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おまけのページ、“EXTRA”の第2回目のテーマとして展開した紅茶の話は、2002年4月、晴れて独立することになりました。

 今後はCONTENTSかHP内に点在する紅茶専用ボタンを御利用のうえ、雑談
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。                        
                          2004年05月14日


 紅茶に関係するエピソードのページです。

 本編の横におまけのようにくっついていた思い出話や、補足情報もこちらに移行し、単独でもご覧いただけるように一部改稿しました。本編と直接関連のあるものはその旨お知らせしていますので,合わせてご覧くださいね。

 そういえば...こんなことがあったよねという過ぎた体験談からリアルタイムのプチレポートなど、規則性のない雑談をお楽しみください。時に...お役に立つ話もあるかもしれません。
                                         04/05/15
 

     

アフタヌーンティー・レポート(ザ ・リッツカールトン大阪 )

 紅茶専門店の増加と共に、アフタヌーンティーを楽しめる店も多くなりました。

 正式 (自宅にサロンを有するような,英国の特権階級の習慣から始まった『国民の習慣』は、イギリスにおいてもそのスタイルは様々。何を持って正式とするかは、単なる紅茶好きの日本人の一人にすぎないわたしが解説するのははばかられるのですが、乏しい知識と体験と、思い込みで定義させていただくと、3段重ねのスタンド、ティーナプキン、保温機能を加味したティーポット、差し湯、ミルク、スコーンとクロテッドクリーム、一口サイズの胡瓜のサンドイッチは必須アイテム。プチフール、タルト、ケーキの類いの甘いお菓子はケースバイケースで、ということになります。)なものから、各店のオリジナルなものまで、メニューの選択幅も多くなりました。
 『憧れの習慣』も、特別なものではなくなった感じがしますね。
 

 そこで“いつも”とは違う、本格的なアフタヌーンティーへの欲求が芽生えたため、リッツカールトン大阪のラウンジに予約を入れました。
 

 先に列挙した必須アイテムは,その気になれば揃えることは不可能ではないグッズですが(例えば学生アパートに一室でも、雑居ビルの一角ででも、正式なアフタヌーンティーのセッティングはできます。)“本格”に欠かせないのが、この“お約束”。自宅でなら“お誘い(招待)”、店なら“予約” ですね。
 そのために予定を立て、その予定に合わせて出向いたゲストは、あらかじめゲストの来訪に備えて準備が整えられたステージへと迎え入れられる...これが『憧れの習慣』のはじまりです。
 買い物の途中で入った店で、メニューを見てオーダーするアフタヌーンティーが日常なら、予約をして、その為に出かけるアフターヌーンティーは、非日常。ステージにはふさわしい雰囲気が要求されます。
  リッツカールトン大阪は味気ない外観(ビルの低層階と高層階がホテルのスペース)からは想像しにくいクラシックな設えです。広いロビーや開放的なラウンジとは無縁のパブリックエリアはイギリスの邸宅をイメージしたジョージアン様式ということで、本格的なアフタヌーンティーの舞台として、ここ以上にふさわしい場所を日本で見つけるのは難しいかと思えるほど、優美にして重厚...。予約時に(念の為に)ドレスコードの有無を確認したくらいです。ちなみにラウンジにドレスコードはありません。ただ、ビジネス利用を多いせいか、男性はジャケット着用が目立ちました。

ラフないでたちでは、違和感のある空間です。
 イメージ上は、フロントデスクのあるエントランスホールからロビーを見たもの、ラウンジは左手の通路にそって設けられています。
 左は,フレンチ、中華、和食のレストランとバーラウンジのある5階の廊下です。
 アフタヌーンティーの最中にカメラを手にする気分になれなかったので、ラウンジ、メニューのイメージは今回はありません。なるべく近いうちにはUPしたいと考えてはいますが、当面は、上と左のイメージから、ラウンジの雰囲気をご想像くださいね。


 3種類ほどの椅子とテーブルが ,一見不規則に配置されたラウンジは、いわゆる無駄な空間(お揃いのテーブルをキチンと配置すれば、もっと席数が増やせます。)が贅をかもし出すゆったりとした空間です。パーソナルスペースに充分な余裕があるので、居心地の良さは特筆ものです。
 アフタヌーンティー(リッツカールトン、ラウンジのメニュー表記はクラシックティセット)のお値段は、スタンダードなセットで3200円。(グラスシャンパンかジュースとフルーツつき、ワインつき等のオプションメニュー有り。)
 メニュの詳細は公式HPに記載されていますから、割愛するとして、最初に、サンドイッチのプレートが単独ででてきてから、プレート3段重ねのスタンドの登場です。サンドイッチは、もちろん一口サイズ。細工付きのオープンスタイルやキッシュのアレンジもありますが、胡瓜のサンドイッチは定番です。

 スタンドには、上のプレートから、ケーキの類、スコーン、焼き菓子とチョコレートの配置で、2種のスコーンも小さめでした。サンドイッチの薄さ(サイズ)とスコーンのサイズは,価格、クラスと反比例...とでも言いましょうか。ロンドンでもホテルのラウンジ、高級店と認知されているところでは、他と比べてかなり小さいサイスものが提供されていました。食べやすさへの心配りと聞いた覚えもありますが、美しさへのこだわりのような気もします。大きなサンドイッチにパクつく様子はおいしそうに見えても、美しくはないですものね。

 クロテッドクリームは,直輸入ものか、新村牧場(だと、うれしい)のものか...最近よく流通するようになった
国内最初のメーカーの物ではない気がしました。(糸をひく粘りがほとんどありません。) 

 ホテルオリジナルかと期待した食器は、残念ながら(?)ウェッジウッドでした。
 カトラリーは、リボンクロスデザインの(おそらく)クリストフル。 特別仕様の物ではなく、一般的に販売されているタイプです。
 ポット保温は、ティーコゼーをかぶせる代わりに,ポットを置く台の中に固形燃料が設置されていて,ポットの底を直火で温める方法でした。カップが空になりかけた頃合いには、スタッフがお茶を注ぎに来てもくれますが、自分で注ぐ時には、ティーコゼーを取ったり外したりの手間がないのは、よかったです。ポットの柄、型が見えている(ティーコゼーをかぶせた形って、割と不細工)のも良かったです。

  お茶は、リストの中から選びます。
 ダージリン、アッサム等のシングルエステートシリーズを初め、クラシックブレンド、フレーバードティもあわせて、数十種類。マリアージュに慣れてしまうと、茶葉の種類に感激することはなくなりましたけど、思っていたよりも、茶葉は充実していると感じました。
 甘いお菓子と合わせるのだから、お茶はサッパリと...と,オーダー時にはミルクは不要と言ったものの、銀のポットに入った差し湯と、茶こしが登場した時点で分かっていたはずの“間違い”に気がつきました。英国流なら、茶葉はポットに入ってくるわけで、時間の経過と共に出過ぎたお茶の、渋み対策をしなくては...。念のために確認すると、茶葉はたっぷり! ポットの為のもうひとさじがきっちり守られているにちがいない、たっぷりの茶葉!

 最後までブラックで飲むのは不可能と判断して、途中でミルクをいただきました。
  ですが...等サイトの紅茶情報と御つきあいくださってる方には今更..の話ですが、渋みが出過ぎた紅茶をミルクと差し湯で調整しても、なんとか飲めるようになると言うだけで、最初の1杯のようにおいしくなるわけではありません。
 この時一緒だったTomokoさんは、3杯目は調整不可として、飲みきることをギブアップ。渋みが出やすいダージリンを選択したのがミスだったとも言えますが、そもそもね...差し湯って、ポットのお茶を複数の人間でシェアする際の便利アイテムだったはずで...濃いめに入れたお茶を基本に、ホステスがそれぞれのゲストの好みに合わせて差し湯で(お茶の)濃さを調整するという...心配りの決まり事は、まあ、自宅用ですよね。一人に1ポットなら、ポットの中でお茶の味が変わるのは、わたしにはやはりデメリットとしか思えません。欲を言えば、オーダー時に濃さの好みを尋ねてくれれば完璧ですが、店となればプロが入れる紅茶ですもの。飲み頃で出してくれれば、よほどのことがない限りは、黙っていただきますって...。それでも、濃ければ差し湯も有効ですけど、茶葉がポットに残されたままではね...。10分も過ぎれば、茶葉はお茶の風味を壊すだけではありませんか。1時間後には調整不可もやむおえません。

  
 ラウンジの調度品も、雰囲気も、サービスも、お菓子の味も申し分ないのに...ああ、お茶の味が...茶はを引き上げて欲しいよね...と、わたしたちは、パズルの最後の1ピースが合わないようなもどかしさを覚えました。
 だからといって、これきりにするにはもったいないくらいに他は完璧。3杯目が飲めないのは我慢しようか...というのが、初めて利用した後の結論でした。
  でも、一方的に「我慢しようか」ではフェアではありません。
 この後、主人と利用する機会を得た時に、時間が経って出てくる渋みが苦手なので、茶葉はポットから取り除いてもらえないかと打診したところ、オーダーを聞きにきたスタッフは、躊躇なく(どこかに確認に行くでもなく、その場で)リクエストに応じてくれました。
 唯一の問題点は、 あっけないほど、簡単にクリア。
 これで、利用しない理由はもうありませんね。

 余談ですが、茶葉は、英国のTAYLOUS og HAROOGETEのものでした。
( 上のイメージは、ゲストルームに用意されていたティーバッグ。)このメーカに関しての情報を、これまでわたしは持っていませんでした。ラウンジの入り口横に掲げられた紹介文によるとヨークシャー地方の、歴史のあるメーカーだそうですが、その地方の水質が日本と似ているとか...。興味深いですね。

    
                         06/06/01 




 左イメージは、上記で言及したリッツカールトン大阪のラウンジでの、紅茶の保温スタイルです。

 ティーコゼーの代わりを果たしているのが、銀色のポット敷き(?)で、
中に設置された固形燃料の炎がポットを底から温めるわけですね。
 
 二つのポットが置かれているサイドテーブルは,同席した知人の、丁度後ろ側に位置していて、今回はわたしたちは一度も自分でお茶を注ぐことはありませんでした。(立ち上がらないと、手が届きませんものね。)スタッフが,カップが空になった頃にお茶を注ぎにきてくれるので、ポットが自分たちのテーブルと別の場所にあっても、不自由はありません。
 もっとも、この保温スタイルのメリットを感じるのは、ポットを自分で扱う場合で(テーブルに置かれた場合は、その機会もあります。)ティーコゼーを取ったり、かぶせたり、あるいは、取ったティーコゼーを一旦置く為に例えば、テーブルの上のグラスををちょっと動かしたりという作業が一切省かれる上に、結構場所を取るポットのスペースも銀の台座によって確保されているので、余分な神経を使わないですむことででしょうか。

 
 オーダー時にリクエストしたので、こちらのポットの中から茶葉は取り除かれていますが、茶葉を入れた状態で、この保温方法が味にどう影響するのか.....は、分かりかねます。初めての時の3杯目は、差し湯とミルクを持ってしてもギブアップものでしたが....これは、ティーコゼー利用でも(わたしにとっては)同じ結果だったと考えます。
 
 ラウンジメニューではクラシックティーと表示されているアフタヌーンティーの、3段トレイの内容は下記のイメージ。
 サンドイッチはこのスタンドに先立って、別プレートでのサービスです。
 サンドイッチもスタンドのセットに組み込まれている場合と比較して、スイーツの種類も多めかと感じます。

 

 上段が半生菓子。
 この日はパイナップルのタルトと、ココナッツのケーキとグラス入りのムース(マンゴーとココナッツ...?)
中段に、おなじみのスコーン。プレーンとレーズンの2種と、リッツカールトンラベルのジャム、丸く整形されたクロテットクリーム。
  下の段に焼き菓子とチョコレートです。
 
  ほとんどのスイーツは、館内のグルメショップで、購入が可能です。

 グルメショップでは、中沢クロテッドクリームが販売されていましたが.... ラウンジで、同じものが使われているかどうかは不明。
 整形されて出てきたクリームに(右下イメージ、手前の小皿内)粘りがないので、第一印象は『別のメーカーのクロテッド』でしたけど....素直に考えれば、ショップで販売されているのと同じもの...かもしれませんね。とすれば、取り扱い方がクリームのコンディションをグレードアップしていると言えそうです。



 ラウンジメニューには、クラシックティーにオプションがつくセットもあって、ハイティーと表記されているセットには、最初にグラスシャンパンかフレッシュジュース、最後にカットプルーツのグラス(メロン、パイン、イチゴ、ブルーベリー)、生クリームとフルーツソース添えがつきます。
 オレンジかグレープフルーツのフレッシュジュースは本当にフレッシュで、おすすめです。

 ラウンジは内は分煙


               06/07/23 

 
 
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