画面のレイアウトが乱れる方へ

 

 

おことわり
 ここではその気になれば誰でもが購入可能なものを中心に取り上げています。
 
全国に普及していると考えられるもの、お店が発送を受け付けてくれるものを選んでいますが、一度注文したら、次回からは顧客番号で..などという「通信販売」のシステムが整備されているわけではありません。また、発送専用の電話番号もないところが大半で、各店の電話番号を記載することに、わたしは抵抗を感じます。 代わりに、店の所在地や出店しているデパート等をお知らせしていますので、興味のある方は、後少し、手間をかけていただければ幸いです。
 なお、各店のHPアドレスに関しては、確認日時を明記しました。

 
                    00/09/27(改稿 02/09/30 )



 

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ザ・リッツ・カールトン大阪の「チョコレート」

 海外のブランドチョコブームがさめやらぬ中、満を持して、国産高級チョコレートの新登場です。

 とはいえ、リッツ・カールトンブランドが国産のイメージに結びつくかどうかは微妙ですし、レシピが純粋に大阪オリジナルのものなのか、各国共通のものなのかは未確認です。でも、日本人パティシェ(ショコラティエはいないとのことでした。)の手で生み出された、キューブ型の8種類のチョコは、昨今のバレンタイン会場を賑わす各国のどのチョコレートとも異なっています。
 
 イメージはチョコをクリアに撮るために薄紙を取り外していますが,それでも、パッキングの重々しさは伝わるのではないかと考えます。
 4個入り以上は,蓋が上に開くタイプで、文字通り宝石箱を思わす仕様です。
 スウィート、ミルク、ホワイトのクーベルチュールチョコレートと、粉糖、さらめ、金箔等、表面の仕上げは異なるものの、お揃いの形の美しさは見事! この美意識は、やはり純国産かな....。
 余談ですが、ホテル内のグルメショップで販売されているチョコレートは、球形です。

 このチョコレートの販売情報を読んだ時、2個入り800円という価格に少々驚きまして...で、関税上乗せ価格かしらとも思ったのですが、実際にはホテルメイド。関税とは無関係の価格でした。安いとは言えませんが、現物を見て、なんとなく...よろしいんじゃないですか...という気分になりました。
 
 割と、大きめサイズだったのです。
 例えば、当サイトで紹介しているピエール・マルコリーニメゾン・デュ・ショコラのページを見ていただくと、一粒の体積の差がよく分かるかもしれません。カットしたチョコを同じ小皿に乗せてみました。小皿の空白からチョコの大きさを計ってくださいね。

 ごく薄いクーベルチュール(左下イメージ。綺麗にカットできませんでした。)に包まれたフィリングは、滑らかなガナッシュが主体です。
 ピュアチョコレート、オレンジ、アールグレイ、カラメル、コーヒー、シャンパン、バニラ、ヌガーの8種のうち、ガナッシュでないのはヌガーだけかと...(食べていません。)わたしの苦手なプラリネフィリングはありませんでした。
  それなら、どれもがおいしそう...ではあるのですけど...とりわけ、アールグレイとカラメルに興味を惹かれました。アールグレイは粉糖(左カットイメージ)、カラメルはざらめ(左上イメージ。隣はコーヒー)仕上げです。フレーバーとしてはオーソドックスですけど仕上げが珍しい! 当然風味に特色があるはずです。
 そこで、何はともあれまずそのふたつを...と思ったところ、 フレーバーの選択ができないという壁にぶち当たりました。
 チョコレートはパッキングされた状態でショップに届く為、 決められた組み合わせでの購入.....2個いり、3個入り、4個入り...と先に紹介したフレーバーの順に種類が増えていくというわけで、アールグレイは4個以上の、なんとヌガーは8個以上のセットを買わなければついてこないんですね。ヌガー大好き!なゲストにとっては悪夢かも?

 その時は、仕方なく、4個入りで手を打って,アールグレイをゲットしましたが、粉糖とミルクチョコレートの甘みの中から香り立つアールグレイの香りと、とろけるガナッシュは期待通りの特筆すべきコンビネーション!
  おいしかったです。自動的についてきたピュアやオレンジ(これが基本のようで、すべての組み合わせのはじまりです。2個入りはこのふたつ。)がおいしくないという話ではないのですが、わたしの好みでランクをつければ、上位と下位に分断されます。同価格、いえいえ、数十円の差があっったとしても、選べるのなら、ピュアよりはアールグレイを購入します。
  リクエストに対応できないのは、衛生上の理由と聞いていましたから、時間的な余裕があれば,好みの組み合わせでのパッキングは可能なはずと、わたしは考えました。疑いもなく信じていた(何しろ、リッツ・カールトンですから...。)と言ってもいい状況で、問い合わせたところ、予想に反してできないという答えを得て、正直、驚きました。

 ホテル内でホテルのパティシェが作っている商品のリクエストができない理由が、理解できませんでした。
 これで、例えば欧米ののゲストの支持を得られるのかしらとさえ感じましたが、数時間後の結果が右のイメージです。アールグレイとカラメルが2個づつ...本来の組み合わせのピュアとオレンジと差し替えていただきました。
 
 ブティックで、喚いた結果ではありませんよ。
  諦めて6個入りの購入手続きをした後、他の用が済むまでの
取り置きをお願いしたのですが、数時間後に受け取りに寄ったところ、話が変わっていたのでした。

 切っ掛けは、グルメショップのスタッフとの会話だったと、推察します。
 グルメショップで、ケーキと一緒に球形のチョコレートを数種購入する際に、ブティックのチョコとの相違に付いて話がでたのです。(だしたというべきかもしれません。)ブティックのチョコは選べないのが難だと言うわたしに、ショップのスタッフの見解は「時間をいただければ...。」というもの。
 あら? それでは、話がちがうんだけど? どのくらいの時間が必要なのかしら? どこにリクエストすればいいのかしら?...と、わたしは尋ねました。(この時、主人は、この諦めの悪いゲストとは無関係ですとばかりに、さりげなく、わたしから離れてます。)グルメショップのスタッフは、パティシェとも連絡を取ったうえで、1週間の余裕があれば、確実にリクエストに対応できることを確認してくれました。在庫がゼロの状態で、最初から作ることを想定した場合の余裕であって、3日前なら無理ということではなさそうです。

 その数時間後に、ブティックのスタッフからわたしは、10分程度の時間と引き換えにフレーバーの差し替えの提案を受けたのでした。(右上イメージ)
 今後もちろん、 事前に(余裕を持って)リクエストすれば、好みのフレーバーの組み合わせも可能と言う説明を、改めて受けました。
 
 少々大層なことになりましたが....世界の一流を自負するホテルですもの。フレーバーを選べないって、変だと思ったよね〜、と、結果に100パーセント納得したあとで、ちょっとおまけの疑問が点灯しました。

 グルメショップのスタッフがチョコレートブティックにわたしの話を持っていったとして、そのわたしが、昼間ブティックで6個入りのチョコを買って,夕方に引き取りにくる予定のゲストと、同一人物と見なされたのはどうしてでしょう...? 
  ブティックでは名前を言いましたが、ショップでは固有名詞は出していませんから、繋がった根拠は...チョコのフレーバでごねたゲストは、この日、わたししかいなかった...?(主人の推論)

 他の日でも、フレーバー差し替えの,問い合わせはあっても、強烈な要望はなかったのかもしれません。
 そう考えると、最初に「できない」と答えたスタッフの対応も頷ける気がします。 わたしも、かなり具体的にではありましたが、問い合わせたにすぎませんから...。

 穏やかな(と、わたしは思っています。)問い合わせの中に、執着を見抜いたグルメショップのスタッフがすごかったのかもしれませんね。それにしても、臨機応変、さすがに...と言いたくなるホスピタリティー。
  設えも味もサービスも、そろい踏みでの質の高さに、ため息ものエピソードでした。

                                   
                                        06/04/30 

 

 出会いから数年間、リッツ・カールトン大阪の四角いチョコは、国内外の他のどのブランドチョコとも違う個性を持って、わたしたちを強く惹きつけました。

 頻繁にと言うわけではありませんが、このチョコが食べたくなってホテルまで足をのばしたものでした。例えばバレンタインシースンには世界のチョコがよりどりみどり状態ですし、数年前までは東京からの取り寄せが必要だったジャン・ポール・エヴァンもメゾン・デュ・ショコラも梅田のデパートで帰る時代になりましたが、リッツカールトンのチョコレートは、それらのどれとも似てなかったんですよね。パリのボンボンショコラの様な薄いクーベルチュールにベルギーチョコのボリューム、シャボネール・エ・ウォーカーのコーヒートリュフの口当りのような、滑らかだけれど柔らかすぎないフィリング...などなど、(わたしにとっては)いいとこどりのお得チョコだったんですよね。
  しかも、我家がリクエストしてきたのは、粉糖やザラメで仕上げたフレーバーで、まず最初に(砂糖の)甘みから味わうというレアバージョン。いわゆる他では無いものでした。

 ブティックの一角にあったチョコレートショップがリニューアルして、専用のコーナーが出来たという案内を受け取ったのは少し前のことでした。
 あ、単品販売がはじまったか、前もってフレーバーのリクエストをしなくても良くなったか...などと期待しつつ、1ヶ月余りの後に立ち寄ったわたしは、(グルメショップの方で発売されていたチョコレートも含めて)商品のラインナップがすっかり変わってしまった現実にショックを受けたのでした。

 元のブティックと場所を入れ替えるかたちでリニューアルされたグルメショップの奥、ガラス扉で仕切られてあるチョコレートブティック内で発売されていたニューフェイスチョコが、右側のイメージ。

 かなり小さくなりました....。フランスのボンボンショコラサイズ...よりは少し大きめというか、厚みがあります。
 こだわりは口溶けの良さという話のとおり、フィリングは非常に滑らかです。滑らかすぎて口に留まる間もないというくらいでして、これはこれで大変特色のある食感であることは間違いありません。クーベルチュールも極薄で、ハイテクニックの賜物なんだろうなと...。ただ、ボンボンショコラにこの口溶けは......好みはハッキリ分かれるかと思います。チョコ味の生クリームのようなフィリングの口溶け感は、過ぎたるは...の好例にも思えて、我家では、チョコレートとしては物足りないという意見で一致しました。

 おいしくないという話ではありませんよ。
 他とはかなり違うという共通ポイントを持ちながら、それが(これまでのものとは)真逆の特徴なわけですから、ツボからずれるのがあたりまえなんですよね。言い換えれば、今後は、このチョコでなくちゃ!と言う熱狂的なファンにささえられるかもしれませんね。

 ただ、新たに登場したチョコレートブティックは、利用にストレスが伴います。
 わたしたちが、夜にグルメショップに立ち寄った時に、仕切られたチョコレートブティック内は無人でした。スタッフはケーキやマカロンのショーケースとその横のレジカウンターの内側にいて、チョコレートブティックは、中に入ってしまうと完全な死角です。(どこかに、防犯カメラがちゃんとあるのかもしれませんが...。)チョコレートのラインナップが全く変わってしまっていることにショックを受けつつも、新商品にもわたしの食指は動きました。でも、スタッフはいない....。銀色の小さいトレイやトングが何カ所かに詰まれているので、パンのようにチョコレートも自分でとってレジに持ってこいと言うことかしと思いもしましたが....まさかね、ということで、その日に食べるものでもないので、翌日、帰り際に出直しました。

 スタッフは前夜のとおりにショーケース内に二名、そして、もう一人、チョコレートブティック内で、お客に応対してました。入室すると、(次に注文を聞くので)少しお待ちくださいと言われました。
ゲストの注文を聞いて、チョコレートを取るのは、やはりスタッフの役割だったようです。

 選ぶのにそれなりの時間がかかった先客のチョコが全てトレイに並び終わったところで、スタッフは手書きで伝票をつくり、それを持って先客をレジに案内すべく出て行きました。で、スタッフが一人で戻ってきたので、わたしの番かと思いきや、もう少しお待ちくださいと....。スタッフが(先客の)チョコレートの箱詰め、リボン掛けをして、できあがった商品を外のゲストに届けるべく持って出て、戻ってきてから、やっと、お待たせしましたと、買い物をさせてもらえることになりました。
 わたしも,先客と同じ手順を踏まされました。大変丁寧な接客でしたが.....これ、三人目だったら、待てるでしょうか?
 
 不十分な環境で(スペースの狭さ、スタッフの不足)接客のクオリティにこだわりすぎると、三人目と言わず二人目でも、不快の種が蒔かれそうな気がします。

 現状では、チョコレートブティックで接客しているスタッフが、一人のゲストに最初から最後まで(レジは別)付き合っていられる余裕はないんですよね。注文が決まったら、伝票をゲストにわたして、外のレジで清算後に、商品を取りに(チョコレートショップに)戻ってもらえばいいところを、丁寧な『ごあんない』の結果、時間ばかりがかかりすぎている印象です。レジの前(列の最後)まで一緒についてきてくれなくていいから、チョコレートの箱詰めを始めてくださいなと言いたくなりました。
 だって、(数人並んでいた)レジで支払いを終えても、ラッピングはまだ出来なくて、左上の商品を受け取るのに、わたしは(店内で)待たされたんですから...。
 
 買うのに待って、受け取るのに待って.....いえいえ、レジが混んでいたりしたら、今度は商品を持ったスッタッフが、ゲストの清算が終わるのを待って...次のゲストは(チョコレートブティック内で)戻ってくるのが遅いスタッフを....もう待たないでしょう? 

 丁寧な接客が裏目に出ない為にも、見直しが行われることを期待したいものです。


                                    13/05/10 


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