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紅茶、雑談、雑知識 スペシャルレポート


 2010年4月、パリ市内のマリアージュ・フレールのショップに立ち寄ってきました。変わらない雰囲気が7年振りをついこの間のように感じさせられるマリアージュ・フレールも、ルーブルやマドレーム広場など観光エリアにも支店ができて、時代に即した対応が進んでいるようです。UK圏外唯一の支店がある日本からの影響も少なからず...と思わせられるラインナップが目立ちました。
 意外なティーブランドやショップとの出会いも印象的だった2010年、早春のパリの紅茶事情を紹介します
                  2010年8月8日 
 


  
 
    

 マリアージュ・フレール


 マレの本店よりも、エトワール店の方が落ち着けることを痛感した7年前を忘れたわけではありませんが...今回も最初に向ったのはマレ地区、裏通りに面してある本店でした。
 マリアージュ・フレールを引継いだ異国の若者が、培ってきた歴史を尊重して、貿易、卸業時代に倉庫があっ他地区にこだわって構えたという店には、やはり特別の引力が...といえば聞こえは良いのですが、本当のところは、JCBのSHOPPING&DININGPASSPORTの提示で優待(€100以上の買い物でマルコポーロ100グラムプレゼント)を受けられるのが、他でもない本店だということで、折角なので頂けるものは頂こうと考えたのでした。
 もっとも、指定された店がどこかをしっかりとチェックして、「本店だ」と結論づけたにもかかわらず、実際にはちがっていまして、わざわざ本店に向った(本来の)目的は達成不可となりました。
 ちなみに対象の店舗はマドレーヌ店とリヴゴーシュ店....住所の記載もあるのに、おまけに地図でも確認していた(この辺は主人任せ)何故にマレの本店と言うことになったのかは、主人がいうには、そう思い込んだからと言うだけの単純なミスだったそうです。


  ただ、お昼前のひととき、本店も前回のようなごった返した混雑はなく、わたしたちの前には2人が並んでいるだけで、待ったと言う程まつことなく、買い物は、自分たちのペースでゆっくりと出来ました。
 
 今回は、茶葉の他に「買う」と決めていたものがありまして、それが右側イメージのティーポットです。
 昨年末に京都店のショーケースにディズプレイされていた赤いポットの色違い。深い色合いと美しいフォルムに一目惚れしてケースから出してみせてもらったものの、パリ行きの予定があるのだから、現地で...というわけです。

 マレの本店のディスプレイは桜がテーマで、イメージカラーは濃いピンクのグラディーションと紫色!(上イメージの右側)オリジナルラベルのフレーバードティーや茶器と一緒に、狙っていたポットの紫バーションもありました。買うのはひとめ惚れした赤!もしも赤がなければ......いえ、赤の隣にあったピスタチオグリーンも明るくていい感じだったのでじっくりと見比べて...と思っていたところに、いきなり一番好きな色(紫)があったので、入店前にわたしは興奮状態でしたが、店内には各色そろっていて、(ゴールドもあった)ひとしきり悩みました。日本本価格の半値なので、これとあれという選択をしたかったのはやまやまですが、ポットは箱に収まるとななかなかの大きさになりまして、手荷物で機内に持ち込むとなると二箱は無理と判断えざるをえません。。結局スタッフの好みも取り入れて、紫のポットを選びました。使い勝手は“アール・デコ・マリアージュ・フレール”におよびませんが、見るたびにに買い物の満足感に浸れる美しさです。


 ところで、購入した茶葉は春摘みダージリンとネパールの茶葉(スクウェアパッケージ入り)ですが、春摘みが、これまでとは異なります。
 単なる春摘みではなく新茶として10種ほどが別ラベルが貼られて販売されていたのです。残念ながら4月上旬、2010年の新茶は揃わず、ラベルは“DARJEELING NOUVEAU 2009”...昨年の新茶でした。毎年、日本のショップに入荷するのは3種程度.......新茶の紹介は、最近は公式HPでもUPされていて、わたしも、だから日本のショップ出入手できないブルームフィールドやピュッタポンの新茶を買うつもりで立ち寄ったわけですが、『あるらしい』と知っていても実際に、初めて、見るのとは感激が違いました。

 そもそも一頃は、マリアージュ・フレールでは通年春摘みダージリンをとりあつかっているけれど、特に『新茶』としての取り扱いは無いと説明を受けたことを思い起こすと、パリのショップで NOUVEAUラベルが並んでいる様子には、変化を感じさせられました。前に来たときは冬だったから、新茶の季節じゃなかっただけとは思えません。なぜって、並んでいたのは今年のではなく、昨年の新茶ですものね。2009年の新茶群が2010年の4月にもあるということは、2009年の冬もあったということではありませんか。
 変化がいつから...とはいえませんが、でも、7年前、日本では新茶、春摘みフェアがあちらこちらの店舗でにぎにぎしく開催されるのが恒例となっていた頃も、パリでは春摘みと新茶を今日のようには区別していなかったんですよね。ただ...2009年以外の春摘みダージリンは、じゃ....2009年は入荷しなかったのかと...2010年のNOUVEAUのラインナップもほぼ同じ...ということは、例えばジエルはいつ入荷したものなんだろう?という問題が発生しますよね。日本版リストでは、2009年から25種の春摘みダージリンのうちの9種の価格が未記入にかわっています。価格が記載されていても国内ショップでは未入荷のものもありますし、むかしのように通年各種揃っている状態ではないのかもしれませんね。
 2009年よりも前のジエルがあったかどうかはともかく、ショップスタッフは、“
DARJEELING NOUVEAU 2009”ラベルの茶葉をさして「昨シーズンの茶葉だが、充分にフレッシュ」といいながら、茶葉をひとすくい(専用スコップで)しては、缶のふたの裏に拡げてみせてくれました。缶の中をのぞかせてくれるよりも、茶葉の色合いや大きさがわかりやすいのでありがたいんですが、缶に戻す時に大胆に茶葉をこぼすは、袋詰めの時と同様....相変わらずでした。

 十分にフレッシュな2009年の春摘みの他に、もっとフレッシュと薦められたのが、ゴールドヒマラヤとブルームディマラヤでした。前者はこのところマリアージュ・フレールでラインナップが充実してきたネパールのお茶で、後者は白缶のプレシャスティーシリーズやコフレアンリで限定的にわずかな量の入手が叶ったシルバーチップスのみのお茶!量り売りの大きな缶に入っているのを見るのは、これも初めてでした。

 
また、本店の並び、一店舗隣と、道の向い側にはマリアージュ・フレールの店が出来ていました。並びの店は昔からこんな感じ(小売りの店舗っぽく見えませんでした。)であったような気がしないでもありませんが、向かいは明らかに増えたショップです。
 入店しなかったので、店毎の区別は確認できませんでしたが、向かいの店は、フレーバードティーを主においてある感じで、茶葉が袋入りの状態でドドッと棚にありました。欲しい茶葉が決まっていれば、言葉をかわさなくても,時間をかけなくても、買い物が出来るのかもしれません。ディスプレイはTHE DE PAQUES( テ ド パク)とガラスのポットでした。

  紫色のティーポットと希少茶に舞い上がって、買い物リストに入れていた“THE BLANC SACRE”(白いお茶筒入りの白茶。日本未輸入品)を探すのを、わたしはすっかり忘れていましたが、幸い、宿泊したホテル近くに新たに出来ていたマドレーヌ店で偶然に見つけました。実はこちらの店で買い物をすればマルコポーロのプレゼントがもらえた....と判ったのは後のことでした。
 でも....、本店スタッフが、ナムリンの春摘みをプレゼントしてくれたので、結果オーライとしましょうか。

                10/08/11 

 

 ショップ

NINA'S paris

 ヴァンドーム広場近くの通りで、ニナスのショップ(サロン併設)を見かけました。

 食品階リニューアル後の三越(札幌)で見かけて、ちょっと足をとめたものの、おつきあいまでにはいたらずに10年と少々の年月が経過紙てしまったブランドです。マリアージュ・フレールの影響を感じさせられる、いわゆる伝統的英国紅茶とはおもむきの異なる茶葉を取り扱うティーショップのオープンが目立っていた時期で、“ paris”の文字を見て、ここも流行に乗っかった店かな...と、わたしは、少し興ざめしつつ、別の意味で、つまりは氏素性について興味を抱いたものでした。

 当時のショップスタッフの説明では、茶葉はパリから直輸入、ただニナスというブランド名は日本向けにつけられたもので、パリ生まれといえども、パリにニナスは無いということでした。じゃ、輸入先のパリでは、この茶葉はなんとという名前の店で販売されているのかと尋ねたところ、それはちょっと判らない....というお答えだったので、パリでは小売りはしていないのかもしれないと、わたしは解釈しました。もちろん、スタッフが詳しいことを把握しないまま売り場に立っていた可能性もありますが、どちらにしても、パリでニナスの紅茶に出会うことは無いと思ってました
から、アリーアトワネットのイメージとともにお茶缶がディズプレイされているウィンドウは、我家にとっては意外な発見でした。一度も(日本では)茶葉を購入したことのない店なのに、正直テンションアップしてしまいました。パリを象徴する建造物(オペラ座、凱旋門、エッフェル等など)がプリントされたミニ缶を、旅の記念に欲しいと思ったのです。

 店内で出迎えてくれたスタッフには、一応、わたしの英語が通じました。
 それに、応対は、その後すぐに出てきた日本人スタッフ(ショップマネージャーの雰囲気)に代わったので、意思の疎通に不自由は全くありませんでした。4色のミニ缶はセット販売で、全てフレーバードティーでした。ピンクのマリーアントワネットは日本未輸入フレーバー(グリーンのヴァンドームも限定っぽい感じですが...。)だそうで、外観といい中味といい土産にピッタリのアイテムではありませんか。メインターゲットは、冗談抜きで、日本人観光客かもしれませんね。

 4種それぞれに量り売りもあって、説明と同時進行で、実際に茶葉を見て、香りのチェックも出来ました。フレーバードティーはほぼ卒業の我家には、正直なところ、缶の中味が購買欲に影響する状況ではありませんでしたが、一応、ものすごく苦手な香りが無かったので、缶のみではなく中味をちゃんと楽しめる買い物となりました。もっとも、25グラムという少量です。茶葉の好みとは無関係に、食指が動くパリ土産.....我ながら、見事な鴨ネギ観光客だと自覚しました。
(そういえば、マリアージュ・フレールでも昔はこのサイズのチビ缶があって、とりあえず感覚でいろんな茶葉を試し買いしやすかったものでしたっけ。)

 スタッフは丁寧で、かつフレンドリーでした。
 店は出来て間もないという話で、店内の雰囲気も確かにフレッシュな快適さが漂っていたきがしますが、マリーアントワネットがお茶に香料を落として飲んだことにまでさかのぼって『はじまり』が語られているNINAS parisのHPによると、ニナスはずっと前からこの場所にあったようで、店は新規オープンではなくリニューアルしたニュアンスも伺えます。
 元々の取り扱いアイテムは香料、そして、珈琲.....いつから現在のスタイルでパリにあるのかはやっぱり不確かです。 日本で定着した“パリ生まれの紅茶”が、需要に応えて現実化したという推測は、当たらずとも遠からずかもしれません。

 今回の旅に備えて用意した数冊のガイドブックにはニナスの紹介はなく、現時点では、パリのショップは日本のニナスほどポピュラーでは無いのかもしれません。(日本の)ニナスのお茶ファンが、パリのショップをにぎわすのはこれからでしょうか?

 日本での縁が無いにもかかわらずパリでショップに遭遇して、限定アイテムの引力に身を任せてきた我家は、これが切っ掛けで日本でもニナスとのおつきあいを始めるかといえば微妙ですけど(メインアイテムがフレーバードティーのようですしね。)パリの店の印象は大変良かったです。店内撮影にも快諾を頂けました。
 色違いのチビ缶セットが発売されているかも...なんてことに興味をひかれて、機会があれば、次もまた立ち寄ると思います。
 
 手頃でキュートな紅茶セットがパリ土産になっても違和感のない時代になりましたね。

                                                        

                                         10/12/05 

Betiman and Barton

 お待ちください。