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以前にわたしも何度か

紅茶、雑談、雑知識 スペシャルレポート


 かつての旅、紅茶の本場と言われるイギリス、ロンドンで印象に残っているのはコーヒーと見まごう濃い水色のお茶をベースにしたミルクティーでした。それから20年あまり、イギリスで紅茶といえばミルクティーというのも今は昔?になりそうなほど、本場の供給にも変化が見られました。
 シングルエステートにフレーバードティー、はたまた緑茶まで、水質との兼ね合いに、新たな疑問符が点灯しそうなロンドン紅茶事情。2012年2月の現地レポートです。
                     13/05/15 
 


  
 
    

 少し前...といって、自分がUPしたレポートで確認したところ、2004年....9年も前のこと、茶葉の品質にこだわって登場した216ザストランドは、実はあっという間に行方知れずになりまして、、そのことさえ気づかすに過ぎる中で、催事される英国展などでは新たなブランドの出会いが続きました。ブラックで飲むにはちょっと重いという判断で、これまではショップも覗かず、茶葉も買わずに帰国したロンドン旅行でしたが、変化の兆しに興味を抱いて、今回は数店舗を巡ってきました。

ジンティー
 出発前の準備段階で、必ず行くべきショップリストにあげていたものの、実店舗が...どうも無いことが判明した新ブランド。
 オンラインショップはあるんですけどね。

 数年前に突然に躍り出てきた印象のあるブランドなんですが、何しろロンドン市内の有名ホテルがこぞってジンティーを選んでいると言うアピールのせいで、興味をあおられちゃったとでも言いましょうか、ともかくも押さえておかなくちゃと思ったのですが、店頭小売りはしていないようで....。
 前に英国展で購入した茶葉は春摘みのダージリンとセイロンでしたけど、ジンティーでなくちゃ!というモノは発見出来ず(缶も好みではないし)有名ホテルの御用達の座を獲得したクオリティーを実感する以前に、縁がとぎれそうです。

 

ポストカードティー
 京都、開化堂の茶筒つながりで、存在を知ったティーショップ。茶葉については曖昧なまま、ショップのロゴが刻まれた茶筒をロンドン土産に欲しくて立ち寄りました。驚いたことに取り扱い茶葉は日本茶が中心でした。広くない店内に大きなテーブルが一つ置かれていて、一人、また一人と訪れるご近所らしきおじさんが煎茶(メニューには煎茶用茶葉の種類が幾つかある様子)を味わっているという、意外な空間でした。

 目的の茶筒は、ディスプレイはされていましたが、在庫切れ。入荷日は未定。となると,結局帰国後にオンラインショップをチェックするしかないかと思いきや、店主は(わたしが日本から来たと確認してから)京都に行くようにアドバイスをくれたのでした。京都の、開化堂にですね。茶筒は京都から送られてくるので、それをロンドンからまた日本に送り返すよりも、直接京都で購入した方が、早いし安いと言うわけです。

 そりゃそうですが...開化堂にポストカードティーのロゴ入り茶筒は無いと言うと、ホント?と驚かれました。
 .....無い...はずでした。
 すると店主は、ウチ(ポストカードティ)に送られるものの中から一つを(わたし)が買えばいいというではありませんか。...京都に行って、ロンドンに発送するロゴ入り茶筒を一つを購入したいんですが...で、話はすすむでしょうか? 店主はカードに自分のメールアドレスと、開化堂の店主の名前を書いてくれました。帰国して、開化堂に行く時にメールをくれれば、開化堂の方に自分からも連絡をするから、ノープロブレムというわけです。
 帰国後、しばらくたってから,わたしは開化堂に連絡をとり、ロンドンでの顛末を説明して、ポストカードティーロゴ入りの茶筒を(約半年待ちで)手に入れました。それが上イメージ。京都で買ったロンドン土産です。

 ところで、このポストカードティー、煎茶に親しむおじさん達の側に置かれていたのが、フランス流紅茶の本でした。店主が茶筒の在庫を探して地下に降りている間、手持ち不沙汰にパラパラとめくってみたら、マリアージュフレールが紹介されていましたっけ。


ヒギンズティー
 ロイヤルワラントを持つ老舗....、紅茶専門店ではなく珈琲店が紅茶も扱うようになった店のようで、紅茶目的でさがしていたわたしたちは、それらしき店を見つけるまでにちょっと手間取りました。店構えはやっぱり珈琲専門のイメージでしたし、店内も第一印象そのままに、豆の薫りが似合いそうな雰囲気に満ちてました。
 
 茶番のコーナーは入り口寄りにありました。(店内国が珈琲コーナー。) パッキングされてならべられている茶葉の種類は凄く多いわけではないものの、一つ、二つと選ぶには情報が不足していました。判り易くサンプルが並んでいるわけでもありませんでしたしね。で、スタッフに売れ筋をたずねたところ、即答で勧められたのがブルーレディ。フレーバードティーでした。グレープフルーツ(だけはしっかり聞き取れました)フルーツやハーブのミックスフレーバーで、いわゆる店のスペシャリティー。
 ロンドンで初買いの茶葉がフレーバードティーかぁと思わないではありませんでしたが、尋ねて、答えられて、お断りはしにくかった。とりあえずそれは頂くことにして、フレーバードティーじゃ無いのも欲しいというと、これまた即答でセイロンを勧められました。

 時間のかからない買い物でした。

 一押しのフレーバードティーの名前がブルーレディというのだと知ったのは、購入してからのことでした。

 茶葉は意外に大きめ(ブロークンではありませんでした)で、香り付けのグレープフルーツや花も色鮮やかで綺麗でした。
 余り強すぎない香りは爽やかで、香りにふさわしいスッキリとした味わいは、ちょっとインパクトに欠けるかも....。我家の水道水で入れても濃くなく、渋さもでず、飲み易いお茶でした。....ロンドンの水で入れたらどんな感じになったのか、ホテルで試してくるべきでしたね。

                 13/05/15   

ティーパレス

 
 何年か前に、梅田のデパートで開催中の英国展で出店されていたのが、最初の出会いだったティーパレス。当時はロンドンでオープンしたばかりのブランドと言うことで、物珍らしさにちょっと足を止めたのでした。

 菫色の小さい缶が可愛らしく、また、価格も手頃だったので、試しにいくつか購入しましたが、茶葉に何か特別な印象を抱いたわけではなく、あくまでも、缶が引力となったブランドでした。縁はそれきり....年に一度開催される英国展で,小さい缶を購入する程度の浅い付き合いでしたが、ロンドンのニューフェイス・ブランドの実態が気になって、旅行の準備段階で、わたしたちはティーパレスを『立ち寄る店』のリストに入れました。
 わざわざ..という感覚で足を伸ばした先、コヴェントガーデンで、ティーパレスはすぐに見つかりました。菫色はブランドカラーだったようで、よく目立ってました。
 一見の観光客が,“とりあえず見るだけ”の感覚で入るには、スペース不足の小さい店でした。ここまで来たんだから、“とりあえず何かは買う”という意気込みで入店したら、外からは見えなかった階段がありました。 ショップスタッフに促されるままにおりると、階下は結構ひろく、缶入りの茶葉がカテゴリー別にズラリと展示されていました。全て、茶葉のサンプルが商品の前に置かれていましたが、フレーバードティーがメインのラインナップの用ような印象を受けました。
 二つの通路からなる地下では、通路の突き当たり2箇所に試飲茶が用意されていて、わたしたちはロンドンのティーショップで、初試飲を体験しました。

 地下は自由見学の雰囲気で、試飲もセルフで....茶葉選びには最良の環境に思えました。買いたいもののを自分で取って、籠(置かれてました)に入れて上に持っていけばいい様子でしたが、なにぶんコレ!と決め手がありません。旅の記念としては、コヴェントガーデンやノッティングヒルなど代表格?のフレーバードティーを押さえておきたいところですが、125グラム缶となると....ネーミングだけで決めるには...ちょっと慎重にならざるをえません。シングルフレーバーのマンゴーの方が自分たちの好みに合っているような気もしましたしね。
 
 英国展であったようなちっちゃい缶が
あればいいのに...と、考えていても先に進めないので、グランドフロアに戻って、スタッフに悩みを打ち明けました。
 興味のある茶葉はいろいろあるんだけれど、大きい缶をいくつも持ち歩けないので........お薦めは..と続ける前に、
スタッフがノープロブレムとばかりに、見覚えのある小さい缶を出してくれました。何だ、やっぱり小缶もあったんだと思いきや、缶は空っぽで、好きな茶葉をそれに詰めてくれるというのです。
 ああ、そういうことなら願ったり叶ったりのシステム!チビ缶はチビなりにしっかりとつくられていて、土産にも使えますし、茶葉も少量なら,気楽に選べますしね。

 スタッフは、わたしが指定した茶葉をチビ缶に入れては、茶葉名のシールを台紙から取って、缶の所定の位置に貼るという作業をくりかえし、10個ほどの小缶を作ってくれました。茶葉の量は重さではなく缶1杯分という感じだったでしょうか。(コヴェントガーデンはアプリコットドリームよりも軽かったです。)帰国後にチェックしたTEA PALACEの公式HPでは、Sanple Caddyと呼ばれているチビ缶についてはオンラインショップでも内容量は明記されていません。

 その場で作ってもらった小缶とは別に、あらかじめパッキングされていた小缶も、少しありました。
 
 左イメージのドラゴンなんたらかんたら(Dragon Phoenix Pearls)もその一つで、カードラベルと一緒にビニール袋でパッキングされていました。one of our most precious tea という説明に惹かれて、清算直前に追加しました。
 ハンドメイドのライト・ジャスミン・グリーンティー..... 中国茶ですね。価格も他の茶葉のおよそ倍でしたから,かなり楽しみな買い物でしたが、開けてビックりの感激茶葉でした。豊な香気と美しい巻き茶葉、水色は淡く、風味は深く.....安い!!!
 後で判ったことですが、ティーパレスでは中国茶のラインナップが充実していて、チビ缶で8ポンド台の価格は、ティーパレスでは最高値のグループになるようです。
 ロンドンで、質のいい白茶やジャスミン茶を求めるならティーパレスへ行くべきかもしれませんね。

 ちなみに、ミッドサマーマンゴーのフレーバードティーも、素晴らしくおいしかったです。

                              13/06/27 

トワイニング

 かつて、わたしが、もっとも『有名』な紅茶ブランのひとつとして認識していたトワイニング。フォション上陸でアップルフレーバードティーのブームが巻き起こる以前からなじみのある紅茶ブランドは多くはなく、トワイニングは(子供心に)デパートで買う『高い紅茶』でしたっけ。

 そのトワイニングの商品ラインナップのオレンジペコは、実は茶葉の等級を示す単語で、フルーツのオレンジとも、オレンジ色とも無関係だったと知ってカルチャーショックを受けたのが...もう、そろそろふた昔前ということになるんですね、既出の話ですがマリアージュ・フレールとの出会いを切っ掛けに、紅茶に対する価値感や考え、嗜好も大きくかわりました。紅茶の本場と言われるロンドンへの初旅行は、それよりもあとだった為に、トワイニングに対するわたしたちの興味はうすれていて、これまで旅行日程に組み込むことはありませんでした。
 既に愛用品では無くなってましたし、気づけば、近所のどこのスーパーでもうられているお手軽茶葉になっていたというわけで,海外からわざわざ持ち帰るありがたみを感じなかったんですね。
 でも、紅茶といえばミルクティーと言われた英国紅茶事情の変化が気になった今回、遅ればせながらのティーショップ巡りの時間をとりました、興味の度合いはともかく、老舗トワイニングをここで外すわけにはいきませんよね。
 それに、日本ではすぐにきえちゃいましたけど、
茶葉の質にこだわって生まれたというライン、216ストランド(216 THE STRAND)の再会が待っているかもしれないじゃありませんか。
 
 広い通りに面してあるトワイニングの本店は、狭い間口と長い奥行きの、いわゆるうなぎの寝床てきな店構えでした。聞いてはいたけど、予想以上にコンパクト! 細い通路の両側、壁に添って作られた
棚に陳列されている茶葉(缶入り、箱入り)を自分でとって,少し奥まった場所にあるレジに持って行くスタイルで、スタッフはいるにはいますが、積極的な売り込みはありませんでした。

 自由に見て、必要があったら声をかけてねという雰囲気は、ありがたくもあり、面白味にはかける感じだったでしょうか。
 常用していない、つまりは情報が乏しい身にとっては、選択の決めてがありません。だからといって、わざわざスタッフにアドバイスをもらうほどの執着もないし....ということで,アールグレイシリーズから2種、レディグレイとサファイアグレイの紙箱入りを選びました。

 レディグレイはアールグレイよりもソフトなティストが魅力のトワイニングのオリジナルブレンドで、かなり以前にわたしも何度か購入したことがありますが、サファイアグレイは初物でした。EARL GREY WITH LEMONの茶葉でした。
 紙箱の蓋は2重(?)になっていて、内蓋の表にはアールグレイ、サファイアグレイ、レディグレイの順番でNew Earl Grey Familyの紹介が記されていました。中味は,見た目へのこだわりを捨てたティーバッグが50個....。これが、日常使いの紅茶なんですね...。どちらもミルクなしで飲むために作られた(ブレンドされた)という表記があり、パッキングされた茶葉はほぼ粉末状で、水色はしっかりと濃いものの、重さは無く、さっぱりとした後味でした。
 ティーバックを(包みから)取りだす手間もない、究極の手軽さには、それなりに感動しました。
 昔の記憶にある印象よりも、意外にマイルドで飲み易い気がしたのは、ミルクを入れないことを前提にブレンドされた結果でしょうか?
 

 
この黒箱入りティーバッグのラインナップにはこれまで(かなり昔の印象です)とは何気に雰囲気の違うダージリンもありました。ただ、一つくらいは(紙箱よりも寿命の長い)缶入りを...と、購入したのが左のイメージ。いつの間にか、缶のデザインもかわったんですね。いわゆるダージリンで、農園名などの記載はありませんでしたが,茶葉は銀針も見え隠れするフルリーフタイプでした。
 ティースプーンに山盛り一杯が一人分、ポットのためにもう一杯というアドバイスはありませんでした。ブラックか、あるいは、ミルクを入れてということでしたが、こちらもしっかりとした水色の割には淡白な風味で、ミルクは入れないことを推奨すべきかと思いました。

 結局トワイニングの本店までいって、持ち帰ったのはミルク無し推奨ブレンドばかり....。紅茶といえばミルクティーという時代はすぎたのかもしれませんね。

 ちなみに216ストランド(216 THE STRAND)シリーズは影も形もありませんでした。

                                    13/10/06 
 

 

 

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