4月 紹介の各レストランは閉鎖されました。09/03/05
積雪に恵まれた年でも、上旬でスキーシーズンはおしまい。なごりを惜しんで訪れるゲストの満足度が下降線をたどる4月です。
おそらく、1年の内で、もっともトマムが静かな月と言っていいでしょうね。
自称、中級者、とはいえ、実態は軽い雪と圧雪車が入ったコースばかりを目指すわたしたちが、楽しく滑ることができるのは、3月まで(それも、早い内)ですから、4月はいわば、春に備えて休む時期です。過去10数年を遡ってみても、4月にトマムを訪れた記憶がありません。
そもそも、スキ−シ−ズン後、4月の宿泊パックという商品はあるのでしょうか? 1泊2食にヴィズ入場券付き、とか...。この時期なら、ヴィズも一人占め状態かも...とはいえ、アクティビティーはヴィズだけみたいなものですから、油断はできません。それに、食事に関しても、クローズしているレストランが多いだろうことを覚悟しなくてはなりませんね。今年のスキーシーズンに、好評だったやま里もお休み中かもしれません。すいている時期だから、夕食の予約なんて不必要、なのも事実でしょうけど、行ってみたら、お目当ての店がクローズという確率も、4月は高いのです。
特に、2001年、冬期からは食券に対応したメニューが決められていて、原則、(差額を払ったりして)好みのメニューを選択することができなくなっているようですから、営業中の店が少なくなれば
食の充実を誇るトマムといえども、満足できるかどうかは、危ういところです。未確認情報ですが
昨年4月にヴィズが目的でトマムに1泊した知人の話ですと、夕食券には海鮮市場だけしか印字されていなかったとか...。宿泊客が少なければ、あり得る話かもしれませんね。
寂しい話ばかりで、営業妨害になっても困りますが、4月には定期点検の為にヴィズがクローズする時期もありますから、予定をたてる時は要チェックです。あまりの安さにめまいを覚えて、注意事項を見逃したりしてはいけませんよ。(隅に小さく書かれていることが多いですものね。)
でもね、4月には4月のとっておきもあるはずです。
そのひとつが水芭蕉です。実は、現在は季刊になっている「苫鵡の達人」は94年1月から4年あまり、毎月20日頃に発行される情報紙でした。当然、4月号もあるのですね。で、その頃の4月20日号にはどんな記事が掲載されていたかというと94年の大特集を筆頭に95年、97年、98年に水芭蕉が取り上げられています。(我ながら、物持ちがいい。)94年はなんと「水芭蕉仙人」という小説仕立てで、水芭蕉のことがあれこれと説明されていました。その、仙人からもらったという苫鵡水芭蕉分布図まで、紹介されています。分布図は翌年も、その後もリサイクル掲載されていますが、水の教会近辺やホテルの裏手の散策路などがポイントのようです。
左は5月のもので、残念ながら花の時期はほとんど終わっていますが、トマム独特の巨大な水芭蕉がイメージできるでしょうか?(ちなみに花が終わった後、巨大化した葉っぱの群れは、ちょっと別の世界に迷い込んだ気分になります。)
夏の尾瀬よりずっと早く見頃を迎えるトマムの水芭蕉は、98年には4月なかばには花が楽しめたようです。通常、ピークはゴ−ルデンウィ−クの頃と言われていますが、若々しくも、エネルギッシュな水芭蕉を、静寂の中で観賞するのもいいでしょうね。実際に、ゴールデンウィークにゴルフコースに出た時には、見頃というより、開花後、時間が経ち過ぎたという印象が残っています。
もう少し、早ければ、美しかっただろうと...。
また、毎年3月20日号と4月20日号では、山菜や野鳥、トマムの森の動物たちの話題が豊富です。
世間では桜も終わって、新年度故の特別な気分もさめる頃、トマムでは遅い春が動き出すということで、天然記念物のクマゲラの撮影に成功! とかエゾクロテンの出現、とか、エゾモモンガに遭遇とか.....。スキーシーズンが終わって、4月下旬のゴルフシーズンの到来までの狭間、トマムはその本来の住人(?)たちで賑わっているのでしょうね。
なにをするという目的を持たずに、トマムの森に身を置いて、雪解けの水音に耳を傾けるのは、
とても贅沢な休日かもしれません。(贅沢すぎて、いまだに未体験ですが...。)ゲストが急増するゴールデンウィークに先立って、そのままのトマムを覗きに行けば、いろんな発見がありそうです。
そして、そんな希有な贅沢休日の締めくくりは、やっぱりおいしいもので...。
個人的には夕食券は付けずに、選択範囲を広げたいところです。ルミエールは営業していなくても個室で対応してくれますし、やま里がお休みでも三角でてんぷらは揚げてもらえます。(カウンターはないですけどね。)トマムの山で採れたての山菜を軽く揚げてもらえば、口の中にも春が一杯!
リクエストは事前に余裕を持って、が原則です。目の回る忙しさから解放されたスタッフが まとまった休暇をとるのも、4月! 対応できないことに腹をたてたり、無茶を言ってはいけません。
自然と向き合うおだやかな気持ちで、できうる限りのおもてなしを期待しましょう。
01/03/28
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