トマムのメインダイニング（と、パンフレットでは紹介されています。）ルミエールは、ひと頃に比べると、夕食営業の確率も高くなって来ました。
　2003年の冬は、月替わりのメニューも用意されて、シーズンを通しての営業が予定されているようです。機会を捉えて、ぜひ利用してみましょうということで、Vol.3とVol.4ではコース内容とは無関係にお料理のバリエーションの御紹介です。
　ちょっと敷居が高くなった、朝食も一部UPしました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　02/11/29　

星野リゾート単独運営後、ルミエールは雪花（後にプラチナムに改名）にメインダイニングの役割を譲渡して実質閉店となりました。繁忙期対応のビュッフェレストランとして現存しています。09/03/05

朝食
　2002年の春、ルミエールの朝食メニューにふたつの変化がありました。
　嬉しいことからお話すると、ひとつめは、セットメニューが2パターンから3パターンに増えたことです。朝食券付きのプランでガレリアに3泊しても毎日全く趣きの違う朝ごはんが楽しめるということですね。

　右のイメージはBセットのメインで、新鮮な野菜と生ハムの盛り合わせです。ジュース(トマムエリア内の他の直営店ではサービスされない季節のジュース）、コーヒ（紅茶）、パンの他に果物、この時は巨峰とデラウェアが付いていました。テーマは“フレッシュ”というようなセットで、以前からあったBセットのチーズの代わりに、野菜の種類を増やしましたという内容です。
　このプレート、実は、全体像は下記の状態でして...葉っぱのてんこもりに見えますが、盛り上がった中味はアスパラやカブの温野菜です。きちんと歯ごたえも楽しめますから、ご安心くださいね。

　新たに加わったCセットは、カメラを持参していなかった為にイメージがありませんが、ユニークなオープンサンドのセットです。
　オープンサンドでイメージするのは、パンの上に具が乗せられたカナッペタイプのものですよね。パンと具のバランス次第では、食べる苦労が伴うので、わたしは余り得意ではないのですが...主人が2日続けて卵料理付きのAセットを選んだので、興味が優先してオーダーしたところ、カメラを置いて来たことが悔やまれるほどの“当たり”セットでした。
　数種類のパンと具が別々に出てくるのが、ルミエールのオープンサンドで、お皿に並べられたチキン、ハム、チーズや野菜は、丁度、中華の冷菜盛り合わせの洋風、ルミエールバージョンという感じです。ドレッシング、ソースも別添えで、手巻き寿司ならぬサンドイッチを好みでどうぞ、というわけです。薄めスライスのパンもあって、具を挟んでも食べやすかったです。
　そして、洋食のセットといえば、誰もがイメージする、卵料理付きのものが、Aセット。
　ルミエールの卵料理は日替わりなので、調理方法の希望は尋ねてもらえません。目玉焼きは大好きだけどスクランブルエッグは嫌いだという方は....言えば何とかしてもらえるかもしれませんが、その場合は単品メニューもありますから、スタッフとよく相談してくださいね。とにかくセットはお任せで、スタッフから“本日の卵料理”の説明があります。ベーコン、ハム、ソーセージのつけ合わせも決められていますから、ハムの代わりにソーセージに...などとは（わたしはつい口がすべりましたが）言わないようにしましょうね。

　例えば左はスクランブルエッグですが、 ソーセージもベーコンもハムの代わりにはならないんですね。ハム故にこそ、この盛り付けが完成します。一方、下のスパニッシュオムレツにハムを合わせたのでは（見た目が）重すぎます。
　見た目をバカにしてはいけませんよ。
　リゾート地域に限らず、都心のホテルや観光地の旅館でも、ビュッフェスタイルの朝食が主になって来ている今日、目でも味わえる朝ごはんには、そうそう出会えるものではないのです。そして、バブル全盛期、それよりもまだ昔にまで遡ってみても、１ケ所のレストランの朝食で、ルミエールほどのバリエーションが用意されていたレストランを、わたしは自分の人生の中で思い起こすことができません。

　印象に残る朝のひとときは、（滞在の）最後の仕上げというわけで、わたしはルミエールの朝食を高く評価している一人です。ゲレンデへと先を急ぐばかりではなく、ルミエールでの朝食に時間を割くことを、本編でもお勧めしました。

　ただ...これが変化のふたつめになるのですが、2002年の春、ルミエールでは朝食セットのお値段が変えられました。今までの1500円から2000円に..なかなか大胆な値上げです。

　トマム創業以来、直営、テナントの別なく、ビュッフェ、セットのスタイルも関係なく、朝食の値段は均一で、値下げする時もみんな一緒にでしたけど、ここにきて、ルミエールだけは別格となったわけですね。
　値上げを歓迎するわけではありませんが、本来横並びだったことの方が不自然なわけで、2000円というお値段を、わたしは高いとは思いません。
　残念なのは、別格になったことで、朝食券の無条件利用ができなくなったことです。（ガレリア宿泊プランに付いている朝食券は、ルミエールを含めた、全てのレストランで利用できます。）

　ガレリアの稼働率が高まるにつれて、同宿泊者の便宜を優先するということで、この数年、ルミエールの朝食営業はレストラン案内一覧に記載されない傾向がありました。
　そうはいってもお値段は同じというわけで、ルミエールの印字がない朝食券をルミエールで利用したゲストがいなかったわけではありません。キャッシャーカウンターには印字なしの券もちゃんと重ねられていました。
　ところが、価格差が生じると、話はややこしくなりますね。
　差額を払うことで食券の利用は可能という話を、わたしはスタッフから聞きましたけど、広くゲストには伝わってはいませんし、“（ルミエールの朝食は）ガレリアご宿泊のお客さまのみの御利用となります”というただし書きが記載されているエリア内マップまで登場したほどで（2002年8月）一般のゲストにとって、ルミエールの敷居が高くなったという印象は否めません。常にガレリアのゲストで満席というわけでもないのに...勿体無いですね。
　むしろ差額が生じることで、誰も彼もが眺望への興味で押し寄せるという心配は不要のはず...。
　支払うべき差額やガレリアのゲストが優先されることを明記するなどして、このステキな空間をもっとオープンにして欲しいものです。

　当面、当ページを御覧になった方には、事前の電話で混雑状況の確認をなさることをお勧めします。
ややこしくないのは、現金払いですね。朝食券は、ベイクブレッドやコンコでお昼に利用しましょう。チェックアウトの日で、もうトマムでお昼は来ないんだ、と言う方は.....大きな声では言えませんが、ルミエールのスタッフを頼りましょう。
　わたしは、トマムのスタッフの柔軟な対応に期待します。

　＊情報は、2002年10月に最終確認したものです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　03/02/07　

デザート

　
　 予定よりもコメントが長くなった為にページを変えての紹介になります。

　“ラ・ルミエール”でごはんを食べようVol4.1
を御覧ください。
　

スープ

　再び“同じもの”をリクエストしたい欲求と“あたらしい味”への期待とのはざまでグラグラさせられるのがルミエールのスープです。
　特に植物性のクリームスープはJUNの保証付き（好みです！）！
　ポタージュという言い方をしないルミエールのクリームスープは、トロリではなくサラリとした仕上がりです。豊かな香りと素材のしっかりとした味が堪能できるわりには、濃度は薄め...。強烈な印象を残しながらも、後を引かない潔さがあって、次の料理に影響するような残味がありません。
　でも.....液体のおいしさを見せるのは、難しいですね。
　たとえ、具沢山のスープであっても、外観に特別の美しさが備わるわけではありませんものね。

　そんな中で、敢えて“見た目”を紹介したくて、イメージを残したのが、スッポンのコンソメです。

　右の状態で出てきた時には『？』マークが点灯しそうになりましたが....これが、桜もちに見立てたスープの具なのでした。ピンクに染められた道明寺に包まれているのは餡ではなくて小さく刻まれたスッポンの肉です。実は皮（道明寺）のきめは細かく、弾力があって....十勝大豆の餡を入れて、ホントの桜餅としても食べてみたかったです。
　具の説明の後で、スタッフの手で注がれたのが、右イメージのスープ。色合いに比例して、風味も濃厚でした。
　過去にスッポンのコンソメにまみえたのは、結婚式の披露宴で何度か....くらいですが、その時は一般的なコンソメと大差がないように感じたのを思い起こします。でも、ルミエール仕様のスッポンスープは見慣れたコンソメとは色も味も大違い....。
　ちょっと、主張があるので、コクとくどさ...感じ方が別れるところかもしれません。

　わたし自身は、ひと口、ふた口....おいしかったものの、最後の方は少々ヘビーでした。実は...まだ飲み終わらない内から身体が火照ってきたので、驚きました。（いえ、ホント。）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　03/03/15