画面のレイアウトが乱れる方へ   バックナンバー




 3年前、5年前、それよりももっと前.....以前にアルファリゾートトマムでいい時間を過ごした経験をお持ちになっていて、 今度、久しぶりにまた、トマムで遊んでみようかと考えていらっしゃる方を対象にしています。
 トマムは初めて...と言う方は本編「アルファリゾートトマムで快適に遊ぶ為に」と合わせて御覧ください。

 
おことわり
 コメントは、数多いゲストの内のひとりとしての見解です。
 これまでわたし自身が見聞きし、経験したことを根拠に発言していますが、トマムは運営体制を含めて、この数年、流動的でした。当サイトのトマム情報をご利用になる時には、多少の変化があることを前提にとお願いして来ましたが、2005年10月を堺に、ここで提供して来た情報の大半が有益なものではなくなります。新たな運営会社は、自社の価値観に基づいて、新たなトマムを構築するようです。

 バックナンバーマークの付いたページのトマム情報は、2005年10月以前の『在りし日のトマム』の記録として,ご覧ください。


                                   05/11/21(改稿) 
      

 朝食に、おいしいパンがでてくる確率 バックナンバー       リストに戻る

 
スキーシーズン、あるいは、夏のピーク時にトマムを訪れたなら、雪質や景観だけではなく、トマムの食の充実度を評価されるゲストも少なくないのではないでしょうか。個々の店の(一部を除いて大半は)規模は大きくはありませんが、料理のカテゴリーだけではなく、価格や雰囲気まで、実に様々です。予約が必要な店、予約はできない店、スキー靴のままでも利用できる店、スキー靴でさえなければ大丈夫な店、できれば足下にも気を遣った方がいい店など、慣れないゲストにとっては迷ったり戸惑ったりで、時にはマイナスポイントになりかねないレストランの多様性は、滞在型リゾートとして計画されたトマムならでは、のものかもしれません。

 でも、20を超えるレストランやカフェが最初から揃って登場したわけではありません。
 スキーツアーで初めて訪れた当時は、ルミエールアプリコはもちろん、フォレスタモールもその姿を現してはいませんでした。稼働中の宿泊施設もレストランも、一般的な規模だったと思います。それでもわたしたちは、来年は**リゾートに行ってみようか、ではなく、来年もまたトマムに来ようと話したものでした。

 それから10数年遊び続けた今となっては、慣れた場所故の快適さに加えて愛着もありますから、なかなか他所との縁が結びにくくなってしまいましたが、そもそも、自分達はトマムの何にポイントを置いて、リピーターへの道を歩み出したのだろうかと考えることがあります。
 北海道というエリアで選べば、上質の雪や雄大な景観、広いゲレンデは、トマム以外でも期待できることなのに、実はわたしたちはトマムに出会って以来、冬期はトマム以外のスキー場では泊まったことがないのです。
 別のページでも触れていますが、トマムは好き嫌いがハッキリと分かれやすい場所ですから、結果として相性が良かったということになるのですけど.....何か、具体的な心当たりはというと、やっぱりゴハンがおいしかったからかなあ〜と言えそうです。

 ここで言う、ゴハンは夕食ではなくて、朝ゴハンのことですね。
  過疎地に開発中のスキー場のイメージを覆す夕食にも満足はしましたけど、夕食券に差額をプラス(原則、今はできません。食券の利用制限についてをご覧ください。)しての、贅沢三昧の晩ゴハンでしたから....満足するのは当たり前、なんですね。都内との価格差はありましたけど、道内の基準では安いわけではなかったですしね。満足の度合いはともかく、同じお値段を出せば、他所でもおいしい夕食は期待できそうです。
 でも、 朝ゴハンは、そうはいきません。アラカルトメニューも用意があるホテルもあるにはありますが、朝食の基本はビュッフェか定食か.....。お値段の違いは土地価格の違いかと思える程、味や内容はどこでも似たり寄ったりなんですね。朝食は夕食のようには選べないのです。
 例えば、旅行でホテルに泊まったとして、夕食は地元で人気の**へということはあっても、ホテルの外に朝ゴハンを食べに出るということは、まず、しないですよね。つまり、朝食は、宿泊したゲストが必ずといっていいほど関わるもので、朝食はホテルの印象に大きな影響を与えるものだと、わたしは思っているのですが、国内のホテルに限って言えば、その意味で、いい印象を抱いたホテルは、本当にわずかです。
 そして、トマムは、そのわずかなホテルの中のひとつでした。



 フォレスタモール内にあるアーリーバードでは、昨シーズンから天然酵母パンをアピールしています。これまでのディニッシュに加えて、素朴な味わいが楽しめる食事パンが増えました。期待しましたが、相当かたい仕上がりです。テイクアウトして翌朝の朝ゴハンに...は向かない気がします。数種類のディニッシュは、(一時期カフェ・アビチでも販売されていましたが、今はアーリーバード専売)いつからかビニール袋に入れられた状態で販売されるようになりました。せっかくのサクサクした食感が損なわれやすくなって、20パーセントマイナスのおいしさ、でしょうか。やっぱり、店で食べたいものですね。

 同じくフォレスタモールにある、直営店ベイクブレッドは、焼き立てのパンが店内で味わえるレストランです。小さめのパンは6種類ほど。
 オープン当時は、パンとサラダと飲み物がセルフで、スープとポテト料理は厨房で用意されて各テーブルにサービスされていましたが、ゲストと厨房のペースが噛み合わない場面に幾度か遭遇しました。席についてから(料理が出るまで)時間のかかる店だったのです。今は改善(?)されて、完全なビュッフェスタイルを取っています。
 焼き立てパンが売りですが、卵料理、ハム、サラダ等、洋食の定番は用意されています。
 パンも余裕を持って焼かれるので、焼き上がるのを待ってちょっとイライラ、ということは(多分、ほとんど)なくなりましたが、パンが十分に揃っていない時は、運の悪さを嘆かずに、焼き上がり待ちをしましょうね。まさに焼き立て、粗熱をとっただけの温かいパンは、待つ甲斐ありのおいしさです。

 右のイメージは、夏期限定営業のアウト・ドア・カフェでサービスされる食事パンです。
 粉の甘さと弾力のある口当たりが特徴で、ディニッシュとはまた別のおいしさがあります。横並び傾向のトマムの朝に新風を吹き込んだかのような、素朴だけれど絶妙な風味には、感動がいつまでも付いてきます。
 リゾートセンター内のT-DOGでパン作り体験ができますが.....このおいしいパンを作って持って帰ろうと思ったら、「あれは技術が活きるパン、お客さまにはセンスの活きるパンを作っていただきます。」と言われてガックリ。ごく短い期間だけしか味わえない幻のパンですね。
  とても運がよければ、残り物がT_DOGの受け付けの近くで販売されていることもあります。



 わたしたちがまだトマムに不馴れな頃、 ホテルでの朝食営業レストランはやま里カメリアコーナーでした。 やま里は和定食、カメリアコーナーは、アメリカンブレックファーストのセットメニューだったと思います。(もしかしたら、洋食ビュッフェだったかもしれません。)
 既に観光地のホテルや旅館でも、朝は和洋中、何でもありのビュッフェスタイルがスタンダードになっていた頃ですから、やま里の“あったか〜い日本の朝ゴハン”もインパクトはありましたが、 もっとうれしかったのは、パンがおいしかったことでした。トマム御自慢のベーカリー、アーリーバードの自家製パンですね。
 トマムのエリア内、直営店で出されるパンは、すべてアーリーバードで焼かれている、というような話を見聞きした記憶をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、それは当時(まだバブルははじけていませんでしたが...。)でも、感動に値することだったと思います。
 ベーカリーが併設されていて、ホテルメイドのパンを販売しているホテルでも、朝食レストランで自家製パンがサービスされていたかどうか.......少なくても、バターの風味が指に残るような、半透明の薄い生地が重なるデリケートなクロワッサンは、当たり前に出会えるものではありませんでした。
 トマムの方でも自家製パンには自信を持っていたように思われます。と、いうのも、タワーのロビー階にあるアザリアでは、ジュースとヨーグルト、コーヒー、それに自家製ディニッシュパンのみというコンチネンタルスタイルの朝食がサービスされていましたから。ディニッシュのおかわりは自由でしたけど、スキー場でのこのシンプルな朝ゴハンは、なかなか大胆ではありませんか。朝食券(当時は1700円)に対応してましたから、お値段はやま里カメリアコーナー(パンは甘くない食事パン)と同じです。アザリアディニッシュの味で勝負していたのでしょうね。
 そして、わたしたちはトマムの仕掛けた勝負に白旗を揚げて、他所への浮気心を封じられたというところでしょうか。
「**に行ってみるのもいいけど.....でも、朝はごちゃまぜビュッフェかもね〜。」と主人と話したことを思い出します。

 でも、残念なことに(というのは、主観で、店とゲストとの利害が一致した結果の傾向だとは思いますが...)トマムの朝食もいつの間にかビュッフェが主流になってしまいました。直営店、テナントを含めて、ビュッフェではない朝ゴハンが期待できるのは、ルミエールとオフ期のカメリアコーナーといったところでしょうか。
 ビュッフェを悪いとは言いませんが、お値段は、例えばかつてのやま里の和定食と同じどころか200円安くなっているのですから(現在、朝食券が利用できる朝食のスタンダードは1500円)品数も量も豊富に用意されるビュッフェに、セットメニューやアラカルトと同レベルの素材は期待できませんよね。
 それでも1500円と思えば、納得できるものが提供されていると言えそうですが、納得しても折り合いが付かないのがパンの味!
 トマムを、他の多くのホテルとは別の位置に印象づけた、アーリーバードのおいしいパンは、ビュッフェでは出会えませんし、いつからか(主人がいうには、朝食料金が下がってからだと...)外注のパンの質も下がった気がします。パンにこだわらずに、そばやお粥を選べば問題はないと思われるかもしれませんね。だけど、今朝は量はいいからおいしいものが食べたいと思う時に、右も左も、あっちもこっちもみ〜んなビュッフェというのが問題なんです。
 
 スキー場の朝ゴハンなんだから(ついでに言えば1500円なんだから)と、諦めてはいけませんよ。
 ひと昔前のように、 トマムのレストランで出されるパンはアーリーバードで焼かれたものという法則は崩れましたが、おいしいパンが全滅したわけではありません。

 タワーからフォレスタモールに向かう途中のスカイウォークの中にまで、パンが焼かれている香ばしい匂いが流れてくることがあります。レストランでお目にかかれなくても、自家製パンのテイクアウトができるアーリーバードと、店内での焼きたてパンが食べ放題のベイクブレッドがいい匂いの源です。朝食券を利用できる店のなかでは、今や唯一パンで勝負しているベイクブレッドは、スポルトアビチガレリアのゲストにとっては位置のハンデがある為、朝1番のバスで移動しても店の前で待たされるという....利用したいけれど利用しにくい店ですね。
 そのかわり(にはなりませんが)スポルト内のモンドールでは、パニーニサンドを買うことができます。自家製ではないかもしれませんけど、オーダーを受けてから焼いてくれるサンドイッチの温かさととろけるチーズの食感は、何でもありのビュッフェでは味わえません。重ねて言いますが、ビュッフェを毛嫌いしているわけではありません。せっかく数あるレストランに特色がなくなるのが残念なだけです。
 一方、特色と言う点では今や聖域の感があるルミエールでは、3パターンの洋食セットメニューにアラカルトが用意されていますが、通常は自家製のパンがサービスされます。時々、非常に混み合っている時期には自家製パンが間に合わなくなることもあるようで、アーリーバードのでなきゃ困ると言う方は、オーダーの前に確認なさった方がいいでしょうね。他の店よりもグレードが高い分だけ、パンで手を抜いて欲しくはないのですが....もしもの時でもトーストへの逃げ道が残されているので、ご安心ください。表面がカッリと焼かれたトーストにバターとフルーツジャムをたっぷりぬって、ということができるのはルミエールだけです。
 ただ、朝食券に対応してエリア内の朝食は全て均一だったのは“このあいだ”まで。今は各セット2000円
ルミエールは、ガレリアの宿泊ゲスト専用の朝食レストランとして案内されるようになってしましました。
 出発の日の朝、お馴染みのビュッフェでお腹いっぱいになるよりも、ルミエールで朝の1時間を過ごす方が、インパクトは強烈だと思うので、一度は利用をお勧めしたい店ですが、値上げはともかく、案内をしないのは残念ですね。
 このルミエールと雰囲気は対極にありながら、インパクトの強さではひけをとらないと思えるアウト・ドア・カフェでも“やみつきになりそうなパン”に出会えます。今のところ夏期限定の店ですが、冬になっても、このパン、どこかで食べさせてと願わずにはいられません。

 エリアは広く、おいしいパンへの道のりは遠い....。
 労力を惜しむと、朝の感動には縁遠くなります。がんばりましょう。