おそらくは、訪れたゲストの誰もが、ドアを開けた瞬間に快適な休日を予感するに違いない、ガレリアの客室です。
開業は、それでももう、ひと昔前という話になるのでしょうか。バブルの泡がポツポツとはじけだしたころのデビューでした。(その頃、バブル云々はわたしの認識の外、でしたけど...。)
ワンフロアーに4室、100?をこえる広さが自慢の客室は、ホテルとは正反対ともいうべき明るい色調でまとめられています。
双児タワーのガレリアは会員制度が導入されていて、後の噂では、そのうちの1棟は某保険会社がまるごと会員になるという話ができていたとか....。
噂の真偽はともかく、結果としては、現在は広く一般に解放されて、ツアーなどでもガレリア宿泊プランが出回っています。しかも、感涙ものの、料金で....。
都会の、ちょっとしたホテルの室料を考えると、この値段で利益が上がるの? と心配する声も聞かれますが、ひとり当たりの収益は低くなってもで稼働率が高くなれば、お商売は成り立つということでしょうね。
お陰で、開業当時、ここに宿泊することはないだろうなと感じた我が家でも利用できる施設になりました。ただ、門戸を広げた分、当初に目指したレベルの維持は難しくなったのは事実のようで、この客室からイメージするだけのサービスは提供されていないことを、ゲストは事前に納得しておいた方がいいかもしれません。
「スィートだってのに、コ−ヒ−一杯のルームサービスもできないわけ?」と眉をひそめる前に、(トマムサイドは決して、声には出さないでしょうから、代わりに言いましょう。)室料を思い出して下さいね。そして、贅沢なバスルーム(下、イメージ)を見れば、お茶を自分で買いに行く手間くらいどうってことないわ、という気持ちになれます。
右のイメージはベッドルームとリビングがひとつづつの、ふたり用の客室のバスルームです。
ガレリアの客室には異なるいくつかのレイアウトがありますがふたり用の室は16階以上になります。外観を見ると、まん中くらいから下が上の部分よりも太いのが分かるのではないでしょうか?
16階より下はベッドルームがふたつある4人用の部屋で、部屋もジェットバスのバスタブも広くなっています。(4人部屋の方は、バスタブの内部が2段になって、腰掛けることができるようになっていました。)また、ひとつのベッドルームの内側にはトイレとシャワーブースが余分についているので、ふたりにひとつ、の割り当ては同じですね。
バスローブ等の備品は現在も変わりませんが、バスタブの横に置かれていたテレビは、いつのまにかなくなりました。取り扱い上の注意事項があれこれと書かれていましたけど、やはり、装備する場所に無理があったのでしょうか? 昨年のパンフレットの中には、ジェットバスにつかりながら、テレビが見られるという説明があったようですが、パンフレットの案内は軌道修正以前のものがそのまま使われていることも少なくないようで、困りますね。
左は上と同じバスルームを反対側の入り口から観たもの。この部はバスルームをまん中に挟んで、ベッドルームとリビングルームが配置されていました。
手前のガラス戸がシャワーブースで、その向こうにサウナがあります。
シャワーはヘッドの角度は動くものの、個定式ですから、少々洗いにくいところも.....。しかも、ここで石鹸を使えるのはシャワーブースの中だけなので、ジェットバスでくつろぐのに相反して、シャワーブースの中では疲れます。
つい、お風呂用の桶と椅子が欲しくなるのは、わたしだけでしょうか?
ついでに言えば、備品のタオルは厚みもあるので、身体を洗うべくブ−スの中で濡らすと大層重たくなります。捨ててもいいような、薄いタオルを一枚持参、がお勧めです。
00/10/18
改稿日 01/07/30

補足
「景色は一流、味は二流、サ−ビスは三流」と言われる北海道の山に中に、ガレリアスイートタワーがオープンしたのは91年から92年にかけて.....日本経済のバブルがはじける直前の頃だったと記憶しています。
当時の紹介パンフレットには、贅をつくしたゲストルームのイメ−ジと共に、全てに一流を目指す意気込みが語られています。
マニュアルのない、サービス....。例えば、朝食はベッドルームで、例えばバースディーケーキをオーダーして、シャンパンで乾杯をなど、ゲストの都合や要望にしなやかに、完璧に応えるサービスを身上とする一方で、
レストランのドレスコードや予約制度は最上質の環境の為に欠かす事のできないこだわりだとしています。宿泊者でなければ、客室階には立ち入ることもできないシステムも導入されていました。トマムの豊かな自然を快適な滞在のためのエンタテインメントとして、窓からの眺めをアメニティーと位置付けて営業を開始したガレリアは、その後の、軌道修正が最も大きい宿泊施設です。
残念な言い方をすれば、目指していたものが定着するには力及ばず、好意的に見れば、時代と需要に対応すべく、スリムになったと言うべきでしょうか。
現在、ガレリアではルームサービスは行われていませんし、ゲストルームからはミニバーも消えています。ラウンジもバーもクロ−ズ状態です。一般論で言えば、スイートを名乗るに足る水準に達していないかもしれません。でも、多くのゲストが、トマムの自然に囲まれてガレリアで過ごした休日を、十分に価値のあるものと感じていると思います。
贅をつくしたおもてなしは、トーンダウンしていますが、スタッフの、おもてなしの心に軌道修正はありません。100uを超える客室、降り注ぐ星に抱かれてのバスタイム....ここにしかない快適さは健在です。
けれども、最後の仕上げはゲストの自覚...。
ああ、お願いだから、客室用のスリッパを履いてロビーを横切らないでね、と言いたいのでした。 >
01/02/14

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