。
 メニューを見る限り、和食処というよりも居酒屋っぽいイメージですが、新たな料理スタッフがはいったのか、それとも既存のスタッフで出来るラインナップに収めたのか....どうなのでしょうね?
 いずれにしても、わたしたちが、レストラン環境が脆弱になる中で対策としておこなっていたリクエストは、もう控えなくてはね、という気分にさせられます。つまり、JUNのレポートを参考になさってはいけませんよ、ということです。
 リピーター、オールドファンは、見知ったスタッフを通せばそれでもこれまで同様に....なるかもしれませんけど、素材(材料)もあってシェフもいるんですから、何なりと.....と遠慮は無用とばかりに言われたのは、旧トマムでの話。

 直営店は減って、専門スタッフは短期で入れ替わる様子の現在、何なりと...とは、そりゃ言えないでしょう?
 現在の料理人がどうとか、スタッフのサービス精神が...とかの問題ではありません。会社が『対応力』を重視していなさそうなのがハッキリしてきたので、これまで同様のおつきあいは難しいことを、こちらも自覚しましょうか....という話です。

                                      10/07/01 

冬期とその後の予想

 2010年〜11年にかけてのスキーシーズン、三角の(和食どころとしての)営業はありませんでした。

 料理スタッフの退職で準備が整わなかったのかも...と解釈出来るのはグリーンシーズンまでの話、半年以上を経て後の調理スタッフ不在は理由になりませんから、つまりは星野リゾートは三角の営業を重視しなかったということでしょうね。(重視したのに出来なかったとなれば、深刻ですもんね.。)
 かわりに、ビックニュース扱いで紹介されたのが、期間限定ながらもアル・ケッチャーノのトマム出店でした。場所はガレリア、ルミエール、期間も1月中旬以降3月末までということで、ピーク時短期間のどさんこ名店街とは異なり、利用の機会を得たゲストも多かったのではないかと思います。拙宅でおつきあいいただいているヘビー・ユーザーのみなさんは、アル・ケッチャーノの営業期間外のトマム滞在で、今季はビュッフェの複数回利用という英断もやむなしだったようですが、掲示版には冬期のピークも過ぎた頃(営業レストランも減った頃)に、アル・ケッッチャーノを利用して、内容の素晴らしさに感動したというお話も届きました。テナントレストランがトマムの食環境の改善に果たした役割は大きかった様子です。
 レストランに関しては、星野リゾートでは直営にこだわる様子が無いことが見えてきた矢先のことでしたから、ゲストの満足度を高めた店が、テナントだったと言うことで残念がるのはよしましょうか...。

 ただ、店の改装で場所を無くしたアル・ケッチャーノと、場所はあっても料理人が不足しているトマムとの利害が一致した結果の、2011年冬だけの出店の可能性をわたしは推していたので(夏休み期間も出店する様子ですね。)この素晴らしいレストランの出店と、トマムの今後への期待は連動しませんでした。むしろ、外部の※※シェフよりもまず、自社の※※料理長(の料理)のアピールが先でしょう...と、掲示版でも言いましたっけね。
 そう言及した時のイヤな予感があたって、シーズンが始まってみればその料理長も退職されていたわけですが.....実は、これ、星野リゾートの運営になってから、トマムでは繰り返されているんですね。退職するスタッフ(シェフ)のかわりに新たなスタッフを募ると言うのは必要なことですが、どうもね.....そう、筋の通った話ではない印象がぬぐえません。耳にしたことのあるのはやめたスタッフの話や、やめるに至った原因の噂で、いはば一方的なものですから、わたしの印象も偏った情報の結果かも知れませんが....きちんと引継ぎがなされない状態でスタッフの退職、採用が繰り返されている状況は、リピーターが実感し、問題点としてきたポイントです。

 2011年グリーンシーズンには、レストラン案内からプラチナムが姿を消しました。
 料理長の退職の影響か...あるいはピーク時に限っての営業ならテナント出まかなえるという会社の判断でしょうか。
判断の結果、スタッフの動きがあったと思えてしまうのが正直なところですが....。雪花を引継いでトマムのメインダイニングとして誕生したプラチナムのあとには、本来の設え(元ガレリア桃里)にふさわしい中国料理の店が、オープン、と言うより期間限定で営業する様子です。こちらも、札幌市内のホテル内の店のはずなので、テナントと解釈して間違いないかと考えます。期間が短すぎるのはともかく、ガレリアに傾向の異なるレストランがふたつ、同時に稼働するのは、星野リゾートの運営後、初めてのことで、定評のあるふたつの店のおかげで、混雑時のトマム食環境は改善にむかうとの期待もうまれそうですね。....営業力の賜物だと評価する向きもあることでしょう。今後も同じ店か、同レベルの店テナント契約で、レストラン事情は落ち着くのかもしれません。

 運営1年目に、(料理人等は)必要な時に雇用すればこと足りるという責任者の見解を漏れ聞いて、わたしは驚かされたものでしたが、それから5年、人材の臨時確保よりももっと手っ取り早いテナント契約による(サービスの)供給が,星野リゾートのスタンダードになりつつあることは明らかで、それはレストランに限ったとではないだろうと思います。
開業年から毎年お世話になったリラクゼーション・プレイスも外注に切り替わりましたし、もっと早い段階で、売店の一部にも道内のコンビニがはいりましたしね。アクティビティーに関わる部分も既に...か、近いうちに同じような状態になるだろうと感じています。
 それが、悪い、とはいえませんね。
 ノウハウの乏しい直営よりも経験豊かな外注の方が、利用する分にはありがたいという意見もあるでしょう。テナント情報も(トマム利用の)楽しみの一つと思える方は、この先をご覧になる必要はありません。上手に利用していただければいいと考えます。

 


 

 季節によって需要にばらつきがでることを防げないトマムのような場所で、ピーク時に合わせた供給体制を維持する無駄を省く目的で、テナントを活用するメリットは理解出来ます。...が、味気ないですね。
 
 テナントの比率がおおきくなるにつけ、トマムらしさは薄れていいく気が、わたしはしています。
 トマムらしさ...わたしたちは時にトマム・スピリッツとも言い、マニュアルの無いホスピタリティーというサービス・コンセプトに象徴されるものは、ホストの立ち位置や意識が安定して機能していたものだったと考えます。“アルファ・リゾート・トマム”のスタッフという立ち位置です。もちろん、その頃でも臨時のスタッフもいましたし、フォレスタ・モールににはテナントが集合してましたけど、ゲストにとっては、ひとまとまりでみんなトマムのスタッフでしたよね。 テナントのアイスクリームショップのおじさんが、樹海で開催される収穫祭の情報をくれたり、やま里の板さんが、新規オープンしたテナントのかに専門店を進めてくれたりしていた時代、 スタッフは縦にも横にも繋がっていて、情報の共有が成立していたのではないかと思います。
 滞在中の利用予定のレストランを、該当レストラン以外のスタッフも知っていて「明日は※※のご利用なんですよね。」と声をかけられたり、料飲関係のスタッフで収穫したトマム産の野菜のできばえを聞かされたりしましたっけ。
 利用を繰り返せば、親しみも抱くし、見知ったスタッフも増えてくるのは自然なことですが、トマムでは、スタッフからの積極的なアプローチのお陰で、関係の構築がとても早い段階ではじまりました。予約センターの電話に出たスタッフが、冬場にフロントにいた※※ですと自己紹介してくれたり、初めてテーブルサービスについてくれたスタッフが、前回利用の時にも(話す機会はなかったけど)いたので、我家のことは知っていると挨拶してくれたり....ひとたびの縁が、途切れることく、幾度も重なり、繋がって、気づけば常に、広いエリアのあちこちに、顔を合わせれば微笑みを返しあう見知ったスタッフの存在がありました。トマムの規模を思えば、驚くべきリレーションシップですが、それを可能にしたのは、ゲストの再訪を大前提にした、ホスト(スタッフ)の意識とスタッフ間の連携の確かさ、そして、ベテラン...わたしたちがトマムのエキスパートと呼んでいたスタッフの存在だったと思います。
 
 1〜2ヶ月単位で、それも、ゲストとホストが多くの時間を共有するテーブルサービスのレストランまでが、出たり入ったりのテナントの集まりとなってしまっては、育たない関係ですよね。
 料理にもサービスにも満足して、縁を喜んだとしてもそれは刹那。一期一会に終わる可能性さえ、低くはありません。
 こちらが望んだとしても、再会のチャンスが希薄な関係は、わたしたちが通い続けたトマムとは真逆の状態なのですから。

 わたしは、リゾートスティにサプライズはいらないと思っています。
 いえ、初対面では感動もサプライズもインパクトも大きいほどいい。それが引力となって2度目、3度目の訪問につながるんですものね。でもそこからあとは“馴染みの場所”であってほしい。スタッフも、料理も、景色も...“おなじみの非日常”であることがリゾートの魅力なのです。観光地とはちがいますからね。必要なのは刺激よりも安定した快適さと思うのは、わたしだけではなく、おそらく、(トマムは)変わらないでほしいと願い続けたオールドファンもおんなじでしょう。 
 時折のメニューの変更や、イベントの企画等はお楽しみの範疇で歓迎ですれど、閉店の案内も無く消えた店のあとに短期営業のテナントがオープンして、その後のことは時期が来たらのお楽しみ.....とは、わたしは思えないのです。
 雪質、晴天率、針葉樹の景観...自然の恵みの他は、トマムは星野リゾートの価値感によって変えられました。いっそ,各レストラン同様に、アルファの名前も変えてくれた方がスッキリすくるらいに、アルファ・リゾート・トマムが紡いできたものは、断ち切られたのだとわたしは感じています。

 破綻したリゾートなのだから再生のためには変わるのがあたりまえといわれるでしょうか?
 破綻した所有会社がトマムを売却しただけなのに....アルファ・リゾート・トマムのコンセプトとそのゲストへの理解のない運営者に買われたことが不運だったのですね。

 ということで、わたしが評価出来ることがなくなりましたので、現トマムに関してのコメントの更新は、残念な予想が裏切られて良い話ができる時がくるまで、一旦停止とします。


『星野リゾート運営のトマムで、プラス思考で遊ぶ為に』が未完状態ですが、こちらは企画した数年前に気持ちを切り替えて、コメントをアップする予定ですが、アップの日付とは別に実感した時期を併記しますので、現状の参考になるか否かは各自でご判断ください。
 なお、更新の停止が掲示版の投稿を制約するものではありません。
 利用された結果の感想、情報交換等に、変わらずご利用ください。

                                       11/05/10